経済成長に伴って次々と新たなショッピングモールが誕生しているシンガポール。テナントには日本ブランドも多く、現地で大変人気を博しています。2022年には、健康問題や環境問題の取り組みを推進するなど、社会貢献活動にも積極的です。
今回は、そんなシンガポールの百貨店・ショッピングセンター業界事情について、最新情報をお伝えしていきます。
読了時間の目安:5分
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2022年 シンガポールの百貨店・ショッピングセンター(流通・小売)業界
Vivo City、Chinese New Year Fair復活〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
ショッピングモールVivo Cityは、2023年1月、MRTのMarina Bay駅と直結された人の行き来の非常に多い場所にオープンした。同ショッピングモールは、ユニバーサルスタジオのあるセントーサ島への連絡橋の入り口に位置し、バタムやビンタンといったインドネシアのリゾートと工業団地として開発された島々へのフェリーターミナルに隣接している。
2023年1月、Vivo Cityはホームページで買い物客の期待に応えてTANGS Chinese New Year Fairが今年は再び戻ってくることを明らかにした。
中核となる百貨店TANGSが、2022年12月30日から2023年1月20日まで46を超える国内外のブランドをモールのセントラルコートに集結し、Covid-19により2年間中断していたあの活気と賑わいを取り戻すとのこと。
出典:https://www.vivocity.com.sg/a-joyous-spring-reunion/
Marina Square Mall、EVオーナーにサービス〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
1980年代後半にオープンした大型ショッピングセンターのMarinaSquare Mallでは、2023年1月13日、Facebookで電気自動車所有者のためのサービスを発表した。
このサービスは、Marina SquareのSP充電器でEVを充電すると、1日先着50名限定で4ドルの無料パーキングクーポンと交換できるというサービスで、Marina Squareのカスタマーサービスカウンターでレシートを提示するとクーポンと引き換えてくれる。
EV充電ポイントは、駐車場のレベル1のロット(70、71、72、73、74、および75)で利用でき、ポイントまでEVを運転し、プラグを差し込んでQRコードをスキャンするだけで、充電が開始される。また、このサービスは、SP Utilitiesアプリをダウンロードすると使用することが出来る。
出典:https://www.facebook.com/MarinaSquareShoppingMall/posts/pfbid0332xptbQuQe5tou41TTocnoVxyyA2GTvPDV6J4CHbjVaiV5jcyup
Suntec、ランチタイム・ワークショップ開催〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
2023年5月4日の発表によると、シンガポールで有名なショッピングセンターの1つであるSuntec CityMallが、シンガポール政府の健康促進局とコラボレーションしてランチタイム・ワークショップを開催している。
このワークショップでは、現代人が抱える食品とメンタルヘルスの改善の問題に対して回復力を高める効果的な方法を知り、十分な休息と栄養で免疫力を向上させる方法を学ぶことが出来る。5月は全8回のワークショップが毎週月曜日と木曜日に行われ、1回あたりの時間は1時間でランチタイムの12:30~1:30に行われる。
テーマは①糖尿病防止と回復、②ストレス管理、③コレステロール低減のための健康的食事、④ネガティブな感情(怒り、悲しみ、不安など)への対処方法、⑤カロリー低減のヒントとコツ、⑥幼児の子育て、⑦スポーツ栄養学、⑧精神的苦痛のケアとなっている。
出典:https://www.sunteccommunity.com/lunctimeworkshops
Isetan、Lazada 4.4BIG BONUS SALEに参加〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
シンガポールのネット通販大手のLazadaが行っている4月4日~6日の4.4BIG BONUS SALEに、日系の百貨店Isetan Singaporeが参加しており、2023年4月3日FacebookでSaleの特典を説明した。
このセールでは、4月4日~6日までLazada Singaporeの伊勢丹フラッグシップストアで、ガジェットや家庭用品などを最大78%オフで手に入れることができる。
バウチャーを集めるとさらに割引が効き、50SGD以上買うと2SGDオフ、180GD以上買うと10SGDオフとなる。さらにLazadaのボーナス割引が、80SGD買うごとに6SGDオフ、180SGD買うごとに15SGDオフになる。
