台湾の旅行業界は新型コロナウィルスの影響から脱却し、着実な復興を遂げています。規制の緩和により、増加する観光客や海外旅行者に加え、台湾人の経済力も健在です。これにより、業界は今後一段の成長が期待されています。
アフターコロナの時代においては、国際観光市場での競争が一段と激しくなる中、台湾の地域である台南市は持続可能な観光とグリーンツーリズムの推進に力を注いでいます。その成果として、スマートシティの構築が進んでおり、これが業界全体にポジティブな波及効果をもたらしています。
今回は、そんな台湾の旅行業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
台湾をより深く知り、旅行業界の最新トレンドを把握したい方は、記事に掲載されている「お役立ち資料」をダウンロードし、現地在住の調査員がリサーチした業界の重要な情報を手に入れましょう。
読了時間の目安:5分
2023年 台湾の旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
台湾観光、新たな一歩:2023年、訪台観光客が166万2,000人を突破する驚異の成績
新型コロナウィルス流行による規制も解除され、台湾を訪れる観光客や海外に行く台湾人の数は増え続けており、観光局の統計によると、2023年最初の4ヶ月で台湾を訪れた観光客は166万2,000人を超えた。
台湾から海外への出国者数については、台湾人にとって最も人気の旅行先である日本は、最初の4ヶ月で100万人を超え、109万6,000人余りに達した。一方で、台湾を訪れた日本人観光客は18万8,000人であった。
観光局は、アフターコロナにおいての国境開放後、各国は国際観光客を獲得するための熾烈な競争に直面することになると考えており、将来のグローバルマーケティング強化のために、地域の観光特性の発展に加え、外務省や華僑問題委員会など各省庁・委員会とも連携し、2023年の訪台観光客600万人の目標達成に努めていく。
出典:https://www.stat.gov.tw/Point.aspx?sid=t.12&n=3591&sms=11480
台中市、アジア太平洋都市観光機構(TPO)フォーラム2026年開催権獲得で国際的な注目を集める
台中市が、アジア太平洋地域の観光交流と協力促進を目的とした「アジア太平洋都市観光機構(TPO)」の2026年TPOフォーラム開催権を獲得した。
フォーラム開催地は、加盟都市の代表者の投票によって決定され、地理的優位性、行政資源の統合能力、主要な国際イベントでの実績から、交通建設、観光、その他の関連資源まで台中市の評価が高く、最終投票結果は台中市と中国の三亜市が10対10で引き分けとなったが、最終的にTPO会長が加盟都市の意見を聴取し、合意に達した。
フォーラムには、アジア太平洋地域のTPO加盟都市、観光産業の代表が集まり、不動産関係者や学生が観光専門家などと交流する予定で、双方向の資源交換は観光産業の経済成長と人材育成の発展に活力を注入すると期待される。
出典:https://www.tourism.taichung.gov.tw/2452975/post
台湾の旅行者の回帰:航空輸送能力の増加とツアーグループ数の上昇で見る、旅行業界の明るい未来
2023年8月の旅行代理店の収益は高水準を維持し、9月の中秋節期間のビジネスチャンスへの期待や第4四半期への楽観的な見通しも相まって、旅行代理店の株は好調な推移を見せている。
航空会社が段階的に運行を再開し、ツアーグループ数が増加、更に現在のツアー運賃が新型コロナウィルス流行前と比べて約20〜30%値上がりしていることから、第3四半期の旅行会社の収益は大幅に増加すると予想され、また、第4四半期の航空輸送能力は大幅に増加する見込みで、第4四半期の業績も期待される。
旅行代理店山富旅遊の8月の売上高は4億7,700万台湾元で、前月比6.6%増、年率8.06倍となった上で、新型コロナウィルス流行による厳しい規制が解け、多くの人が海外への旅行を再開したことに加えて、台湾人の経済能力も良好であるため、通年の営業業績についても、大きな成長を見せることが予想されている。
出典:https://www.travel4u.com.tw/investor/investment/
Booking.com選定!台南市、世界の持続可能な旅行先トップ10に輝く
有名なオンライン旅行プラットフォームのBooking.comは、世界の持続可能な旅行先トップ10を推奨しており、その中には台南が台湾の唯一の都市として選出された。その他の都市は、イタリア(Merano)、オーストリア(Salzburg)、コロンビア(Santa Marta)等が選出された。
台南市市長は、台南市は引き続き持続可能な観光とグリーンツーリズムを推進し、スマートシティを構築していくとし、加えて、台南市のイベントが国際的な知名度をさらに高め、より多くの外国人観光客を台南に呼び込み、都市経済の創出に繋がることを期待していると述べた。
