韓国キャッシュレス決済市場はクレジットカード・モバイル決済が圧倒的シェアを占め、2024年時点で普及率99%を突破。
日本企業がビジネス拡大を目指す際に押さえるべき主要12社の最新動向と活用ポイントを徹底解説します。
読了時間の目安:5分
韓国のキャッシュレス事情の概要
韓国でキャッシュレス決済が普及した理由と背景
韓国のキャッシュレス化は、1997年のアジア通貨危機を契機として本格的に始まった。この危機により韓国経済は大きな打撃を受け、景気が大きく落ち込んだことから、個人消費を増やすと同時に脱税防止を目的として、政府が主体となってクレジットカードの利用を推進した。
韓国政府は経済縮小への対策として、消費者向け与信を拡大することで消費を拡大する方針を採用し、さまざまなクレジットカード振興策を実施した。これらの政策は1999年に本格的に開始され、以下の主要な施策が実施した。
1999年にクレジットカード決済額の一部を所得から控除し、年末の源泉徴収時に還付する制度を導入した。具体的には、300万ウォン(約30万円)を上限に、年間のクレジットカード利用額の20%を課税所得から控除できるようになった。なお、2012年の税制改正により、控除率は20%から15%に引き下げられている。
また、年商240万円以上の店舗にクレジットカードの取り扱いを義務づけ、クレジットカード決済を拒否する事業者にはペナルティを課した。これにより、小売店やコンビニ、スーパー、アミューズメントなどほとんどの店舗でクレジットカード決済が導入された。
事業者のクレジットカード取引の記録が全て国税庁に提供される仕組みが導入され、2005年には「現金領収書制度」も導入された。これにより、現金での決済を受け付けた際にも、事業者は専用端末から現金領収書を発行し、決済の記録が国税庁にデータとして送信されるようになった。
これらの施策により、1999年から2002年にかけて、クレジットカードの発行枚数が2.7倍になり、クレジットカード利用金額が6.9倍に増加した。
2000年代に入り、韓国ではスマートフォンの保有率が飛躍的に伸び、2023年時点で97%を超えている。この高いインフラ環境がFintechをはじめとするデジタルサービスの急速な発展を後押しした。
韓国のキャッシュレス決済額の推移
韓国のキャッシュレス決済比率は世界最高水準に達しており、以下のような推移を示している:
2015年:89.1%
2016年:96.4%
2020年:93.6%
2021年:95.3%
2022年:99.0%
2017年時点で、個人のキャッシュレス消費額のうちクレジットカードの利用は75.4%の割合を占めている。2023年のオンラインショッピングでは、75.2%の消費者がクレジットカードを利用しており、クレジットカードが主要な決済手段として定着している。
一方、電子マネーの利用率は8.7%に留まっているものの、クレジットやデビットカードと連携したモバイル簡易決済の利用率が49.0%と高く、スマートフォンを介したデジタル決済への移行が進んでいることがうかがえる。
韓国のモバイル決済市場規模は2022年に35.27億米ドルで評価され、2022年から2032年にかけて8.87%のCAGRで成長し、2032年までに82.53億米ドルに達すると予想されている。
韓国銀行の発表によると、簡便決済の1日平均の利用金額は、2016年の260億430万ウォンから、2017年は671億8,260万ウォンと、前年比約2.5倍に急増している。
現在の韓国では、キャッシュレス決済比率が99.0%に達し、世界で最も高い水準となっている。韓国では日常生活で現金を使用することはかなり少なくなり、スターバックスでは現金が使えない店舗も存在し、マクドナルドやコーヒーショップのセルフオーダーステーション、さらには現金が使えないレストランも登場している。
このように、韓国は政府主導の政策と技術革新、社会文化的背景が相まって、世界最高水準のキャッシュレス社会を実現しており、今後もさらなる発展が期待されている。
韓国のキャッシュレス決済:主要カード決済3選
クレジットカード
