【ポテンシャルは東南アジアNo.1?】成長が続くインドネシアの海運業界

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インドネシアは、国土が非常に広い島国です。その地理的特徴からも、インドネシアの海運業界が持つポテンシャルは非常に高いと言えます。一方、他の東南アジア各国と比較して、インドネシアの海運業界は未だ発展途上にあるといえます。今後の成長に注目です!

今回は、そんなインドネシアの海運業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2022年 インドネシアの海運(運輸・物流)業界

Samudera、PERNIと相乗効果確立で合意〜海運業界動向〜

インドネシアの総合物流会社PTSamuderaIndonesiaTbk(SMDR)は2022年12月1日に国営海運会社PTPelayaranNasional Indonesia(PELNI) Perseroと相乗効果を確立することに合意したことを明らかにした。

PELNIは国営海運会社としてインドネシアの3TP (開発で取り残された地域、最遠隔地、最前線、辺境地)エリアまでのすべての主要港に広範なネットワークを持っている。一方、SamuderaIndonesiaは国内・国外の海運および貨物ロジスティクスで長い経験を持っている。

両社がコラボすることで、インドネシアの海事産業を革新し、より良い輸送ソリューションを生み出し、多くのビジネスチャンスを開き、物流サービスのユーザーにより多くの利益を提供することが期待されている。

出典:https://insight.samudera.id/?p=606

Sillomaritime、LNGタンカー新造〜海運業界動向〜

インドネシアの海運会社PTSillomaritimePerdanaTbk(SHIP)は海運サービス、特に石油およびガス産業向けにオフショア艦隊を提供する会社で、船舶を追加することで事業を拡大している。

2022年9月14日、SHIPは子会社のPT Golden Prima Maritimを通じて、145,000㎥の液化天然ガス(LNG)タンカーGoldenIsaiaを購入したことを明らかにした。タンカーの造船費用は2022年度の設備投資予算の65%にあたる1億USDであった。

SHIPでは国内で増加するガスタンカー需要に対応するため、2021年末に超大型ガス運搬船1隻を購入したのに続き、今回GoldenIsaiaを購入、今後数年間でさらにLNG船を購入し、LNGタンカー艦隊の拡大と充実を図る方針である。

出典:https://sillomaritime.com/?wpdmdl=14079&ind=1663319038364

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BERLIAN、政府のB30プログラムをサポート〜海運業界動向〜

インドネシアの海運会社PT BERLIAN LAJU TANKERTbk(BLTA)はホームページに自社船舶の活動を紹介している。2022年11月17日にBLTケミカルタンカーMTティルタサリ号(積載量:5,878 DWT)が南カリマンタンのタルジュン港でバイオディーゼル/脂肪酸メチルエステル(FAME)を積んでインドネシア国内に配送していることを紹介した。

インドネシア政府は、B30プログラムで最大30%のバイオディーゼルを軽油に混合して使用することを奨励している。

FAMEはケミカルタンカーIMOタイプIIによって運ばれる必要があり、さらに国内輸送のためカボタージュルールによりインドネシア船籍でなければならないことからMTティルタサリ号が活躍しているとのこと。

出典:https://www.blt.co.id/en/chemical-tanker-mt-tirtasari-performs-biodiesel-for-domestic-indonesia/

TMAS、船舶増強とTolLautルート拡大で増収〜海運業界動向〜

インドネシアの民間海運会社PTPelayaranTempuranEmasTbk(TMAS)の2021年の売上高は3兆3,703億ルピアで前年比126%と二桁増収であった。

主な取り組みは、各々1,092 TEUsの容量を持つ2隻の船と4隻の船で構成される新しい艦隊ユニットの導入。

また、政府のTolLautプログラムに基づき最北端アチェ州サバンから最南端の南パプア州メラウケに至る7つのルートを獲得。T-1:ジャカルタからサバン、H-5:南ジャワ州スラバヤからメラウケ、T-11:スラバヤからマルク州エラット、T-17:スラバヤからマルク州ドホ、T-20:スラバヤから北カリマンタン州ヌヌカン、T-21:スラバヤからマルク州ナムレア、T-27:メラウケから中央パプア州ティミカである。

出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202205/eef80f56d7_8477e01958.pdf

あわせて読みたい

日本郵船、Pertaminaの海運子会社に出資〜海運業界動向〜

2022年10月19日、日本郵船はホームページでインドネシア国営石油・ガス関連企業であるPTPertamina(Persero)の海運子会社であるPTPertaminaInternational Shipping(PIS)に出資することを報じた。

