今回は、そんなフィリピンの加工食品業界に焦点を当てて、最新の業界情報をお届けします。
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2022年 フィリピンの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
URCブランドがフィリピンで最も多く選ばれている〜食品卸業界動向〜
イギリスに本拠を置くコンサルティング企業のカンターグループは、URCがフィリピンで最も選ばれているブランドの一つであるとした。Great TasteやPiattosなどのURCブランドは、総合日用品および総合食品でもっと選ばれている。
カンター社は2022年の調査で、URCのグレートテイストコーヒーをフィリピンで4番目に選ばれている飲料ブランド、15位の日用消費財に位置付けた。
また、この調査でトップ20の食品ブランドにURCのPiattostoとNovaコーンチップスが含まれている。URCのPaylessと日清インスタントヌードルはフィリピンで急成長しているトップ10のブランドに選ばれた。
出典:https://www.urc.com.ph/stories/corporate-news/urc-brands-still-among-the-most-chosen-in-the-philippines?ref=stories_feed_3
はごろもフーズ、マニラ駐在員事務所を開設〜食品卸業界動向〜
静岡県静岡市に本社を置くはごろもフーズ株式会社は2022年11月23日にマニラ駐在員事務所を開設し、2023年1月4日から営業を開始することを公式ホームページで発表した。
フィリピンは世界有数のツナ製品の製造国であり、はごろもフーズの原料のマグロやカツオの冷凍ロインを国内工場で製造している。また、フィリピンはパインアップル製品の主要な生産国としても有名である。
マニラに駐在員事務所を設置することで現地製造工場の品質管理体制の強化や、原料や製品に関する情報収集を行うことができる。また、バンコク駐在員事務所や関連会社のアネカ・ツナ・インドネシア社と連携して供給体制の仕組みを構築する狙いがある。
出典:https://corp.hagoromofoods.co.jp/ja/news/news-421/main/0/link/20221214.pdf
社会福祉開発省(DSWD)は、ファミリーフードパックでもあるOcean’sBestのツナ缶がFFPの受取人からの多数の苦情の対象となっていることは大変残念だと声明を発表した。
ソーシャルメディアに提示されているサンプルからも分かるように、ツナ缶は期限切れではないことに注意することが重要である。DSWD長官のレックス・ガチャリアン氏は既に全ての地域事務所にツナ缶を回収するよう指示している。
地域での苦情を踏まえ、中央局にOcean’s Bestの供給業者とロット全体の交換について協議するよう命じた。また、関係当局に供給者への制裁や支払いの保留、認定供給者からのブラックリスト登録など全ての選択肢を検討するよう命じた。
出典:https://www.dswd.gov.ph/dswd-statement-on-the-issue-of-oceans-best-canned-tuna
2023年5月26~28日、世界貿易センターでフィリピン最大の食や食材に関する国際トレードショー「第16回国際食品展示会」(IFLEX)が開催された。2022年と比較すると、2023年は輸出売上高が52%増加した。
IFELXフィリピンは国の食品輸出産業の促進を目的とした代表的なイベントで、約9500人の貿易訪問者とバイヤーが国内外から集まった。貿易産業省の支援を受けた企業間会議では6100万ドル以上の輸出売上、970万ペソの小売売上を生み出した。
今年のIFEXフィリピンには、世界中から合計80人の重要なバイヤーが参加した。彼らは、フィリピンの何百もの国内外の中小零細企業が出した新しく革新的な製品を発見することができた。
出典:https://www.dti.gov.ph/news/ifex-philippines-2023-brings-double-export-sales/
Century Pacific、14%の売上高と6%の利益成長を実現〜食品卸業界動向〜
