ASEAN近隣諸国と比較しても速いペースで高齢化が進んでおり、介護サービスの需要が見込まれているベトナム。2022年8月には、Tuan Minh Groupが最大投資額1億5,000万USDで、国内30カ所の高齢者ケア施設の展開を計画する発表を行うなど、介護業界では急速に事業が拡大しています。
今回は、そんなベトナムの介護業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 ベトナムの介護(医療・介護)業界
森まさこ総理補佐官が仁愛国際株式会社を訪問〜介護業界動向〜
2023年3月4日、森まさこ総理補佐官を含む日本政府代表団がハノイ市内にある仁愛国際株式会社(Nhan Ai International)の国際人材供給・トレーニングセンターを訪問した。代表団は同社の人材育成プログラムについて関係者から説明を受けたり、クラスを見学してセンターの教師や学生と交流した。
森まさこ総理補佐官は、「同社の自己完結型のトレーニングや派遣プログラムに感銘を受けた。また、日本で働いているベトナム人実習生の貢献を高く評価し、アフターコロナ時代の困難を分かち合いたい」とコメントした。
仁愛国際株式会社(Nhan Ai International)国際人材供給・トレーニングセンターの幹部と面会した森まさこ総理補佐官は、同社が困難を克服し、より多くの実習生をトレーニングし、日本へ人材を派遣し続ける事を期待しているとコメントした。
出典:https://bit.ly/3mAuwFf
バクニンTHIEN DUC介護センターを学生が訪問〜介護業界動向〜
2022年11月23日、バクニンTHIEN DUC介護センターの代表を含めた関係者がAcademy of Journalism and Communicationの学生たちと交流活動を行った。両者は高齢者に対応するソーシャルワーク専門職に関する問題を中心にディスカッションを行った。
学生たちは同社の部屋や設備、キャンパス、トレーニングエリアなどを実際に訪問し、実際の労働環境などについて深く理解する良い機会となった。同社のセンター長(代表)は、学生達にソーシャルワーク専門職全般、特に高齢者の介護専門職のメリットや限界を伝えるだけではなく、学生に対して様々な問いかけ等も行った。
今回の交流活動を通じて、同社センターの関係者の豊富な知識や経験がAcademy of Journalism and Communicationの学生達に共有され、学生たちにとって、新しい知識を吸収したり、職業愛や職業意識を高める良い機会となった
出典:https://bit.ly/3mN98fJ
Binh Myナーシングホームを大学関係者が訪問〜介護業界動向〜
2023年3月28日朝にBinh Myナーシングホームの関係者がEastern International Universityの教師や学生たちと会談・交流した。今回の会談・交流は、看護学生が専門知識を実務に応用する事を目的として行われた。
交流活動中、学生たちはナーシングホームで生活している高齢者から直接話を聞く機会があった。また、ナーシングホームのスタッフが毎日行っている仕事を実際に体験する機会も設けられた。学生たちはナーシングホームで実際に1日間就労体験を行った後に、Binh Myナーシングホームの関係者等に感謝の気持ちを伝えた。
今回の交流活動は、Eastern International Universityの学生が高齢者に対する自分たちの責任や使命を明確に認識するのに役立つだけでなく、生徒たちが将来介護士を目指す意欲をより高める機会となった。
出典:https://duonglaobinhmy.com/giao-luu-hoc-tap-cua-nhom-sinh-vien-dieu-duong/
Vuon Lai介護ホームでのインターンシップ活動〜介護業界動向〜
1981年にベトナムで初めて技能実習生の海外派遣事業を始めたSULECO社(ホーチミン市)は、日本国内の30以上の組合等を経由して累計12,000人以上のベトナム人を日本に派遣した経験を持っている。
2023年3月4日の発表によると、SULECO社傘下のSULECOMEDICALSCHOOLとVuonLai介護ホームは、VuonLai介護ホームでのインターンシップを実施し、SULECO社の実習生候補者やベトナム人の実習生が介護の仕事により親しみを持てるように、実習生候補者が高齢者と接する機会を提供したり、高齢者の生活や考え方を理解する機会を提供している。また、インターンシップでの経験は、将来日本で介護の研修をする際にも役立つと考えている。
