フィリピンでは、徐々に改善の傾向はあるものの、地区による就学率の差が根強い問題となっています。教育費の問題やeラーニングに必要なインターネット環境などが、教育格差を生む原因となっているようです。フィリピンは今後、この格差を是正し、充実した教育制度を整備することができるのでしょうか。
今回は、そんなフィリピンの学校業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 フィリピンの学校(教育)業界
アテネオ・デ・マニラ大学、下院議会と連携〜学校業界動向〜
フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学(Ateneo de ManilaUniversity)が、下院議会(House of Representatives)と連携し、エビデンスに基づく調査研究を行うためのパートナーシップを締結した。この提携の目的は、政策立案において科学的根拠と客観性を重視し、効果的で持続可能な政策決定ができるよう支援することである。
アテネオ大学は、研究機関としての高い評価を受けており、学術的な視点から政策分析や評価を行う能力を有している。また、下院議会は、国民の利益に資する政策を立案・実施する役割を担っている。この協力関係により、研究者と政策立案者の間で情報交換が円滑に行われ、より良い政策が策定されることが期待される。
両者の提携は、社会に対するインパクトを重視した政策立案を促進し、国民の利益を追求する政策実施を目指すものである。この取り組みは、フィリピンの政治システムにおいて、より客観的で合理的な意思決定が行われるようになることを期待されている。
出典:https://www.ateneo.edu/news/2023/02/08/ateneo-inks-partnership-conduct-evidence-based-research-house-representatives
NCKU、フィリピン大学との提携を目指す〜学校業界動向〜
台湾の国立成功大学(National Cheng Kung University, NCKU)の代表団は、フィリピンの国立大学であるUP (University of the Philippines)を訪問し、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)分野での協力関係を模索していることについて報告した。両大学は、学術研究、教育交流、技術移転、産業連携を含む広範な分野での協力を目指している。
NCKUは、台湾で最も古い歴史を持つ工学とテクノロジーの大学であり、その実績はアジア太平洋地域において高く評価されている。この提携により、両大学間の学術・技術交流が促進され、新たな技術開発や研究の進展に貢献することが期待されている。
この訪問は、両国の高等教育機関が持つ知識と技術を共有し、相互の発展に役立てることを目的としている。両大学が連携することで、STEAM分野における国際協力が進み、地域全体のイノベーションと持続可能な発展に寄与することが期待されている。
出典:https://up.edu.ph/taiwan-university-delegates-explore-steam-partnerships-with-up/
バンサモロ地区の教育問題〜学校業界動向〜
ミンダナオのバンサモロ自治区(BARMM)における教育状況の調査によると、同地区では低就学率と学習成果を向上させ、質の高い基礎教育へのアクセスを改善することが求められている。
同地区では、これまでも就学率(NER)の低さが根強い問題となっており、この問題は中学校(JHS)と高校(SHS)でより顕著である。2020年のフィリピン統計局の年次貧困指標調査によると、学校に通わない最大の理由は、教育費の高さ(21%)、学校へのアクセスのしやすさ(17%)、個人的な関心の欠如(16%)であった。
この地域で実施された過去7回の全国学力テスト(NAT)の結果から、英語、科学、数学の成績が他地域と比較して低いことが明らかになった。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1194454
ロスバニョス大学、神戸大学の学生を迎える〜学校業界動向〜
フィリピンのロスバニョス大学(UPLB)が、「LITE(LanguageInstruction Towards Excellence)」プログラムの第14期生として、神戸大学からの留学生を歓迎した。
LITEプログラムは、UPLBのカレッジ・オブ・アーツ・アンド・サイエンス(CAS)が提供する英語研修プログラムで、神戸大学の学生が英語スキルを向上させることを目的としている。
UPLBと神戸大学の連携により、両大学の学生は国際的な視野を広げ、グローバルなコミュニケーション能力を向上させることが期待される。このような取り組みは、世界各地の大学が協力して教育プログラムを実施することで、異文化理解や国際協力を促進する一助となるであろう。
