【統計データで解説!】台湾の金融・法人サービス業界の最新トレンド・業界事情

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この記事では、統計データを用いて台湾の金融・法人サービス業界の最新情報をお届けしていきます!

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目次

台湾の銀行事情〜統計データ〜

国内・外資系・中国系銀行それぞれの成長率

台湾の銀行業は、銀行・保険・証券の金融三業の中で最も利潤の高い“利潤王”を毎年獲得しており、2021年の業績も良好で、銀行業全体の税引前利益は2019年の4,071億台湾元に次いで史上2番目に高い利益となる3,856億台湾元であった。その中でも国内銀行の税引前利益は3,370億台湾元で、年間成長率も高く7.8%となった。

一方で、外資系銀行は一部の外資系銀行の処罰事件による業務制限の影響を大きく受け、税引前利益は109.8億台湾元で、2020年の238億台湾元と比較すると年間成長率はマイナス54%であった。加えて、中国系銀行の税引前利益は61億台湾元で、2020年の50億台湾元から22%増と大きな成長を見せた。

台湾の銀行業税引前利益(2021)

出典:金融監督管理委員會全球資訊網

台湾の金融業界をリードする中國信託銀行

毎年発表されている“世界銀行トップ1,000”で、2022年では台湾の5つの銀行が200位以内にランクインし、台湾の1位として選ばれのは中國信託銀行で、世界ランクでは2021年より12位上昇し141位であった。ここ数年、中國信託銀行は国内外で170以上の賞を受賞し、335以上の特許が認められており、ブランド知名度、スマートテクノロジー、金融革新の面で業界をリードする地位を確立している。

ここ数年の新型コロナウィルス流行による影響で金融開発の傾向と消費者の習慣が変化する中、中國信託銀行はいち早く傾向を洞察し、事業運営モデルの調整やデジタル技術サービスを強化し続けた事も成功の要因の一つと考えられる。

台湾の銀行業界TOP5(2022)

出典:金融監督管理委員會全球資訊網

台湾の証券事情〜統計データ〜

台湾証券市場の利益王“元大證券”

2022年11月、台湾の証券会社全体の税引後純利益は54億6,500万台湾元で、前月比63億4,100万台湾元増加した。11月初旬の税引後累計純利益は347億2,100万台湾元で、前年同期より635億1,200万台湾元減少し、64.65%減となった。また総取引額を見ると、11月は約4兆9,530億台湾元で、10月に比べて28.28%増加し、証券取引所は証券会社の仲介手数料収入が増加した事を指摘した。

加えて、2022年11月の証券会社別取引額を見ると、元大證券が他社を大きく引き離し3,916億8,000万台湾元でトップとなった。元大証券は台湾で最大の営業拠点を持ち、台北証券市場最大のシェアを誇る。2021年では、利益が200億台湾元を超えた唯一の証券会社であった。

証券会社別取引金額TOP5(2022年11月)

出典:証券受付売買センター

台湾株式口座開設数が過去最高に

台湾証券取引所の統計によると、2021年12月末、台湾株式の口座保有者数は29,000増加して1,200万となり、2カ月連続で増加した。また、2021年3月から年末までの10カ月間での新規口座開設数は55万以上あり、その内20~40代の若者が40万人に迫り、全体の72%に及んだ。2022年11月の台湾投資家の年齢分布を見ると、20~40代が投資家全体の50%を占めている事わかる。

近年、若者の口座開設数と株式市場への実際の投資額は共に大幅に増加している。それに伴い、証券取引所は2017年に定期定額業務を開放し、小口投資ルートを増やした。加えて、2021年に中小資本制度を実施し、高価株は小資本投資家に対して別種の投資の敷居を形成する事に成功した。

台湾投資家年齢分布統計(2022年11月)

出典:台湾証券取引所

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台湾の保険事情〜統計データ〜

トレンドに逆らい成長を見せた生命保険料収入

台湾の生命保険協会が発表した2022年上半期の保険業界の年間保険料収入の統計によると、全体の保険料収入は4,576億5,000万台湾元で、2021年同期に比べて11.2%減少した。同じく2022年上半期の保険料収入を従来型保険と投資型保険で見ると、従来型保険は2,413億7,000万台湾元で前年同期比7.9%の増加であった。

これに対し、投資型は資本市場の混乱を受け2,162億8,000万台湾元に落ち込み、前年同期比25.9%の大幅な下落となった。ほぼ全ての種類の保険が減少する中で、従来型生命保険のみがトレンドに逆らって24.7%の成長を見せ、投資型と合わせると保険料収入全体の57%を占める結果となった。

初年度保険料収入統計(2022年上半期)

出典:壽險公會

新規契約保険料TOP企業の商品構造

2022年上半期の台湾保険市場全体の年間保険収入は11%減少したものの、依然としてプラス成長した企業も見受けられた。その中でも、全球人壽が50%、中華郵政が56%で共に50%を超え、最も成長した2社である。一方で、最もマイナス成長を見せたのは元大人壽と合庫人壽で、それぞれ40%以上のマイナスであった。

加えて、2022年上半期の新規契約保険料トップ5を分析すると、5社全社でマイナス成長を見せ、國泰人壽と台灣銀行は30%以上のマイナスであった。1位となった國泰人壽は、新規契約保険料716億台湾元で、その内投資型年金だけで55%を占めた。続く富邦人壽の従来型と投資型商品の割合は比較的平均的で、投資型商品は611億台湾と、全体の53%であった。