VuonLai介護ホームは、SULECOMEDICALSCHOOLの考えや使命を理解・共感しており、同社でのインターンシップを通じてスキルを向上させる機会を提供したいと考えている。
出典:https://duonglaovuonlai.vn/hoat-dong-kien-tap-cua-truong-trung-cap-suleco-tai-vien-duong-lao-vuon-lai
S-Merciful Hanoi&Danangの関係者が交流〜介護業界動向〜
2022年8月4日の発表によると、Tuan Minh Groupは、ヨーロッパ先進国の高齢者ケア施設のノウハウを導入したベトナム初の5つ星レベルの介護施設として運営しているS-Merciful Hanoi(ハノイ市)及びS-Merciful Danang(ダナン市)の関係者が両施設の関係者の情報交換、サービス品質の向上、高齢者のケア経験の共有等を目的に、両施設関係者の交流活動を行った。
交流活動の中で、介護施設のディレクター(ホー・タン・ゴック・ウエン氏)はS-Mercifulの全スタッフに高齢者ケアに関する熱意や献身を広め、高齢者に最高の介護サービスを提供するという決意を示した。
Tuan Minh Groupではベトナム国内で30カ所の高齢者ケア施設の展開を予定しており、総投資額は最大で1億5,000万USD程度を予想している。
出典:https://bit.ly/3A8apBh
2020年 ベトナムの介護(医療・介護)業界
右肩上がりのベトナム人材、活用のカギは相互理解 〜介護業界動向〜
近年、日本で働く外国人の増加数を牽引しているのはベトナム人だ。日本に在留するベトナム人は37万人を超え、技能実習生の数は国籍別でベトナムが最多だ。ベトナム人労働者の派遣分野は看護や農業、水産業、IT分野など多岐にわたるという。
日本で人材不足の懸念が高まる中、外国人材の活用に動く企業が増え、多くの活用事例が生まれているが、同時にその課題も顕在化している。
日本とベトナムが相互に利益を享受するため、まずはベトナム人の実態を認識し、ベトナム人はどのような思いを持って日本で働こうとするのか、理解を深める必要性が高まっている。
出典:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2019/0303/9ec21fb28df735c4.html
ベトナムのTuyet Thaiケアセンター研修生受け入れ 〜介護業界動向〜
Tuyet Thai Elderly CareCenterとTTLC Tourism and Trading Labor Export Joint Stock Companyはトレーニングプログラムの実施を継続している。最近では、TTLCCompanyの看護を専門とする研修生を受け入れた。
研修生は高齢者の食事、遊び、おしゃべりなど、介護分野における日常で実際に発生する仕事を練習することができる。
TTLC Travel and Trade Labor Export Joint Stock Companyは、ハノイに本社を置いており、設立は1996年。日本への労働輸出市場を活用して5年以上にわたり、同社は2,000人以上のベトナム人労働者を、食品、農業、電子機器、建設などの専門職で日本に派遣してきた。
出典:http://dieuduongtuyetthai.com/vien-duong-lao/hop-tac-dao-tao-thuc-tap-sinh-giua-ctcp-xuat-khau-lao-dong-thuong-mai-va-du-lich-ttlc-trung-tam-cham-soc-nct-tuyet-thai.html
ベトナムで介護業界大手のBNTDのCOVID19対策
BNDTではCovid-19の拡大防止に向けた対策をとっている。具体的には、施設内をスプレーで消毒する、スタッフや入居者、訪問者に予防措置を講じる、といったものだ。
世界保健機関(WHO)が推奨する消毒液で少なくとも20秒間、またはベトナム保健省が推奨する少なくとも30秒間手を洗う、咳やくしゃみをするときは顔を覆い、くしゃみや咳をした後はすぐに手を洗うなどの措置を講じている。
また、世界保健機関(WHO)が推奨するように、人と人との間を少なくとも1m距離を保つといったことや、体温チェックと医療申告の実施もしている。
