地熱、風力発電が盛んな一方で、水力、太陽光発電などの整備が遅れているフィリピン。
今回は、そんなフィリピンの電力・ガス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2024年 フィリピンの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
Shellフィリピン、第3四半期末までに21億ペソの純利益を達成
Shellフィリピン(SPC)は、2023年最初の9ヶ月の純利益が21億ペソとなり、上半期に記録した1億 2,300万ペソから大幅に改善した。全体的な販売量の増加の維持やプレミアム製品の普及の増加、在庫損失の反転によるものだと見られている。
Shell Go+ アプリを通じて促進されたマーケティングプロモーションとロイヤルティオファーの成功により、燃料の量は7%増加した。SPCは顧客体験の向上を優先事項としており、アプリケーションの改善に力を入れている。
SPCは商業分野で目覚ましい成長を遂げ、パートナーシップを強化してきた。特に航空分野での増量が23%増加しており、さまざまな分野で強力なプレーヤーであり続けている。
BOC、ペトロンを燃料マーキングのトップ貢献者として表彰
ペトロンは、国家建設における役割と燃料密輸を抑制するメカニズムである政府の燃料マーキングプログラムへの主要な貢献者として税関局より表彰を受けた。
このプログラムが発効されたのは2019年である。ペトロンは2019年9月から2023年10月までに178億3,000万リットルのマーク付き燃料を供給し、BOCの参加石油会社リストで常にトップを保ってきた。
税関局は内国歳入局 (BIR) および SGS フィリピンと協力して、現在国内に残る唯一の製油所であるペトロン バターン製油所 (PBR) の最終製品のマーキングを実施している。PBRはフィリピンの国内燃料総必要量の約40%を供給することができる。
出典:https://www.petron.com/news/boc-recognizes-petron-for-being-top-fuel-marking-contributor/
NGCP、送電網改善プロジェクトに3,000億ペソ以上を投資
NGCPは2009年に政府から送電事業を引き継ぎ、国の唯一の送電網事業者として送電ネットワークを大幅に拡大してきた。過去14年間で、計3,729回線キロの送電線、28の新しい変電所、および追加の 31,190MVAの変圧器容量を設置した。
同社はマリベレス-エルモサ 500kV送電線を含む56のプロジェクトを完了しており、マニラ首都圏に供給する電力回廊も拡張している。
これまでNGCPは3000億ペソの投資を行っているが、2023年4月には520億ペソのミンダナオ・ビサヤ相互接続プロジェクト (MVIP) への電力供給に成功した。現在進行中のプロジェクトも多く、あらゆる地域ニーズが考慮されている。
出典:https://www.ngcp.ph/article?cid=16646
ACEN、ランド銀行より再生プロジェクトのために20億の融資を受ける
アヤラグループの上場エネルギープラットフォームであるエイセンコーポレーション(ACEN)は、ランド銀行より200億ペソの融資を受けることが決定した。この融資は、国の再生可能エネルギーの組み合わせを拡大するという中央政府の推進を支援するためである。
ランド銀行はACENの一般的な企業要件と再生可能エネルギープロジェクトへの投資の一部を融資するもので、2023年11月29日に融資契約が正式に締結された。
ACENはフィリピンを含めた5カ国の自社施設で約4,500 MWの発電容量を保有しており、再生可能エネルギーの割合は98%と国内では最高の部類に入る。2023年は500億ペソを再生可能エネルギーポートフォリオの拡大のために割り当てた。
出典:https://www.acenrenewables.com/2023/12/landbank-supports-acens-re-project-with-p20-b-loan/
下院、原子力エネルギーの安全利用に関する第3読会法案を承認
下院は、フィリピン原子力規制庁(PhilATOM)の創設により安全な原子力利用を促進する法案を第3読会および最終読会で承認した。本会議では200人の議員が下院法案9293を承認する投票を行った。
マーティン・ロムアルデス議長は、PhilATOMがフィリピンにおける原子力エネルギーと放射線源の平和的、安全、確実な利用のための規制管理を行う唯一かつ排他的な管轄権を有すると述べ、ロムアルデス氏はエネルギー安全保障という夢の実現に向けた第一歩だとした。
PhilATOMは、現在フィリピン原子力研究所が担っているすべての規制業務を引き継ぐことになり、規制された活動や施設を管理するための国家政策や措置の策定における政府の支援も行う。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1214178