韓国のクレジットカード市場国内普及率は90%だ。さらに、韓国国内の使用者は2015年からプラスチックのカードが必要ないモバイルカードの発行し、スマートフォンを活用したアプリでのサービスが開始したのである。よって韓国国内のキャッシュレス決済市場の85%がクレジットカード決済を基盤にしたサービス。
利用可能場所は、コンビニ、スーパー、デパート、市場、小売店、売店、飲食店、カフェ、病院、薬局、交通手段、学院、文化空間、給油所などの全国のクレジットカード加盟店で利用可能だ。中でも市場や小売店、売店を除いた施設では、全体の決済手段の内クレジットカードが一番高い使用率を占めているのだ。
クレジットカードの決済手数料は、加盟店の規模によって違いがある。 零細企業の場合3億ウォン以下は0.80%だ。中小企業の場合、3から5億ウォンは1.30%、5から10億ウォンは1.40%、10から30億ウォンは1.60%という比率である。
デビットカード
2022年5月基準、1分期の新韓カード、KB国民カード、サムスンカード、現代カード、ロッテカード、デビットカード、ウリカード、ハナカードのデビットカード総発行数は6千157万4千枚で、昨年同時期の6千457万6千枚に比べて300万2千枚、4.6%減少したのである。
デビットカードの利用可能場所は、新韓銀行の発行するデビットカードの場合、一部加盟店を除いた全国のクレジットカード加盟店で使用可能だ。さらに、全国の銀行ATMで現金の出金が可能だ。
零細加盟店、中小加盟店優待手数料のによると、年間売上高が3億ウォン以下の零細加盟店の場合0.5%だ。中小加盟店の場合、年間売上高が3から5億ウォンの場合1.0%、年間売上高が5から10億ウォンの場合1.1%、年間売上高が10から30億ウォンの場合1.3%だ。
Tマネーカード
Tマネーカードは、先払い交通カードの市場内で保有率82%の交通系カードで、市場全体1位の保有率だ。さらに2019年基準、年間販売量が550万枚の先払い交通系カードである。
地下鉄やバス、タクシー、高速バス、市街バス、高速道路、有料道路などの交通施設で利用可能だ。さらに、GS25やCUを始めとしたコンビニ、スターバックスなどのカフェ、大型マート、パン屋さん、ファーストフード、大学、公共施設などで利用可能だ。オンラインでの利用も可能である。
第15条第1項によってTマイレージを利用する場合などは手数料がかかる場合がある。また、Tマイレージの返金を要請する場合は返金手数料が発生する。Tマネーカードは決まった手数料ではなく条件によって手数料が発生するようだ。
韓国のキャッシュレス決済:主要QRコード決済3選
Naver Pay
Naver Payは韓国の大手インターネット企業Naverが提供するスマホ決済サービスで、割引率とポイント還元率の高さが最大の特徴だ。会員登録をすればポイント還元率を2倍にできる特典もあり、利用可能店舗の多さと他社のQRコード決済と比べて高い還元率がユーザーから人気を集めている。
サービス形態は大きく2つに分かれる。1つ目はNaver Pay決済型で、クレジットカードや銀行口座を一度連携すれば、Naver Payパスワードで簡単に決済できる機能だ。2つ目はNaver Pay注文型で、オンライン加盟店の商品ページで新たな会員登録やログインをせずにNaver IDで注文・決済ができるサービスだ。このため、ユーザーは手間をかけずにショッピングを楽しめる。
手数料体系は決済方法によって異なり、口座振替時は1.65%、無通帳入金時は1%が発生する。クレジットカード決済の場合はカード会社ごとに異なる手数料が適用される。また、Naver Payに入金した資金の出金手数料は無料で、利用者にとってはコストが抑えられる。
日本や海外の事業者にとっても、Naver Payを導入することで韓国からのインバウンド需要を取り込むことが可能だ。実際、2025年現在、PayPayなど日本の主要キャッシュレスサービスと連携し、韓国人観光客が日本国内でNaver Payを利用できる環境が整備されている。
