アジア太平洋地域の市場拡大に伴い、その中継地としてマレーシアの倉庫需要は、増加の一途をたどっています。2022年には、アメリカのDHL、日系のNX、大和ハウス工業などが相次いで大規模な新倉庫を着工しました。
今回は、そんなマレーシアの倉庫業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 マレーシアの倉庫(運輸・物流)業界
DHLがジョホールバルゲートウェイ開設〜倉庫業界動向〜
2022年10月18日、国際エクスプレスサービスプロバイダーのDHLエクスプレスは、セナイエアポートシティ工業団地内に1,080万リンギットを投じ、ジョホールバルゲートウェイを開設したことを発表した。6,000㎡を超える倉庫スペースは、従来の2倍以上の広さを誇る。
本ゲートウェイは、時間あたり最大1,900個の貨物を仕分けできる高速コンベアシステムが導入されており、米国やシンガポール、中国、日本などといった施設の最も混雑する貿易レーンを行き来する小包と書類の出荷処理が改善される。
また、135名の認定国際スペシャリストが管理するジョホールバルのゲートウェイは、輸送資産保全協会のガイドラインに沿ったセキュリティ基準で設計されており、高解像度デジタルカメラ、高度なX線検査装置、爆発物探知機が設置されている。
出典:https://www.dhl.com/my-en/home/press/press-archive/2022/dhl-express-opens-expanded-johor-bahru-gateway-in-malaysia.html
NXマレーシアがKLIAの倉庫を拡張〜倉庫業界動向〜
2022年4月1日、日本通運グループのマレーシア法人であるNXマレーシアは、クアラルンプール国際空港の保税商業地域に新倉庫「NXマレーシアKLIA DFTZセンター」を開設し、作業、貨物保管スペースを拡張したことを発表した。
これまで、同社はクアラルンプール国際空港保税商業地域内にあるMAS貨物フォワーダーコンプレックスの倉庫スペース(約3,800㎡)で業務を行っていたが、近年増加している貨物需要に対応する為、新倉庫を開設するに至った。
新倉庫は保税商業地域のカイニャオ・エアロポリスeWTPハブに約5,900㎡の広さを持ち、既存の倉庫と合わせると合計で約9,700㎡の広さになる。新倉庫では、より効率的な作業動線を確保することで、安全かつスピーディーな取扱いを実現する。
出典:https://www.nipponexpress-holdings.com/ja/press/2022/20220401-2.html
タスコの倉庫事業、COVID-19で収益増加〜倉庫業界動向〜
郵船ロジスティクスのマレーシア法人であるタスコは、2022年度のグループ収益が14億8,141万リンギットを記録、前年度から56.5%もの増加となった。また、同年度の税引き後利益は6,772万リンギットとなり、前年度から55.1%増加した。
倉庫事業の収益に関しては、2022年度は前年度から23.9%増加して1億4,220万リンギットとなった。COVID-19パンデミックやサプライチェーンの混乱により、多くのメーカーが在庫の保管場所を増やしたため、倉庫需要が増加したことも収益増加の要因となっている。
また、同社グループはシャー・アラム・ロジスティクス・センターの大規模な拡張プロジェクトにも着手しており、主倉庫の第1期工事(62万平方フィート)は2024年1月までに、第3期工事(40万平方フィート)は2025年に完成する予定となっている。
出典:https://www.tasco.com.my/wp-content/uploads/2022/07/AR2022.pdf
大和ハウス工業が大型物流施設に着工〜倉庫業界動向〜
大和ハウス工業は、セランゴール州にマレーシアで3棟目となる大型マルチテナント型物流施設「ディーピーエル・マレーシア・スリー」を2022年10月1日に着工することを発表した。当該施設は同社の海外で最大規模の延床面積を誇る大型マルチテナント型物流施設で、クアラルンプール市内と空港、港湾にアクセスしやすい立地にある。
施設は地上3階建てで敷地面積60,742平方メートル、延床面積156,292平方メートル、賃貸面積114,122平方メートルとなっており、全館LED照明、太陽光発電設備、フォークリフト充電用コンセント、ドックレベラーといった設備を有する計画となっている。
総事業費は約170億円で、竣工予定は2025年1月31日。12のテナントが入居可能となっており、ダイワハウスマレーシア・ロジスティックが運営する。