2021年 フィリピンの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
フィリピンのAC Energy、太陽光発電所の操業開始〜電力・ガス業界動向〜
フィリピン最大の電力事業会社の1つであるAC Energyは、フィリピンで2番目に大きな太陽光発電所となる120MWアラミノス太陽光発電所の操業を開始した。これにより約80,000世帯にクリーンエネルギーを供給するのに十分な電力を生成する。
同社はこの太陽光発電所の建設現場に循環型アプローチを取り入れている。32,540kgのプラスチック廃棄物をエコブリックにアップサイクルし、ソーラープラント施設の建設に利用している。また、急速に拡大する再生可能エネルギーポートフォリオに大きく貢献している。
同社はアジア太平洋地域で再生可能エネルギーのフットプリントを拡大し続け、さまざまな再生可能エネルギープロジェクトの建設を実施している。これらの再生可能エネルギープロジェクトは、国内での壊滅的な電力不足が続く中、重要な供給源となる。
出典:https://www.acenergy.com.ph/2021/06/ac-energys-120-mw-alaminos-solar-plant-begins-operations/
フィリピンのサウスコタバト州、太陽光発電プロジェクト開始〜電力・ガス業界動向〜
サウスコタバト州は、350万PHPの太陽光発電プロジェクトを開始した。教育省(DepEd)との提携によるOne Meralco Foundation Inc.(OMF)を通じて、電力会社の送電網につながっていない7つの公立学校に電力を供給する。
本プロジェクトは、主に学校に安定した電力を供給して、学生により多くの学習機会を提供することを目的としている。これにより、マルチメディアを介して授業を行い、より多くの視聴覚学習教材を利用できるようになる。
OMFとのパートナーシップは、2020年以来、その旗艦である「Weave the Dream」キャンペーンの一環として結ばれた主要なイニシアチブの1つであり、利害関係者とその民間パートナーから約1億1,000万ペソの支援と貢献を生み出すことができた。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1144697
フィリピンのエネルギー開発公社、グリーンボンドを提供〜電力・ガス業界動向〜
フィリピン最大の電力事業会社の1つであるエネルギー開発公社(EDC)による最大150億ペソ相当の固定レートのASEANグリーンボンドを提供する計画が、証券取引委員会(SEC)によって承認された。
グリーンボンドからの収益は、新規および既存の適格なグリーンプロジェクトの資金調達または借り換えにのみ適用される。適格なグリーンプロジェクトには、再生可能エネルギー、エネルギー効率、汚染の防止と管理、気候変動への適応などのプロジェクトが含まれる。
EDCはその収益を、パラヤンバヤンバイナリプロジェクト、ミンダナオIIIバイナリプロジェクトの設備投資の一部、発電所設備のアップグレード、その他の地熱設備投資を含む、地熱成長および維持資本支出プロジェクトに提供する予定。
出典: https://www.fphc.com/news/sec-approves-edc-plan-issue-p15-billion-green-bonds
フィリピンのPetron Corporationの業績〜電力・ガス業界動向〜
フィリピン唯一のLPG精製業者かつフィリピン1位のガス供給会社であるPetron Corporationは、2021年1四半期の純利益が17億3000万ペソであったと発表した。
連結純利益は17億3000万ペソで、前年同期の49億ペソの純損失が逆転し、2020年の第4四半期の純利益の12億ペソを上回った。Covid-19のパンデミックの影響で収益が減少したにもかかわらず好転し、前年同期の44億ペソの営業損失から37億ペソの営業利益が得られた。
同社は蒸気発生器プラントの建設、戦略的な小売ネットワークの拡張、および保守要件をカバーする2021年の設備投資のために110億ペソを確保した。さらには第1四半期に14の新しいステーションを建設し、2021年の残りの期間にはさらなる建設計画を立てている。
出典:https://www.petron.com/news/petron-opens-2021-with-p1-73-billion-first-quarter-net-income/
フィリピンの液化石油ガス価格が大幅値上がり〜電力・ガス業界動向〜