台南市観光局は、台南の食文化、豊かな歴史、古代寺院や吊り提灯のある伝統的な路地が観光客に人気であるとし、Booking.comは持続可能な産業、太陽エネルギー、環境に優しい交通機関の発展に対する台南の取り組みも評価していると述べた。
出典:https://news.booking.com/zh-tw/sustainable-stays/
KKdayの成長戦略2022:アウトバンド観光からデジタルツーリズムまで幅広い事業領域を制覇
台湾に本社を置く旅行電子商取引プラットフォームのKKdayの2022年世界市場通期業績は、新型コロナウィルス流行前の2019年の業績を上回っただけでなく、2014年の設立以来最高の年間業績記録を樹立した。KKdayの世界市場は拡大し続けており、現在プラットフォームでは92カ国、30万以上のプランを提供している。
KKdayは、アウトバンド観光の優れた業績に加えて、アジア各地からの海外旅行商品が依然として需要の急成長を見せており、KKdayの市場全体のパフォーマンスは、海外旅行商品と国内観光商品がそれぞれ約半分を占めている。
KKdayは、今年もアウトバンド観光、国内観光、インバウンド観光、デジタルツーリズムのビジネスチャンスを含む4大事業を拡大し続けていく予定である。
出典:https://www.kkday.com/static/zh-tw/about/media-report.html
2021年 台湾の旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
雄獅旅遊、コロナ影響でマイナス成長 〜旅行業界動向〜
台湾の大手旅行代理店、雄獅旅遊は2021年2月に、2020年11月~2021年2月の業績を発表した。
2021年1月と2月の売上高は、2020年11月と比べると約半分まで減少している。前年比では単月・累計ともに85%以上のマイナス成長となった。新型コロナ肺炎の世界的流行によって、海外旅行が難しくなっていることが大きな原因である。
現在は、季節ごとの自然鑑賞ツアーや、生態観察ツアー、離島ツアー、クルージングなどをメインに国内旅行のPRを行なっている。
出典:雄獅旅遊 https://mops.twse.com.tw/mops/web/t146sb05
易遊網、屏東観光圏と協力〜旅行業界動向〜
2020年12月17日の発表によると、易遊網は、これまでとは異なる旅行体験を提供し、旅行者が台湾をより深く楽しむことができるよう、大鵬灣風景区管理所が作成した「屏東観光圏」と協力する。
同社は、屏東の地元の観光旅程と文化体験を共同で宣伝するため、屏東の宿泊施設・観光・ショッピングの特色商品を集めた「屏東観光圏販売プラットフォーム」を創設した。2021年の第1四半期にスタートする予定。
易遊網によると、国内で最も人気のある地域は、花東(花蓮・台東)、屏東、離島など、自然に近い、またはリラックスできる観光地だった。山や海に近いという地理的な利点があるだけでなく、多くの文化的および生態学的活動が豊富なため、今回は屏東に焦点を当てる。
出典:易遊網 https://www.eztravel.com.tw/information/presscontact/news/362/
山富旅遊の2021年2月の業績 〜旅行業界動向〜
2021年3月、旅行サービスを提供する山富旅遊は、2021年2月の業績を発表した。
2021年2月の純利益は20,372千台湾ドルで、前年同月比マイナス93.25%とほぼ利益のない状態となってしまった。2021年1〜2月の累計純利益は41,475千台湾ドル。新型コロナウイルスの影響で海外への出国が自由にならない限り、利益が戻ってこないという状況である。
現在は季節の花に関するイベント、花火イベントなどの国内ツアーを中心にPRを実施している。
出典:山富旅遊 https://www.travel4u.com.tw/investor/investment/
2021年の台湾訪問者数〜旅行業界動向〜
2021年1月から2月までの台湾訪問者は27,468人だった。そのうち56%以上は東南アジアからの訪問者で7935人となった。
近年、東南アジアから台湾へ出稼ぎに来ている人や留学生が増えていることが他の国よりも比率が高い理由の一つだろう。日本は中国よりも200人程多い2146人。ヨーロッパ・アメリカ・香港・マカオは合計すると全体の25%を占める6776人となった。
2021年3月現在、台湾に入国できる外国人(非台湾籍者)は、居留証所持者、外交公務、ビジネス契約履行、人道的案件、台湾籍者の配偶者及び未成年の子女、その他特別許可を得た者のみとなっている。
出典:交通部観光局 https://stat.taiwan.net.tw
鳳凰旅遊の2021年2月の営業収入報告 〜旅行業界動向〜
旅行サービスを提供する鳳凰旅遊は、2021年2月の業績を発表した。
純利益は9,339千台湾ドルで、前年同月比マイナス95.64%。2021年1〜2月までの累計純利益は18,271千台湾ドルで、前年比マイナス94.53%となった。現在は新型コロナウイルスの影響で国外旅行者がほぼいないため、国内旅行のPRがメインとなっている。