フィリピンの大手ブランド食品・飲料会社のひとつであるCenturyPacific(CNPF)が2022年の未監査財務決算を発表し、困難なマクロ経済情勢の中でも売上高は14%の増加を見せた。コスト面のインフレ圧力の影響を受けて純利益は6%増加した。
2022年はブランド事業が好調だったため連結売上高622億ペソを達成し、水産・食肉・牛乳・その他の新興事業で構成された部門では前年比16%成長した。一方、CNPFのOEM輸出事業は前年比4%増を記録した。
CNPFは2022年、設備投資に14億ペソを費やし、ココナツOEM施設の50%を拡張させた。ミンダナオの小規模ココナツ農家に植樹したココナツを寄付するなどの社会貢献も行なっている。
出典:https://centurypacific.com.ph/century-pacific-continues-growth-momentum-in-2022-despite-market-challenges-delivers-14-topline-and-6-profit-growth/
2021年 フィリピンの加工食品(飲食・食品メーカー)業界
フィリピンの加工食品業界大手のCNPF、非動物由来たんぱく質商品ブランドを設立
フィリピンの大手食品会社の1つであり、主にマグロの加工食品を製造するCenturyPacific Food Inc(CNPF)は、フィリピンで最初のビーガンミート代替ブランドである「unMeat」ブランドを立ち上げ、代替肉市場に最大の動きを見せた。
現在、機関投資家のみに販売されている「unMeat」は、コレステロールとトランス脂肪がゼロで、タンパク質と繊維の優れた供給源でありながら、非GMO植物ベースの成分で作られた健康的な肉の代替品として機能する。
この製品の発売の決定は、フィリピンの栄養格差への対処、環境への影響の緩和、労働力の多様化と強化などを含む持続可能性戦略を最終決定する同社稟議の直後に行われる予定。
出典:https://centurypacific.com.ph/century-pacific-launches-unmeat-brand-the-first-vegan-meat-alternative-in-the-philippines/
フィリピン、San Miguel Foodsのベジタリアンブランド〜加工食品業界動向〜
ハムやソーセージなどの食肉加工品を販売するSan Miguel Foodsは、おいしく、かつ簡単に調理できるベジタリアン料理の革新的な新ブランド『Veega』の販売を開始した。
『Veega』は同社の最初のベジタリアンブランド。食物繊維が豊富な植物ベースのタンパク質を幅広く提供しており、人気のフィリピン料理を含むさまざまな食事に使用可能。防腐剤を添加せずに、小麦、大豆、キノコ、卵を使用しているのも特徴。
肉を使わない”ミート”ボール、ハンバーガーパティ、ソーセージ、ジニリング、ナゲットの5つの商品が現在展開されている。これらはすでに完全に調理され、味付けも完了している状態で販売される。
出典: https://www.sanmiguelfoods.com/download/10001
フィリピン・ベンゲット州、食品加工施設に投資〜加工食品業界動向〜
ルソン島の北部に位置するベンゲット州において、農業省(DA)は同州の野菜加工、梱包、冷蔵施設のために6000万ペソを用意すると公表した。内訳として、野菜加工施設に4000万ペソ、冷蔵施設を備えた野菜梱包に2000万ペソとなる。
これは、食品加工施設を設立するための初期資金として8月に支給された2,000万ペソに追加される形となる。高地の野菜の大部分が産出されるブギアスの町に野菜加工施設を設立するほか、高速道路沿いの高価値作物用の冷蔵倉庫を備えたパッキングハウスに2,000万ペソを割り当てる。
ベンゲットで収穫される野菜はマニラ首都圏の野菜食品の80から85パーセントを供給しているが、交通インフラが悪く野菜の鮮度が落ちてしまう。今回の投資と併せ、今後はアクセスと移動を容易にするために道路への投資が重要になってくる。
出典: https://www.pna.gov.ph/articles/1120241
ベトナムで持続可能な企業に選出されたのはフィリピン企業とは? 〜加工食品業界動向〜
