【多文化社会に生きる】シンガポールの冠婚葬祭トレンド

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多民族・多文化国家であるシンガポールには多種多様な慣習が存在します。そのため、それぞれの宗教・伝統文化を尊重した冠婚葬祭システムが構築されています。

今回はそんなシンガポールの冠婚葬祭をテーマに、最新情報をお届けしていきます!気になるシンガポールの最新・冠婚葬祭トレンドとは?

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シンガポールの婚姻制度って?〜冠婚葬祭事情〜

シンガポールにおける婚姻届(ROM: Register of Marriage)は1961年9月15日、女性憲章の規則制定に基づいて制度化された。なお、シンガポールは多宗教国家であり、イスラーム教徒の婚姻登録については別にROMM(Registry of Muslim Marriages)がある。

1983年時点では、ROMとROMMの窓口は同じ建物に併設されていた。2000年にはオンライン予約の導入により、登録の予約が24時間365日行えるようになった。

新施設の建設や公式ロゴの作成、そして2011年6月14日には「ウェディング・イン・ア・パーク」をテーマにリニューアル。人生の新たな門出となるイベントを迎える新郎新婦と家族をサポートしている。

シンガポールで人気の婚姻届け提出日は?〜冠婚葬祭事情〜

シンガポールで婚姻届を提出するのに人気が高い日は、「Double Date」という日付がゾロ目になっている日や、中秋の節句などの “めでたい日” だ。そのため、日本とは違って平日に結婚披露宴やパーティーを開催するカップルも多い。

なお、下記の日付がROM施設の休館日(土日祝日)に重なる場合は、婚約届承認のライセンスを保持する者が代行して婚姻届の受理を行う事も認められている。

ROMが発表している2018年度の人気婚姻届日は下記の通り。

  • 「ゾロ目の日」:3月3日、4月4日、5月5日、6月6日、7月7日、8月8日、9月9日、10月10日、11月11日、12月12日
  • 祭日:9月24日(旧暦の8月15日: 中秋の節句)
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シンガポールの結婚に関するトレンド〜冠婚葬祭事情〜

2016年の婚姻届提出件数は27,971件で、2015年と比べると約1.2%の減少となっている。イスラーム教徒の結婚数は増加したものの、それ以外の件数が減少した結果だ。

年代別の傾向としては、男女ともに30歳以下が減少、30~34歳が増加している。女性の平均初婚年齢は、2006年に29.7歳、2016年は30.3歳。この10年間でやや晩婚化の傾向がみられる。

異民族間の結婚は2016年で21.5%の割合を占め、10年前の7.6%から約3倍近くに増加している。特に、片方がイスラーム教徒である結婚にこの傾向が高く見られる。イスラーム教徒の結婚のうち33.9%が異民族間の結婚である一方、それ以外では18.2%であった。

シンガポールの限られた国土での埋葬政策(1)―埋葬期間制限〜冠婚葬祭事情〜

シンガポールの国土は721.5km²(2017年時点)で、東京23区の1.15倍程度。国土面積の小ささは死者の埋葬という点で同国政府の懸念材料であり、1988年には、埋葬期間を15年に制限するという新埋葬政策を発表した。

墓地の管理はシンガポール国家環境庁 (NEA: National Environmental Agency)が行っている。現在、埋葬地の1つであるChoa Chu Kang墓地に埋葬された遺体を段階的に掘り起こし、各故人が信仰していた宗教の制約を考慮した上で、焼却をしてから骨壺に納める、あるいは再埋葬を行うといった方法が採られている。

シンガポールの限られた国土での埋葬政策(2)―地下埋葬システム〜冠婚葬祭事情〜

シンガポール国家環境庁 (NEA: National Environmental Agency)は、2007年に地下埋葬システム (CBS: Crypt Burial System)を導入した。

このシステムにより、① 宗教的信念の尊重、地域社会のニーズ、伝統の継承、埋葬の尊厳維持といった精神的・感情的な観点と、②土地の効率的活用、土壌侵食防止、利便性、景観確保といったインフラ的な観点の両面を解決することができる。

同システムの導入にあたって、政府は仏教やキリスト教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、イスラーム教などといった主要な宗教から、道教、ゾロアスター教、バハーイー教など少数派の宗教まで、様々な宗教団体からの承認を取り付けている。

まとめ:シンガポールの冠婚葬祭

以上、多民族都市国家シンガポールならではの冠婚葬祭トレンドをみてきました。晩婚化や墓地収容問題など、日本でもおなじみのキーワードもありましたね。中華系・インド系住民は特に「派手好き」「お祝い好き」と言われています。ローカル事情を反映しつつ日本の細やかなサービスを強調することで、十分ビジネスチャンスがあるのではないでしょうか。


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