【統計データで解説!】インドネシアの建設・インフラ・環境業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いてインドネシアの建設・インフラ・環境業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

インドネシアの建設事情〜統計データ〜

建設業界への銀行投資額の増加

インドネシア中央銀行が公表している建設業界への銀行の貸付残高は、ここ5年間で大きく増えている。2017年252兆ルピアであった貸付残高が、2021年には378兆ルピアへと増加しており、5年間の年平均成長率(CAGR)は10.7%に及ぶ。今後もインフラ開発がさらに加速されることから、建設業界への融資残高は増えていくものと考えられる。

ちなみに、産業界全体への貸付残高は、2017年2,759兆ルピアが2021年3,396兆ルピアと5年間の年平均成長率は5.3%である。建設業界が産業界全体より高い伸び率を示しており、経済成長がインフラ投資先行で進んでいることがわかる。

建設業界への銀行融資残高

出典:インドネシア中央銀行

インフラ関連国家予算推移

財務省が公表しているインフラ関連の国家予算は、2016年に269兆ルピアで2019年まで順調に増加してきた。しかし、2020年のCovid-19パンデミックの影響で、281兆ルピアと大幅に減少した。その後回復し、2021年の予算は、2020年当初の予算額423兆ルピアにほぼ近い417兆ルピアとなっている。

内訳は、中央政府の予算が191兆ルピア、地方交付金が200兆ルピア、その他が46兆ルピアとなっている。経済の継続的な成長の為にはインフラ投資の拡大が不可欠だが、政府だけで資金を賄いきることは厳しいため、政府はインフラ投資への民間資金の活用にも力を入れている。その為、インフラ関連への資金の流入は、継続して高率で伸びていくものと考えられる。

インフラ関連国家予算

出典:インドネシア国財務省

インドネシアの不動産デベロッパー事情〜統計データ〜

堅調に成長を続ける総合デベロッパー業界

インドネシアの不動産業界は、住宅不動産の需要拡大や、政府の不動産市場の復興政策などのプラス誘因を受け、2016年に9.8%の成長を遂げた。2016年半ばにインドネシア銀行(中央銀行)が7.5%から6.5%の金利引き下げを実行し、外国人の不動産所有規制と住宅ローンの条件が緩和され、市場に刺激を与えた。

これにより、建設業界では、規模に関わらず2015年・2016年から企業数が増加に反転している。そして、2018年をピークに再び減少に転じているが、2020年のCovid-19パンデミックによる経済停滞を解消するため、政府がインフラ開発に注力したことから、2021年は再度企業数も増加に転じている。2012年から2021年の建設業界の企業数のCAGRは3.7%である。

建設会社規模別企業数推移

出典:BADAN PUSAT STATISTIK

上場不動産会社トップ10売上金額シェア

不動産会社で上場している企業53社の2021年売上金額の合計は77兆ルピアであった。トップ10企業が全体の約78%を占め、残りの43社で22%を占める状況である。二桁のシェアを誇るのは、1位のLippo Karawaci Tbk(21.6%)、2位のCiputra Development Tbk(12.7%)、3位Bumio Serpong Damai Tbk(10.0%)の3社である。また、5%以上を占めるのは、6位のAgung Podomoro Land Tbkまでである。

とりわけトップ3社は、Covid-19パンデミック前の2019年より、パンデミック後の2021年に売上高が増加している。それ以下の順位の会社で、パンデミック前の売上高水準まで戻している会社はまだ少ない。ちなみに、43社のうち2021年売上高が2019年を上回っているのは16社だけで、大手デベロッパーの業界への影響力が大きいことがわかる。

2021年上場不動産会社トップ10売上高シェア

出典:各社アニュアルレポート

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インドネシアの不動産仲介事情〜統計データ〜

インドネシアのGDP推移

インドネシアの名目GDPは、2017年から2021年の5年間でCovid-19パンデミックの影響を受けながらも平均年率(CAGR)5.7%で成長している。一方、建設業界の名目GDPはCAGR5.9%と全体の成長率よりわずかに上回っている。

しかし、パンデミック発生前の2019年までのCAGRを見てみると、インドネシア全体が7.8%、建設業界が10%で成長していたので、明らかに建設業界がCovid-19の影響を他産業より大きく受けたことがわかる。一方で、回復力も高いので、今後の伸びに期待されている。建設業界が活況を呈し、人の移動が再び活発になってくると、不動産業界も好影響を受けることになると予想される。