出典:https://www.facebook.com/isetansg/photos/a.218483294862802/6327343313976739/
IKEAフランチャイジーIkano Retail2桁増収〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
スウェーデンの家庭用家具をシンガポール、マレーシア、タイ、メキシコ、フィリピンに販売するIKEAのフランチャイジーであるIkanoRetailは、2022会計年度の売上高は16億3,000万シンガポールドル(10億1,000万ユーロ)で、前年より41.2%増加した。
13のIKEAストアと5つのIKEA・アンカー・ショッピングセンターをポートフォリオに持つIkanoRetailは、世界中にある12のIKEAフランチャイジーの1つである。
シンガポールでは、IkanoRetailは3つのIKEAストア、eコマース、インテリアデザインとリノベーションサービス、キッチンプランニングスタジオ、B2B部門であるIKEA for Businessによるオムニチャネルビジネスを所有および運営している。
出典:https://www.ikea.com/sg/en/newsroom/corporate-news/ikano-retail-the-ikea-franchisee-in-singapore-and-4-other-countries-exceeds-1-billion-euro-in-sales-for-the-first-time-pub60cfc750
2021年 シンガポールの百貨店・ショッピングセンター(流通・小売)業界
シンガポールのFraser PropertyがAsiaMallsを買収〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
多国籍の不動産および不動産管理会社であるFrasers Propertyは、AsiaMalls Managementとシンガポールの5つのモールのポートフォリオを買収した。同社は、Frasers Property Singapore、Frasers Centrepoint Trust、およびPGIM Real Estate AsiaRetailファンドへの投資を含め、シンガポール全体で合計86億SGD相当の14のモールを保有している。
同社はセンチュリースクエア、ホウガンモール、タンピネス1、チョンバルプラザ、ホワイトサンド、および20階建てのオフィスタワーセントラルプラザの管理を引き継ぐ。
Frasers Propertyグループは、6つの不動産を保有するPGIM Real Estate AsiaRetail Fundの88%の株式をまとめて保有している。この買収により、AsiaMalls ManagementはFrasersの子会社となる。同社は388億SGDの運用資産を保有している。
出典:https://www.frasersproperty.com/sg/our-portfolio?category=retail
シンガポールのRepublic Plaza、非接触型リフトECALL導入〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
City Developmentsは、初めて非接触型リフトECALL機能を導入すると発表した。この機能は、オフィスワーカーがエレベーターをスマートフォン内のアプリ(CityNexus)から呼び出せるものである。より早く、接触することなく呼び出しができ、エレベーター前での待ち時間短縮も実現できる。
さらに、アプリの既存の機能と組み合わせて、建物に入るときから職場を出るときに、建物への非接触型改札口アクセス、テナントへの非接触型アクセスを楽しむことができるようになった。
CDLによって作成されたCityNexusは、すべてのRPテナントがユーザーを強化するための革新的なスマートビルディングアプリである。テナントは、建物へのアクセス、会議室の予約、エアコンの延長リクエスト、建物のフィードバックなどの無数の付加価値サービスを受けられる。
出典:https://ir.cdl.com.sg/static-files/d64c9284-c7f5-4011-a534-b54dbd589350
英系百貨店のRobinsonsが12月でシンガポール店2店を閉店〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
シンガポールの老舗百貨店「ロビンソンズ」が既存の2店を閉店し、廃業する。2020年10月30日、運営会社が清算手続きを開始したと発表した。ネット通販の急速な普及で販売が低迷していたところ、新型コロナウイルスの感染拡大が直撃した。160年以上続いた看板を下ろすことになった。
数週間の閉店セールを経て、営業を終了する。マレーシアで2店を展開する関連会社も清算する。親会社であるドバイの財閥、アルフタイムグループが廃業を決めた。