韓国では2023年時点でクレジットカード決済のうちモバイル決済が50.5%を占め、Naver Payは2,400万人以上のオンライン購入者が利用する人気サービスとして確固たる地位を築いている。
出典:https://www.naver.com/
Samsung Pay
Samsung Payは、韓国をはじめ世界30以上の国と地域で利用できるモバイル決済サービスだ。最大の特徴は、POS端末があるオフライン店舗ならばほぼどこでも利用できる点であり、利用可能店舗を探す必要がほとんどないほど高い汎用性を持つ。海外でも利用でき、韓国国内では2024年9月時点で1,856万人が利用する人気サービスとなっている。
ログイン方法はパスワードの他、顔認証や指紋認証などを活用した「Samsung Pass」による生体認証も選択でき、決済時だけでなく各種アプリやウェブサイトへのログインにも利用できる。アプリ内では航空券の管理や搭乗時刻のアラーム機能、QRコードによる搭乗券の確認も可能で、映画やスポーツ、公演など様々なチケットを一括管理できる。さらに、運転免許証や学生証といった身分証の管理、自動車のデジタルキーの保存もアプリ内で行うことができる。
Samsung Payは年会費や決済手数料が発生しない無料サービスであり、LTEデータ通信利用時はデータ料金がかかる場合があるが、Wi-Fi環境下では追加費用なしで利用できる。セキュリティ面ではSamsung独自の「Samsung Knox」プラットフォームによる高度な保護機能が搭載されており、ユーザー情報や取引データが強固に守られている。2025年には日本でもサービスが開始され、三菱UFJ-VISAデビットや三井住友カードなど主要カードにも対応し、さらなる利便性の向上が進んでいる。
出典:https://news.samsung.com/jp/galaxy-wallet123
https://www.samsung.com/jp/
Kakao Pay
Kakao Pay(カカオペイ)は、韓国最大のメッセンジャーアプリ「KakaoTalk」と連携したモバイル決済サービスであり、2025年現在、約4,000万人のユーザーと2,400万人を超える月間アクティブユーザーを抱える韓国屈指の決済プラットフォームだ。オフライン店舗とオンライン店舗の両方で利用可能で、加盟店の多さと高いポイント還元率が大きな特徴となっている。カカオトークのフレンドにはトーク画面から簡単に送金できる利便性もユーザーから高い支持を得ている要因だ。
アプリ内サービスは大きく3つのカテゴリーに分かれる。生活サービスでは、送金や決済、メンバーシップなど日常の支払いややり取りが可能だ。管理サービスでは、財産管理や公共機関からの案内文、書留郵便、請求書などの電子文書を安全に管理でき、ガス料金や通信料金、地方税などの納付期限のお知らせ機能も備えている。金融サービスでは、投資や融資、保険など多様な金融商品をアプリ内で一括管理できる。
手数料体系は、クレジットカードでチャージして決済する場合、企業の規模によって異なり、零細企業は1.8%、中小企業は2.4%、準中小企業は2.55%、中堅企業は2.8%、一般企業は3.3%が適用される。現金を事前にチャージして利用する補助決済手段「カカオマニー」の場合は、一律3.3%の手数料がかかる。なお、物販やデジタルコンテンツの手数料は2.95%とする資料もあるが、これは事業者向けの別体系となる場合がある。
韓国のモバイル決済市場は年平均成長率9%以上で拡大しており、Kakao Payはオンライン・オフライン両方の店舗で高い利便性を発揮し、韓国国内外のインバウンド需要を取り込むための決済手段としても注目されている。
出典:https://www.kakaocorp.com/page/service/service/KakaoPay?lang=en
Toss Pay
Toss Pay(トスペイ)は、韓国のフィンテック企業Toss(Viva Republica)が提供するモバイル決済サービスであり、オンライン・オフライン問わず幅広い加盟店で利用できるのが特徴だ。2025年現在、韓国国内で12,000店舗以上の加盟店を有し、約950万人のユーザーを抱える人気サービスとなっている。