出典:https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20220920132626.html
サイムダービーなどが建売倉庫を開発〜倉庫業界動向〜
2022年8月29日、マレーシアの不動産開発企業であるサイムダービー・プロパティと三井物産、三菱地所の合弁会社であるサイムダービー・プロパティMITデベロップメントは、セランゴール州クランで建売倉庫開発プロジェクトの基礎工事が始まったことを発表した。
本建売倉庫は、同社が開発しているバンダール・ブキット・ラジャ工業ゲートウェイの第3弾となり、グローバルなサプライチェーン産業へのソリューション提供を目的としている。
本建売倉庫については、すでにグローバルな物流・サプライチェーン企業であるCEVAロジスティクス、そしてマレーシアでFMCG市場向けサービスを提供するSLングと事前契約を締結しており、両テナントは延べ床面積約487,000平方フィートの2階建て倉庫に入居する予定となっている。
出典:https://www.simedarbyproperty.com/press-releases/bandar-bukit-raja-industrial-gateway-commences-third-project-ready-built-warehouse
2021年 マレーシアの倉庫(運輸・物流)業界
ウエストポーツのコンテナ、2020年度は微減〜倉庫業界動向〜
近鉄エクスプレスは1980年11月にマレーシアへ進出し、2010年6月に現地法人が近鉄ワールド・エクスプレス・マレーシア(KWEマレーシア)へ名称を変更、現在は国内で7拠点を展開している。
同社は、2021年2月1日にペナン空港内のフリー・コマーシャル・ゾーン(FCZ)エリアに倉庫「ペナン・ロジスティックス・センター」を開設したことを発表した。
FCZエリアでは、マレーシアに拠点を持たない企業の製品や材料を非居住者在庫として保管、管理することができる。倉庫の面積は9,234㎡で、倉庫内には空調エリアを備えており、定温・定湿下での保管・管理が求められる精密電子機器、医療機器等の取扱いが可能となっている。
出典:https://www.kwe.co.jp/news20210315
KWEマレーシアがペナン空港内に倉庫を開設〜倉庫業界動向〜
大和ハウス工業は、セランゴール州に国内2棟目となるマルチテナント型物流施設「DプロジェクトマレーシアII」を2020年9月1日に着工することを発表した。施設の敷地面積は28,660㎡、延床面積19,966㎡、賃貸面積16,128㎡となっており、2021年8月31日に竣工予定でダイワハウスマレーシア・ロジスティックが運営する。
当該施設は海と空の玄関口にアクセスしやすい場所での物流施設開発、そして複数の顧客が入居できるマルチテナント型物流施設であることが特徴となっている。
また、施設は全館LED照明、敷地内一方通行、フォークリフト充電用コンセント、ドックレベラーといった設備・仕様となっている。
出典:https://www.daiwahouse.com/about/release/house/20200901141945.html
ナイトフランクがロジスティクスハブ仲介〜倉庫業界動向〜
シンガポールを拠点とするロゴスSEアジアは、セランゴール州シャーアラムにおいて約71エーカーの土地に持続可能な総合物流・倉庫・電子商取引ハブを開発するため、現地パートナーとの合弁事業を開始、ナイトフランクマレーシアが仲介を行った。
開発は段階的に行われ、まず総開発面積745,000㎡に5つの倉庫が建設され、総賃貸面積は約505,000㎡となる。本開発ではドローン着陸台、共同食堂、従業員寮、歩行者と大型トラックの通路分離、倉庫内に理想的なフォークリフトの移動経路が確保されるなどしている。
完成すればマレーシア最大級のワンストップ・ロジスティクス・ハブとなる。また、複数のテナントに対応できるよう柔軟に設計されている。
出典:https://www.knightfrank.com.my/news/logos-in-first-malaysian-jv-industrial-development-to–deliver-rm1.5-billion-logistics-hub-013763.aspx
GDEXが倉庫など施設拡大へ〜倉庫業界動向〜
GDエクスプレス・キャリア(GDEX)の子会社であるGDエクスプレスは、マレーシアの電子商取引市場の急速な成長へ対応するため、倉庫や配送センター、輸送車両の拡張を発表した。本プロジェクトは2020年11月1日に開始される予定で、1,000人以上の雇用機会を創出することが期待されている。
