【統計データで解説!】タイの建設・インフラ・環境業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いてタイの建設・インフラ・環境業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

タイの建設事情〜統計データ〜

回復を見せる公共投資

タイ国家統計局(National Statistical Office)のデータによると、タイの2021年の土木工事件数は3.06万件であった。前年よりも11%増加し、2019年から順調に成長してきている。タイでは大量輸送システムの建設や、鉄道路線の複線化、高速道路網の整備など、公共インフラ投資プロジェクトが数多く進行しており、今後も堅調な需要が期待される。

一方で、民間投資については横ばいの状況である。しかし、今後はタイの景気回復とともに、コロナ禍で中断されていたプロジェクトの再開や、住宅や商業施設、産業分野などの建設案件により、大手建設会社を中心に受注状況は次第に回復していくことが期待される。

タイの土木工事件数の推移

出典:National Statistical Office

高騰するタイの建築資材

タイ商務省(Ministry of Commerce)のデータによると、2022年11月時点のタイの建材価格指数(2000年を100とした場合の数値)は119.6、品目別では木材および木材製品が143.1、セメントが111.3、鉄製品が121.3であった。各品目ともウクライナ紛争や、それに伴う世界的な原油および様々な製品の価格高騰の影響を受けている。

特にセメントや鉄製品は、コロナ禍以降急激に価格が上がってきている。タイでは、外国人観光客の受け入れ拡大と景気の回復とともに、建設分野への投資が今後も増加していく見込みだ。しかし、建材価格の上昇に加え、コロナ禍からの人手不足の問題もあり、建設業界の経営者にとっては苦戦を強いられる環境である。

タイの建材価格指数の推移

出典:Indexpr

タイの不動産デベロッパー事情〜統計データ〜

回復を見せるタイの不動産業界

タイの不動産情報センター(REIC)によると、タイの2022年第3四半期(2022Q3)の住宅分野不動産市場指数(2012年を100とする指数)は93.0で、前四半期からは4.3%の上昇、前年同期からは30.4%の上昇であった。タイ全体の景気回復とともに、不動産市場も需要側、供給側の双方が回復に向かっている。需要側では住宅所有権の移譲が増加したことにより、住宅需要が上昇傾向を見せた。

コンドミニアムの需要は回復が遅れている一方で、低層住宅需要が第2四半期から好調である。供給側では不動産デベロッパーが積極的な投資をしており、特にバンコクやその近郊でコンドミニアムや低層住宅の新規プロジェクトの立ち上げが活発に行われている。

タイの住宅分野不動産市場指数

出典:Real Estate Information Center

上昇が続くバンコクおよび その近郊の地価

タイの不動産情報センター(REIC)によると、2022年第3四半期(2022Q3)のバンコクおよびその近郊の未開発の空き地価格指数(2012年を100とする指数)は368.8で、前四半期からは4.0%の上昇、前年同期からは10.3%の上昇であった。土地価格は次第に上昇を続けているものの、コロナ禍以前の2015年から2019年と比べると上昇率は緩やかであった。

その背景には、タイ政府による税制の変更があると見られる。2019年から2020年に行われていた土地建物税の90%割引が終了したことにより、土地を手放そうとする地主もいた。他方、特に地価の上昇が顕著であった地域は、現在建設が進められている都市鉄道(MRT)の路線沿いであった。

バンコク及び近郊の空き地価格指数

出典:Real Estate Information Center

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タイの不動産仲介事情〜統計データ〜

横ばいのコンドミニアム価格

タイの不動産情報センター(REIC)によると、タイの2022年第4四半期(2022Q4)のバンコクおよびその近郊のコンドミニアム分譲価格指数(2012年を100とする指数)は150.3で、前四半期からは0.6%の下落、前年同期からは1.9%の下落であった。地域別では、バンコクのほうが近郊の県と比べて低下率が大きくなっている。

価格低下の背景として、2022年末までとなっている住宅ローン規制緩和の終了を前に、急いで販売を完了させたい売り手が現金での割引きを行っていることなどが挙げられる。また、足元では建築資材の高騰が見られるが、2021年以前に建設されたコンドミニアムでは資材高騰の影響を受ける前に売りに出されたため、価格が据え置きとなっている。