出典:https://uplb.edu.ph/all-news/uplb-cas-lite-program-welcomes-14th-batch-of-kobe-u-students-for-english-course/
DEPED、児童保護に向けたeラーニングを導入〜学校業界動向〜
教育省(DepEd)は、Stairway Foundation Inc.(SFI)と提携して、学校を拠点とする児童保護委員会(CPC)の能力を高めるためのeラーニングコースを開始した。
インターネットがもたらす危険から生徒を保護すること、市民的、政治的、経済的、社会的権利を可能な限り最大限に行使できるデジタルツールへの有意義なアクセスを提供することの両方が不可欠であると見解されている。
eラーニングコースは、少なくとも5時間のビデオレッスンで構成され、15分から30分のディスカッションが用意されている。同レッスンは、学習者が直面する可能性のある児童保護に関する懸念と児童保護に関連する教育省の方針についての知識を高めるために作成された。
出典:https://www.deped.gov.ph/2023/03/01/deped-partner-agency-introduces-e-learning-course-to-strengthen-child-protection/
2021年 フィリピンの学校(教育)業界
フィリピンのサンボアンガの大学、1千万ペソの助成金を取得〜学校業界動向〜
ザンボアンガ市にあるウエスタンミンダナオ州立大学(WMSU)は、農業大学を通じて、農業省(DA)からCovid-19のパンデミックによって生計が大きく影響を受けた農民を助けることを目的とした1,000万ペソの助成金を取得した。
1,000万ペソの助成金のうち、500万ペソがザンペン原産の鶏「ホロアーノ」の精製プロセス・繁殖に使用される。その他100万ペソがモリンガ(栄養価の高い葉)の生産に、400万ペソは高級バナナ(ラカタン品種)を生産するための組織培養研究所を強化するために利用される。
モリンガは苗木を生産し始めており、最終的にはこれを農家に配布する予定。またホロアーノチキンもバナナにおいても、選ばれた農民が生計を高めるために育てることができるように準備が進んでいる。
出典: https://www.pna.gov.ph/articles/1147932
フィリピンのSCSC、正式なステートカレッジとして承認される〜学校業界動向〜
高等教育委員会(CHED)は、スララタウンのサウスコタバト州立大学(SCSC)の高等教育機関(HEI)としての切り替えを正式に承認した。これにより同大学は、正式に州立のカレッジとしてアップグレードされたこととなる。
これにより、州の10の町と孤立したエリア、および近隣の地域の先住民と恵まれない住民への利益が想定されている。また地元の学生は州立大学で勉強する機会があり、無料で質の高い教育を受けることが保証される。
SCSCは以前はスララ国立農業学校として知られており、2018年12月18日にロドリゴドゥテルテ大統領によって署名された共和国法(RA)11150によって正式に設立された。正式な州立カレッジとして、農業、環境、技術開発において必要な教育と研究のリーダーシップを目指す。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1148054
フィリピン大学とTOYOTAが共同開発へ着手〜学校業界動向〜
フィリピンの国立大学ランキング1位で、国内に10のキャンパスを所有するフィリピン大学は、ToyotaMotor Philippines Foundation, Inc(TMPF)との継続的なパートナーシップの一環としてフィリピンの海洋生物多様性ゲームを共同開発する。
これは、フィリピンの豊かな海洋生物多様性とその必要性を強調し、生物多様性を保全するために、フィリピンのさまざまな海洋種に関するスクリーンシェアゲームを開発するプロジェクトである。
プロジェクトでは、世界的に有名な海洋生物多様性エリアであるベルデ島水路(VIP)を保護するため、TMPFおよび地元のゲームデザインスタジオであるBalangay Entertainmentと協力して、環境教育に焦点を当てたフィリピン人に象徴的な海洋生物を紹介するスクリーン共有ゲームを設計している。
出典:https://up.edu.ph/up-and-toyota-work-together-on-a-philippine-marine-biodiversity-game/
フィリピンのAteneo大学、インドのタタ社会科学研究所と提携〜学校業界動向〜
フィリピンの私立大学ランキングにおいて常に上位を誇るカトリック系のAteneo de Manila大学は、グローバルな新興研究分野である災害研究における学術および研究活動を強化するために、インドのタタ社会科学研究所(TISS)と提携した。
この提携は、最も重要な学際的分野の1つとして急速に台頭している災害研究の分野に置いて、災害の予防、管理、および軽減の研究と分析において、科学、工学、および社会科学を統合することに焦点を当てている。
