【統計データで解説!】インドネシアの運輸・物流業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いてインドネシアの運輸・物流業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

インドネシアの鉄道・バス事情〜統計データ〜

Covid-19の影響により激減した鉄道乗客数

インドネシア中央統計局の「陸上輸送統計2021」によると、鉄道の乗客数は2017年の3.9億人から2019年には4.3億人となり、平均年率(CAGR)3.2%で順調に増加していた。しかし、2020年のCovid-19パンデミックの影響で、2020年1.9億人、2021年1.5億人と、人の移動の制限に伴い乗客数が急激に減少している。

乗客の利用はほとんどがジャワ島内であり、スマトラ島では鉄道利用のほとんどが貨物輸送である。2021年、ジャワ島での貨物輸送量が1,121万トンであったのに対して、スマトラ島では4,243万トンと3倍以上の量であった。今後、Covid-19との共存社会への移行で人々の移動が回復し、インドネシア高速鉄道が稼働し始めると、さらに鉄道利用客が増えることが見込まれる。

鉄道乗客数推移

出典:BPS

バス利用を後押しする交通政策

インドネシア自動車工業会(GAIKINDO)のデータによると、インドネシア国内でのバスの販売台数は毎年3,600台前後で推移してきたが、2020年Covid-19パンデミックで需要が減少した結果2,200台になり、2021年にはさらに1,300台まで落ち込んだ。また、特に中型バス販売の落ち込みが大きかった。

一方、インドネシアにおける交通渋滞と大気汚染の問題は、大都市だけでなく小規模な地方都市でも大きな課題となっており、これに対する解決策の一つとしてバスの利用が注目を集めている。政府は自家用車の利用を減らし、公共交通機関の利用者を拡大するため、補助金支給やプロモーション活動の展開に力を注いでいる。

さらに、「パイオニアルート」と呼ばれる、移動や輸送が困難な遠隔エリアへの道路を走るバスの運賃を引き下げることにより、貧困家庭の多い地域とビジネスが盛んなエリアを結ぶ政策も注目されている。

インドネシア国内バス販売台数

出典:GAIKINDO

インドネシアの空運事情〜統計データ〜

インドネシアの空運システム

2018年をピークに、2019年はとりわけ国内線が減少しており、これは航空各社が収益改善のための運賃改定を行った結果、空路から陸路への切り替えが起こったためである。さらに、2020年にはCovid-19パンデミックが発生し、国内線・国際線とも大幅に乗客が減少した。2019年を100とすると、2021年の国内線は40、国際線はわずか4と壊滅的な状況であった。

今後Covid-19との共存政策に転換される中、乗客数の回復が期待されている。インドネシアの航空業界では、インドネシア国運輸省航空総局が安全、保安、サービスにかかわる法整備を管轄していて、269箇所の空港は国際民間航空機関(ICAO)が採択した規定コードを準拠し、26箇所の空港は、州営企業であるAngkasaPuraIとAngkasaPuraIIに個別に監督されている。両社は全ての領空で協働し、航空支援システムの構築や航空交通網の整備事業を行っている。

国内・国際線航空機の乗客者数推移

出典:BPS

空港利用度が高いジャカルタ・バリ

2020年以降、Covid-19パンデミックの影響で航空輸送の利用客は激減しているので、Covid-19パンデミックの発生前の2019年の空港別出発搭乗者数を見てみると、人々の移動の特徴が明らかになってくる。インドネシア国内には約300近い数の空港があるが、Soekarno Hatta(ジャカルタ)、NgurahRai(バリ)、Juanda(スラバヤ)、Kualanamu(メダン)、Hasanuddin(マカッサル)の5つの空港を全体の半分以上の乗客が利用している。

政治経済の中心地首都であるジャカルタのスカルノ・ハッタ空港が全体の29%、インドネシアの観光の中心地であるバリのヌラライ空港が13%を占めている。国際線だけを見ると、スカルノ・ハッタ空港が41%、次いでヌラライ空港が36%となっている。今後、Covid-19以前の状態に早く戻ることが期待されている。

2019空港別出発搭乗者数

出典:BPS

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インドネシアの陸運事情〜統計データ〜

毎年増えるトラック登録台数

2016年から2020年の5年間のトラック登録台数の年平均伸び率は4.1%であった。2020年にコロナの影響で若干減少しているのを除いても2016年から2019年の4年間の年平均伸び率は5.1%と安定的な伸びを示している。

ちなみに乗用車は2016年の13,143千台から2020年に15,798千台に増えており、年平均伸び率は4.7%であった。トラック(貨物車)よりわずかに高い伸び率を示している。一般的に陸運による貨物輸送量は、トラックの台数と深い関係がある。ネット通販の急速な拡大に伴い貨物輸送量は今後も伸びていくと考えられるので、今後もトラックの登録台数は安定的に増加していくと思われる。