Toss Payは、VisaやMasterCard、韓国のほぼすべての地元銀行口座と連携でき、銀行振込やオンライン支払い、送金、請求書の支払いなど多彩な機能を提供している。アプリ内ではバーコードやQRコードを活用して即時決済が可能で、利便性の高さが評価されている。さらに、Tossアプリは決済だけでなく、株式投資やクレジットスコア確認、公共料金の支払いなど、あらゆる金融サービスを一元管理できる「スーパーアプリ」としても進化している。
2025年2月には、顔認証による決済「フェイスペイ」サービスも開始され、韓国の大手コンビニやカフェ、映画館などで導入が進んでいる。顔認証精度は99.99%と高く、1秒で決済が完了する。セキュリティ面でもデータ暗号化や24時間体制の異常取引探知システムを導入し、安全性を強化している。
Toss PayはAlipay+と提携しており、日本を含む海外のAlipay+加盟店でも利用できる。このため、韓国人観光客が日本滞在中にToss Payで決済できる店舗も増えている。手数料はオンライン決済の場合、物販やデジタルコンテンツで4.5%がかかるケースもあるが、店舗側の導入方法やサービスによって異なる。
Payco
Payco(ペイコ)は、NHN Corp.傘下のNHN PAYCOが提供する韓国最大級のモバイル決済サービスであり、オンライン・オフラインを問わず幅広い加盟店で利用できるのが最大の特徴だ。2025年現在、オンライン加盟店は20万以上、オフライン加盟店は18万以上に達し、全国の主要コンビニ、カフェ、百貨店、飲食店、ショッピングモール、さらには公共交通や映画館、観光施設など多様な場所で決済が可能である。
決済手段は銀行口座、クレジットカード、デビットカード、ギフトカードなど多岐にわたり、アプリ内で初期設定した「決済暗証番号」だけで簡単に決済できる利便性が高い。Paycoはポイント還元や割引クーポンの充実度も高く、決済時にポイントが貯まり、貯まったポイントは次回の決済に利用できる。また、Paycoポイントカードを連携することでポイント還元率がアップする仕組みも人気だ。
アプリ内では送金や決済だけでなく、金融商品の管理、公共料金や税金の納付、電子文書管理、メンバーシップカードの一元管理など、日常のさまざまなサービスをワンストップで利用できる。さらに、Paycoは三層の不正取引防止システムと統合セキュリティ監視センターを導入し、高い安全性を確保している。
Paycoは日本を含む海外でも導入が進み、韓国人観光客が日本国内で利用できる店舗も拡大している。Paycoのオンライン決済手数料は4.5%が一般的であり、店舗側の導入方法によって異なる場合もある。
韓国のキャッシュレス市場において、Paycoは利用者数・加盟店数ともにトップクラスであり、今後も国内外でのサービス拡大が期待される。
WeChat Pay
WeChat Pay(ウィーチャットペイ)は、中国最大のメッセージアプリWeChatに統合された決済サービスであり、中国以外でもアジアを中心に多くの国や地域で利用できる。韓国においても、特にソウルの観光地や主要都市の一部店舗でWeChat Payが導入されており、訪韓中国人観光客向けの決済手段として一定の存在感を示している。
ソウル明洞エリアでは、2017年時点で既に数十店舗がWeChat Pay対応のステッカーを掲示しており、コスメ関連店舗を中心に導入が進んでいた。ただし、韓国国内でのWeChat Pay対応店舗数は、Alipay(アリペイ)と比較するとまだ限定的であり、Alipayの方が先行して広く普及している傾向がある。これは、Alipayがロッテ百貨店やセブンイレブンなど大手チェーンで早期から導入されていたことが背景にある。
また、2024年12月以降は、韓国のウォレットアプリ利用者が中国国内でWeChat PayのQRコードをスキャンして決済できるようになるなど、韓国と中国の間でモバイル決済の相互利用が進展している。しかし、韓国人ユーザーが韓国内でWeChat Payを日常的に利用するケースはまだ少なく、主に中国人観光客向けのサービスという位置づけが強い。