出典:http://duonglaothienduc.com/tin-tuc/cong-tac-phong-chong-dich-covid-19-tai-bach-nien-thien-duc-n16641.html
旧式の技術は高齢者の友達、ベトナムケアセンターでの事例〜介護業界動向〜
テクノロジーが急速に発展していく現代では、全ての機能を備えたオールインワンのスマートフォンやタブレットが、音楽プレーヤーなどの他のテクノロジーデバイスに徐々に取って代わってきた。
しかし、新しいテクノロジーに追いつけない高齢者にとって、ラジオ(カセット)は古い友人のようなものと言える。
Binh Myケアセンターに5年以上在籍する利用者の一人は、スポーツの練習、カラオケの歌などのナーシングホームでの朝の活動の後、ときにはオンラインで若者向けの曲を楽しんだり、みんなで集まってラジオを聞くのが楽しみになっている。
出典:https://duonglaobinhmy.com/vn/nguoi-ban-thoi-dai-cong-nghe-cua-nguoi-cao-tuoi.html
ベトナムのBinh My ケアセンター、医者を招いて利用者の健康チェックを実施〜介護業界動向〜
Binh My ケアセンターでは高齢者の健康の維持に力をいれている。2020年8月14日、ホアンマイ病院の医師が定期的な健康診断のために同施設を訪問した。
健康診断では、訪問した医師がケアセンター利用者の高齢者の血圧を測定したり、看護師が採血を行ったりした。
同ケアセンターは、高齢者の健康を守るために、快適で幸福で安全な生活空間を高齢者に提供できる、思いやり溢れる献身的な施設であることを誇りに思っている。関係同士で協力し、Covid-19の困難も乗り越えていきたい考えだ。
出典:https://duonglaobinhmy.com/vn/vien-duong-lao-binh-my-moi-bac-si-benh-vien-hoan-my-ve-kham-suc-khoe-dinh-ky-cho-nguoi-cao-tuoi-ngay-14-8-2020.html
2019年 ベトナムの介護(医療・介護)業界
ベトナムのBNTD、EPAの介護プログラムで研修生236名受け入れ〜介護業界動向〜
2019年8月18日、BNTD高齢者ケアセンターは、EPA(経済連携協定)プログラム(労働・傷病兵・社会省の介護業界の労働者輸出プログラム)のもとで研修生を受け入れた。
日本の高齢化に伴い、ベトナム政府は2020年までに1万人の看護師を日本に派遣するプログラムを実施することに合意している。ベトナムの介護業界はこうした状況を日本での就業を希望する若者への良い機会になると考えている。
同プログラムは2012年から実施されており、これまでに1430人の候補者を募集して訓練してきた。今回の募集は7回目で研修生は236人となっている。
介護プログラムで独自の強みをもつ、ベトナムで介護業界大手のBNTD
BNTD高齢者ケアセンター(BNTD:Trung tâm chăm sóc Người cao tuổi Bách Niên Thiên Đức)は介護プログラムの提供において独自の強みを生かしている。
同センターは高齢者のヘルスケア分野で19年に及ぶ経験を持ち、大学や専門医科大学を卒業した看護師チームを抱えている。また、全ての従業員が高齢者介護の集中トレーニングを受けている。
提供するサービスは、高齢者が親しみや居心地のよさを感じられるように作りあげられているだけでなく、医師を始めとする専門家の献身的なサポートにより、高齢者が健康状態を維持し、回復するのを助けるものとなっている。
Tuyet Thaiケアセンター、ベトナムのABSと提携〜介護業界動向〜
2019年11月6日、Tuyet Thaiケアセンターは、ABS Vietnam JSC(ABS)と高齢者向けの共同介護業務に関する協定に署名した。
同署名式は、介護人材業界による協力関係構築の第一歩を示すものとなった。同業界は現在先進国、特に日本に非常に高い関心を寄せている。
ABSは海外(特に日本向け技能実習生)向け人材派遣分野で、長年の経験がある経営陣と社員によって設立されており、同分野で「ベトナムNo.1になる」を目標として技能実習生の教育等を行ってきた。両者の教育システムを合わせることで、海外での就業により適した人材の育成を目指していく考えだ。
ベトナムのBinh My Nursing Home推奨!高齢者の心疾患の原因と対策とは?〜介護業界動向〜