7月1日から各社ガスメーカーが液化石油ガス(LPG)の価格を大幅に値上げした。PetronとPhoenix LPG Phil, Inc.がLPGの価格を1kgあたり5.20ペソ上昇させ、SolaneブランドのLPGは1kgあたり5.19ペソ上昇させた。
これらの価格の動きは、通常の11kgのLPGタンクでの57.09ペソから57.20ペソの値上げに相当する。価格の上昇は、7月のLPGの国際契約価格を反映したものであると各社は声明文を発表した。
ガスの小売業者は、サウジアラビアの国営石油会社であるサウジアラムコが設定した月間価格ベンチマークを追跡している。このベンチマークでは、プロパンの価格は前月から90ドル上昇し、1トンあたり620ドルに設定されている。ガソリン価格の上昇が続く中、家庭支出に大きく影響することが懸念されている。
出典: https://www.pna.gov.ph/articles/1145576
2020年 フィリピンの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
フィリピンのAboitiz Power、上半期の純利益57%減少〜電力・ガス業界動向〜
電力小売や配電事業など総合的な電力事業を行うAboitiz Power Corporationは、Covid-19関連のコミュニティ検疫の実施による需要の減少により、 2020年の上半期の純利益は67億ペソから29億ペソ(前年比57%)に減少した。
2020年前半にはPagbilao1〜3号機、Therma South、Inc.の2号機、およびGNPower Mariveles Coal Plant Ltd.の2号機の強制停止が実行された。これにより、2020年前半の購入電力コストの減少と、子会社のTherma VisayasおよびTherma Mobileの収益と相殺された。
一方、同社の流通事業は2020年上半期に17億ペソの収入を記録した。これは、前年比7%の減少で、同社の事業セグメントからの収入のうち32%の貢献となる計算。
出典: https://www.pna.gov.ph/articles/1110414
フィリピンAC Energyのグリーンボンドとは?〜電力・ガス業界動向〜
Ayala Corporationの発電部門であるAC Energyは、最近締結されたAsset Triple A Infrastructure Awards 2020(ASEAN)で、4億1,000万ドルのグリーンボンドを集める「Green Project of the Year」賞を手に入れ、世界的な知名度を上げた。
グリーンボンドは同社の代表的な取り組みであり、国際金融公社とアジア開発銀行が主要な投資家として設立した、東南アジアで最初の環境配慮型の認定債権である。これはASEANグリーンボンド基準にも適合している。
AC Energyのグリーンボンドは様々な再生可能プロジェクトに導入されている。2020年第2四半期末の時点で、同社はグリーンボンドからの収益をベトナム、インドネシア、フィリピンにまたがる12の再生可能エネルギープロジェクトに割り当てており、総発電量は約1,650MWとなった。
出典:https://www.acenergy.com.ph/2020/08/04/ac-energy-clinches-green-project-of-the-year-award/
フィリピンのPETRONの2020年第1四半期の業績〜電力・ガス業界動向〜
フィリピン最大の石油精製・マーケティング会社で、石油需要の3分の1以上を供給しているPETRON CORPORATIONは、COVID-19のパンデミックにより2020年第1四半期の収益が低下すると報告した。
2020年最初の3か月の連結売上高は前年の1,246億ペソから16%減の1,046億ペソになった。フィリピンとマレーシアの合計販売量については、両国政府が厳格な封鎖を実施し、物流と経済活動を制限したため、燃料需要が突然かつ大幅に減少し、前年度の2,630万バレルから2,470万バレルに減少した。
厳しいビジネス状況にもかかわらず、同社は必要不可欠な物品と人員のスムーズな輸送を確保し、特に最前線の人々、その学者、コミュニティ、およびその他の利害関係者の負担を軽減するのを支援し続けると述べた。
出典:https://www.petron.com/news/petron-reports-lower-revenues-for-q1-2020-amidst-coronavirus-pandemic/
First Philippine Holdings 、フィリピン運輸省へ1億ペソ寄付〜電力・ガス業界動向〜
フィリピン最大の電力事業会社の1つで、天然ガスを利用した発電所を多数所有するFirst Philippine Holdingsは、COVID-19への対応努力を強化するために運輸省(DOTr)に1億ペソの寄付を行ったと発表した。
