【統計データで解説!】タイの運輸・物流業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いてタイの運輸・物流サービス業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

タイの鉄道・バス事情〜統計データ〜

タイの首都圏鉄道の乗降客数

タイのバンコク大量高速輸送公社(MRTA)は2021年度の年次報告書にて、2020年の首都圏の主要鉄道4路線の一日平均乗降客数を発表し、バンコク高架鉄道(BTS)が46.6万人、地下鉄(MRT)ブルーラインが28.4万人、MRTパープルラインが4.6万人、エアポートレイルリンク(ARL)が4.8万人であった。

各路線とも2019年までは乗降客数が年々増加していたが、2020年にはいずれも前年比10%-30%程度減少した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、人々が外出や移動を控えるようになったことが主要因であった。また、MRTAが感染対策として行った、ソーシャルディスタンス確保のための座席制限やホームへの入場人数制限も乗降客数の減少につながった。

タイの首都圏鉄道の一日平均乗降客数

出典:Annual Report

タイ国鉄の乗客数の推移

タイの国家統計局(National Statistical office)のデータによると、タイ国鉄(SRT)の2021年の乗客数は1,448万人で、前年から45%減少した。よって、SRTも新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたといえる。それでも2022年以降は国内の経済活動が回復し外国人観光客も戻って来ており、SRTの乗客数も次第に回復すると見込まれる。

また、将来的にはドンムアン空港、スワンナプーム空港、東部のウタパオ空港を繋ぐ高速鉄道も構想されており、さらなる発展と利用客の増加が期待される。しかし、足元では東部地域の高速鉄道の建設遅れや、バンコク中心部のフアランポーン駅からクルンテープ・アピワット中央駅(バンスー中央駅)への機能移転による混乱など、問題は多い。

タイ国鉄(SRT)の乗客数の推移

出典:National Statistical Office

タイの空運事情〜統計データ〜

コロナ禍でのタイの空運業界

タイ財務省が株式の70%を保有する国営企業のタイ空港公社(AOT)の発表によると、同社が管理する国内主要6空港(スワンナプーム空港、ドンムアン空港、チェンマイ空港、ハートヤイ空港、プーケット空港、チェンライ空港)の2021年の発着便数は前年比46%減の21.4万便であった。うち、国際線が7.5万便、国内線は13.9万便であった。

2020年から続く新型コロナウイルスの変異株の感染拡大により、タイの空運業界はさらなる打撃を受けた。特に7月から8月にかけては国内線も含め全てのフライトが停止されるという事態に陥った。しかし、感染状況の改善とともに、タイ政府は2021年10月頃から出入国の規制を緩和し、2022年には各種規制を完全に撤廃した。そのため、今後は国際線を中心とした旅客便数の回復が期待されている。

タイの主要空港発着便数の推移

出典:CAAT

成長を続けるタイのLCC

タイ空港公社(AOT)の発表によると、同社が管理する国内主要6空港の2021年の旅客数は1,620万人であった。新型コロナウイルスの感染拡大による国内の行動制限および出入国制限が続き、前年よりもさらに65%減少した。内訳を見ると、国内線が1,458万人と全体の90%を占め、国際線は161万人と全体の10%に留まった。

他方、格安航空会社(LCC)が着実にシェアを伸ばしてきており、2021年には1,146万人と全体の旅客数の71%を占めた。タイのLCCの歴史は2003年のオリエント・タイ航空の就航から始まり、その後もタイ・エアアジアやノック・エアーなど新規航空会社が次々に参入している。現在、タイに定期就航便があるLCCは計30社にも上る。

タイの航空便旅客数とLCCの占める割合

出典:CAAT

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タイの陸運事情〜統計データ〜

タイの商品カテゴリー別陸上輸送量

タイ運輸省(Ministry of Transport)によると、2019年のタイの商品カテゴリー別陸上輸送量では第1位がサトウキビで1億374万トン、第2位が砂、砂利、土、スラグで5,187万トン、第3位が鉱石および金属廃棄物で3,717万トンであった。タイでは全就業者の30%以上が第一次産業に従事しており、主要品目の中ではサトウキビ、キャッサバ、米、砂糖で全体の36%を占める。