高齢者は年齢を重ねるにつれて、免疫機能が低下し多くの病気に罹患するリスクが高くなる。特に心血管疾患は高齢者の一般的な疾患の1つであり生命を脅かす可能性すらある危険な病気だ。
加齢にともなう心配機能の低下は、不整脈を引き起こしたり、心臓の鼓動が速すぎたり、遅すぎたり、場合によっては不規則になったりする、といった不調に苛まれることがある。
Binh My Nursing Homeでは、食品の面からこうしたリスクを少しでも下げる対策を考えている。具体的にはカリウムを含むバナナや、オメガ-3飽和脂肪酸を含む魚や野菜類を食べることを推奨している。
2018年 ベトナムの介護(医療・介護)業界
ベトナムのOri Home、介護サービス紹介〜介護業界動向〜
急速に高齢化が進むベトナムでは、介護施設への入居後、利用者に対するサービスの質について議論が交わされている。高齢者向け介護施設を運営するOri Homeは以下の5つのポイントをケア・サービスの焦点として紹介している。
項目 | 詳細 |
1. 日常生活でのケア | 入所者は衛生状態の良い施設で規則正しいリズムで生活を送ることができる。飲酒やギャンブル、不規則な睡眠の習慣を断ち切ることができる。 |
2. 健康管理 | 入所者は日次、週次で健康面でのチェックを受けることで疾病などのリスクをモニタリングできる。 |
3. リハビリ | 入所者の状態に合わせた、肉体面、精神面でのリハビリメニューが用意されている。 |
4. コミュニティ活動 | クラブ活動や誕生日会のようなイベントなど社会的なアクティビティが用意されている。 |
5. 居室 | 広々とした清潔な部屋が用意され、テレビやインターネットも完備されている。 |
ベトナムのBNTDと・ハノイ大学、中秋節記念イベント開催〜介護業界動向〜
2018年9月23日、バック・ニェン・ティエン・ドゥック (Bach Nien Thien Duc; BNTD)高齢者ケアセンターは中秋節を祝う記念イベントを開催した。入所者が伝統的な風習である中秋節を楽しめるよう、事前に募集したボランティアらがイベントの運営をサポートした。
ボランティアとして地域の若者が多数参加し、複数のグループに分かれ料理を振る舞ったり、入所者との交流を楽しめる時間が設けられるなど、高齢者と地域住民のコミュニケーションに主眼が置かれた。
また、中秋節のお祝いとして飾り付け用果物やお菓子が用意され、参加者の目を楽しませた。さらに、プログラムではボランティアのハノイ国家大学の学生による歌唱パフォーマンスが披露された。
ベトナムで開催!世界高齢者の日2018〜介護業界動向〜
入居者300名を超える有料老人ホームBINH MY NURSINGは2018年10月1日、入居者らへ世界高齢者の日を祝う記念イベントを主催した。
BINH MY NURSINGでは毎年高齢者の日を祝うイベントを行なっている。同イベントには施設に入居している高齢者らの親族が招待されたほか、著名アーティストらが出席しステージで歌や手品などのパフォーマンスを披露して参加者を楽しませた。
同施設では最新の医療・介護技術を積極的に導入することで健康管理やメンタルヘルスケアを行うといった工夫がとられている。同社ウェブサイトでは介護ケアサービスの質向上に向けた人材育成に関する企業方針について言及がなされた。
ベトナムのTuyet Thai、介護研修の閉会式を主催〜介護業界動向〜
2018年11月6日、トゥエットタイ老人ホーム、ヴァンスアン投資および人材開発株式会社、タンロン専門学校はベトナム-日本高齢者ケア協定のもと、共同で介護・医療研修セミナーの閉会式を行った。
修了者は研修を通して学んだ知識やスキルを高齢者介護の現場において活かし、高齢化が急速に進むベトナムにおける介護ケア業界の未来を担うリーダシップを発揮することが期待されている。
今後、研修生は人手不足が叫ばれる日本へ渡航し実務に移る予定。新しい環境の業務においても「勤勉」「意欲的」と謳われるベトナム労働者の良さをアピールできるよう、式典では施設職員が研修受講生へ激励の声援を贈った。
まとめ:ベトナムの介護業界
アジア太平洋諸国の中で最も急速に高齢化が進んでいると言われるベトナムでは、今後も大きな介護需要が見込まれています。そんな中、同国の介護業界にはまだまだ多くのビジネスチャンスが眠っているのではないでしょうか?
ハノイ在住のベトナム人。名古屋大学で文部科学省奨学金の日研生として留学経験有り。日越の翻訳、通訳などが得意で、日本語教師の経験有り。ハノイで日系IT企業に入社後、主に総務・人事、日本親会社との取引業務を約3年経験し、その後長野県で日本企業で勤務。