プルタミナ社はインドネシア共和国政府が株式を所有する国営の最大手石油・ガス関連企業。著しい経済成長に伴い、今後もエネルギー需要の継続的な増加が見込まれるインドネシアにおいて、キープレイヤーであるPIS社とは、これまでもエネルギー輸送分野において船舶管理の協業を行ってきた。

今回、日本郵船が長年LNG(液化天然ガス)輸送を筆頭にインドネシアのエネルギー輸送に貢献してきたことが高く評価され、PIS社への出資パートナーに選定された。

出典:https://www.nyk.com/news/2022/20221019_01.html

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2021年 インドネシアの海運(運輸・物流)業界

インドネシアのSamudera、前年比122%成長〜海運業界動向〜

インドネシアの総合物流会社PT Samudera Indonesia Tbk(SMDR)の2020年の売上高は491百万USDで前年比112%であった。その内海運を担当するSamudera Shippingの売上高は、370百万USD(構成比:72%)で前年比122%であった。

コンテナ輸送セグメントは、24隻の船舶を運航し、Covid-19のパンデミックにもかかわらず中国の市場回復を見越した戦略により、売上高は331百万USDで前年比127%であった。また、バルク輸送部門の売上高は1.9百万USDで前年比87%だった。

一方、SMDRでは運航に費用がかかる船舶を競争力のある船舶に置き換えることを戦略的に進めている。2020年は老朽化した2隻を売却してチャーターリーススキームで2隻の新造船を取得した

出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/faa2860f41_c2538e1f1d.pd

インドネシアのSOCI、2020年に老朽化した船を処分〜海運業界動向〜

インドネシアの民間海運会社PT Soechi Lines Tbk(SOCI)の2020年の売上高は130.0百万USDで前年比83%であった。

海運事業(超大型原油タンカー、アフラマックスタンカー、中距離タンカー、汎用タンカー、小型タンカーなど様々なサイズをカバーする31隻のタンカーを運用)の売上高は125.5百万USDで構成比97%、前年比92%だった。2020年度の船舶の利用率は平均89.3%であった。

また、2020年に小型の老朽化した船を処分した。造船事業(新規造船および船舶修理保守)の売上高は4.1百万USDで構成比3%、前年比20%であった。2020年はRo-Ro船(車両甲板を持つ貨物船)や測量船を新造・納入し、自社保有船の修理保守を行った。

出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202106/047a402b33_fe4a9d9e5a.pdf 

インドネシアのICPM、売上高前年比102%の安定成長〜海運業界動向〜

インドネシアの民間海運会社PT Jasa Armada Indonesia Tbk(IPCM)の2020年の売上高は6,966億ルピアで前年比102%であった。

セグメント別には、①船舶サービス(国有港湾会社PT Pelabuhan Indonesia IIのパートナーとしての水先案内および曳航活動):6,386億ルピア(構成比:91.7%)で、前年比102%と安定した業績。②貨物サービス(国有企業をターゲットに新規参入):16億ルピア(構成比:0.2%)で前年比143%と今後の成長が期待される分野。

③フリート管理サービス(PT Pelabuhan Indonesia II所有の21隻の曳航船への乗組員、燃料、メンテナンス、および物資の提供):564億ルピア(構成比:8.1%)で前年比100%であった。

出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/3e818e34e0_17aec7e741.pdf 

インドネシアのTMAS、2020年はTol Lautルート拡大で増収〜海運業界動向〜

インドネシアの民間海運会社PT Pelayaran Tempuran Emas Tbk(TMAS)の2020年の売上高は2兆6,696億ルピアで前年比106%であった。

増収を支える2020年の主な取り組みは、政府が推進しているTol Lautプログラムの中の3ルートを開設したこと。

まず、T-1ルート(Jakarta:ジャカルタ – Lhokseumawe – Malahayati – Sabang – Tapak Tuan:アチェ州)の開設によりインドネシアの最西端地域への商品送付が可能になった。次に、T-11ルート(Surabaya:東ジャワ州 – Fak Fak – Kaimana – Timika – Agats – Elat:マルク州)とT-17ルート(Surabaya – Saumlaki – Dobo:マルク州)を開設し、インドネシア東部の島間の接続性の改善と価格格差の縮小に貢献できた。

出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202105/cdf8ac798b_9c65ab6863.pdf