また、GDEXグループは既存キャパシティをさらに拡大し、今後5年間で運用効率を高めるためにITインフラシステムを多様化することも視野に入れている。
マレーシア工業開発庁のダトー・アズマン・マハムドCEOは「GDEXの拡大と多様化は、電子商取引とeフルフィルメント活動をシームレスで信頼性の高いサービスとして、物流インフラを補完するものである」と述べている。
出典:https://www.mida.gov.my/media-release/gdex-expansion-and-diversification-accelerates-malaysias-e-commerce-logistics-growth/
クアンタームがハラール認証取得〜倉庫業界動向〜
1992年6月にロジスティクスソリューションを提供する会社として設立されたクアンターム・ロジスティックスは、セランゴール州シャーラムに所有する倉庫が、マレーシア・イスラーム開発局(JAKIM)によって認証されたマレーシア規格(MS 2400:2019)のハラールサプライチェーンマネジメントシステムのパート1及びパート2の要求事項に適合したことを発表した。
この認証取得により、同社はエンド・ツー・エンドのハラール契約物流ソリューションを提供することが可能となり、ハラール製品と非ハラール製品は2つの独立した物理的空間で保管・輸送・流通される。
同社は約400名を雇用し、国内4支店と海外6ヶ国に事業展開している。
出典:https://quanterm.com/news-and-events/quanterm-logistics-malaysia-certified-by-jakim-on-halal-logistics-standard
2020年 マレーシアの倉庫(運輸・物流)業界
マレーシアのPDZとサニチ、EC向け物流ハブを開発〜倉庫業界動向〜
海運会社のPDZホールディングスと精密金型メーカーのサニチテクノロジーは、ジョホール州コタティンギにeコマースロジスティックスハブを共同で設計・開発・運営する特別目的会社を設立する契約を締結した。
ロジスティックスハブは234エーカーの広大な敷地に建設され、東南アジア地域全体での小分け、梱包、流通を促進する。PDZは物流管理の専門知識を提供し、人工知能や5G接続、自動化最新技術を利用することで、持続可能性とデジタル化を念頭に置く。また、サニチは関係官庁の許認可取得、設計・開発・建設を担当する。
敷地内には、テクノロジーパーク、サービスオフィス、商業・住宅開発、特定製品保管施設、保税倉庫などが建設される。
出典:https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=105086&name=EA_GA_ATTACHMENTS
マレーシアのイケア倉庫に自動化ソリューション〜倉庫業界動向〜
クーカーグループで物流自動化を専門とするスイスログは、イケアサプライマレーシアから大型案件を受注したことを発表した。
セランゴール州に位置するイケアの物流センターは、95,000平方メートルの広さでアジア太平洋地域最大。今回の提携で、スイスログはパレットスタッカークレーンと、SynQ倉庫管理システムソフトウェアを提供する。
イケアのプロジェクトマネージャーであるアントニオ氏は、スイスログを選んだ理由として、自動化ソリューションにおける先進性を挙げている。また、SynQソフトウェアが倉庫パフォーマンスの分析と最適化をサポートすることで、域内における高度に自動化された物流のデジタルハブになるとしている。
出典:https://www.swisslog.com/en-gb/newsroom/news-press-releases-blog-posts/2020/02/ikea-supply-my-pr
日通、マレーシアでロジスティクス機能強化〜倉庫業界動向〜
マレーシア日通は、同社グループ最大級となる多機能ロジスティクス倉庫『シャーアラムロジスティクスセンター』を竣工、2020年3月9日から営業を開始すると発表した。
同センターは、ポートクランやクアラルンプール国際空港へのアクセスが容易なシャーラム工業地区に位置している。ベンダーマネージドインベントリーやジャストインタイム納品などあらゆる物流ニーズに対応可能。ハラール市場拡大を見据えて、ハラール認証も取得する予定としている。また、保税倉庫機能として、アジア・中東の拠点としても活用できる。
