2023年現在、家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界では市場を拡大しようと、タイ国内の企業が次々と独自のマーケティング戦略で新規顧客獲得を狙っています。また、スウェーデンの家具メーカーIKEAがバンコク都心では初となる新店舗の出店計画を発表するなど、外資企業の動きにも注目です。
今回は、そんなタイの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 タイの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター(流通・小売)業界
事務用品Office mate、法人向け店舗を開設〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
タイ小売大手セントラル・リテール傘下のオフィス用品チェーンOfficemateは、首都バンコク北郊のパトゥムタニ県に同社としては初となる法人向け店舗「ビジネス・ソリューション・ストア」をオープンした。
幅広い種類、規模のビジネス顧客に対応できるよう、様々なブランドの製品、計10万点を取り扱う。特徴として以下の4つの機能を提供していく。
充実した職場空間を作り上げるための椅子と人間工学ラボ、デジタル技術を用いた職場づくり、オフィス用品に加えて倉庫や工場など様々なビジネスに対応した製品ラインナップ、印刷や梱包および荷物発送、といったサービスおよびソリューションが含まれる。
出典:https://shorturl.at/isMXZ
ホームセンターThai Watsadu、新規出店への 投資を加速〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
タイ小売大手セントラル・リテール(CRC)傘下のホームセンターチェーンThaiwatsaduは、3億バーツを投資し北部ナーン県に新店舗を開設する。
タイで63店舗目、北部地域では7店舗目となる同店舗は1万7,000平方メートルの敷地を持ち、4万以上の建築資材および内装製品などを11万人以上の地域住民へ提供する。これを通じて、北部地域における経済、観光、建設および不動産業界の成長を支えていく。
今回の投資は5年計画の一環であり、CRCがタイの消費者のニーズに合った製品を提供することで同業界のリーダーとなることを目指す。
出典:https://shorturl.at/ewxRS
ホームセンターMR. D.I.Y.、オンラインストアを開設〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
マレーシア系のホームセンター、MR. D.I.Y.はタイでも最も店舗数の多いホームセンターチェーンとなっている。今回、販売チャネルの拡大のため、オンラインストアを開設したと発表した。
これはオンラインマーケティング戦略強化の一環であり、国内の消費者へ簡単、便利、迅速、安全な購買体験とともに、消費者のあらゆるニーズとライフスタイルを満たすベストセラー製品を提供していく。
MR. D.I.Y.は現在、アジアを含む世界10か国に2,700の店舗を展開しており、タイでは2016年の進出を機に600店舗以上を構えている。
出典:https://shorturl.at/mpuLS
家具Index、ESG経営を推進〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
タイの家具大手Index Living Mall (ILM)はESG経営を推進し、「未来のライフスタイルのための持続可能な暮らし」をコンセプトに、より良い社会に向けて持続可能な暮らしを実現するよう、ポジティブな意識を消費者に対して伝えていく。
具体的には太陽光発電や電気自動車による輸送を組み合わせたクリーンエネルギーの利用や、廃棄物管理のシステム化を地域社会に拡大し、より良い環境づくりを目指す。
また、温室効果ガス排出の削減目標を継続的に設定し、環境に優しい素材を用いた家電製品を増やすなど、製品設計により生活の質を向上させていく。
出典:https://www.indexlivingmall.com/blog/post/pr-news-sustainable-living-for-future-lifestyle
家具IKEA、バンコクにて東南アジア初となる 都心への出店計画を発表〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
スウェーデンの家具メーカー、IKEAはタイで4店舗目、またバンコク都心では初となる新店舗の出店計画を発表した。2023年末の開店を予定している。
新店舗は不動産開発ザ・モールグループと提携し、バンコク中心部のスクムビット地区に建設予定のEmsphereの中に入居予定である。店舗面積は12,000平方メートルで、ルームセットやマーケットホール、セルフサービス、レストランなども備える。
立地としては公共交通機関へのアクセスもよく、消費者に対して安価、持続可能かつ優れたデザインの家具およびソリューションを提供していく。
出典:https://shorturl.at/jmsCG
2021年 タイの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター(流通・小売)業界
タイのEast Coast Furnitechの2021年の事業計画 〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