インドネシアのPELNI、パプア・西パプア州のコメ問題に取り組む〜海運業界動向〜

インドネシアの国有海運会社PT Pelayaran Nasional Indonesia(PELNI)は2021年6月15日に56コンテナの米を3TP(僻地)地域に輸送し、新記録を樹立したと報じた。

現在PERINIは、Tol Lautの9つのルート(H-1,T-3,T-5,T-10,T-13,T-14,T-15,T-18,T-19)を開設している。そのうち一つのT-19 ルート(Merauke-Kokas-Sorong-Biak / Korido-Jayapura / Depapre-Sorong-Merauke:すべてパプア州・西パプア州の都市)を使ってパプアおよび西パプア地域の米価格の格差を縮小し、米の流通問題解決を目指している。

同社は大型貨物船KM Logistik Nusantara 2を用いて米コンテナを輸送しているが、今回の輸送量は最多であった。

出典:https://www.pelni.co.id/pecahkan-rekor-pelni-angkut-56-kontainer-beras-menuju-daerah-3tp

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2020年 インドネシアの海運(運輸・物流)業界

インドネシアのPELNI、「tol laut」計画用の貨物船を増強〜海運業界動向〜

2020年1月17日、インドネシアの国有海運会社PT Pelayaran Nasional Indonesia Persero(PELNI)は、政府の進める「tol laut」計画に使う貨物船 「KM Logistics Nusantara 6」 が準備できたことを発表した。

KM Logistics Nusantara 6は400TEUs(20フィートコンテナ400個分)の積載能力を持つ中古の貨物船で、Tg. Perak(スラバヤ) – Tidore – Buli – Maba – Weda(北マルク)のルートを運行する。

「tol laut」計画は、僻地(T3P)に至るまでインドネシア全土の物流網を整備してすべての国民に最良のサービスを提供するとともに、物流費用の地域格差を圧縮して行こうという取り組み。現在、PELNIでは「tol laut」用に8隻の貨物船を運行している。

出典:https://pelni.co.id/pelni-siap-operasikan-km-logistik-nusantara-6 

インドネシアのサムドラ、2020年の投資計画発表〜海運業界動向〜

インドネシアの総合ロジスティック会社PT Samudera Indonesia Tbk(SMDR)は2020年6月30日にパブリックエクスポーズを行った。

その中で、9.5百万USDを投資して新造したバラ積み貨物船AMANAH HALMAHERA AMC(載貨重量トン数:56,020DWT)が、2020年2月から就航していることを発表した。また、2020年の投資計画は、海運部門:47.0百万USD、港湾荷役部門:30.7百万USD、陸運ロジスティック部門:32.5百万USD、サービス部門:2.2百万USDの合計:112.4百万USDとなっている。

さらに、2020年1Q (1月―3月)は、売上高:134.0百万USD(前年比:129%)、利益:1.9百万USD(前年比:633%)と増収増益で好調とのこと。

出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/0cf80f68c1_8951d1edfd.pdf https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202007/1f265e695e_ed79479e6d.pdf

インドネシアで海運業界大手のBerlian、2019年減収でも黒字転換で体質強化

2020年6月30日、インドネシアの海運会社PT Berlian Laju Tanker Tbk(BLTA)は、インドネシア証券取引所(IDX)に2019年のアニュアルレポートを提出した。

2019年の売上高は、2.1百万USD(前年比80.4%)、包括利益は1.7百万USDで前年の赤字を黒字転換し、減収増益の結果であった。

BLTAが対象としている東南アジア市場は安定成長している。インドネシア国内市場は、政府のB20(バイオディーゼル20%)政策でタンカー需要が増加している。そんな中で2019年に減収となったのは、タンカー MT Celosia がタイ政府に6か月間拘束され、十分稼働できなかったことと、収益性と資金改善のため2隻の船を売却したことによる輸送能力の低下によるものとのこと。

出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/dfb2aeb8b8_b36eafab56.pdf

インドネシアのTRAM、石炭事業買収後順調に売上・収益拡大〜海運業界動向〜

インドネシアで海運部門を持つ石炭採掘会社であるPT Trada Alam Minera Tbk. (TRAM)は、2019年10月29日にホームページで社名変更後の会社のパフォーマンスについて明らかにした。

海運事業のみを行っていた「PT Trada Maritime Tbk」は、カリマンタンの石炭採掘会社PT Gunung Bara Utamaと鉱業サービス会社PT Ricobana Abadiを買収し、2017年10月に、80%石炭事業、20%海運事業の「PT Trada Alam Minera Tbk」へと変更された。

