韓国政府は2025年までに全国の中心都市64ヶ所をスマートシティとして造成する計画で、計2560億ウォンの予算が投入される予定です。例えば江南区ではコンパクトシティやグリーンスマートシティの造成実現に向けて動き出しています。今回は韓国のスマートシティについて実例を取り上げながら解説します。
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韓国のスマートシティの現状
韓国のスマートシティの市場規模と成長率、投資状況
スマートシティ市場とされる範囲がとても広く曖昧な為、スマートシティ関連の市場規模の数値は調査機関ごとに異なる場合が多い。技術中心に考える事や、環境や気候部分、産業全般を中心に広く考えることが出来る為である。
オーライドマーケットリサーチが発表した報告書によると、スマートシティの2030年予想市場規模は、6兆ドルを超えると予想されている。注目しなければならない部分は、調査機関ごとに予想する成長率が異なるということだ。
マーケットアンドマーケットの報告書によると、スマートシティの成長率は今年の5116億ドルから今後5年間に年平均14.9%成長し2027年には1兆244億ドルに成長する事と予想されている。
また他の調査では、全世界のスマートシティ市場規模は2027年までに2887億ドルまで成長する事と展望されており、欧州は同期間で市場成長に37%の貢献するものと予想されたと発表されている。
ムン大統領は2027年、世界初の完全自動運転商用化を目標に自動協力走行に欠かせない道路デジタルインフラを来年から全国に構築する計画だと明らかにし、それと共にSOCデジタル化の成功のために多くの企業が投資し企業開発する事を要請した。
韓国の現在のスマートシティの数
スマートシティは国際電気通信連合(ITU)調査によると定義が116個にもなるとの事だ。その中で最も多く言及された定義はICT、通信、知能、情報などの内容だが、広くは生活の質、経済と財政、移動性なども含まれた概念である。
世界のスマートシティ市場は、世界各国のスマートシティプロジェクトの推進と共に急速に成長している。世界の各都市の中で人口が1000万人以上のメガシティが2013年の23個から2025年37個に増えると予想し、その影響でスマートシティが急速に成長すると期待しているそうだ。
世界のスマートシティプロジェクトの約70%はエネルギー・交通・安全の3代要素に集中すると言う。また、全世界の約70億人の人口のうち35億人が都市に居住しており、スマートシティはさらに関心を集めるものと見られている。
韓国政府のスマートシティの開発目標
政府は2025年まで全国の中心都市64ヶ所をスマートシティとして造成する計画だ。その為、計2560億ウォンの予算が投入される予定である。これに参加する事のできる「中・小都市スマートシティ造成事業」を公募する。
「中・小都市スマートシティ造成事業」は優秀なスマートシティソリューションを全国に拡散し自治体の事業力量を強化し住民対感度を高める事を目標としている。これまで、革新サービスを実証・拡散するスマートシティサービスを実証する成果を上げた。
政府は来年から毎年の基礎自治体を選定し、1ヶ所当たり40億ウォンを支援することにした。4年間で計64ヶ所で中・小都市に計2560億ウォンが投入される計画だ。選定した基礎自治体へのソリューションを普及させ都市問題の解決策を模索する予定だ。
スマートシティ分野別外部専門家で構成された評価委員会で書面及び発表評価を通じて2022年2月始めに中・小都市16ヶ所を選定する計画だ。選定後1年間、ソリューション構築事業を推進する方針である。そしてソリューションを普及させ、都市問題の解決策を模索する計画だ。
また、国試交通部はスマートシティに適用される新しい革新技術を発掘し実証するための事業も公告する予定である。
韓国政府のスマートシティの政策
全国64ヶ所スマートシティ化
国士交通部は2021年11月8日公募計画を発表した「地域拠点スマートシティ製造事業」に続き中・小規模都市を対象にスマートソリューションを造成・構築する「中・小都市スマートシティ造成事業」に2025年までに暫定2560億ウォンを投入すると明らかにした。
「中小都市スマートシティ造成事業」は優秀なスマートシティソリューションを全国に拡散させ、自治体の事業力量を強化し、住民体感度を高める事を目標とする。
これまでスマートチャレンジ事業を通じて全国64都市で240ヶ所余りのスマートシティサービスを実証する成果を上げたが、大部分の中・小規模都市は事業に参加しにくく、地域住民の対感度も低い実情だった。
