インドネシアでは、人口増加に対応できる教育制度の整備が急務となっています。経済成長のカギの一つに教育を位置付けてるインドネシア。2022年QSアジア大学ランキングでは、国内1位のインドネシア大学が東南アジアでは10位という結果でした。インドネシアは、教育制度をさらに充実させるためにどのような施策を講じるのでしょうか。
今回は、そんなインドネシアの学校業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 インドネシアの学校(教育)業界
UI、職業レベルから博士までの4,658名が卒業〜学校業界動向〜
2023年3月10日、インドネシア大学(UI)は、ホームページで2022/2023年度の卒業生について報じた。
UIの職業レベルから博士課程までの卒業生総数は4,658名。卒業式は10月3日と11月3日の二回に分けてUI Depok CampusのBalairungで行われた。
10月3日の式典には2,083名が出席。卒業生への祝辞の中で学長はUIの位置付けと重要性を明らかにした。2022QSアジア大学ランキングによると、UIはインドネシアで1位、東南アジアで10位、アジアレベルで49位。THE Impact Ranking 2022によると、UIはインドネシアで1位、東南アジアで3位、アジアで5位、世界で18位だった。また、卒業生就職ランキングでUIはインドネシアで1位、東南アジアで11位を占めている。
出典:https://www.ui.ac.id/ui-mewisuda-2083-sarjana-program-profesi-speasialis-magister-dan-doktor/
ITB、北海道大学・山梨大学と排水疫学共同研究〜学校業界動向〜
2022年10月26日の発表で、バンドン工科大学は廃水ベースの疫学(WBE)で北海道大学および山梨大学と提携したことを明らかにした。
また、この研究は日立財団から資金提供を受けており、2022年8月19日には研究結果を説明するウェビナーがバンドンで開催された。その中で、廃水ベースの疫学(WBE)は、発生の可能性をより迅速に検出できる新しいブレークスルーであることが伝えられた。
山梨大学より廃水ベースの疫学(WBE)の説明が行われた。廃水、特に家庭廃水は、パンデミックの早期発見に利用でき、クラスターの拡大を防ぐことができる。パンデミックの終焉を判断でき、COVID-19でもWBEでは無症状の症例を予測することができるとのこと。
出典:https://www.itb.ac.id/news/itb-japan-cooperate-on-covid-19-detection-using-wastewater-project/58912
UGM、在学生がスタートアップ起業に成功〜学校業界動向〜
2022年11月2日、UGMはホームページで在学生の起業したスタートアップを紹介。数理科学研究の学生が「BeProfessionプラットフォーム」の作成に成功した。
BeProfessionプラットフォームは、プロフェッショナルおよびコンピテンシー認定試験を受ける人に役立つプラットフォーム。同サービスの開発は、試験のシラバスに沿った学習リソースが少なく、基本的な概念や試験対象の教材に対する理解が不足していることからスタートされた。
2021年8月から2022年10月に開始して以来、1,916人のユーザーが登録されている。PTEdutechKaryaBangsaという法人格を持ちPMWUGM、協同組合および中小企業省、教育文化省から助成金を受けている。
出典:https://ugm.ac.id/id/berita/23122-mahasiswa-ugm-merintis-start-up-beprofesion
KUI UNDIP、尼Eduplanと留学説明会開催〜学校業界動向〜
ディポネゴロ大学国際事務局(KUIUndip)は、2023年3月10日に、EduplanIndonesiaの講演者と共に「情報セッションイベント」活動を開催した。
このイベントでは海外での進学奨学金に関する情報が伝えられた。EduPlanIndonesiaは、ヨーロッパ中の高等教育機関で勉強するために、インドネシアの学生を募集する教育コンサルタントである。
イベントの中で「科学技術・工学・数学科でのさらなる留学の機会」についてのトピックや「奨学金による海外留学の機会と海外での留学生活」に関するトピックが紹介された。ヨーロッパのいくつかの教育機関について、学部、IELTSスコアなどの入学要件、申請、授業料、奨学金などに関する情報が伝えられた。