社名変更前、2017年5,122億ルピアあった売上高は、変更後の2018年に6倍以上の3兆4,800億ルピアへ増加した。利益は▲332億ルピアの赤字から2,955億ルピアの黒字に転換された。2020年上期売上高も前年比131%と伸びている。

出典:https://tram.co.id/tinggalkan-bisnis-inti-ini-kinerja-pt-trada-alam-minera-tram-hingga-semester-i-2019/ 

インドネシアで海運業界大手のPelita Samudera、2019年は増収増益

インドネシアの海運会社PT Pelita Samudera Shipping Tbk(PSSI)は2020年6月3日、株主総会と臨時株主総会を実施した。

まず、株主は2019年の年次報告を了承した。販売高は75.3百万USDで前年比119%、純利益は11.3百万USDで前年比144%と、増収増益の結果であった。収益に貢献したのは、タグボートとバージの部門で、次にフローティング・ローディング・ファシリティーとばら積み貨物船の部門となっている。また、PSSIでは2019年を拡大の年と位置付け、ばら積み貨物船を4隻、バージを4隻、タグボートを1隻を購入し、保有船舶の拡張戦略による長期的な成長を強化した。

次に、配当は配当性向14%で、一株当たりRp5が2020年7月3日に支払われることが承認された。

出典:https://www.ptpss.co.id/category/news/ 

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2019年 インドネシアの海運(運輸・物流)業界

15.7百万米ドル分の契約確保、インドネシアのPelita Samudera〜海運業界動向〜

インドネシア証券市場に上場する海運会社PT Pelita Samudera Shipping Tbk(PSSI)は2019年7月22日、ホームページで石炭輸送の長期契約15.7百万米ドル分を確保したことを報じた。

最初の契約はPT Jembayan Muarabara(年間4百万トンの石炭を産出)との2年間の契約延長である。東カリマンタンで操業する浮遊積載装置からの石炭を積み替え、タグとバージで、インドネシアで最も大きな発電プラントのある東ジャワ地域に石炭を運ぶという内容。

二つ目の契約はPT Ganda Alam Makmur(石炭採掘会社)と共同で事業を行う韓国のLGインターナショナルとの1年間の延長契約。東カリマンタンにて、タグとバージで石炭輸送する仕事で最低1.3百万トンの輸送が保証されている。

インドネシアのPelayaran Tamarin Samudra、プルタミナと契約〜海運業界動向〜

インドネシア証券取引所に上場するPT Pelayaran Tamarin Samudra Tbk(オフショア支援船のレンタルサービスの分野で急成長している会社)は2019年5月22日、PertaminaとのAWB(積み替えの宿泊施設作業船)契約について明らかにした。

海運業界の競争はかなり厳しいが、ビジネスチャンスは依然として開かれており、その1つが石油とガスのセクターである。 PT Pelayaran Tamarin Samudera(TAMU)は2022年5月17日まで、2,164億ルピアでプルタミナとAWB契約に調印したばかりである。

上場海運会社の1社としてTAMUは、100万米ドルの純利益を生み出すまで新しい契約を獲得する戦略を継続して行くとしている。

インドネシアで伸びる石炭船需要、TPMAの今年の戦略とは〜海運業界動向〜

インドネシア証券市場に上場する海運会社PT Trans Power Marine Tbk(TPMA)は2019年5月29日、成長目標を達成するために新たに船を買う準備ができていると発表した。

TPMAの2019年度の業績目標は、2018年の実績から20%成長することである。TPMAは2019年度の設備投資額として1.5億米ドルの予算を計上している。会社のパフォーマンスを最大化するように中古のタグ船とパージ船を6セット買う予定である。

今年の初めにすでに1セットを購入済なので、下期に残りを購入する予定である。市場の需要も変化するので、早急に実行する必要がある。石炭船の需要はすでに非常に大きくなっており、需要の伸びは30%にも達している。

IDX過去最大の新株発行?インドネシア・TRAMの増資〜海運業界動向〜

インドネシアの上場海運会社PT Trada Alam Minera Tbk(TRAM)は2019年4月7日、ホームページ上で増資を行うことを発表した。

TRAMは、最大1,000億株の新株発行または会社の発行済全額払込済資本金の201.43%に達する資本金で増資を行う予定である。今回の増資の新株発行量は、インドネシア証券取引所(IDX)にとって過去最大となる可能性がある。