中でも、温泉ツアーや自然の中でのサイクリングツアー、歴史や文化を深く知ることができる文化的なツアーなどがメインとなっている。
出典:鳳凰旅遊 https://holder.travel.com.tw/holder_1-3.aspx
2020年 台湾の旅行(エンタメ・IT・個人サービス)業界
台湾を訪れた外国人観光客、過去最高へ!〜旅行業界動向〜
交通部観光局は台湾を訪れた外国人客が5年連続で500万人を越え、2019年は1111万人が訪問し過去最高に達したと発表した。観光産業と政府部門の共同の努力のおかげで台湾の外国人訪問者は増えていると述べた。
交通部観光局は台湾を訪れた外国人観光客のうち、中国、日本、韓国、ヨーロッパ、アメリカの5つの国が90%を占めると発表した。このうち日本からは200万人以上、韓国からは100万人ほどが来台した。
2019年は外国人観光客が飛躍的に伸びた年であったが、2020年は更なる集客を目指すため、Tourism2020(台湾の持続可能な観光開発計画)戦略を掲げ、観光産業が一体となって努力していきたいと発表している。
出典:https://www.motc.gov.tw/ch/home.jsp?id=14&parentpath=0%2C2&mcustomize=news_view.jsp&dataserno=201912130004&aplistdn=ou=data,ou=news,ou=chinese,ou=ap_root,o=motc,c=tw&toolsflag=Y&imgfolder=img%2Fstandard
観光列車を大改造!台湾 基隆駅を観光スポットへ 〜旅行業界動向〜
車内改装を経た台湾観光鉄道は、2019年12月13日に台湾の港町「基隆」駅へ向けて初出航を迎えた。当日基隆駅では記者会見が開かれ、列車の内装が初公開された。
鉄道局局長は鉄道駅は交通手段としてだけではなく、商業及び経済の中心として市民の生活の中心にあるべきだと語り、今年6月にターミナル駅併設に向けての工事が始まった。今後は広場やゆったりとした歩道が備わり、港町の特性も生かした基隆の新たなシンボルが誕生する。
基隆には、近年写真スポットして人気の港沿いに立ち並ぶカラフルな家屋や、海を見渡せるサイクリングロードなどがある。今後リニューアルした台湾観光列車により、基隆駅へ来る観光客が増えることが期待される。
出典:https://reurl.cc/vn2rN1
外国人観光客が増加!台湾で外国語のトレーニング提供へ 〜旅行業界動向〜
2019年11月22日、交通部観光局は、来台する外国人観光客の増加を受けて、観光産業の職員向けの外国語トレーニングを行うと発表した。
観光産業と乗用車レンタル産業の外国語能力を向上させるために、レンタカー産業品質保証協会と共催し、「観光と乗用車レンタル産業観光語学研修」コースを実施する。このコースでは4つの地区で合計7つの英語コースと7つの日本語コースを取り扱う。
旅行業界品質保証協会に連絡し、登録すれば無料で受けられるコースで、午前9時30分から午後3時まで開催される。観光客が困らない程度の英語や日本語の日常会話やアプリなどの利用で、旅行環境を整えたいと発表した。
出典:https://www.motc.gov.tw/ch/home.jsp?id=14&parentpath=0%2C2&mcustomize=news_view.jsp&dataserno=201911220002&aplistdn=ou=data,ou=news,ou=chinese,ou=ap_root,o=motc,c=tw&toolsflag=Y&imgfolder=img%2Fstandard
台湾の訪台日本人客、初めて年間200万人達成 〜旅行業界動向〜
2019年12月、交通部観光局は日本人観光客が年間で初めて200万人を超えたことを発表した。200万人突破記念として、200万人目の観光客に記念品を贈呈した。
200万人目の観光客は宮崎県から家族旅行として台湾に訪れた女性。この女性に交通部から記念品の贈呈と、台湾と日本の往復航空券、ホテルの宿泊券や高速鉄道の周遊券などが贈られた。
2020年1月1日から「200万人達成感謝祭」として、台湾を訪れる日本人旅行客に対して数量限定グッズが配布すると発表した。また交通部観光局は台湾に来る日本人観光客は年々伸びており、これからも観光産業一体となり観光業を伸ばしていきたいと述べている。
出典:https://www.motc.gov.tw/ch/home.jsp?id=14&parentpath=0%2C2&mcustomize=news_view.jsp&dataserno=201912090003&aplistdn=ou=data,ou=news,ou=chinese,ou=ap_root,o=motc,c=tw&toolsflag=Y&imgfolder=img%2Fstandard
まとめ:台湾の旅行業界
今回は、台湾の旅行業界事情についてご紹介しました。
さらに人気になることが予想される台湾ですが、今後の人気の動向も要チェックです!
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。