また、タイは自動車やコンピュータ、家電などの製造業が盛んであり、ASEANおよびアジア地域への輸出も多く行われている。主要品目では上記に加え、第4位の石油製品をはじめ、固体鉱物燃料、金属製品、セメント、機器・製作品などの工業製品・原料で全体の46%を占めている。

タイの商品カテゴリー別陸上輸送量

出典:タイ運輸省

タイの陸上貨物輸送量の推移

タイ運輸省(Ministry of Transport)によると、タイの2020年の陸上輸送貨物量は前年より1.7%減少し1,877億トンキロであった。これは大洪水があった2011年やそれからの回復を目指していた2014年頃までと同程度の水準であり、2015年以降では最低の数字であった。

背景として、もともとタイの景気が減速していたところに新型コロナウイルスの感染が拡大し、それに伴うロックダウンや工場の稼働停止により物流も大きな影響を受けたことがある。現在、タイでは新型コロナウイルスに関する規制はほぼ撤廃されており日常が戻りつつあるが、タイ経済および貨物輸送量が回復し、さらに成⻑していくかどうかが注目される。

タイの陸上貨物輸送量の推移

出典:タイ運輸省

タイの海運事情〜統計データ〜

主要港別取扱貨物量

2020年の首都バンコクのバンコク港の貨物入荷量は前年比3.9%増の1,295万トン、出荷量は前年比1.8%増の829万トンであった。東部チョンブリ県のレムチャバン港の貨物入荷量は前年比6.8%減の3,414万トン、出荷量は前年比10.6%減の4,571万トンであった。

レムチャバン港は自動車、自動車部品、鋼材、電気製品、産業機械といった工業製品の取り扱いが多く、新型コロナウイルスの感染拡大による工場の稼働停止の影響を大きく受けた。PATは他にも北部チェンライ県のチェンセーン港、チェンコーン港、南部ラノン港のラノン港も管理しているが、取り扱い貨物量はバンコク港およびレムチャバン港と比べると小さい。

主要港別取り扱い貨物量

出典:タイ港湾公社(PAT: Port Authority of Thailand)

タイの海上貨物量の推移

2020年のタイの海上貨物量の総量は2億9,385万トンであった。内訳は国際貨物入荷量が1億5,225万トン、国際貨物出荷量が8,758万トン、沿岸貿易の入荷量が2,588万トン、沿岸貿易の出荷量が2,814万トンであった。沿岸貿易が計5,402万トンと前年比12.5%と大きく減少した。

一方で、国際貨物については計2億3,983万トンと前年から0.8%増加し、過去10年で最高の数字を記録した。総量では前年から2.0%の減少であったものの、2018年の2億9,368万トンをわずかに上回り、過去10年間で2番目の数字であった。

タイの海上貨物量の推移

出典:タイ港湾公社(PAT: Port Authority of Thailand)

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タイの倉庫事情〜統計データ〜

eコマース業界の市場規模

2019年のeコマース市場規模は推計値で前年比6.91%増の4兆273億バーツ、2020年には前年比22.3%増の4兆2,938億バーツであった。それまでも年平均21%のペースで右肩上がりに成⻑してきた同業界であるが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大により消費者がオンラインでの買い物を多くするようになったこと、それに伴うドアツードアおよびラストマイル配送の需要が拡大したことにより、eコマース業界はさらなる成⻑を見せた。これにより倉庫に対する需要の増加も期待される。また、企業にとっては消費者の行動の変化やeコマース市場の動向に沿って販売戦略を考える必要がある。

タイのEコマース業界の市場規模

出典:国家経済社会開発委員会(NESDC

タイの物流業界の付加価値額

国家経済社会開発委員会(NESDC)によると、国内の物流サービス業者(LSP)の物流関連事業からの利益によって算出される2020年の付加価値額(推定値)は前年比2.0%減の4,774億バーツであった。これは2016年からの直近5年間で唯一のマイナス成⻑であった。海外、国内ともに、新型コロナウイルスの感染拡大により観光、製造、輸出入などの経済活動が縮小した影響を大きく受けた。

また、物流業者は効率的、安全かつ、素早く時間通りに配達を完了するという顧客第一のサービスを提供することに努めており、コロナ禍でも同等のサービスを維持するために戦略の見直しを強いられた結果、経費や支出の増加に見舞われたことも影響している。

タイの物流業界の付加価値額

出典:krungsr

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