フィリピン最大の菓子会社であり、スナック、チョコレート、キャンディー、ベーカリー製品、インスタントラーメン、パスタなど様々な加工食品を販売しているUniversal Robina Corporationの子会社が、2020年にベトナムでトップの持続可能なビジネスの1つに選出された。
受賞したのはURCベトナムで、この賞を受賞したベトナム国内の500社の1つとなった。受賞した企業は、持続可能性の結果、有能なガバナンス、環境保護、持続可能な労働慣行の4つの分野で127の指標のCSIインデックスを満たした。
この賞は、ベトナム商工会議所(VCCI)が主催し、ベトナムのダンティゴクシン副大統領とヴドゥックダム副首相が出席した「ベトナム企業持続可能性フォーラム2020」で発表された。URCベトナムは、2019年以来VCCIによって認められた持続可能なビジネスのトップ100に入っている。
出典:https://www.urc.com.ph/stories/corporate-news/urc-among-vietnam-s-top-sustainable-businesses?ref=stories_featured_big
フィリピンで加工食品業界大手のBAVI、COVID-19ワクチンに対して署名
1997年に設立し、鶏肉加工食品を中心に販売するBounty Agro Ventures Inc(BAVI)は、「A Dose of Hope」イニシアチブを通じて、Covid-19ワクチンを確保する活動に再度参加することを約束した。
2020年11月に、「A Dose of Hope」で大企業が集まり、最初の署名が行われた。国の経営幹部が、アストラゼネカ経由で260万回分のワクチンを提供することを誓約した。今回は、約300の企業と39の地方自治体が、英国の製薬会社から追加で1,700万回分のワクチンの資金を調達することに合意したもの。
オンライン会議ツールであるZoomを介して「A Dose of Hope」の第2回目となる式典と署名式が開催され、国を代表する民間企業、国の政府、地方自治体がこの歴史的なパートナーシップを形成し、フィリピン国内のワクチン確保に挑む。
出典:https://bavi.com.ph/2021/01/15/bavi-signs-new-deal-to-bring-more-covid-19-vaccines-to-ph/
2020年 フィリピンの加工食品(飲食・食品メーカー)業界
フィリピンで加工食品業界大手のCentury Pacific Food、ココナッツ市場に進出
2019年11月28日の発表によると、主にマグロの加工食品を製造する水産加工会社、Century Pacific Foodは、自社ブランドを使用した料理用ココナッツ製品である「Coco Mama Fresh Gata」の販売を開始し、国内のココナッツ市場に参入した。
同社はもともと輸出向けの高価値ココナッツ製品を、他のブランドにサービスを提供するOEMを行うメーカーとして事業を行っていた。本事業により、同社はオーガニックのココナッツ製品を取扱う国内有数の生産者の1つに成長していた。
「Coco Mama Fresh Gata」は、生のココナッツを購入せずに新鮮なココナッツクリームを簡単かつ便利に使用できる製品。国内市場向けに設計されており、同社の既存のココナッツ製造施設と広範な流通ネットワークを活用して展開される。
4年連続フィリピンで最も消費された商品に選出されたのは!?〜加工食品業界動向〜
2019年6月19日の発表によると、即席麺市場でトップのシェアを有する「Lucky Me!」は、Kantar World Panelが毎年発行している「Brand Footprint Report」において、4年連続でフィリピンで最も消費された商品として掲載された。
この選出により、消費者に最高品質の製品のみを提供するという信念のもと販売されているLucky Me!は長年においてフィリピンのナンバー1ブランドであることを証明した。
Brand Footprint Reportは、世界人口の72%の調査に基づいて毎年行われる。同社は飲料、食品、乳製品、健康と美容、在宅ケアのカテゴリにおける21,400以上のブランドを、5大陸の49か国で合計10億世帯において調査する。掲載されると、どのブランドや商品が世界的な成功を収めているかがわかる。