韓国のキャッシュレス決済:主要プリペイド決済3選
Tマネー
Tマネーカードは、韓国の先払い型交通カード市場において82%という圧倒的な保有率を誇り、市場全体で1位のシェアを占める。2019年基準で年間販売量は550万枚に達し、現在も年間数百万枚単位で利用者が増え続けている。
このカードは地下鉄やバス、タクシー、高速バス、市街バス、高速道路、有料道路など幅広い交通施設で利用できるほか、GS25やCUをはじめとするコンビニ、スターバックスなどのカフェ、大型マート、パン屋、ファーストフード店、大学、公共施設などでも使用可能だ。さらに、オンラインでの利用も一部サービスで対応している。Tマネーカードは韓国全国で使えるだけでなく、ソウルや釜山など主要都市の多くの加盟店で利用できる利便性の高さが特徴だ。
購入やチャージは地下鉄の券売機やコンビニで簡単に行え、現金のみで1,000ウォン単位から最大50万ウォンまでチャージできる。現金でのチャージは手数料がかからず、運賃も現金利用時よりも割安になるケースが多い。
Tマイレージ(Tマネーポイント)を利用する場合は手数料が発生する場合があり、返金を要請する際も返金手数料がかかる。手数料体系は条件によって異なり、決まった金額ではなくサービスの内容や利用状況によって変動するため、利用前に公式サイトや案内を確認することが推奨される。
Cashbee
Cashbee(キャッシュビー)は、韓国でT-moneyに次いで人気の高い先払い型交通系カードであり、現在は「EZLカード」へと名称が変更された。特に釜山を中心に利用者が多く、ソウルや釜山の地下鉄、バス、タクシーなど幅広い交通機関で利用できる。T-moneyと同様に運賃割引が適用され、コンビニ(ロッテマート、スーパー、ロブス)、ロッテシネマ、カフェ、レストランなどでも決済が可能で、汎用性の高さが特徴だ。
カード購入時はチャージがされていないため、利用前に地下鉄の駅やCashbeeマークのあるコンビニ、街頭販売店、一部銀行のATMでチャージが必要となる。チャージ額は1,000ウォンから最大500,000ウォンまでで、現地でのチャージのみ対応している。
バス利用時は2人以上で1枚のカードを使うこともでき、運転手に「두명이요(トゥミョンイヨ、2人です)」と伝えればそのまま利用できる。ただし、2人以上で利用した場合はバスから地下鉄への乗り換え割引は適用されない。
以前はモバイルCashbeeサービスも存在したが、2018年3月末で終了している。現在はカード型のみの利用となる。
地下鉄運賃は、例えば釜山の場合、一般利用者が現金で乗車する場合1区間1,550ウォンだが、Cashbee利用時は1,450ウォンとなり、現金利用よりも割安だ。
KONA Card
KONA Card(コナカード)は、韓国のスマートカードメーカーKONA I Co., Ltd.が提供するプリペイド型決済カードおよび決済プラットフォームだ。韓国では約4人に1人が利用するほど普及しており、CUコンビニでのチャージやATMでの出金が可能で、利便性の高さが特徴である。KONA Cardアプリを通じて決済履歴の確認やポイント管理、クーポン利用なども一元化できる。
KONA Cardは国際規格「EMV」に準拠しており、既存の決済端末でも容易に導入できる。カードは実物型とモバイルアプリ型の両方に対応し、NFCやバーコード、QRコードによる決済も可能だ。また、ギフトやクーポン機能、カード紛失時の管理機能もアプリ内で利用できる。
KONA Cardは交通カードとしても利用でき、観光地やアミューズメントパーク、免税店などでの特典も用意されている。韓国旅行者や現地生活者にとって、交通機関や買い物、観光施設での決済を一本化できる利便性が高く評価されている。
KONA I Co., Ltd.は韓国を拠点にグローバルに事業を展開し、メタルカードや木材カードなど異素材カードの製造にも強みを持つ。2023年には日本法人「KONAジャパン合同会社」を設立し、日本市場でもデジタル決済や高級ブランド向けカードの導入を進めている。今後も国内外でのサービス拡大が期待される。