出典:https://www.undip.ac.id/post/28526/kui-undip-bersama-eduplan-indonesia-menyelenggarakan-info-session-event-bagi-mahasiswa.html
ITS、学生が紅藻で皮膚発疹克服研究に成功〜学校業界動向〜
2023年2月27日、InstitutTeknologiSepuluhNopember(ITS)はホームページで学生の研究成果を公表した。研究内容は皮膚発疹を克服するために紅藻を革新するというもの。
インドネシアは、紅藻類を含む豊富な海洋資源の可能性を秘めた海洋国である。紅藻の「Gracilariaverrucosa」を用いて皮膚の発疹を治療するためのローションを開発した。
Gracilariaverrucosaはインドネシアで3番目に大きい紅藻の種の1つである。2018年、インドネシアにおけるGracilariaverrucosaの存在は112万トンに達しているが、その経済的利用はまだ最適ではない。Gracilariaverrucosaには抗菌性および抗酸化性化合物と抗炎症化合物が含まれている。
出典:https://www.its.ac.id/news/en/2023/02/27/its-students-innovate-red-algae-to-overcome-skin-rashes/
2021年 インドネシアの学校(教育)業界
インドネシアのUI、新たな職業プログラム(D4)を導入〜学校業界動向〜
2021年7月8日、インドネシア大学は新たな職業プログラム(D4)を導入したことを発表した。様々な学部で行われていた職業プログラムを一つ屋根のもとに集めた職業プログラムは、スタートから13周年を迎えた。2021/2022学年度に新たなフラッグシッププログラムとして応用学部プログラム(D4)が導入される。
このプログラムは、よく訓練された質の高い卒業生を必要とする産業界のニーズを満たすために導入されるプログラムである。教育カリキュラムの構成は、60%が実践、40%が理論となっている。
クリエイティブビジネス、メディア制作、記録およびアーカイブ管理、観光ビジネス管理、理学療法、作業療法の6つのプログラムが準備されている。さらに、災害研究と税務行政研究が後日プログラムとして加えられる予定である。
出典:https://www.ui.ac.id/dies-natalis-ke-13-vokasi-ui-perkenalkan-program-sarjana-terapan-d4/
インドネシアのガジャマダ大学、2021年入試競争率20倍以上〜学校業界動向〜
2021年6月16日、ガジャマダ大学は2021年度の国立大学入試(SBMPTN)の結果、ガジャマダ大学に入学することを認められた新入生の人数について発表した。
61,277名の応募者のうち入学が認められたのは2,925名で、競争率は約21倍と例年通り狭き門であった。国立大学入試の前に行われた通知表と学術的卓越性(SNMPTN)に基づいた全国選考で合格した2,069名と合わせて、2021年の新入生の総員は4,994名となる。
2021年の入学試験で人気のあった科学技術系の学部は、医学部、薬学部、工学部(情報技術、土木工学)、公衆衛生学部であった。一方、社会科学と人文科学系では、心理学部、法学部、経済ビジネス学部と社会科学・政治学部であった。
出典:https://ugm.ac.id/en/news/21253-entrance-exam-results-announced-ugm-accepts-2-925-freshmen
インドネシアのIPB大学、海洋水産遺伝子バンクの創設を提唱〜学校業界動向〜
インドネシアの農林水産学会でイニシアティブを取るIPB大学の学長が海洋水産バイオインフォマチックと遺伝子バンクの創設を提唱していることが明らかになった。
これは、インドネシアの海は海洋生物が豊富で、地域社会の食料源でもあることから、遺伝情報が食料安全保障上重要であるためだ。
現在、インドネシア海洋水産遺伝ネットワーク(Inmafigen)の活動は、IPB大学、アイルランガ大学、ディポネゴロ大学、ランプン大学、ウダヤナ大学、ブラウィジャヤ大学、シアクアラ大学、ラジャアリハジ海事大学、ノメンセン大学が協力し、eDNA、ゲノミクス、遺伝子発現とDNA Barcodingの4つの共同プロジェクトが立ち上げられている。
出典:https://www.ipb.ac.id/news/index/2021/06/rector-of-ipb-university-it-s-time-for-indonesia-to-develop-a-marine-and-fisheries-genetics-and-bioinformatics-bank/2b7e595243dde06e11f5983cb3cc8884