フィリピンのSan Miguel、2018年度収益14%増〜加工食品業界動向〜
2019年3月13日の発表によると、主要製品のビールや飲料だけでなく、加工食品の製造・販売も行うSan Miguel Food and Beverageは、San Miguel Pure Foodsを含む事業全体で2018年度は2桁の収益成長を達成し、連結売上高は14%増の2,864億ペソとなった。
San Miguel Pure Foods単体では、展開するマグノリア、ピュアフーズ、テンダージューシー、B-MEG、ダリクリーム、スター、ラパシタなどのブランドの強力な販売力を通じて、前年度比13%増の1,323億ペソの連結売上高を達成した。
この成長は、タンパク質食材、調理済み食品および包装食品、および動物由来のサプリメント事業の販売量の増加に起因した。しかし、収益は主要な原材料のコスト上昇、拡張プロジェクトの立ち上げコスト、および年末にかけての家禽価格の下落により抑えられた。
フィリピンで加工食品業界大手のURC、子会社の砂糖工場を拡張
2019年4月、スナック、チョコレート、キャンディー、ビスケット、ベーカリー製品、飲料、インスタントラーメン、パスタなど様々な加工食品や配合飼料を販売するフィリピン最大の菓子会社であるUniversal Robina Corporation は、子会社SONDECOが新しい製糖工場を開設したと発表した。
新しい製糖工場は、ネグロスオキシデンタル州のカバンカラン市に開設された。1日あたり最大6,000mトンのサトウキビを粉砕できる新しい工場は、SONEDCOの総粉砕能力を1日あたり14,000トンに、URC合計で1日あたり40,000トンの杖に増やす。
URCは砂糖産業の成長を支援し、より多くのフィリピン人を支援できるようにすることを目標に、砂糖産業への投資を続けている。現在、全国で6つの製糖工場と製油所を運営しており、1日あたり4万トンのサトウキビと32,000袋の精製砂糖を合わせて生産している。
2019年 フィリピンの加工食品(飲食・食品メーカー)業界
フィリピンの水産加工会社Century Pacific Food、アゴラアワードを受賞〜加工食品業界動向〜
国内加工食品大手のCentury Pacific Food(PSE)は、第39回アゴラアワードにて輸出マーケティングにおける卓越した業績を持つ企業として高い評価を受け、賞を付与されたことを報告した。PSEはアゴラアワードにおいて10年以内に3つの異なるカテゴリーで3つの賞を受賞した唯一の会社となった。
アゴラ賞はフィリピンのマーケティング業界のオスカーと位置付けられる名誉と権威ある賞である。アゴラ賞はまた、産業における卓越性や革新性、マーケティング分野における貢献についての企業努力が認められた証とされる。
PSEは1978年に小型食品の下請け業者としてスタートした。その後フィリピン最大の食品会社のひとつまで成長を遂げ、一流ブランドの地位を確立した。缶詰魚肉および缶詰食肉市場において主導的な役割を果たすリーディングカンパニーとして知られ、現在はアジアを中心とした海外市場の開拓にも積極的な姿勢を見せている。
フィリピンのサン・ミゲル F&B、プラットフォーム構築により堅調な成長〜加工食品業界動向〜
サン・ミゲルコーポレーションの食品および飲料の主力事業部、サン・ミゲルフード&ベバレッジ社(SMFB)は、2018年9月30日の第3四半期末にわたり、堅調な成長を続けたことを報告した。連結売上高は15%増の2,066億ペソ、純利益は17%増の229億ペソを計上している。
同社は主にペット用の栄養剤やヘルスケア製品、ならびにプロテインやインスタント食品の各事業が好調に推移したことにより、前年同期比13%増の953億ペソの連結売上高を達成した。営業利益は68億ペソとなり、堅調に成長を続けている。
昨年の成果としては、同社グループ内の統合が完了し、より強力な消費者プラットフォームが構築されたことが挙げられる。同社CEOはこういった新たな企業の取り組みが軌道に乗っていることを背景に、今後さらに付加価値と利益を提供しつつ製品販売数を増やし、その相乗効果によって事業規模を拡大していく、と述べている。
