ファストフード業界は、近年目覚ましい発展を遂げており、中国でも店舗数、従業員数ともに年々右肩上がりの傾向が見られます。
今回は、そんな中国のファストフード業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
[toc]
2020年 中国のファストフード(飲食・食品メーカー)業界
中国本土のファストフード業界の動向〜ファストフード業界動向〜
近年目覚ましい発展を遂げる中国(本土)におけるファストフード業界の状況は堅調であり、売り上げ規模・店舗数共に継続的に増加している。
中国統計局のレポートによると、2019年11月時点で約19,000もの企業がファストフード店としての登録を行っており、約652,000人もの雇用を生み出している。(この数字はレストランの従業員は含んでいない)
しかし、依然として外資の参入は多くなく、多くの企業が内資系の企業である点も注目すべきだ。
出典:http://www.stats.gov.cn/english/PressRelease/201911/t20191120_1710329.html
バーガーキング中国CEO 中国での発展に自信〜ファストフード業界動向〜
2018年12月、上海青浦合生新天地店がオープンした際、バーガーキングCEOのEkrem Ozerは、3年以内に中国で1000店舗をオープンするという目標を掲げた。つまり今後3年間、バーガーキングは中国でほぼ毎日新しい店をオープンするということです。
現在1000以上の店舗に25,000人以上の従業員を抱えている。第1店舗から100店舗までは7年、1000店舗までにはさらに6年かかったが、そこから2000店舗に達するまでにわずか3年という短い期間を設定している。
CEOは「顧客は王である。第一に消費者に安全でおいしい食品を提供し、第二に、多様な消費者グループの好みに合わせ、複数の消費者レベルに適した商品やパッケージを開発、最後に快適な食事環境を提供する必要がある」と述べている。その結果多くの若者やホワイトカラーからの支持を得て確実に発展しているとのこと。
出典:https://www.bkchina.cn/news/detail/i/
マクドナルド中国、初の偉業を達成〜ファストフード業界動向〜
2019年10月、マクドナルド・チャイナは米国グリーンビルディング協議会(USGBC)が主催する「グリーンビルディング・チャイナ2019」で、パイオニア・リーダーシップ・アワード(Leadership)のフル受賞を成し遂げた。これは世界中のマクドナルドでも初の偉業だ。
2018年マクドナルド・チャイナが発表した行動計画によると、2019年から2022年にかけて米国グリーンビルディング協議会によるLEED(グリーンビルディングシステム評価)の基準を満たした店舗を1800以上オープンさせるとのこと。
早くも近いうちに300以上の新しくオープンするマクドナルドがこのLEED認証を取得する予定であるそうだ。
出典:https://www.mcdonalds.com.cn/news/McDonalds-China-winning-greenbuild-award/
香港のファストフード業界、売り上げの推移〜ファストフード業界動向〜
香港のファストフード店市場の業績は微増で推移している。多くの業界が断続的に続くデモの影響で売り上げ減少に転じている中、売り上げの増加を維持している数少ない業種と分析されている。
理由として、ファストフードは観光客など香港国外の消費者の影響を受けにくい点があると分析できる。また、市場全体の特徴として安価な価格設定のため、低所得者や学生などからの需要があり、市場の成長に貢献していると分析できる。
しかしながら、デモなどの影響による打ち壊しなどの被害が出ており、懸念点も存在する。
出典:https://www.statistics.gov.hk/pub/B10800022019QQ03B0100.pdf
Hong Kong Statistics Department
中国 Zihaiguoがターゲットにしている顧客とは?〜ファストフード業界動向〜
ファーストフード業界における新しい人気商品、Zihaiguoについて、ターゲット消費者、営業戦略、製品、使用シナリオ、マーケティングに関するインタビューが行われた。
ターゲット消費者としては、こどものときからインターネットに親しみのあるZ世代(90~00年代生まれた若い人)を想定している。これらの若者は視覚的な美味しさも重視している。
同社は顧客と同じ立場に立って、ブランド自身の態度と精神を反映していくと発表した。
出典:http://www.zihaiguo.com/news/default/detail/713
まとめ:中国のファストフード業界
ファストフード業界のターゲットは主に若い年代ですが、中国では年々の人口増加に伴いニーズも右肩上がりになることが考えられます。
また、急速に成長する市場であるものの、外資系企業よりも内資が目立つ独特の業界となっています。
今後の市場の動向や、外資の動きにも注目が期待されます。
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。