インドネシアのブラウィジャヤ大学、研究技術省研究費トップへ〜学校業界動向〜
2021年2月24日、ブラウィジャヤ大学(UB)は研究技術省(BRIN)から最大額の研究資金を所得していることを明らかにした。
2021年に研究技術省が国立大学に提供する研究費の総額は6,320億ルピア。このうちブラウィジャヤ大学が取得した総額は119.8億ルピア(約2%)で対象となる研究テーマ数は71である。
研究費は、全国競争的研究カテゴリーと分散型研究カテゴリーの2つのカテゴリーにわかれている。全国競争的研究カテゴリーには基礎研究(PD)、応用研究スキーム(PT)、開発研究スキーム(PP)、初級講師研究スキーム(PDP)、大学間協力研究スキーム(PKPT)、大学院研究スキーム(PPS)が含まれる。分散型研究カテゴリーは、基礎高等教育研究スキーム(PDUPT)、高等教育応用研究スキーム(PTUPT)、高等教育優秀開発研究スキーム(PPUPT)から成る。
出典:https://prasetya.ub.ac.id/ub-dapat-dana-terbesar-dari-kemenristek-untuk-71-judul-penelitian/
インドネシアのITS、ノキア、インドサットと共に5G 実践〜学校業界動向〜
2021年7月5日、Sepuluh Nopember Institute of Technology(ITS)はノキアとインドサットと共に「5Gエクスペリエンスセンター」を設立することを明らかにした。
この取り組みには2つのテーマがある。1つ目はITSでの5Gエクスペリエンスセンターの建設で、学生やミレニアル世代がアプリケーション、アクセステクノロジー、BTSラジオテクノロジーに至るまで5Gの可能性を総合的に学べるようにすること。
2つ目はノキアとインドサットがシャイニングスラバヤプログラムを通じてスラバヤで5G実装プログラムを開始すること。これによりITS、インドサット・ギャラリー、スラバヤ市庁舎からショッピングセンターや空港に至るまで5Gが実装されることになる。
出典:https://www.its.ac.id/news/en/2021/07/05/together-with-nokia-and-indosat-its-will-build-a-5g-experience-center/
2020年 インドネシアの学校(教育)業界
IPB、インドネシアにおけるウナギの水産資源開発の必要性に着目〜学校業界動向〜
ボゴール農業大学(IPB)の水産資源利用学部ではインドネシアにおけるウナギの開発に注目している。
インドネシアは島国で豊富な水産資源がある。その中で、開発の可能性の高い魚種の一つがウナギである。天然のウナギがインドネシアの南部沿岸海域に生息している。
IPBの水産専門家によると、ウナギは自然から稚魚を得ることができ、輸出用として大規模な養殖産業に発展する可能性があるにも関わらず、最適に開発されていないため、現状では日本の需要の2%も満たせないということ。また、ウナギの個体数と生息地が減少しており、ウナギが絶滅危惧種になるのを防ぐ意味でも養殖が必要とされている。
インドネシアのITB、京都大学と地熱利用で共同研究〜学校業界動向〜
2020年7月20日、バンドン工科大学(ITB)は京都大学と共同で行った「有益で高度な地熱利用システム(BAGUS)」研究プロジェクトについて紹介した。
2015年4月24日から2020年4月24日までの5年間、持続可能な開発のための科学技術研究パートナーシップ(SATREPS)のスキームに基づき行われた。ITBへは国際協力機構(JICA)から実験装置とソフトウェア導入のために2億8,250万円、京都大学へは科学技術振興機構(JST)から研究資金が提供された。
研究目的は3つ。(i)蒸気スポットの検出、(ii)環境負荷の最小化、(iii)資源とプラントの使用の最大化であった。このプロジェクトを通じ新しい地熱サイトの開発や両校の人材育成に大きな成果があったとのこと。
インドネシアのブラウィジャヤ大学、教育の質向上へ〜学校業界動向〜
ブラウィジャヤ大学(UB)は、インドネシアのクラスターⅠの高等教育機関の中で8番目であることを明らかにした。
これは、毎年、教育文化省高等教育局から発表されるもので、UBは2019年の9番目から一つ順位が上がった。現在、5千以上ある高等教育機関の中でクラスターⅠに属するのは15校だけで、その中の8番目は実質インドネシアで8番目を意味する。UBでは、ランクアップが社会における名声やイメージに大きな影響があるため、教育の質を高めることに余念がない。