英国植民地時代の1858年にシンガポールで産声を上げたロビンソンズは商業中心地のオーチャードロードなどで大型店を展開し、地元に深く根付いたブランドだった。ただ近年は販売が低迷していた。地元紙によると、シンガポール事業は2014年から6期連続で赤字を計上していた。
出典:Robinsons – ホーム | Facebook
伊勢丹、シンガポール・ジュロンイースト店を閉店へ〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
伊勢丹シンガポールは、シンガポールで展開する「ジュロンイースト店」を2020年3月に閉店することを明らかにした。入居するショッピングセンター(SC)との契約更新交渉がまとまらなかったことから、退店を決めた。今後は同国で運営する他の5店舗に経営資源を集中する。
同店は三越伊勢丹HD子会社のシンガポール伊勢丹が13年、現地の「ジュロン ウエストゲイト ショッピングセンター」に開業。売り場面積は約5500平方メートルで地下2階から地上1階に入居。食品や雑貨、衣料品などを扱っていた。
出店している地区は再開発が進み、ファミリー層の集客に期待していた。ただ他店舗との競争が激しく、店舗単体では赤字が続いていたとみられる。
出典:https://www.isetan.com.sg/pages/about-us/
シンガポール国内の小売業のデジタル化を加速〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
COVID-19危機から経済がより強くなるために迅速かつ断固たる行動をとる必要性を認識し、未来経済評議会の下で結成されたEmerging Stronger Taskforceは、シンガポールの戦略的分野に関するアイデアのプロトタイプを作成することで迅速に行動する、業界主導の政府支援の連合である。
今回のCapitaLalndとShopeeのコラボレーションは、シンガポールでのスマートコマースの促進に関するタスクフォースの同盟の下での取り組みの一部である。
シンガポールの小売業者がデジタル化、収益源の多様化、ブランドの海外への輸出を支援し、現在のCOVID-19の状況で進化し続ける消費者の好みに対応するために、新しいオペレーティングモデルを開拓している。
出典:https://www.capitaland.com/international/en/about-capitaland/newsroom/news-releases/international/2020/oct/CapitaLand-and-Shopee-collaborate.html
2020年 シンガポールの百貨店・ショッピングセンター(流通・小売)業界
シンガポールのマリーナベイサンズ内モール、売上過去最高〜百貨店・ショッピングセンター業界事情〜
2019年2月4日の発表によると、マリーナベイサンズのショッピングモール「The Shoppes at Marina Bay Sands」は、2018年に過去最高の総利益、1億7千9百万USドル(前年比+7%)を記録した。小売テナントの1平方フィートあたりの売上げは1,898USドル(前年比+19%)となった。
当該モールはシンガポール国内の免税で買い物をする市場の25%を占め、1日に12万人の旅行客が足を運ぶ。主要な旅行客は中国人、インドネシア人、日本人だ。
モールのテナント入居率は95%と高い数値を示している。また、既存店が店舗を拡張するケースも多く見られ、2019年にはモンクレールがリニューアルし、東南アジア最大の店舗を開店した。エルメスもメゾネット形式の大型店に拡張した。これらも1平方フィートあたりの売上増の要因だ。今後も有名店の誘致と既存有名店の拡張を積極的に行っていく。
出典: https://www.marinabaysands.com/content/dam/singapore/marinabaysands/master/main/home/company-information/media-centre/feb2019/Press%20Release_The%20Shoppes%20at%20Marina%20Bay%20Sands%20sees%20record%20year%20in%202018_4%20Feb%202019.pdf
シンガポールのION Orchard、10周年の戦略〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
不動産大手のCapitaLandとSun Hung Kai PropertiesのJVであるOrchard Turn Developments Pte Ltdによって開発されたオーチャード駅直結で、同エリアのランドマーク的存在のION Orchardが2019年7月21日に開業10周年を迎えた。
10周年を記念して「decade of wonders」と題し、10ヶ月間キャンペーンを実施する。店舗独自の割引や、飲食店の特別メニュー、小売店の限定商品の販売などを行う。特にロイヤリティカスタマーに還元を行っていく方針だ。キャンペーンはオンライン店舗でも開催される。