同社は「コングロマリットは、国の健康システムの能力を高めるという差し迫った必要性に対処するため、公的機関のコミットメントへの支持を表明した」と述べ、この寄付がCOVID-19で現在助けを必要としている多くのフィリピン人を救うことになると強調した。
運輸省は、寄付されたすべての資金は、明確な目的に応じて説明され、利用されることを保証した。現在、この資金を利用してエヴァマカパガルターミナルから検疫施設への改造を計画中である。
出典:https://www.fphc.com/news/fph-donates-p100m-dotrs-covid-19-response-efforts
フィリピンの電気料金が3倍?その理由とは〜電力・ガス業界動向〜
一般的にはメラルコ(MERALCO)として知られ、マニラ首都圏唯一の電力販売会社であるManila Electric Companyは、下院エネルギー委員会に消費者の電気料金の「異常な急増」について詳細な説明を提供するよう求められた。
委員会は、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)の期間中、電気料金がが3倍になったという消費者からの苦情が多数届いた。世界市場での原油価格の下落が続いており、電力コストはこの次期通常低下するはずであるため、同社は急上昇の原因を適切に説明する必要があると述べた。
「メンバー-消費者-所有者(MCO)」の調査によると、ECQ期間中自宅にとどまり、電動ファンやエアコンのような電子機器や電化製品を通常よりも長時間使用したことを考えると、消費電力が実際に増加したため、請求が2倍または3倍になった可能性も考えられるとした。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1103020
2019年 フィリピンの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
フィリピンのAboitizPower、SM Primeと提携〜電力・ガス業界動向〜
2019年8月8日の発表によると、東南アジア最大の総合不動産開発業者の1つであるSM Primeは、所有する15の施設に信頼性と費用対効果の高い電力を供給するためにAboitizPowerと小売電力供給(RES)契約を結び、同社は最大110メガワットを3年間供給する。
SM Primeは今後数年間の継続的な事業拡大に伴い、信頼できる費用対効果の高い電力で、既存および将来のパートナーをサポートできる電力サプライヤーが必要であると考えており、 AboitizPowerの豊富な発電資産が決め手となった。
AboitizPowerは、全国に再生可能エネルギーと火力発電所を多数所有しており、同社のパートナー企業をあわせると現在4,471 メガワットの実質販売可能容量を誇る。
再生可能エネルギーのリーダーを目指す、フィリピンのPhinma〜電力・ガス業界動向〜
2019年9月17日の発表によると、Alaya財閥系列の企業であり、風力発電を中心とする再生可能エネルギーの発電に強みのあるPhinma Energy Corporationは、 同社の再生可能エネルギー資産を2,000メガワットに拡大するため、今後6年間で約20億ドルの設備投資を検討していると明らかにした。
同社は年次株主総会で、同国の再生可能エネルギーのリーダーになることを目標にしていると述べた。 また、再生可能エネルギーのメガワットあたりの平均投資コストは約100万ドルで、合計2,000 MWの目標に対して約20億ドルであると語った。
同社は70:30の負債資本調達スキームを通じて再生可能エネルギープロジェクトに資金を提供する。 第一回目の資本調達はSRO(ストックライツオファリング)を通じて行われる。
フィリピンのPetron、発電所をSan Miguelグループに売却〜電力・ガス業界動向〜
2019年9月10日の発表によると、フィリピン最大の石油精製・ マーケティング会社であり、国内第1位のガス供給会社であるPetronは、自社が所有する140メガワットの発電所を、San Miguelグループの発電関連会社であるSMC Powergen Inc.に売却する目的で、合併買収(M&A)取引を表明した。
両社が交わした覚書(MOU)には、SMC Powergenは「6か月間にわたって発電所とその運転の予備審査を行い、買収の可能性を判断する」と規定されている。取引について、この6ヶ月間のレビューを除き、両社は具体的な交渉条件についてまだ何も示唆していない。
Petron所有の電力施設の定格容量は140メガワットで、主にリメイにある製油所へ電力を供給していた。しかし発電所の容量は製油所の電力需要よりも大きかったため、同社は電気の一部を売却し、卸売電力スポット市場で取引することもあった。