バンコク及び近郊のコンドミニアム分譲価格指数

出典:Real Estate Information Center

持ち直しを見せる住宅価格

タイの不動産情報センター(REIC)によると、タイの2022年第4四半期(2022Q4)のバンコクおよびその近郊の分譲住宅価格指数(2012年を100とする指数)は130.2で、前四半期からは2.4%の上昇、前年同期からは2.7%の上昇であった。前年同期比での上昇は2021Q1以来となった。住宅価格上昇は、主に2022Q4に立ち上げられた新規プロジェクトによるもので、現在の建築資材価格の上昇に伴って価格も上昇している。

地域別では、バンコクよりもその近郊の県で価格、上昇率ともに高くなっている。タウンハウスについてもバンコクでは価格指数が低下した一方で、近郊の県では上昇し、価格自体も高い水準となっている。

バンコク及び近郊の分譲住宅価格指数

出典:Real Estate Information Center

タイの水道事情〜統計データ〜

首都圏の水道契約件数と平均使用量

タイの国家統計局(National Statistical Office)によると、2021年のバンコクおよび近郊の水道契約件数は252万件、1人当たりの月間平均水道使用量は44.99m3であった。水道契約件数は前年よりも1.5%増加し、2017年から年々増加してきている。

一方で、1人当たりの月間平均水道使用量は前年比6.2%の減少であり、2019年をピークに減少を続けている。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞を受け、家庭や企業が節水をしていることが示唆される。需要の減少を受け、水道料金も2019年の1m3当たり11.99バーツから減少し、2020年には10.93バーツ、2021年には11.31バーツと低い水準となっている。

バンコク及び近郊の水道契約件数と平均使用量

出典:NSO

首都圏の水道水販売量の推移

タイの国家統計局(National Statistical Office)によると、2021年のバンコクおよび近郊の水道水販売量は計14億1,600万m3であった。うち家庭向けが7億600万m3、民間企業、国営企業、政府機関などが6億4,300万m3、公共部門およびその他が6,700万m3であった。家庭向けは前年よりも1.7%増加しており、生活用水として一定の需要があることが示唆されている。

一方で、企業や政府機関向けは前年よりも10.4%の減少であり、新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限や景気後退の影響を受けていると考えられる。この企業や政府機関向けの減少幅が大きく、全体の2.9%の減少につながった。

バンコク及び近郊の水道水販売量の推移

出典:NSO

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タイの電力・ガス事情〜統計データ〜

化石燃料に依存するタイ

タイ電力公社(EGAT)によると、2022年11月時点のタイの発電量は計1,860億kWh(キロワットアワー)であった。電源構成別に見ると、天然ガスが最も多く52.83%、石炭(褐炭)が22.63%、水力発電を含む再生可能エネルギーが18.45%、ディーゼル燃料が4.43%であった。タイの発電電力では天然ガスと石炭を合わせた火力発電が7割以上を占めていることがわかる。

しかし天然ガスは将来的な枯渇が懸念されており、政府は天然ガス依存からの脱却を目指している。これまでは次第に増加する電力需要を賄うため石炭火力発電の能力を拡大してきたが、今後は温室効果ガス排出削減のために太陽光、風力、バイオマス発電などの再生可能エネルギーの導入を積極的に進めていくとしている。

タイの発電における電源別割合

出典:Electricity Generating Authority of Thailand

タイの電力販売量の推移

タイ電力公社(EGAT)によると、2021年のタイの電力販売量は1,904億kWh(キロワットアワー)であった。新型コロナウイルスの感染拡大が収束の兆しを見せ、経済活動も回復してきたことで、前年からは1.5%増加した。販売先別では首都圏が513億kWhと全体の27%程度、それ以外の地方が72%程度を占めた。

また、わずかではあるが一部の電力は近隣のラオス、マレーシア、カンボジアにも販売されている。タイの年間の電力需要を見ると、特に厳しい暑さとなる3月から5月にかけて需要が増加している。タイ国内の電力需要はEGAT単体では賄いきれないため、全体の約7割もの電力を国内の独立系発電事業者(IPP)および小規模発電事業者(SPP)、さらにはラオス、マレーシアから購入している。

タイの電力販売量の推移

出典:Electricity Generating Authority of Thailand

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