さらに、10周年に際してモバイルアプリもリニューアルした。一目で顧客が保有ポイントを把握出来るよう、利便性を向上し、店舗の最新情報なども分かりやすくなった。アプリを通じて顧客とのコネクションを強化するとのこと。
出典: https://www.ionorchard.com/article/Perfect-10-A-wonder-full-decade-at-ION-Orchard
シンガポールのFunan、リニューアルオープン!〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
シンガポールの秋葉原として知られていた、家電用品店が多く集まるFunanが2019年6月28日にリニューアルオープンした。オープンに先立ち、同商業施設の開発を担うCapitaLand Mall Trust Management LimitedのTony Tan CEOは「既に小売テナントの入居率は95%とほぼ埋まっている。190以上のブランドが集まり好調である」と発表した。
ブランドはTech、Craft、Play、Fit、Chic、Tasteの6つのコンセプトに沿って入居している。その中には中国通販大手のTaoBaoをオフラインで体験出来るコンセプトストアやNikonの体験型店舗なども含まれている。
シティエリアの集客力を生かし、80を超える飲食店も入居する。これは小売テナントの約25%を占める。シンガポール初出店となるAfuri Ramen、ローカルにも人気のKara-men Ajisen、蔦など、ラーメン通も喜ぶライナップの他、人気のタピオカミルクティーショップ、商業施設初入店となるミシュラン一つ星を獲得したLiao Fan Hawker Chanが入店している。
出典:https://cmt.listedcompany.com/newsroom/20190625_120722_C38U_6VCTVZ7AL6U2V7BJ.1.pdf
MAPIC Awardsを受賞、シンガポールのJEWEL〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
2019年11月5日の発表によると、Changi Airport GroupとCapitaLandのJV、Jewel Changi Airport Trustee Pte Ltd によって開発されたJEWEL CHANGI AIRPORT(通称JEWEL)は、世界中の優れた商業施設に賞を贈るMAPIC Awardの「Best Leisure Concept」と「Best Shopping Mall」カテゴリーにノミネートされた。
ノミネートは2カテゴリーだったものの、結果的に審査員から高評価をもらい、Special Jury Award(審査員特別賞)を受賞した。
実はJEWELが同アワードを受賞するのは今回で2回目。開業前の2016年にそのコンセプトや建築の斬新性が評価され、Best Futura Shopping Centre賞を受賞していた。
出典: http://www.changiairport.com/corporate/media-centre/newsroom.html#/pressreleases/jewel-changi-airport-accorded-special-jury-award-at-mapic-awards-2019-2943016
2019年 シンガポールの百貨店・ショッピングセンター(流通・小売)業界
シンガポールのCMT、不動産収入3.2%増〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
CapitaLand Mall Trust(CMT)の2018年第4四半期の純不動産収益は、前年同期比4.3%増の1億2,440万シンガポールドル(SGD)、総売上高は4.7%増の1億8,550万SGDであった。
Westgateの70%の株式を取得したことに加えて、他部門における収入、総賃貸収入の増加からも売上高が増加したことが寄与した。一方、JcubeやClarke Quayなどは、いずれも低い稼働率を見ており、これが収益を逼迫している状況である。
CMTは2018年12月末において、15のショッピングセンターを所有しており、稼働率は99.2%、賃貸の返還は0.7%であった。総賃貸収入による加重平均リース期間は1.9年となっていた。
CMTは「引き続き経済不安などに慎重に対応し、競合他社のショッピングモールとの差別化を図り、集客力を高めるための斬新な方法を継続的に模索していく」とコメントしている。
出典:http://cmt.listedcompany.com/newsroom/Slides_Annexes_CMT_FY2018_Financial_Results_20190123.pdf
シンガポールのMetro、株式買取条項の更新と新たな会社規則を提案〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
Metro Holdings Limited(Metro)は第45回年次総会において、Share Purchase Mandate(株式買取)条項を更新することを提案する。前回年次総会において、次回年次総会までの期限付きで株式買取条項が承認されたことを踏まえ、その条項を継続させる予定である。