今回の事業からは政府主導の普及事業から抜け出し、計画樹立からソリューションの構築・運営段階までサービス利用者が参加する住民参加型モデルで事業を推する。 都市サービス向上のために住民が都市問題を探し、相応のソリューションの構築計画と成果目標を定めることになれば、推進過程で政府·支援機関の適切なコンサルティングも支援される。
来年は計640億ウォンで16の基礎自治体(特別自治市·道を含む)を選定して事業を推進し、選定都市別に政府と地方自治体が40億ウォンを共同投資することになる。
1ヶ所あたり40億ウォン支援
国土交通部(長官のノ·ヒョンウク)は2021年11月8日に公募計画を発表した。「地域拠点スマートシティ造成事業」に続き、中·小規模都市を対象にスマートソリューションを造成·構築する。「中·小都市スマートシティ造成事業」に2025年までに2,560億ウォン(国費1,280億ウォン含む)を投入する予定だと明らかにした。
国土部が「住民参加型」「中·小都市スマートシティ造成事業」公募に乗り出したのはこれまでスマートチャレンジ事業を通じて全国64都市で240ヶ余りのスマートシティサービスを実証する成果を上げたが、大部分の中·小規模都市は事業に参加しにくく、地域住民の体感度も低い問題点を解決するための政策と解説されている。
国土交通部は、今回の公募事業を通じて優秀なスマートシティソリューションを全国に拡散させ、自治体の事業力量を強化し、住民体感度を高めることを目標にしている事を明らかにした。
特に今回の事業からは政府主導の普及事業から脱し、計画樹立からソリューションの構築·運営段階までサービス利用者が参加する住民参加型モデルとして推進過程で政府·支援機関の適切なコンサルティングも支援される。
国土部は、2022年に国費320億ウォン+地方費320億ウォン投資(1:1マッチング事業)計640億ウォンで16の基礎自治体(特別自治市·道含む)を選定して事業を推進し、選定都市別に政府と地方自治体が40億ウォンを共同投資する計画だ。
韓国のスマートシティの事例
江南区×江南区自治体
チョ区庁長は「グリーンスマートシティ」江南区のビジョンと共にセテック敷地行政複合文化タウン造成、コンパクトシティ造成、再構築ドリーム支援TF構成、両極化解消、グローバル観光名所開発など区政運営方向を提示した。
江南区はこのビジョンを通じて区は人と自然が共存し、革新技術ライフが実現される世界一流都市を目標に江南の再跳躍を導く計画である。江南区はまず、文化体育施設拡充に対する区民欲求充足と便利なワンストップ行政サービス提供のために「行政文化複合タウン」造成を推進する。
このために市有地である大峙洞セテック敷地と現在区庁が位置した区有地の等価交換がなされなければならず、区は今後ソウル市と具体的な協議を継続する計画だ。そして江南区は、地下鉄駅勢圏中心の高密複合開発を推進し、直走近接型「コンパクトシティ」を実現する予定だ。
そして江南区には乗換駅11個、丹一駅には17個、慰礼〜新沙線の新規開通駅2個を含め計30ヶ所の地下鉄駅があり、区は駅勢圏用途地域の上方修正を通じて民間事業者の事業性を高め生活文化インフラを拡充する方針だ。
住民が徒歩生活圏内で「グリーンスマートシティ」江南の便利施設の恩恵を全て受ける事ができる圧縮的都市空間を造成し、大都市の慢性的な問題である住居と交通問題などを解消するという構想だ。
釜山×EDC×コンソーシアム
国内初のスマートシティ(Smart City)として設計されている釜山エコデルタスマートシティ(EDC:Eco Delta Smart City)国家試験都市が、4年余りの企画段階を終えた。総事業規模約5兆4,000億ウォンの韓国最大規模スマートシティ事業である釜山EDCの優先交渉事業者は、LG CNSを主軸とする「ザ・インコンソーシアム」が選定された。
釜山エコデルタスマートシティ国家モデル都市は、2.2㎢規模に住居·商業·R&Dなど主要都市機能を集約し、市民、サービス、ITインフラ、デバイス、空間、インフラなどシティ構成要素全体を保護し持続可能な都市支援のためのセキュリティ体系を構成する計画だ。
政府が国家課題として第一歩を踏み出したスマートシティは「限界に直面した都市問題を解決し、時速可能性を拡大するための公共主導で最先端のインフラを構築、都市の経済的問題を超えて市民生活の質を向上させると定義した。
ユビキタスは「いつでもどこでも存在する」というラテン語から来た言葉で「全てのものをネットワークで連結し、時間や場所に関係なく多様に利用できるようにする技術」を意味する。 釜山エコデルタスマートシティはユビキタスの概念を抱いた都市である。