両方の機関はすでに強力な災害研究プログラムを持っている。TISSはインドの社会科学におけるトップの高等教育機関の1つであり、アジア初の災害研究の修士プログラムを提供している。一方のAteneo大学は災害リスクの軽減と管理に焦点を当てた学術的および社会的開発プログラムを有する。
出典: https://www.ateneo.edu/news/2021-05-05-ateneo-india-tata-institute-social-sciences-mou-disaster-studies
フィリピンの聖トマス大学、スポーツ心理学の重要性を示唆〜学校業界動向〜
フィリピンの私立大学ランキングで常に上位にランクインし、カトリック系の大学としてフィリピン最古の歴史をもつUniversity of Santo Tomasは、2020年の東京夏季オリンピックでフィリピン初の金メダリストとなった重量挙げのヒディリンディアスの立役者となっている。
同選手の歴史的なパフォーマンスの背後には、サントトーマス大学のスポーツ心理学者が存在している。 その役割は、フィリピンのオリンピック選手の精神的および心理的健康をトレーニング中にチェックすることだった。
同大学所属の心理学部のカレン・カトリーナ・トリニダード博士は、ディアスを含むすべての国内アスリートを指導してきた。博士はアスリートが精神的に健康であり、競技中に最適なパフォーマンスを達成できるようサポートを提供し、スポーツ心理学の重要性を知らしめた。
出典:https://www.ust.edu.ph/meet-the-thomasian-sports-psychologist-in-the-hidilyn-diaz-camp-dr-karen-katrina-trinidad/
2020年 フィリピンの学校(教育)業界
フィリピン大学、教育資料を一般公開〜学校業界動向〜
国内に10のキャンパスを所有するフィリピン大学は、国の国立大学としての使命に従い、教育、研究、公共サービス大学として国家開発をリードする任務を負っており、学内資料をすべてのセクターに一般公開することを発表した。
同大学は学者・専門家・学生・研究者からなる国内有数のコミュニティとして最先端の研究、革新、技術を豊富に備えている。COVID-19パンデミックという非常に困難な時期に提供できる専門知識によって、あらゆるレベルでの政策と意思決定に情報を提供する。
公開された資料には、COVID-19に関する症状、診断、症例数に直接関連するデータリソースや、パンデミックによってもたらされた変化に個人やコミュニティが対処するのに役立つリソースが含まれている。これらのほとんどすべてに、インターネット接続があれば誰でもアクセス可能。
出典: https://www.up.edu.ph/up-offers-educational-materials-to-the-public/
フィリピン高等教育委員会、オンライン学習を支援〜学校業界動向〜
フィリピン大統領府に付属する政府機関であり、公立および私立の高等教育機関のほか、国内のすべての中等教育機関の学位授与プログラムを管轄する高等教育委員会(略称CHED)は、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)中に高等教育機関(HEI)の学生のオンライン学習システムの使用を奨励すると発表した。
同委員会は6つの勧告を通じて、すべてのHEIに代替学習または柔軟な学習システムを採用して、生徒が学習を続けて学期を完了することができるように制定した。ただしHEIの能力とリソース、および学生が利用できる接続性を考慮しなければいけないとも述べた。
オンライン学習を推進することにより、同委員会はHEIの実際のクラス開講時に柔軟な学習を行うことが容易であるとも強調した。事実、ECQ期間中に800以上のHEIがオンラインでの柔軟な学習に移行し、ロックダウン中の代替学習方法を採用している。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1101631
フィリピンでオンライン遠隔学習のための教員向けトレーニング〜学校業界動向〜
フィリピン最古のプロテスタント系大学であり、フィリピン大学ランキング12位、私立大学7位であるSilliman Universityは、Office of Silliman Online University Learning(SOUL)を通じて、オンライン遠隔学習(ODL)システム『mySOUL』の使用に関する教職員向けトレーニングを実施した。
mySOULは、同大学の公式の学習管理システムであり、2008年に設立されたODLプラットフォームである。これは、以前はBlackboardであったプラットフォームプロバイダーのOpen LMSによって2019年に再開されたものである。
トレーニングは、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)が実施される前の昨年3月に開始された。今後も「壁のない教室のベストプラクティス:パンデミック教育ウェビナーシリーズ」などのイベントを通じて、教員をトレーニングしていく。