Metroの株式購入は、株式購入条項の有効期間中、市場の状況に応じていつでも普通株式の購入または取得を行うことが可能となっている。株式の購入または取得による自己資本利益率(ROE)の改善を目的としており、資本構成の柔軟性向上を目指す。
一方、Metroにおけるさまざまな業務の負担を軽減するための会社規則変更を年次総会にて提案することになっている。株式の譲渡・購入はシンガポール会社法(Chapter 50 of Singapore)に則り行われる。
出典:http://www.metroholdings.com.sg/update2018/Metro_Letter%20to%20Shareholders.pdf
シンガポールのAsiaMalls・Grab、キャッシュレス決済で提携〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
ショッピングセンター大手AsiaMalls Managementと、配車アプリ運営大手Grabはパートナーシップに関する覚書(MoU)に署名した。今後アジアに位置する6つのショッピングモールからなるGrandMall全体においてGrabPayを優先決済サービスプロバイダーとして採用する。
AsiaMallsとGrabはMoUによる相乗効果を高め、消費者がさらに多くの付加価値を得ることができるよう、双方のロイヤルティプログラムに関して密接な連携を構築する方針を固めている。
2社の提携により、リャンコート、チョンバルプラザ、ホワイト・サンズ、タンピネス 1、センチュリー・スクエアを含む大型商業施設においてより便利なキャッシュレス決済を提供する。さらに、旧正月である2019年2月5日より順次特典を増やし、顧客獲得につなげる。
AsiaMallsは「どのブランドのテナントを収容するかだけでなく、相乗的なパートナーシップを通じていかに我が社のコミュニティに価値をもたらすことができるかを常に模索している」とコメントしている。
出典:https://www.grab.com/sg/press/business/asiamalls-signs-partnership-with-grab-to-extend-grabpay-services-and-benefits-to-mall-tenants-and-shoppers/
シンガポールのCDL、温暖化への取り組みに高い評価〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
大手グローバル不動産オペレーターCity Development Limited(CDL)は気候変動への着実な取り組みと堅実な二酸化炭素戦略で高い評価を受け、企業の気候変動対策活動に関するカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)のグローバルAリストに認定された。CDLはこの認定を受けた最初のシンガポール企業となった。
CDPは、企業や政府が自国の温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、水資源を保護し、森林を保護することを推進する国際的な非営利団体である。毎年、何千もの企業が自らの環境への影響、リスクなどについてのデータをCDPに提出し、採点方法論に対する独自の評価を行っている。
CDLの「A」スコアは、気候リスクと機会についての理解促進、気候変動を緩和するための積極的な取り組み、持続可能性の実現に向けた具体的な活動やGHG排出量削減のための戦略などに対する最高水準の評価である。CDLは「今後もステークホルダーとの協力関係を強化し、環境コストを積極的に削減していく」とコメントしている。
出典:https://ir.cdl.com.sg/static-files/c493c461-604c-4ddd-a281-d523032c6fb1
2018年 シンガポールの百貨店・ショッピングセンター(流通・小売)業界
シンガポール国内最大のショッピングセンター Vivocity〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
大手ショッピングセンターの管理を行う投資会社は、シンガポール国内に10以上。そのひとつであるMapletree社は、同国最大のショッピングモールVivocityの運営を行う。
Vivocityの訪問客数は年間5,000万人以上。セントーサ島を見晴らす同国の南端に立地し、地上3階・地下2階約96,600㎡の敷地内にルーフトップ・プレイグラウンドやカフェを配置。家族連れで時間を過ごすのに最適な造りになっている。
また、船着き場に隣接する立地を活かし、船でシンガポールに訪れる観光客もターゲットにしている。幅広い客層を狙った戦略が功を奏し、シンガポール最大のモールとして賑わっている。
出典: http://www.vivocity.com.sg/page?show=pr2006d
http://www.vivocity.com.sg/about