釜山エコデルタスマートシティの運営にはLG CNSを代表とする「ザ・イン(人)コンソーシアム」が選ばれた。
大邱×大邱スマートシティ×大邱市支援センター
大邱公域市は市民と交流を通じて市民が求める共感するサービスルームクォ構築し、企業が成長する事が出来るように集団産業環境を造成し、都市空間をデジタル化し市民と企業が活用することが出来るように有用な情報を公開している。
大邱スマートシティーの推進目標は、「市民共感都市」「空間核心都市」「企業生産都市」に分けられる。市民共感都市と空間核心都市は、便利な生活環境とそして安全な都市環境を目標にしており、市民共感都市と企業生産都市は核心サービスの提供と雇用の安定を目的にしている。企業生産都市は、集団企業の育成を目標にしている。
大邱広域市の推進方向も3つある。1つ目の市民共感は、インフラの拡大中心から体感型サービス構築、そして公共主導から市民参加の拡大を目標にしている。2つ目の企業生産は、テストベッドからビジネスモデルの採取そして老後産業団地から集団産業環境の造成が目標だ。そして3つ目は、地域開発から空間革新が目標である。
運営団体である大邱公域市スマートシティ支援センターのビジョンは、地域IT/SWおよびICT融合企業の力量強化高精度そして、高信来IoT安全感知製品又ソリューション市場先取りおよびグローバルハブ跳躍である。
大田広域市×大田スマートシティ×大田広域市
大田スマートシティのビジョンは、DNA基盤スマートシティ大田の調整そして目標は、市民の生活の変化と、データ中心都市、4次産業革命の特別市跳躍だ。その中でも市民サービスと基盤調整に分ける事が出来る。
市民サービスは、知能型サービスを受け持つ都市だ。中心課題には、便利に利用することのできる交通にスマート交通、迅速に対応する財産の安全のスマート安全、スマート経済・産業活力基盤調整のスマート経済、快適に管理する環境のスマート環境、皆に開かれている行政のスマート行政がある。
そして基盤調整には、DMA基盤のスマートシティがある。Dはデータ、Nはネットワーク、Aは人工知能である。データは、有効なデータが流れる都市、Nはきめ細やかな人的・物的連結都市、Aが人工知能基盤の都市である。
スマートシティの安全網サービスは、112番緊急映像支援や112番緊急出動支援、法務部緊急映像支援、災難状況の緊急対応、社会的弱者支援、119番緊急出動支援がある。これらがスマート都市総合センターからの指示を受けて活動される。
データ中心知能化都市では、変化し挑戦する機会を作るデータシティ大田を目指している。2026年から22年12月までスマートシティチャレンジ事業が総予算259億ウォンで開始された。
韓国のスマートシティの今後の動向
開かれた都市と革新成長
スマートシティの推進戦略は、公共主導と技術中心の断片的接近から抜け出し、民間企業·市民など多様な需要者が参加する人中心の開かれた都市と、革新成長を牽引する持続可能な都市を目標に7つの革新変化を追求する。
目標の7つの革新変化を追求実現するために「都市成長段階別差別化されたアプローチ」と「都市価値を高めるオーダーメード型技術の融合」そして「民間企業·市民·政府主体別役割の再確立」という「3大戦略」を実行する。
スマートシティ3だい戦略には、都市成長段階別接近そして、都市価値を高める人中心のカスタムがた技術導入がある。そして3つ目に主体別役割があり、これは民間投資の拡大、市民参加、政府支援の強化を目的としている。
国家試験都市
政府は2018年1月に「スマートシティ推進戦略」と共に「世界スマートシティ」先導モデルとして国家モデル都市2ヶ所(世宗5-1生活圏、釜山エコデルタシティ)を発表した。国家試験都市の基本構想を平成30年7月に樹立し、これを具体化した施行計画を樹立(2018年12月)し発表を(2019年2月)した。
国家モデル都市は、革新的なモデルの都市造成を成功するために、第4次産業の専門家をマスタープランナーに選任し事業を推進している。また、 2021年末から最初の住民入居を目指している。
セジョン5-1生活圏では、人工知能・データ・ブロックチェーンを基盤とした市民の日常を変えることのできるスマートシティの造成が目標だ。7大サービス実現に最適化された空間計画をまとめている。
ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は12年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。