特にバンコク都市圏では、地価高騰の影響もあり、高層コンドミニアムの開発ラッシュとなっています。
今回は、そんなタイの不動産デベロッパー業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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タイ中央銀行によるLTV規制〜不動産デベロッパー業界事情〜
タイ経済の成長に伴う地価上昇、中国企業をはじめとする外資系企業が続々参入しているタイの不動産市場に対して、タイ中央銀行は2019年4月1日よりLoan To Value Ratio(LTV)規制を行った。
さらに政策金利の上昇、住宅ローン規制の厳格化、2020年に導入されるバンコクの新都市計画の新規制と土地・建物税などの導入も開始される。
短期的に住宅を転売する投機的な購入者と、賃貸収入を得る目的で住宅を購入する投資家の住宅に対する需要は減退すると予想されており、LTV規制がされることにより、月々の返済額への対応が迫られると考えられている。
西日本鉄道がタイへ進出〜不動産デベロッパー業界事情〜
西日本鉄道株式会社は、タイのSC Asset Corporation Public Company Limitedと合弁企業を設立しタイ・バンコクにおける分譲マンション開発事業を行うと発表した。
西日本鉄道株式会社にとっては海外住宅事業進出4か国目となり、タイのGDP成長率、国民の所得水準上昇、人口増加が 2035 年頃まで継続するなどの情報から、中長期的に住宅需要が見込まれるとして積極的な投資を行う。
また、日系企業の進出も多く、親日であることや日本国内空港からの直行便の就航が続いていることなどから、バンコク中心地より北部に位置し、タイ大手企業本社や日本人の多いチャトチャックエリアでの建設を始める。
タイで不動産デベロッパー業界大手のRaimon Land、「One City Centre」を発表
2019年5月28日、タイの不動産デベロッパーRaimon Landは、駅に直結する複合施設ビルを88億バーツで行うと発表。2022年末の完成を目指し工事の着手を始めている。協力企業としてMITSUBISHI ESTATEも名を連ねる。
施設名は「One City Centre」と命名され、61階建てのオフィス棟と、商業棟から構成され、敷地面積が9700平方メートル、賃貸面積は合計6万1千平方メートルとなる。開発予定地は高級ホテルやショッピングモールが集まる中心地で、高架鉄道のプルンチット駅とデッキでつながる。
バンコク市内ではオフィス需要が堅調な一方で、最上級のオフィスは供給が限られている点に注目し、商業施設とオフィスの複合施設の開発に着手した。さらに同様の施設のタイ国内での建設も視野に入れている。
不動産デベロッパー業界大手のクリード、タイで高層コンドミニアム開発
2019年6月26日、タイの不動産開発会社altitude development社はバンコクで高層コンドミニアム開発を行うと発表した。パートナー企業としてクリードグループと共に開発を行う。クリードグループがタイで不動産を開発するのは初めてとなる。
事業規模は24億バーツを計画しており、2021年第3四半期の完工を目指す。コワーキングスペースやeスポーツルームなどユニークな設備を拡充し、起業家など若年層に照準を充てる新たな施設づくりを目指す。
事業は2社が設立した合弁会社、altitude creed tha phraが手掛け、同社の資本金は1億バーツで、 altitude developmentが51%、クリードグループが49%を出資した。
まとめ:タイの不動産デベロッパー業界
住宅販売ではコンドミニアムが好まれ、国内外からの投機目的の購入も多くみられます。今後も同国の不動産市場には目が離せません。
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。