インドネシアの名目GDP推移

出典:インドネシア銀行

都市部で高い賃貸住宅需要

賃貸住宅の世帯に占める割合は、全国平均で約9%である。賃貸住宅比率が高いトップ5の州は、1位:ジャカルタ(2021年:35%)、2位:リアウ諸島(26%):バタム・ビンタンなど、インドネシア政府とシンガポール政府が開発した工業団地が数々あり、労働者の多くが他の島から仕事を探して移住してきているため、賃貸率が高い。

また、3位:バリ(20%)、4位:東カリマンタン(17%)、5位:北カリマンタン(16%):ジョグジャカルタを抜いて北カリマンタンが5位にランクアップした。トップ3州の賃貸率は、ジャカルタとバリが低下し、リアウ州が横ばい状態にあるが、他の地域と比べて圧倒的に賃貸率が高く、不動産仲介業者が都心部に集中している。

これは、賃貸需要を始めとする人口の流動化による住人の出入り頻度が高いことに支えられていることが原因である。今後は首都移転が本格化し、新たな人口流動化が起こることが期待されている。

州別賃貸住宅比率

出典:BPS

インドネシアの水道事情〜統計データ〜

脆弱な水道インフラ

インドネシアの地方自治体が管轄する水道の質や整備は、公共衛生インフラへの投資額が少なく法整備や地方レベルの認知が進んでいないことから、アジアの周辺諸国と比較して脆弱さが目立っている。また、小規模コミュニティに対する社会保障が不十分で、下水道の普及も遅れていることが国内の深刻な問題となってきている。

2012年から2018年までの7年間、水道普及率の全国平均は65%から74%と年間約1%の上昇で、緩やかなペースで上昇していた。しかし、2019年に都市部が14%、郊外/農村部が17%、全体で15%普及率が大幅にアップし、全国平均が89%になり、2021年には91%となった。このように、政府が電気・水道といった生活に密着したインフラ整備に力を入れた結果が出てきている。

清潔な飲料水へのアクセスを持つ世帯割合

出典:BPS

州別で大きなバラツキがある飲料水生産量

インドネシア中央統計局が発行する「STATISTIK AIR BERSIH2015-2020(飲料水統計)」によると、2020年のインドネシア全国の飲料水生産量は5,262百万㎥だった。

トップ10州は、1位:東ジャワ州(796百万㎥)、2位:中部ジャワ州(726)、3位:ジャカルタ特別州(635)、4位:西ジャワ州(543)、5位:北スマトラ州(335)、6位:バンテン州(297)、7位:東カリマンタン州(228)、8位:南スマトラ州(206)、9位:南スラウェシ州(181)、10位:バリ州(180)だった。

トップ10州の合計は全国の78%を占めていて、残り24州で22%を生産している。さらにトップ10州の内5州はスマトラ島で、5州の合計は全国の57%を占めており、ジャワ島とその他地域との格差は大きい。

飲料水生産量トップ10州

出典:BPS

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インドネシアの電力・ガス事情〜統計データ〜

増加する電力供給能力

インドネシア国家が所有する電力会社(PLN)の2021年アニュアルレポートによると、PLNの発電能力は2017年時点で41.7GWであったものが2021年には44.5GWと、2.8GW(12%)増加している。しかも、増加したのは石炭火力発電(+0.7GW)、天然ガス火力発電(+2.0GW)とディーゼル火力発電(+0.1GW)とすべて化石燃料による発電である。

ちなみに水力、地熱、太陽光と風力を合計した再生可能エネルギーでの発電量は、4.2GWで全体の9.4%である。増加する電力需要への対応と、CO2削減の目標を達成するための今後の取り組みが注目されている。

発電方式と発電能力推移

出典:PLN2021年アニュアルレポート

インフラ設備とガス供給の滞り

中央統計局(BPS)の分野別天然ガス消費量のデータによると、2015年から毎年35万MMSCF前後で安定的に天然ガスが消費されている。特徴としては、ほとんどの天然ガスが産業と発電で消費されており、一般家庭ではほとんど消費されていない。

その原因としては、インドネシアは18,000以上の群島から成り、各家庭へ天然ガス供給のための安定した流通インフラを敷くことが困難なためである。現在、全長約1万kmのガス輸送・供給パイプラインを保有しているが、輸送パイプラインの脆弱性から供給圏が限られている。また、ガス生産はボルネオ島やパプア州の海底油田で行われている。

分野別天然ガス消費量

出典:BPS

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