タイのファストフード業界では従来のシステムと最新技術と組み合わせることによりファストフードの根幹である利便性を高めていこうとしています。
今回は、そんなファストフード業界の最新情報をお届けします!
タイのファストフード事情を知るなら、以下の記事をチェック!
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2020年 タイのファストフード(飲食・食品メーカー)業界
タイでファストフード業界大手のsizzler、健康愛好家向けにメニュー開発
2019年11月26日の発表によると、50種類のサラダバーを提供するsizzlerは、健康愛好家の顧客向けに、コールドプレスジュースの名称で砂糖を追加せずに飲める100%新鮮な冷間圧搾ジュースを開発している。
このジュースは低温低圧圧縮方式で搾り出したジュースであり、肌、心臓、目、血液の栄養に有益であるだけでなく、身体の洗浄と解毒にも役立ち、顧客のライフスタイルに対応することができる。
Minor Foodの50年以上に渡る事業活動の中心は、優れたサービスと食品の品質を通じて顧客に卓越性を提供することである。この標準に従って、Minor Food最大のブランドの1つであるsizzlerは、30年以上に渡り継続的にメニューを開発している。
タイでファストフード業界大手のMcDonald‘s、ハッピーセットの改善へ
2019年12月4日の発表によると、McDonald‘s(Thailand)は、子供と家族の顧客に焦点を当て、子供向けのハッピーセットを改善する。よりバランスと栄養の取れたメニューに再設計する。シンプルな材料を使用し、人工香料、色、防腐剤を取り除いてハッピーセットの栄養情報を明確にする。
さらに、2022年までにタイを含む世界中の支店がハッピーセットを600カロリー未満に制御し、ナトリウムを650mg以下に調整する。飽和脂肪と添加糖からカロリーが10%を超えない事を栄養基準として設定する。
このメニュー設計は世界的な大手クイックサービスレストランブランドであるMcDonald‘sが、ファストフード市場で競争するのに役立つ。この取り組みは、健康的な食品を顧客に提供する事を目的とした最新の動きである。
タイでファストフード業界大手ののバーガーキング、運営基準が評価される
2019年11月1日の発表によると、BURGER KING THAILANDは「2019年最優秀オペレーター」を受賞した。米国の授賞式で授与されたこの賞は、BURGER KINGの世界的な賞であり、世界の10,000を超えるBURGER KING支店の運営基準を評価している。
BURGER KING THAILANDは、最高のカスタマーエクスペリエンスを提供するための基盤である、常に優れた運用に注力している。この運営基準により他の国々に打ち勝ち、2019年度の世界舞台で名誉ある賞を獲得した。
この賞の目的は、BURGER KINGレストランの運営の卓越性を持つ国を認めることである。この成果により、顧客は、タイの全てのBURGER KING支店から最高の食事とサービス、品質基準を保証される。
セルフサービスに注目、タイでファストフード業界牽引のKakashi
2019年3月20日の発表によると、タイの日本食企業OISHI Groupが展開する丼専門店、KAKASHIは従業員を対象にチャトゥチャック地区の新しいフードゾーンに最新の支店を開設する。これにより、オフィスビルの従業員や周辺コミュニティの利便性の向上を図る。
同店は、セルフサービスモデルに焦点を当て、呼び出し機器を導入する。顧客は注文後受け取った呼び出し機器の通知から注文を受け取る。
呼び出しシステムの活用は、他の日本食レストランと差別化を図ることができ、サービスの基準を高められる。さらに、カウンター前の混雑緩和に役立ち、会計システムの合理化、効率化を促進できる。
2019年 タイのファストフード(飲食・食品メーカー)業界
タイ保健省、トランス脂肪酸の規制強化へ〜ファストフード業界動向〜
タイ保健省はトランス脂肪酸について、製造、輸入、販売を2019年1月より禁止することを発表した。トランス脂肪酸はクッキーやドーナツなどの原材料として含まれるケースが多いことから、ファストフード業界への影響が懸念されている。
今回の法改正により、ベーカリー店などに影響を及ぼすと考えられているが、CENTRAL・FOOD HALLやTOPSなどを統括するCENTRAL CPN社によると、ベーカリー店舗の多くでは既にトランス脂肪酸の使用は中止済みで、経営状況に影響はないとしている。
改正法は2019年1月9日に発効済みで、違反すると最大懲役2年の禁固刑または20,000バーツ(日本円66,000円)の罰金が課される。タイは表示規制に関し、日本以上に厳格であることから、食品の輸入業者にとっても注意が必要だ。
タイのストリートフード市場、今後も拡大すると予想〜ファストフード業界動向〜
タイ工業省は2018年4月19日、Taste of Street Food 4.0-MAKEOVER Chance to the Futureを主催し、タイの伝統的なストリートフードの展示や、スタートアップ企業によるフードサービス関連の販売会が行われた。
タイでは、2017年より都市の景観を保つ目的で路上屋台の撤去が主導されるなど、ストリートフード産業におけるイノベーションが行政より要請されている。今回の展示会は、フードサービス産業において、政府が国家戦略として掲げるThailand4.0政策を担うことのできる企業に対し、財政的支援を行なう目的もある。
Euro monitor Internationalが2017年に公開した統計情報によると、タイのストリートフード市場は前年比32.43%、27億バーツの増加がみられ、今後も年間4.3%の成長を続け、2021年までに34億バーツまで増加することが予想されている。
人気タコスチェーンTACOBELL、タイに進出へ〜ファストフード業界動向〜