センターは鉄筋コンクリート造の2階建てで、敷地面積は59,183平方メートル、倉庫の延床面積は49,879平方メートルとなっている。
出典:https://www.nipponexpress.com/press/release/2020/9-Mar-20-1.html
山九マレーシア、アジア・ハブセンターを開設〜倉庫業界動向〜
山九マレーシアは、2021年3月1日にポートクラン港ウエストポート内に『アジア・ハブセンター』を開設することを発表した。倉庫は平屋(高床式)で2万平方メートルの広さ。自由貿易区に位置していることから非課税で、非居住者在庫や保管中の転売・荷姿変換、輸出入手続きの免除など、荷主はコスト削減及びリードタイム短縮が可能となる。
また、同社は5月29日にウエストポートと締結した契約により、6月1日よりTSP(Transshipment Staged Post)サービスの提供を開始した。これにより、コンテナヤードにデバンしない状態で荷物を優遇条件で保管することが可能となり、保管期間中に最終仕向け地を選択することができる。
出典:https://ssl4.eir-parts.net/doc/9065/ir_material/144796/00.pdf
ニッコン、マレーシアのヌグリ・スンビラン州で新倉庫竣工〜倉庫業界動向〜
ニッコンホールディングスのマレーシア法人であるニッポンコンポウマレーシアは、2019年11月27日にヌグリ・スンビラン州で建設していた倉庫が竣工したことを発表した。
同社倉庫はアジアハイウェイ2号から約2km、クラン港から約100km、クアラルンプール国際空港から約60kmの立地にあり、周辺の工業団地には輸出企業をはじめ様々な製造業者が進出している。
倉庫は鉄筋コンクリート造平屋建てで、敷地面積は10,030平方メートル、倉庫面積は5,302.61平方メートルとなっている。公共保税倉庫ライセンスを持ち、主な設備としては油圧式ドックレベラー3基、マニュアルドックレベラー6基、・貨物用リフター1基となっている。
出典:http://www.nikkon-hd.co.jp/files/whatsnew/191127malaysia.pdf
2019年 マレーシアの倉庫(運輸・物流)業界
事業機会の拡大に向けた取り組み、マレーシアのタスコ〜倉庫業界動向〜
2019年7月24日、郵船ロジスティクスのマレーシア法人であるタスコは、同社の倉庫総面積が321万平方メートルに達したと発表した。
2019年度の会社収益は前年比で3.7%増となる7億3,680万リンギットであったが、倉庫事業の税引き前利益は前年比で2,060万リンギット(116.6%)減少した。同社は、コンビニエンスストアの需要急増に対応するため、追加の事業費用が発生したことが主因であると説明している。
今後は、ハラールコールドチェーンにおいてマレーシア最大のハラール倉庫、及びロジスティックス事業者として、海運と陸運、空運において事業機会を拡大したいとしている。特に、2020年の東京オリンピックに向けて、現地サプライヤーを強力にサポートする。
15カ国以上をサービス対象に。大創産業がマレーシアに新倉庫〜倉庫業界動向〜
2019年4月2日の発表によると、マレーシアで倉庫事業を行うPKT every24ロジスティックス(PKT)は、今年第2四半期に大創産業と契約を締結し、ポートクランにて域内物流センターを運営する。本契約は、大創産業の東南アジア及び中東地域におけるロジスティックス合理化戦略の中核であり、同地域へより良いサービスを提供する。
共同声明において、大創産業は2019年に数ヵ国を事業範囲とし、新倉庫完成時には15ヵ国以上をサービス対象とすることを示した。
PKTは本サービス提供のために推定2.5億リンギットを投資し、新倉庫建設と500名の新規雇用を創出する。PKTは運搬や貨物輸送、倉庫サービスを提供し、月当たり数百のコンテナを取り扱うと見られている。
KDDIマレーシアが目を付けた、先進倉庫の需要とは?〜倉庫業界動向〜
セティア・シティ・コンベンションセンターで開催された『LOGISWARE Malaysia 2019』において、KDDIマレシーアはIoTとロボティック・プロセス・オートメーションを融合したスマート・ファクトリー・オートメーションを紹介した。
東南アジアでは、効率的で迅速な納入を行うため、業務の自動化やIoT・AIを利用したデータ活用を行う企業が増加傾向にある。