ちなみに2020年のトップ3は、ボゴール農業大学、インドネシア大学、ガジャマダ大学の順で、2019年のバンドン工科大学、ガジャマダ大学、ボゴール農業大学から変わっている。
インドネシアのITS、地域の経済特区の開発に技術・人材面で協力〜学校業界動向〜
東ジャワ州スラバヤにあるInstitut Teknologi Sepuluh Nopember(ITS)は同じ東ジャワ州シンガサリにあるシンガサリ・スペシャルエコノミックゾーン(KEK)の建設に関してPT Intelegensia Grahatamaと協力の覚書を2020年8月18日に締結したことを明らかにした。
シンガサリKEKは新しい経済特区(SEZ)の1つで、観光ゾーンと技術開発ゾーンで構成されている。
とりわけ、技術開発ゾーンにはシンガザリ・デジタルバレー、シンガザリ・デジタルファクトリー、シンガザリ・クラウドイノベーションセンターの3つの主要なテーマを持つ統合デジタルエコシステムが作られ、技術開発のためにITSの支援が必要となる。また、ITSから地域に人材供給する目的もある。
インドネシア大学、2020年入試16.3倍の難関〜学校業界動向〜
インドネシア大学は2020年度の入学試験の結果を公表した。2020年度の入試(SIMAK UI)は8月5日に行われた。
受験者総数は64,250名、合格者数は3,934名で、倍率16.3倍の難関であった。合格者の内訳は、正規プログラムの学部生(S1)が2,754名、パラレルプログラムの学部生(S1)が647名、職業教育プログラムのVokasi(D3)が533名であった。また、正規プログラムの学部生のうち、インドネシア政府が貧しい家庭の学生を支援するインドネシアスマートカード(KIP)の保有者が228名含まれている。
8月18日午後1時に合格者の名前、受験番号、選択した学習プログラム、学生識別番号(NPM)のリストがWebで発表され、合格者は入学手続きを行うことになる。
2019年 インドネシアの学校(教育)業界
アジアで133位!インドネシア大学〜学校業界動向〜
2019年5月10日、インドネシア大学(UI)はホームページにTimes Higher Education Rating Agency(THE)が5月1日にリリースしたアジア地域の27か国にある417大学のランキングについて報じた。
この2019年アジア大学ランキングは、5つのパラメーター(教授:25%、研究:30%、 論文引用:30%、産業収入:7.5%と国際的展望:7.5%)で評価が行われている。
インドネシア大学(UI)は、アジアで133位にランクされた。この順位はマレーシア大学(150位)、日本の早稲田大学および近畿大学(166位)より上位に位置しており、UIの教育水準がアジアや世界の他大学と連携できる国際レベルにあると認知されていることを示していると報じた。
投資を学べる!インドネシアのITSが開設したIDX投資ギャラリーとは?〜学校業界動向〜
2019年9月19日、11月10日工科大学 (ITS)はホームページにグローバルに対応できる学生を育成するための取り組みの一つを発表した。
ITSは、インドネシア証券取引所(IDX)、金融サービス庁(OJK)とFAC証券会社の協力を得て、学内にIDX投資ギャラリーを開設した。学生たちはインドネシア証券取引所の投資の世界に触れ、投資家になることを学べる。学生がビジネスの世界に興味を持ち、好奇心がそそられ、起業家精神が育まれることを狙いとしている。
学生たちは実際に10万ルピア(約770円)から投資ができるだけでなく、株式市場のシミュレーションプログラムで、キャピタルゲインやキャピタルロスを予測することもできる。
インドネシアのボゴール農業大学、バイオマス国際会議開催〜学校業界動向〜
2019年8月23日、ボゴール農業大学(IPB)はホームページにバイオマスおよびバイオエネルギーの国際会議(ICBB)2019が開催されたことを報じた。
この会議はIPBのバラナンシアンキャンパスにある界面活性バイオエネルギー研究所(SBRC)で8月19日・20日の2日間行われた。
この会議には日本、マレーシア、米国、インドネシアから研究者や起業家が参加し、現在の技術とそのエネルギーの利用、産業、持続可能性、環境への影響、経済、およびチャレンジについて議論された。とりわけ、石油製品の代替品となるパーム油製品の市場創出や世界的な問題となっているプラスチックに代わるバイオプラスチックに関する新しいイノベーションについて活発に論議された。