タイ商社大手Thoresen Thai Agencies Public Company Limited社(TTA)は2019年1月22日、新会社Siam Taco Company Limitedを発足し、メキシコの人気タコスチェーンTACOBELLをバンコクのチットロム地域にオープンしたことを報じた。
TACOBELL各チェーンは今後、24時間営業で展開される予定で、月商300万バーツの売り上げを目指す。Thoresenは今後5年以内に40店舗の支店をオープンさせる計画を発表している。
同社は137の支店を持つピザフランチャイズ大手PIZZA HUTのタイにおけるブランド展開も手掛けており、タコスチェーンのオープンによりピザレストランとの相乗効果を期待している。さらにピザ業界に関しても前年比の10-15%の売り上げアップを計画している。
タイでファストフード業界大手のバーガーキング、デリバリー事業への投資本格化
バーガーキングは「クイックサービスレストラン(QSR)」を積極的に意識したマーケティングを行い、多くの食品配達サービスチャネルで市場に浸透することの重要性を証明する投資を行っている。
特にタイで多くの人が利用するマッチング配送サービスのLineman、Food Panda、Lala Moveなどと積極的に協力関係を結び、QSRの雄としての地位を築こうとしている。
Webサイトを充実させることに加えて、タイではまだ普及していないQRコードによる電子マネー支払いなどの積極的な広告によって前年同月比200%の成長を遂げる月もあった。その他にもタイではあまり見られないドライブスルー型店舗の展開にも積極的に取り組んでいる。
2018年 タイのファストフード(飲食・食品メーカー)業界
ファストフード業界大手のMcDonald、タイでもタッチパネル注文機導入
Fintechとは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語であり、小売業においては支払いに関する電子決済導入などがその例となる。タイのファストフード業界でも、2018年はFintech導入が流行する兆しが見られる。
McDonaldは店舗に自動注文支払機(SOK: Self-Ordering Kiosk)の設置を行い、顧客の注文と支払をよりスムーズに行えるようにした。注文はSOKタッチパネルもしくはスマホアプリで可能。
支払は電子マネーのmPAY、BluePay、AliPay、TrueMoney Walletに対応する。クレジットカードはVISA、master cardに対応。スマホ利用者は、SOKの画面上に表示されるQRコードを読み取ることでも支払いが可能となる。
タイでファストフード業界大手のバーガーキング、配送大手と新たに提携
タイファストフード業界には激しい競争の渦中にある。バーガーキングは他チェーンよりも優れたサービスの向上を図るべく、「Zero Campaign」を2017年11月1日よりスタートさせた
同社に寄せられるクレームの多くは配達時間の遅れ・商品の乱れ・注文通りの商品が届かないなど、配送に関するもの。バーガーキングはオンデマンド配達大手のLALAMOVEと提携し、配達不良を減少させる。
顧客はウェブサイト、アプリ、または電話で注文した商品を配達代金40バーツ(約120円)で配達する。まずはバンコク都心でのみサービスを開始、他の都市でも行うかどうか検討する。
飲料最大手Thai Bev、ファストフード業界大手のタイKFCを買収
タイの飲料業界最大手Thai Bev.(Thai Beverage Public Company Limited)は、ヤム・ブランズ傘下のタイ・ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)を約113億バーツで買収することで合意した。
Thai Bev.はビール「Chang」やウイスキー「BLEND」などのアルコール飲料で知られているが、売上高に占めるノンアルコール事業割合を2020年までに50%まで引き上げる目標を掲げており、飲食店チェーンの買収も積極的に進めている。
現在、タイ国内にKFCの店舗は500以上(Thai Bev.傘下に約240店舗、フランチャイズで約260店舗)あるが、新体制のもとで2020年までに800以上に増加させる目標を立てている。
タイスキも時代に合わせた変化を見せる〜ファストフード業界動向〜
タイにおける日本食ブームの中で、タイスキレストランの大手MK Restrantはこの数年間苦戦を強いられていた。しかし2017年の売上高は約160億バーツと、前年比で6.1%増加した。
タイスキの伝統的なメニューを長年守り続けていた当社だが、マーケティング調査を進めた結果、若い顧客層はチーズを好む傾向があることから新たに「チーズタイスキ」をメニューを取り入れた他、バイク便デリバリーの運用も始めた。
MK Restranは「特別な日に食べる高価なレストラン」というイメージがあるためかランチタイムでの集客が弱かったが、2018年からは初のランチ用メニュー「MK HAPPY LUNCH」として99バーツのランチメニューの提供を始めている。
タイ揚げ鶏市場へ日本企業の参入〜ファストフード業界動向〜
340億バーツ規模ともいわれるタイのファストフード業界。そのマーケットシェアの約40%を「フライドチキン」が占めており、現在も年間10%の割合で成長している。
唐揚げ専門店「からやま」を運営するArcland Service Holdings Co., Ltd. は、2017年12月に大型ショッピングモール内の2店舗をオープンさせた。特筆すべきは、注文してから10分以内に完了するというメニュー提供。
同社はとんかつ専門店「かつや」を既にタイで展開し、人気を博している。
まとめ:タイのファストフード業界
タイのファストフード業界のなかで日本企業もニーズに合わせて台頭しています。タイ国内のファストフード業界に進出する日本企業は伝統を守りながらも時代や顧客にあわせた戦略でさらなる規模拡大となるのでしょうか?
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。