借物車登録台数推移

出典:BPS(インドネシア国中央統計局)「陸運統計2020」

安定的に伸びる陸運名目GDP

2016年から2020年の5年間の陸運の名目GDPは年平均伸び率6.0%であった。コロナの影響がある2020年を除いて2016年から2019年の4年間の年平均伸び率を見ると9.0%ともう少しで二桁成⻑となる勢いで伸びている。2020年の陸運のGDP381兆ルピアに対してGDP総額は15,434兆ルピアなので、陸運の占める割合は約2.5%。

一方、2020年の輸送と保管分野の名目GDPは690兆ルピアであった。従って、輸送と保管分野で陸運が占める割合は55%を占める。次にウエートが高いのは倉庫保管と郵便・宅配の132兆ルピアで19%。3番目は空運の105兆ルピアで15%であった。残りは鉄道輸送と水上輸送で大きなウエートではない。

陸運名目GDP推移

出典:BI(インドネシア銀行)「名目GDP」

インドネシアの海運事情〜統計データ〜

TOL LAUT政策の効果(物の移動)

TOL LAUT政策は、ジョコウィ大統領によって提唱された海洋物流輸送のプログラムで、インドネシアの群島の主要な港をつなぎ遠隔地への商品のスムーズな流通を実現するというもの。それに加えすべての地域の各品目の物流量の増加に伴う物流価格の低減を目的としている。

つまり、「人の移動、商品の移動を増やすことによって、輸送価格の低下、物流コストの低下、そして最終的に商品価格の引き下げへと結び付ける。」中央統計庁のデータによると、TOL LAUT政策が発表された2015年以降、インドネシアの島間貨物積載量は徐々に増加してきている。

出典:インドネシア中央統計庁

安定的に伸びる海運名目GDP

インドネシア銀行が公表している「名目GDP」によると、2016年から2020年の5年間の海運の名目GDPは年平均伸び率5.0%であった。コロナの影響がある2020年を除いて2016年から2019年の4年間の年平均伸び率を見ると9.0%ともう少しで二桁成⻑となる勢いで伸びている。

2020年の海運のGDP49兆ルピアに対してGDP総額は15,434兆ルピアなので、海運の占める割合は約0.3%。一方、2020年の輸送と保管分野の名目GDPは690兆ルピアであった。従って、輸送と保管分野で海運が占める割合は7%であった。輸送と保管分野で最もウエートの高かったのは陸運で55%。

次は倉庫保管と郵便・宅配で19%。3番目は空運で15%。島国のインドネシアでは海運の伸びインドネシアの総合物流会社PT Samudera Indonesia Tbk(SMDR)の2020年の売上高は491百万USDで前年比112%であった。その内海運を担しろがまだまだある。

海運名目GDP推移

出典:BI(インドネシア銀行)

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インドネシアの倉庫事情〜統計データ〜

情報化が発展のカギ

政府の行ったSensusEkonomi 2016の調査結果によると、ロジスティック業界でインターネットを業務に使っている会社の比率は業界全体が9%、最も進んでいる空運が92%、次が郵便・宅急便で74%、倉庫会社は24%である。

また、販売・購買にインターネットを使っている比率は、業界全体が3%、最も進んでいる空運が72%、次が郵便・宅急便で45%、倉庫会社は11%である。グローバルにフライト予約・チケット購入がオンライン化されている航空業界に続き、ネット通販の急速な普及に伴い、宅配便業界でのインターネット利用が急速に拡大している。

さらにネット販売のシステムプラットフォームに乗るために倉庫業界でもインターネット利用が急速に進むことが見込まれる。

ロジスティック業界インターネット利用率

出典:BPS

成⻑する倉庫・宅配便業界名目 GDP

インドネシア銀行が公表している「名目GDP」によると、2016年から2020年の5年間の倉庫・宅配の名目GDPは年平均伸び率6.0%であった。コロナの影響がある2020年を除いて2016年から2019年の4年間の年平均伸び率を見ると13.5%と二桁成⻑で伸びている。2020年の倉庫・宅配のGDP132兆ルピアに対してGDP総額は15,434兆ルピアなので、倉庫・宅配の占める割合は約0.9%。

一方、2020年の輸送と保管分野の名目GDPは690兆ルピアであった。従って、輸送と保管分野で倉庫・宅配の割合は19%を占める。最もウエートが高かったのは陸運の381兆ルピアで55%と半分以上を占める。3番目は空運の105兆ルピアで15%であった。残りは鉄道輸送と水上輸送で大きなウエートではない。

倉庫・宅配名目GDP推移

出典:BI (インドネシア銀行)

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