East Coast Furnitechの2021年の事業計画が発表された。家具の製造・販売事業とエネルギー事業において、少なくとも10~12%の収益増加が目標。また、家具の国内市場拡大、販売経路の拡張・強化の為にオンライン販売、全国に支店を持つ小売り店での販売、自社支店や販売代理店を増やすことも挙げられた。
家具事業は拡大中で、売上の66%が海外市場で34%が国内市場。海外からの注文が増加しており、生産能力増強の為、設備・生産ラインに4000万バーツを投資する予定。
投資中のミャンマーの太陽光発電において、完了済の第1フェーズの利益配分が既にあり、第2フェーズは2021年第3四半期内に生産開始見込みである。また、調査中の国内外の発電所プロジェクトがあり、投資リターンが高いエネルギー事業プロジェクトに焦点を当てていく。
出典:https://bit.ly/3rYvM1W
タイのHomeProの2020年第3四半期の業績〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
HomeProの2020年第3四半期の業績が発表された。収益は160億1949万バーツ(前年同期比-2.17%)、売上150億6400万バーツ(前年同期比-1.75%)、粗利益38億8513万バーツ(前年同期比-1.96%)、純利益14億52万バーツ(前年同期比-5.51%)粗利益率25.8%であった。
2020年第1四半期~第3四半期9ヶ月間の業績は、総収益457億4010万バーツ(前年同期比-9.4%)、売上434億3410万バーツ(前年同期比-8.3%)、粗利益109億1190万バーツ(前年同期比-8.8%)、純利益36億970万バーツ(前年同期比-18.5%)、粗利益率25.1%であった。
イベントフェアの中止、店舗閉鎖期間の発生、売り上げが落ちた事などから、一般管理費は減少し、2020年第1四半期~第3四半期9ヶ月間の一般管理費が売上高に占める割合は18.56%であった。
出典: http://hmpro.listedcompany.com/home.html
2020年のタイの家具の輸出状況〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
2020年のタイの家具の輸出額は、合計14億3880万ドルとなった。内訳としては木製家具4億3430万ドル、金属製家具2億2800万ドル、その他家具2億5870万ドル、ベッド・枕・マットレス1億9850万ドル、家具パーツ3億1930万ドル。
輸出額の前年比は、木製家具+32.15%、金属製家具+64.65% 、その他家具+28.43% 、ベッド・枕・マットレス-1.06% 、家具パーツ -21.48%になり、合計額については、+12.77%となった。
輸出先上位10ヶ国とシェア率は次の通り。➀米国 45.08%➁日本 12% ➂中国 6.88% ④ベトナム 3% ⑤豪州 2.51% ⑥マレーシア 2.5% ⑦韓国 2.16% ⑧英国 2.09% ⑨印度 1.37% ⑩台湾 1.28%
出典: https://bit.ly/37jOB7D
タイのIndexlivingmallの2020年第3四半期の業績〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
2020年第3四半期の業績は、収益19億7470万バーツ(前年同期比-18.4%)、売上18億5740万バーツ(前年同期比-18.4%)、粗利益9億7860万バーツ(前年同期比-10.6%)、純利益1億4560万バーツ(前年同期比-12.1%)であった。
純利益は前年同期比12.1%減少したが、前四半期に比べて904.0%増加した。また、粗利益率49.6%(前年同期比+4.4%)、純利益率7.3%(前年比+0.6%)であったが、共に史上最高値であった。
第3四半期のオンライン販売の売上高については、前年同期比+65.5%であったが、ロックダウン解除の影響で、ロックダウン中の前四半期に比べると43.0%減少となった。
出典:http://ilm.listedcompany.com/newsroom/051120201809050941E.pdf
タイのmodernform、Xiaomiと手を組みブランド革新〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
大手家具メーカーmodernformは、スマートフォン・スマートハードウェアの世界的メーカーXiaomiと手を組み、新世代のライフスタイルに適合し、テクノロジーと生活を繋ぐ家具” Modernspace Series “を発売した。
” Modernspace Series “は、スマートホーム・AIoT製品を製造するXiaomiの最先端テクノロジーとモダンで洗練されたデザインを融合させた、機能と快適さを兼ね備えた家具である。
Living RoomやBedroomなどの各カテゴリーの製品において、スマートフォン・ノートブック等の電子機器使用における利便性、空間の使いやすさ・過ごしやすさが追求されている。
出典:https://bit.ly/3u2ceeL
まとめ:タイの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界
起業家は消費者のニューノーマルへの適応を加速し、オンラインマーケティングへの移行へと戦略の調整が進む家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界。今後の動向に注目です。
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。