http://www.mapletreecommercialtrust.sg/~/media/Property%20Files/factsheets/VivoCity%20Fact%20Sheet_Singapore.ashx
シンガポールで24時間営業の異色モール「ムスタファ・センター」〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
「ムスタファ・センター」はリトルインディアにある人気ショッピングモール。西洋的な百貨店とはまったく違った異国情緒に溢れており、最近は日本人観光客の訪問先のひとつにもなっている。
ムスタファ・センターは1971年、既製服販売店としてスタートした。その後電子商品や輸入雑貨などの品揃えを増やす中で、店舗面積も当初の83㎡から3,700㎡にまで拡大。現在は300,000以上の商品が並んでいる。
同施設は24時間営業しており、週末には15,000人以上が訪れる。小売部門のみならず、外貨両替や旅行代理店のサービスも提供。観光客も多いことから相互作用があると考えられる。
出典: https://www.mustafa.com.sg/AboutUs.aspx
シンガポールの中心で歴史を紡ぐ高島屋〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
日系老舗百貨店の高島屋は、シンガポールにおける最大のショッピングエリア、オーチャードロードの中心に店舗を構える。
1967年の開発計画当初から22年を掛けて建設が完了し、従来墓地であった同地では建設に際してさまざまな騒動もあった。
同地の開発にはヒルトンホテルやMETRO等の大手企業が手を挙げたが、1989年に高島屋の計画が認可を受け、同年に着工。4年後の1993年8月31日、高島屋ニーアンシティーが晴れてオープンした。
地上・地下あわせて6フロアに120以上の飲食店や専門店が出店している。Cartier、Chanel、Louis Vuittonなど世界的なトップブランドをはじめ、Shanghai Tang、Sincere Fine Watchesなどのアジア発ブランド、そしてシンガポール最大の書店である「Books Kinokuniya」や、日本を代表する調理スタジオのABCクッキングスタジオも軒を連ねている。
出典: https://www.takashimaya.com.sg/
シンガポールのオーチャードロードにある主要商業施設データ〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
シンガポールで最大のショッピングエリア、オーチャードロードに位置する主要ショッピングモールは下記の通り。
【表1】オーチャードロードの主要ショッピング施設
シンガポールでは日本の食べ物や文化などが広く浸透しているため、日本通のシンガポール人は多い。日系百貨店側も、人気の高い北海道の物産展のような催事を常時行い、観光客の購買だけでなく地元の人々に響く企画の実現に努めている。
出典: https://www.isetan.com.sg/corporate-information/
http://www.metroholdings.com.sg/update2017/Metro%20Holdings%20Limited%20AR17.pdf
2019年までにシンガポールでオープン予定のモール〜百貨店・ショッピングセンター業界動向〜
今後シンガポールで2019年までにオープンが予定されているショッピングモールは、以下の通り。
2018年オープン予定
- Northpoint City (延べ面積 29,287㎡)
2018~2019年オープン予定
- TripleOne Somerset Podium AEI (延べ面積 8,221㎡)
- Jewel Changi Airport (延べ面積 53,512㎡)
- Funan (延べ面積 30,100㎡)
ネット販売の増加や、異業種大手の参入で小売業界の競争は激化しており、小売業と卸売業の境界が曖昧になっている。このような店頭販売への逆風が強まる状況下で、新しいショッピングモールがどういった戦略を取っていくのか、注目に値する。
出典: http://www.northpointcity.com.sg/contact.php?CategoryID=618
0427-Funan-gathers-momentum-with-over-80000-square-feet-leasing-commitment-received-to-date.html
まとめ:シンガポールの百貨店・ショッピングセンター業界
消費が拡大する一方で、百貨店など従来の販売形態の経営は厳しくなっています。時代に合わせ、いかに消費者の心を掴むアイデアを生み出すかがカギとなるようです。大型モールが次々に誕生するシンガポールで、新たなビジネスチャンスを掴みませんか?
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。
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