KDDIではこうした需要に対応するため、東南アジアを中心に次世代倉庫ソリューションを提供するInfolog社と協業し、倉庫業務の自動化を提言している。この協業により、倉庫内のIT化やIoTを活用したデータの可視化、そしてAI分析などを提供している。
商船三井ロジ、マレーシアで域内物流需要に対応〜倉庫業界動向〜
商船三井ロジスティクスは、マレーシアで輸送、倉庫、陸送といった総合物流サービスを展開するPKTロジスティックスグループと、2019年4月1日に代理店契約を締結した。
商船三井ロジスティクスの現地法人であるMOLロジスティックスは、2017年11月の時点で本社事務所をPKTグループの保有施設である『One Logistics Hub』に移している。また、商船三井が2017年3月と2018年8月にPKTグループへ出資し、合計で35.13%の株式を取得している。
今回の契約締結により、PKTグループのマレーシア国内の物流ネットワークと、商船三井ロジスティクスのグローバルネットワークの一体化が可能となり、マレーシア及び周辺地域の物流需要に対応する。
2018年 マレーシアの倉庫(運輸・物流)業界
日本郵船、マレーシアでコールド・チェーン新会社設立〜倉庫業界動向〜
日本郵船のマレーシア法人であるTASCOは、マレーシア国内でコールド・チェーン事業を展開する子会社として TASCO YUSEN GOLD COLD (TYGC) を設立したと発表した。
TASCO社は2017年から2018年にかけ、マレーシア国内のコールド・チェーン業界におけるリーディングカンパニーである Gold Cold Transport社と MILS Cold Chain Logistics社を買収。TYGC社にて事業を一元管理する。
買収した2社はマレーシア・イスラム開発局からハラール認証を取得しており、同国内におけるハラール食品のコールド・チェーン・サービスの提供が可能となっている。同社は、このマレーシア国内でのコールド・チェーン事業とノウハウを、郵船ロジスティクスのグローバル・ネットワークへと転用し、サプライ・チェーン・ロジスティック・サービスの充実を図る。
日通マレーシア、シャーラム工業地区に新倉庫を建設へ〜倉庫業界動向〜
日通マレーシアは、セランゴール州のシャーアラム工業地区に建設する新倉庫の鍬入れ式を執り行った。新倉庫は、国内販売物流、製造物流(ジャストインタイム納品)、空調施設を利用した定温保管やハラール商品の保管・配送などに対応する。
マレーシアは国民所得の上昇に伴い個人消費が大きく拡大しており、今後は消費財の流通量増加と共に、国内物流・倉庫需要が高まると見込んでいる。新倉庫は、首都かつ国内最大の消費地クアラルンプールに近く、主要港であるクラン港、クアラルンプール国際空港へのアクセスに優れた立地となっている。
新倉庫は2019年12月に開業する予定であり、倉庫面積は47,373㎡となっている。
日立物流、マレーシアのニライ工業団地にチルド・センターを開設〜倉庫業界動向〜
日立物流は、2018年11月にマレーシアのニライ工業団地で「ニライ・チルド・センター」を開設する予定であることを発表した。同工業団地には多くの日系企業が進出しており、南北高速道路に隣接、またクアラルンプール国際空港にも近い立地条件にある。
チルド・センターは冷凍・冷蔵品の保管・配送専用センターとして開設し、温度管理やセキュリティー管理 (監視カメラや指紋認証ロック)、ドックシェルターや自家発電設備の設置、更にスマートロジスティクスの新技術が活用される。
延床面積は約7,500㎡で、うち冷凍エリアが600㎡、冷蔵エリアが4,500㎡を占める。
日新、マレーシアに新倉庫竣工で自動車関連物流を強化〜倉庫業界動向〜
日新インターナショナル・ロジスティック社は、マレーシア・マラッカ州で「マラッカ第一倉庫」が竣工したと発表した。
日新は1994年にマレーシア国内で物流サービスを提供する NISTRANS社を設立、2007年には独資の日新インターナショナル・ロジスティック社を設立している。現在、マレーシア国内に8拠点のネットワークを有している。
マラッカ第一倉庫は、同社の第6次中期経営計画で重点分野として掲げる「自動車関連物流」を強化する上で重要な拠点となる。新倉庫開設により、マラッカ地区における倉庫延床面積は約26,000㎡となる。
まとめ:マレーシアの倉庫業界
日本企業の倉庫業界への介入により新たなシステムを導入した倉庫の建設が相次いでいます。今後さらなるネットワーク拡大にむけて日本企業はどのようにマレーシア国内倉庫業界とビジネスを進めていくのでしょうか?
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。