韓国のキャッシュレス決済:主要キャリア決済3選
K bank
K bank(ケーバンク)は韓国初のインターネット専業銀行として2017年に設立され、既存の銀行とは異なるデジタル金融サービスの展開で注目を集めた。スマートフォンアプリを中心としたサービス設計で、口座開設や送金、預金、ローン、カード発行など主要な金融サービスを全てオンラインで完結できるのが特徴だ。
ケーバンクは口座維持費が無料で、普通預金・定期預金・積立預金など複数の預金商品を提供している。定期預金は年1.40%、積立預金は年2.20%の金利が設定されており、他行と比較しても競争力のある水準だ。口座間の国内送金もすべて無料で、デビットカードの発行手数料もかからないなど、ユーザーにとってコスト負担が少ない設計となっている。
また、通信大手KTや韓国最大のインターネット企業Naverなどが出資し、提携カードやポイントサービス、モバイル送金などの付加価値も充実している。たとえばKTと連携したチェックカードでは、利用実績に応じて通信料金がキャッシュバックされる特典もある。
SKテレコム
SKテレコムは韓国最大手の通信会社であり、自社のキャリア決済サービスとして「SK Pay」を提供しているが、現在はサービス名が「11pay(イレベンペイ)」に変更されている。利用には専用アプリが必要で、一度の会員登録を行うことでオンライン・オフラインの幅広い加盟店で決済が可能だ。
決済手段は口座振替、クレジットカード、デビットカード、キャリア決済など多様で、全ての加盟店で簡単・迅速・安全に利用できる。決済時には「11pay money(旧SK pay money)」というプリペイド型の残高も利用でき、アプリ内でチャージや残高確認、決済履歴の管理ができる。また、利用ごとに「11payポイント(旧SK pay point)」が貯まり、オンラインショッピングモール「11番街」などで現金のように使えるほか、ポイント利用可能店舗も拡大中だ。
11pay利用時の手数料は無料で、決済手段の利用にも追加費用はかからない。韓国の居住証明書を発行した外国人も、韓国人と同様に加入・利用が可能だ。ただし、海外発行のクレジットカードは利用できないため、韓国国内で発行されたクレジットカードやチェックカードが必要となる。
加えて、SKテレコムの通信料金も11payで支払うことができ、バーコード決済やNFC(Android 6.0以上)によるタッチ決済も選択できる。アプリ内では金融商品の登録や利用も可能で、今後もサービス拡大が期待されている。
LGU+
LGU+は韓国の大手通信会社であり、携帯電話やインターネット、IPTVなどの通信事業を幅広く展開している。LGU+のキャリア決済は、スマートフォン端末を利用した本人認証によって簡単に決済ができ、オンライン・オフライン問わず手軽に利用できるサービスだ。
利用方法は、決済時にキャリア決済を選択し、LGU+を選ぶことで始まる。本人確認のため、電話番号と住民登録番号を入力し、ショートメッセージで送られてくる認証番号を確認画面に入力する。これにより、セキュリティを担保しつつ迅速な決済が可能となる。
LGU+キャリア決済の最大利用限度額は、新規顧客は月30万ウォン、既存顧客は一般で月30万ウォンから80万ウォン、VIP顧客は月100万ウォンまで利用できる。ただし、この利用限度額は携帯名義人の住民登録番号を基準に決定されるため、条件によって変動する可能性がある。
LGU+はSKT、KTと並ぶ韓国三大通信会社の一つであり、キャリア決済を通じて幅広い年齢層やクレジットカード未保有者にもアプローチできる。決済手数料や利用限度額は事業者や契約内容によって異なるが、韓国国内で安定した利用実績を持つサービスだ。

ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は12年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。

