シンガポールの保健器具市場は年平均成長率(CAGR)6%の高い水準で推移しており、2030年までに4.8兆円規模の市場に拡大することが予想されています。
今回は、そんなシンガポールの医療用福祉用具卸業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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オムロンとシンガポールのiAPPS、医療テック会社を設立〜医療用福祉用具卸業界事情〜
2019年2月28日の発表によると、日本のヘルスケアメーカーOMRON HEALTHCAREとシンガポールのテック企業iAPPSは、ジョイントベンチャーで医療テック会社Heart Voiceを設立。法人と個人用に心血管疾患や糖尿病など、シンガポールで社会問題となっている健康問題の予防に役立てる。
シンガポール全体の医療負担が前年度+7%と増加傾向にあり、政府は国民の健康意識を高めるべく尽力している。企業単位でも従業員の健康管理に注力するようになった為、このアプリはそうした企業のニーズを受けて開発された。
アプリを通じてユーザーは体重、BMI値(OMRON製品と連携可能)、血圧等を記録できる。また、希望に応じてチャット形式で医療専門家に健康相談が可能。
シンガポールのRehab Mart Homecare、ゴニオメーター発売〜医療用福祉用具卸業界事情〜
理学療法士やその他の医療関係従事者による体の柔軟性、可動域の計測を容易にする画期的な電子ゴニオメーター(角度計)がRehab Mart Homecareから発売された。人体のみならず、あらゆる動物にも使用可能で、リハビリ時の可動域の確認など、様々な用途に対応出来る。
この電子ゴニオメーター「Easy Angle」は片手だけで計測可能。高性能なセンサーが±1度の差もブレなく計測可能で、測量結果も見やすく目視で瞬時に確認可能。
値段は550SGDで、オンラインストアの他、実店舗でも発売中。充電時間2時間で約2週間使用可能。使用方法はホームページに動画を用いて掲載中。
【EUとの自由貿易協定、影響は?】シンガポールの医療用機器業界
シンガポールのリー首相、国民の結婚と育児支援強化を発表〜医療用福祉用具卸業界事情〜
建国記念日関連のスピーチの中でリー・シェンロン首相は政府が国民の結婚と育児支援を一層強化する方針を発表した。背景には、シンガポール国民の既婚率と出産率の低下が起因している。
Ministry of Health (MOH)は乳幼児が必要とするワクチンの接種をより多くの国民が広く接種出来るように支援する他、現在は限られた小児科でしか受診できない、乳幼児の発達状態の確認を多くの病院で受診出来るようにする。また、発達状態に異常が見られた際の支援についても強化していく見込みだ。
出産率の向上に向けて、指定病院における人工授精などの不妊治療への金銭的な支援を強化する他、女性が40歳を越えると出生率が低下することから、早期の結婚、出産を推奨していく。
シンガポール Siemens社の新アジア統括〜医療用福祉用具卸業界事情〜
Siemens社の新アジア統括として、2012年よりSiemens VietnamのCEOに就任しているDr. Thai Lai Phamが任命され、2019年11月1日より着任した。Siemens社のアジア統括とベトナムのCEOを兼務する。前任で同社に32年間勤務したDr. Armin Bruckは退任となった。
Dr. Phamは1997年にSiemens社に入社。アメリカ、プリンストでコーポレートリサーチとしてキャリアをスタートした。その後は、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各地にて携帯電話、医療機器、エネルギー、建設など主要なビジネスの経営戦略、商品開発、販売、管理などに携わってきた。
直近のベトナムでのCEO在任中は、同国でのインフラ開発のキープレーヤーとしてSiemens社のプレゼンス向上に尽力した。今後はデジタル産業にもより一層注力し、地域のスマートインフラ、モビリティビジネスを推進していく。
まとめ:シンガポールの医療用福祉用具卸業界
シンガポールの保健器具市場は年平均成長率(CAGR)6%の高い水準で推移しており、2030年までに4.8兆円規模の市場に拡大することが予想されています。
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。