出典:http://su.edu.ph/su-concludes-faculty-staff-training-on-using-mysoul-for-odl/
フィリピンの環境に配慮した研究で最優秀賞受賞の大学は?〜学校業界動向〜
カトリック系で最も歴史のあるUniversity of Santo Tomasは、環境に優しいエネルギー貯蔵であるカーボンナノチューブの研究が、PAASE科学ポスターコンペティションで最優秀賞を受賞した。
この研究の目的は、「多層カーボンナノチューブ(MWCNT)とポリアニリンポリピロール複合層(PAPY)を備えたアバカコットンファブリック(ACF)を使用して、再生可能なスーパーキャパシタ電極を製造し、特性評価することであった。
アバカコットンはフィリピンの特産であるアバカから生成されるコットンであり、安価なうえに環境にやさしい材料として本研究に採用された。彼らの研究は、複合素材のエネルギー密度(1.82Wh/L)と電力密度(50.31W/L)の値が、理想的なスーパーコンデンサー電極素材になることを示した。
出典:http://www.ust.edu.ph/academics/greener-energy-storage-made-of-abaca-cotton-fabric-carbon-nanotubes-wins-top-prize-in-paase-scientific-posters-competition/
フィリピン大学もランクイン!2020年度のアジア大学ランキング〜学校業界動向〜
カトリック系の大学であり、フィリピン大学ランキング3位で私立大学2位に位置するDe La Salle Universityは、2020年度版『Times Higher Education (THE)』アジア大学ランキングにおいて、2年連続で301位~350位にランキング付けされた。
このTHEには唯一のフィリピン私立大学としてランキングされた。東南アジアからは43の高等教育機関が2020年版のランキングに掲載されている。
本ランキングにはアジアの研究集約型の大学のみがリストされている。大学は、教育(学習環境)、研究(量、収入、評判)、引用(研究の影響)、業界収入(知識の移転)、国際的な展望(スタッフ、学生、研究)を含むすべてのコア領域で評価される。
出典:https://www.dlsu.edu.ph/the-asia-university-rankings/
2019年 フィリピンの学校(教育)業界
フィリピン大学、世界の大学ランキング500位入り〜学校業界動向〜
2019年9月12日の発表によると、フィリピン大学は、 ロンドンに本拠を置く国際リーグのランキングで世界のトップ500の大学の1つに選ばれた。
毎年恒例のTimes Higher Education(THE)の世界ランキングでは、 92カ国の約1,400の大学が分析される。 THEは、教育、研究、引用、国際的な展望、および産業所得の分野における13のパフォーマンス指標に基づいて大学を評価した。
ランキングによると、フィリピンの主要な州立大学がランキングで401から500位に収まった。 私立の有名大学であるデラサール大学も1001位以上の括りに登場した。 中国の清華大学と北京大学、シンガポール国立大学がアジアのトップ大学だった。
フィリピンのNUSeP、バナナの病気の研究で活躍〜学校業界動向〜
フィリピン初の州立大学であるUniversity of Southeastern Philippines (USeP)は、 ダバオ地域農務省(DA-11)と協業して現在蔓延するバナナの病気「パナマ病」の対策のため、研究を行っている。
パナマ病は、バナナ植物に感染する土壌伝染性の病気。 30〜50年という長期間の潜伏期間を経て活発化する能力がある。病原体であるフザリウム菌は、植物の維管束系をブロックし、植物から必要なミネラル、栄養素、水分を奪い、枯れるまで黄色に変色させる。
USePはこの病気に対して様々な試験を行い、病気と戦うための代替ソリューションとして「バイオコン」剤の使用が有効であると明らかになった。
フィリピンで国内1位の司法試験合格率!ALS〜学校業界動向〜
カトリック系のAteneo de Manila Universityは、 2018年の司法試験受験者の合格率に関してフィリピン国内のロースクール中で1位になり、法務教育委員会から表彰された。
アテネオロースクール(ALS)の生徒で、司法試験を初めて受験した人は、88.76%の合格率となった。これはフィリピン国内のすべてのロースクールの中でも最高水準となった。
一方、全受験者の合格率をみてみると、2018年の司法試験では86.76%の最高合格率を記録した。合計177人のALS卒業生が最近の司法試験に合格している。科目別では、政治法、民法および課税において最高の合格率を記録した。
生計向上プログラムでDSWDと提携、フィリピンのUSC〜学校業界動向〜