インドネシアのITS、2019年の大学ランキング発表〜学校業界動向〜
2019年8月22日、Institut Teknologi Sepuluh Nopember(ITS)はホームページに研究技術高度教育省(Kemenristekdikti)が8月16日に発表したインドネシアの高等教育機関ランキングを発表した。
今年の第1位は、バンドン工科大学(ITB)、第2位は、ガジャマダ大学(UGM)、第3位はボゴール農業大学(IPB)、第4位は、11月10日工科大学(ITS)、第5位はインドネシア大学(UI)だった。本年度のランキングアセスメントは、インプット、プロセス、アウトプットとアウトカムの4つの面から行われた。
ちなみに昨年の1位から3位までは今年と同じ。第4位はインドネシア大学(UI)、第5位はデポネグロ大学。11月10日工科大学(ITS)は第6位であった。
2018年 インドネシアの学校(教育)業界
インドネシアでトップ3大学、2018アジアで200番代〜学校業界動向〜
Times Higher Educationが毎年発行するTimes Higher Education–QS World University Rankingsの2018年度版アジア大学ランキングで、インドネシアのトップ3大学は200-250番にランクイン。
アジアトップ10:1位シンガポール大学、国別では香港が3校でトップ。
インドネシアのバンドン工科大学、B型肝炎診断キットを開発〜学校業界動向〜
2018年9月13日、生物製造公社 (PT Bio Farma; PBF)が主催した生命科学研究フォーラム (FRLN)でバンドン工科大学(Institut Teknologi Bandung; ITB)がB型肝炎診断キットのプロトタイプを発表した。同研究フォーラムでは、インドネシア政府から厚生省、研究・技術・高等教育省と財務省の3大臣が出席した。
診断キットはB型肝炎ウイルス検出とワクチン使用後の抗体検出ができる。将来的には診断用キットを国産化して安価に提供することがねらい。
開発チームはITB生命科学技術学部、薬学部、バイオ科学バイオテクノロジー研究センターとPBFの研究者計10名で構成。診断キットの性能は感度、正確性と信頼性とも輸入品と比較しても引けを取らない。開発チームでは診断結果の読み取りツール「ELISAキット」も併せて開発された。
航空天候観測システム、インドネシア産学官連携で開発〜学校業界動向〜
2018年9月14日、ガジャ・マダ大学 (UGM)、インドネシア気象庁 (BMKG)と通信サービス企業テレコムニカシ・インドネシア (INTI)の3団体が航空天候観測システム開発の覚書に調印した。大規模な産学官連携プロジェクトとして注目を集めている。
政府の狙いは主に2つ。1つは国内メーカーが生産を引き受けることでコストダウンと補修体制の両方を実現すること。もう1つは資源の活用による国家の独立性を確保すること。
大小合わせて14,000近い島々からなる島嶼国インドネシアでは、航空業界が物流の要を担うことから、航空機の安全運航に必要となる滑走路周辺の正確な気候観測システムの開発がかねてより要請されていた。同システムの開発・承認審査はUGMとBMKGが行い、生産・販売・設置・メンテナンスはINTIが担当する。
インドネシアのITB、デジタルグローブと共同研究覚書締結〜学校業界動向〜
2018年10月2日、バンドン工科大学 (Institut Teknologi Bandung; ITB)は衛星画像、地理空間、リモートセンシングの分野に強い米系デジタル・グローブ社と共同研究に関する覚書に調印した。テーマの一つとして、パル・ドンガラ地区で発生した地震と津波に触れ、災害による被害の軽減、リスク管理、警告等の司令分野にわたる研究を紹介した。
デジタル・グローブ社はITBとの共同研究で開発スピードが加速されると期待を示した。また、ITBは地理空間やリモートセンシングという先端技術分野に関する知見を共有し、学問の可能性を拡張する上で非常に有意義になる、と述べている。
2020年に100周年を迎えるITBでは「研究する大学」から「起業する大学」へとシフトするため、より多くの機関とのコラボレーションへ向かうことが待望されている。
まとめ:インドネシアの学校業界
インドネシア政府の、教育への財政支出は2011年~2016年の間にCAGR12%で推移しており、インドネシア全土にわたる広範囲な教育の普及に向けて様々な取り組みが行われています。このような環境の中で、今後も同国の学校業界は多くのビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。