TRAMの経営陣は、発行済株式数が増加することによる、株式の流動性の高まりを期待して、インドネシア証券取引所に増資を正式に通知した。増資により得られた資金は、開発あるいは会社の拡張と、会社と子会社の債務返済に充てる予定である。また、TRAMは株主の承認を得るため2019年7月5日に臨時株主総会を開催する予定である。

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2018年 インドネシアの海運(運輸・物流)業界

インドネシアの大統領が提唱!Tol Laut 政策で国内の海運輸送を増強へ〜海運業界動向〜

2014年にインドネシアのジョコウィ大統領が提唱した「Tol Laut (海運を活用して国内西部と東部の経済格差・生活必需品価格の格差を是正し、海洋国家インドネシアの発展を図る政策) 」は、現在具体的な実施のフェーズにある。

2014年時点での、モノの価格に占める物流コストの割合はインドネシアが25.7%、タイが13.2%、ミャンマーが13%、シンガポールが8.1%と、近隣国と比較して非常に高かった。Tol Laut が目指したのは、物流コストの低下による生活必需品価格の引き下げである。

2018年に政府が進める主な Tol Laut の取り組みは、①ルートをこれまでの13航路から15航路に増やす ②牛肉価格安定化のため、家畜運搬船を5隻増やす ③ Tol Laut用の船舶を100隻増やす の3点であり、これらに従って海運業界も国内輸送の船舶増強に動いている。

サムドラ・インドネシアが新造のコンテナ船2隻を投入〜海運業界動向〜

サムドラ・インドネシアが2隻のコンテナ船を新たに投入した。建造を請け負ったのは、中国系シンガポール造船会社の Jingjiang Nanyang Shipbuilding。2018年2月と3月に、シンガポールで引き渡しが行われた。

2隻の設計・仕様は共通で、投資金額は1,700万米ドル (約19億円) 。また、コンテナ積載能力は20フィートコンテナ600個。シンガポール、マレーシア、インドとの国際航路で運用を開始し、登録手続きが完了次第、1隻はインドネシア国内での運行に移行する予定。 

それぞれシナール・プニダとシナール・パロポと名付けられているが、「インドネシアをつなぐ」という会社のビジョンに基づき、船名にはインドネシアの地名が含まれている。プニダはバリに近い島、パロポは南スラウェシの地名。インドネシアの島々を結ぶ Tol Laut プログラムでの活躍が期待される。

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経営再建中のベルリン・ラジュ・タンカー、インドネシア国内輸送強化で業績回復〜海運業界動向〜

2015年11月の株主総会で承認された計画に基づいて経営再建中のベルリン・ラジュ・タンカー社は、2017年決算書の中で前年からの業績回復を報告した。

売上高は約2,524万米ドルで、前年より499万米ドルの増収(約20%増)であった。営業利益は約133万米ドルの赤字に終わったが、前年からは204万米ドルの赤字削減を実現した。今後は、営業利益の黒字化が大きな課題である。

①競争の激しくない国内と、比較的安定している近隣の東南アジア市場で重点を置き、②ステンレス製タンクで船体が二重構造という自社船の強みを活かせる、収益性のよい化学品の輸送にシフトしたことが 2017年のハイライトであった。化学品セクターの売上は2,135万米ドルと、前年より1,042万米ドル増加した。

インドネシアのトラダ・アラム・ミネラ、石炭会社買収で増収増益〜海運業界動向〜

昨年は新株発行による増資で東カリマンタンの石炭会社を買収、10月には従来のトラダ・マリティムから新社名に変更したトラダ・アラム・ミネラ社が、2018年1月~6月期の中間決算を発表した

事業買収を受けて、売上高は約9,362万米ドルと、前年同時期より8,312万米ドルの増収に。営業利益は約919万ドルで、同じく556万米ドルの増益となった。売上高のうち、従来からの海運事業は1,110万米ドル。前年より61万米ドル (約6%) の増収だった。

今回の石炭会社買収は、石炭産業の成長性を見込んだだけでなく、石炭の国内搬送に必要なタグボートやバージの需要取り込みによる海運事業へのシナジー効果も念頭にあった。今後海運事業がどれだけ伸びるか、目が離せないところだ。

まとめ:インドネシアの海運業界

比較的安定している東南アジア諸国へ市場を求めていき経済回復を図る動きが見られています。インドネシア政府も協力していき国内への流通整備をしていく姿勢は今後も続くと思われます。

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