フィリピンのCosco、Liquigazの全株式を売却、市場への影響は?〜電力・ガス業界動向〜
2019年1月22日、フィリピン2位のガス供給会社、Liquigaz Philippines の親会社であるCosco Capitalは、 フィリピン競争委員会(PCC)にFernwood Holdings への売却を承認された後、Liquigaz Philippines Corpの売却を完了したことを明らかにした。
Coscoは2014年にオランダのSHV EnergyからLiquigazを買収した。その後2018年10月に、株主価値を最大化し今後の財務の柔軟性を実現させるため、Liquigazの全株式をFernwood Holdingsに売却する決定を発表した。
Fernwood HoldingsがLiquigaz Philippines Corpの株式の取得をしたとしても、ルソン島における液化石油ガスの供給市場での競争が大幅に緩和されることはないであろうとPCCは見解を示している。
2018年 フィリピンの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界
フィリピン国内最大手:Manila Electric Company〜電力・ガス業界動向〜
Manila Electric Company (MERALCO) は、115年の歴史を持つフィリピン最大手の電力会社。現在は36都市、650万人の顧客にサービスを提供している。
2018年5月29日に発表された2017年の年次報告書によれば、純利益は202億ペソを達成し、前年と比べると約3%増加した。官民一体で進めている Build Build Build プログラムも、電力需要が増加した一因とされている。
2018年7月6日、同社は電気料金を1kWhあたり0.3136ペソ値上げする旨を発表。発電費用の増加がその主な要因である。なお、6月のルソン島電力需要は10,876 MWと過去最高を記録した。
長期的な地熱発電計画に調印、フィリピンのAboitiz power〜電力・ガス業界動向〜
Aboitiz Powerは1998年の設立以降、小売市場向けの電力サービスなどを提供する企業として成長。子会社や関連会社を通じて多数の発電所を保有している。
2018年8月24日、同社の子会社 APRI と地熱発電企業の Philippine Geothermal Production Company が今後継続的な地熱エネルギーの開発に関する地熱エネルギー・サービス協定に調印したと発表した。6年間かけて12ヶ所の坑井を掘削し、発電能力を20%向上させることを目標としている。また、この協定内容の実現によって他社に対する価格競争力の実現が期待されている。
発電ポートフォリオが充実、フィリピンのSMC Global Power Holdings〜電力・ガス業界動向〜
SMC Global Power Holdings は2008年に設立され、石炭火力発電、天然ガス事業、水力発電など多くのエネルギー事業を行なっている。
2018年7月6日に発行された報告書によれば、2018年第1四半期の売上高は連結ベースで約246億ペソを達成し、前年の約193億ペソと比較しておよそ27%増加した。
2018年2月23日、同社はルソン島のサンバレス州で火力発電プラントを保有する AES社のシンガポール法人・フィリピン法人の計3社の株式を取得した。石炭火力発電に強みのある同社を手に入れることで発電能力の向上を目指すSMC社と、事業ポートフォリオの再編を図るAES社の意向が一致した形。
好調を維持する石油最大手、フィリピンのPetron〜電力・ガス業界動向〜
Petron は、フィリピン国内最大の石油精製企業。国内の石油供給シェアは約40%を超え、1900個所に同社のガソリンスタンドを展開している。また石油化学製品、液化石油ガス(LPG)も取り扱っている。
2018年5月8日のプレスリリースによると、第1四半期の連結当期純利益が58億ペソを達成し、過去最高値を記録。前年の同時期の56億ペソと比較すると約4%増加した。これはバタアン市にある国内最大級の石油精製所のオペレーション効率性を改善し、安定供給を行なえた事が要因とされる。
まとめ:フィリピンの電力・ガス業界
フィリピンの電気料金は依然として高く、高額な発電コストが電気料金の高額な価格につながっていると指摘されており、安定的でコストを抑えられる発電インフラの整備が急がれています。今後は電量供給コストを抑える発電方法に注目することで、新たなビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、2010年4月よりWeb業界を目指す社会人向けのスクールのインストラクターとして主にコーディングソフトや画像編集ソフトの授業を担当。2015年より海外での生活とキャリア形成を目的に、青年海外協力隊に参加。