私立大学のUniversity of San Carlos(USC)は、 大学のCenter for Social Entrepreneurship (CSE)を通じて、2019年8月5日に社会福祉開発局(DSWD)と覚書(MOA)を締結した。
USCとDSWDのコラボレーションの目的は、社会経済を改善するという全体的な目標のもと、DSWDがサポートしている「持続可能な生計プログラム(SLP)」の参加者が、USCを通じて生計スキルトレーニングプログラムと技術支援を利用できるようにすることである。
学長は「人々の生活をさらに向上させるためには、産業界、学界、政府間のパートナーシップを強化することが不可欠である」と述べた。またDSWDの地域ディレクターは、リージョン7の多くのDSWDコミュニティを支援するUSCとのパートナーシップに感謝の意を述べた。
2018年 フィリピンの学校(教育)業界
フィリピン国立大学の分校:ロスバニョス校〜学校業界動向〜
フィリピン国立大学ロスバニョス校(University of the Philippines Los Baños; UPLB)はバイオエンジニアリングなど農業部門における広大な影響力を持つキャンパス。
2018年10月31日、同校は物理学者のライナベル・レイエス博士を招待し、アインシュタインが提唱した相対性理論について講義を行った。同講義イベントは同校が開発コミュニケーション学科の創立20周年を記念して主催したもので、ロスバニョス校で学ぶ多くの学生や研究者らが傾聴した。
2018年10月31日、同校はカルフォルニア大学で教鞭をとるカリート・B・レブリージャ博士と新しい抗がん剤の開発に向けてプロジェクトを開始したことを報告した。今後フィリピン・カルフォルニア研究機関より資金提供を受ける予定。
フィリピンで400年以上の歴史を誇るアジア最古の大学:聖トマス大学〜学校業界動向〜
聖トマス大学 (University of Santo Tomas; UST)は1611年に設立され、400年以上の歴史を誇る。現存する大学の中ではアジア最古の大学としてその名を馳せる。
2018年6月7日、同校の薬学部とフィリピン国立大学の薬学部がパートナーシップを締結し、2018年11月22日に開催される国際薬・栄養・香粧科学会議(IPNaCS)を主催することを発表した。2018年のテーマは「研究と規制を通じた薬・栄養・香粧品科学におけるイノベーションとコンプライアンス」。
2018年10月27日、同校で教鞭をとる薬学部教授アグネス・L・カスティーヨ氏はフィリピン・インターナショナル・コンベンションセンター (PICC)で開催された第27回アジア医薬品協会連盟 (APA)の最優秀賞を受賞したと報じた。
フィリピンを代表するエリートを数多く輩出:アテネオ・デ・マニラ大学〜学校業界動向〜
アテネオ・デ・マニラ大学 (Ateneo de Manila University)は1859年に設立されたカトリック系総合大学で、フィリピン共和国で最も優秀な私立大学のひとつに数えられる。
2018年10月17日、同校から医学部6名の学生が第14回アジア小児科学カンファレンスに参加し、若手科学者賞を受賞した。
2018年10月25日、同校に設置されたアテネオ人権センターは、東南アジア人権研究ネットワーク (SEAHRN)が主催する定例会議に参加したことを発表した。毎年様々な地域で開催されており、今年はフィリピンが開催地として選出。200人以上の学者や学生、団体などが参加し人権と平和構築について熱い議論を交わした。
フィリピン私立大学の最高峰:デ・ラ・サール大学〜学校業界動向〜
デ・ラ・サール大学 (De La Salle University; DLSU)はマニラ市街地に位置する名門私立大学で、経済やテクノロジー、教育、コンピュータなどの学部を設置している。また、教員の質や研究の成果などに対する国際的な評価も高い。
2018年9月7日、同校で科学エンジニアリングを指導するマイケル・プロムティラ教授は今年度最も優れたASEAN科学外交官の一人に選出された。授賞式はダバオ市にあるリッツホテルで開催され、東南アジアエリアで活躍する研究者やエンジニアらが多数出席した。
2018年9月7日、Vis East Moot Foundation Ltd.が第4回青少年国際調停コンクール (YIMC)を香港で主催し、最優秀賞の1つに同校の法学部チームが選出された。
まとめ:フィリピンの学校業界
フィリピンでは、政府の教育への予算不足などが要因となり、世界経済フォーラムの発表した高等教育の質を計る指標では低い数値が示されています。このような課題に注目することでも新たなビジネスチャンスにつながるのではないでしょうか。
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、2010年4月よりWeb業界を目指す社会人向けのスクールのインストラクターとして主にコーディングソフトや画像編集ソフトの授業を担当。2015年より海外での生活とキャリア形成を目的に、青年海外協力隊に参加。