保険会社別新規契約保険料TOP5(2022年上半期)

出典:壽險公會

台湾の法律事務所事情〜統計データ〜

年々増加する司法支援財団案件数

近年台湾では、弁護士の増加に伴い「放浪弁護士」と言う言葉を多く報道などで耳にするようになった。長年の経験がある弁護士にとっては収入に影響は無いと言われているが、弁護士見習いの給与は下がり続けているのが現状である。その影響もあってか、台湾の新規弁護士数は2019年までは700人を超えていたが、2020年には一気に数を落とし222人、2021年は444人であった。

加えて、司法支援財団の支援案件数は年々増加しており、過去10年間で法的支援事件の件数は3倍の年間60,000件以増加上となった。一方で、台湾の弁護士が関与する訴訟件数は過去5年間ほとんど増加しておらず、弁護士業界にとって深刻な状況と言える。

台湾の新規弁護士数(2021)

出典:法務部

2023年元旦から適応された國民法官法

台湾では法廷活動をより透明化するために、市民が裁判に参加する“國民法官法(国民裁判官制度)“を2023年元旦から正式に施行した。規定によると、初期適応範囲は「故意犯罪による死亡結果が発生した事件」で、2026年から「本刑が最も軽い懲役10年以上の裁判」にも適応される。

2021年の主要罪名別事件の割合を見ると、「死亡結果が発生した事件」は全体の7%あったが、“國民法官法”を想定し、規定に沿って絞り込むと更に低い割合となる。因みに、最も多かった罪名は薬物違反の1,645人で全体の30%を占め、次いで詐欺罪の1,376人が全体の25%を占めた。続いて、その他が885人で全体の16%、残りの罪名は全体の1割にも及ばなかった。

主要罪別事件の割合(2021)

出典:法務部

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台湾の会計事務所事情〜統計データ〜

4大会計事務所による透明性レポートの発行

現在、台湾の殆どの会計事務所は顧客獲得の為のワンストップサービスを主な目的とし、税務コンサルティング、財務計画などの非監査サービスを提供しており、この非監査サービスは収益の約40%を占めている。

しかし、金融監督管理委員会(金管会)は、監査サービス以外からの収益がより多くなる場合、監査意見の品質に影響を与える可能性を懸念している。よって金管会は、国際的な経験を参考に企業による透明性レポートの発行を促進する為、2段階の推奨方法を採用した。

第一段階では、Deloitte・PwC ・KPMG・EYの4大会計事務所が主導し、会計年度終了後4カ月以内に其々のサイトで透明性レポートを発行する。この最初のレポートは2023年に発行される予定である。

4大会計事務所従業員数比較(2022)

出典:104人力銀行

増加傾向を見せる会計事務所の年間総収入

2021年末までに台湾で登録・設立された会計事務所は1,295箇所あり、前年比1.3%の増加となった。この内、公認会計士事務所は1,200箇所で、全体の7.3%にあたる87箇所が支店を置いている。また、公認会計士事務所の地域分布を見ると、台北市が502箇所で全体の41.8%と最も多く、次いで台中市が185箇所で全体の15.4%となっている。

加えて、2021年の会計事務所の年間総収入は344億8,000万台湾元で、年間収入の大部分は行政事業収入である。また、その他で最も多いのは財務監査収入の78億8,000万台湾元で全体の22.9%を占め、続いて税務監査報告収入が60億1,000万台湾元で全体の17.5%を占めた。

全国会計士事務所総収入(2021)

出典:金融監督管理委員會

台湾の人材サービス事情〜統計データ〜

伸びる求人数と伸び悩む求職者数

台湾のオンラインジョブバンクである104人力銀行の、2022年旧正月明け2月の求人数は87万2,000件に達した。これは前年同期の70万2,000件より17万件増え24%の増加となり、9年ぶりに同時期の最高記録を更新した。一方で、求職者の数は求人数ほど伸びておらず、多くの企業は人材採用が例年よりも困難になっていると考えている。

調査によると、従業員数が250人を超える大企業の採用意欲が最も強く、従業員数が10人未満の小規模企業の人材需要が最も低かった。また、台湾の雇用主が人材を採用するのにあたり、最も難しいと考える職種上位3位は、IT・データ人員、製造・生産技術人員、人事及び販売業務・マーケティング人員であった。

台湾のジョブバンク104人力銀行求人数推移

出典:経済部工業局

減少を続ける若者の労働力人口

台湾の労働力人口は2020年までは増加傾向を見せていたが、2021年には45,000人減少し、1,191万9,000人となった。台湾の労働力人口の減少には、長期的・短期的の2つの主な要因が考えられる。長期的な要因としては「出生率の低下」が挙げられる。労働省のデータによると、15歳から29歳までの労働者数は、2010年の248万7,000人から2021年には232万7,000人となり、16万人の減少を見せ、今後更に深刻になる見通しである。

短期的な要因としては、新型コロナウィルスの流行の影響で学業や就職で2年以上出国し、戸籍移転人口が増えた為と考えられる。企業は優秀な人材を確保できないと言うジレンマに直面しており、労働力人口が減少し続けると、経済発展だけでなく国家競争力の低下にも繋がることが懸念されている。

台湾の労働力人口(2021)

出典:労働部

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