フィリピンで人気のYoung Town、スペインの国際食品・飲料品質賞を受賞〜加工食品業界動向〜
フィリピンで人気のイワシ缶「Young Town Sardine」を生産するMaunlad Canning Corp.は、スペインのマドリードで国際食品・飲料品質賞を受賞し、スペイン上院議会からの賞賛を受けた。同社は2018年においてF&B産業における国際的な賞を付与された、フィリピンで唯一の食品加工メーカーとなった。
この賞は、国際的なビジネスグループであるグローバル・トレード・リーダーズ・クラブによって授与され、製品の卓越性とそれぞれの国への貢献度で世界中のビジネスを評価することを目的としている。95カ国7,500人以上の会員を有しており、多くのパートナー企業が新たなビジネスチャンス構築を目的に毎年参加している。
Maunlad Canning Corp.は、1968年にEarldon Enterprisesの名で設立された。2018年9月現在、2,000人以上の従業員を擁する4つの工場を保有しており、そのうち1つの工場はミンダナオ最西端に位置するサンボアンガにて地域住民からの需要を満たすため設立された。
加工食品業界大手のユニバーサル・ロビーナ、フィリピンの地方農家を支援
ロビンソングループ系列の食品加工会社、ユニバーサル・ロビーナ・コーポレーション(URC)は、地方のジャガイモ農家開発支援のため、フィリピン農業省(DA)と提携した。これは、年間収穫量を増加させ生産性を向上させることで、コミュニティの発展につなげる目的で発案されたもの。
パートナーシップは「持続可能なジャガイモプログラム」と名付けられ、地元のジャガイモ産業の競争力を強化することを目的としたDAのジャガイモ産業ロードマップを支援することを目的としている。包括的な成長と持続可能な開発を通して、より生産的かつ進歩的な農業セクターを育成する、というドゥテルテ政権の政策にも寄与する。
プログラムのもと、URCはカナダからの高品質の輸入グラノーラジャガイモ種子とメジャーなジャガイモ品種を、ベンゲット州のジャガイモ農業コミュニティへ提供する。これらの種子は農民協同組合に寄付され、プログラムの初期資金として使用される。
2018年 フィリピンの加工食品(飲食・食品メーカー)業界
フィリピンで加工食品業界大手のSan Miguel Pure Foods、昨年の業績は好調
San Miguel Pure Foodsはフィリピンの大手食品メーカーで、取扱製品は動物飼料・加工肉・乳製品・オイル・スナックなど幅広い。
2017年の業績は、主に鶏肉、生肉および高付加価値ビジネスの取引高増加に伴い、連結純利益は前年比16%増の69億ペソ(約140億円)となった。連結営業利益は事業効率の改善によって倍増し、前年比9%増の99億ペソ(約200億円)に。連結売上高は前年比5%増の1,170億ペソ(約2400億円)となった。
同社の高加価値ブランド事業は、主に加工肉分野の好調さ、新製品の発売、およびブランド構築活動の強化が寄与して収益が6%増加。今後も市場におけるリーダーシップを一層強化するために、設備拡張を引き続き実行する予定である。
JollibeeとCargillがフィリピン・バタンガスに鶏肉加工工場を新設〜加工食品業界動向〜
CargillとJollibee Foods Corporation (JFC)の合弁会社Cargill Jollibee Meats Production Inc.(C-Joy)は、バタンガスのSanto Tomasに新しい鶏肉加工工場を開設した。年間4,500万羽のニワトリを加工するキャパシティを持つこの工場は、フィリピンで最大規模。国内のJFCブランド需要増に対応するため、フライドチキン用に衣を付けた鶏肉の製造を行っている。
カーギル(Cargill)1865年創業アメリカに本社を置く穀物関連企業。その事業内容は穀物だけにとどまらず、畜産・食品から金融まで幅広い。
ジョリビー・フーズ・コーポレーション(Jollibee Foods Corporation) 1978年設立、フィリピンで圧倒的人気を誇るファストフードチェーンJollibeeを運営している。その他にもGreenwich(ピザ)、Chowking(中華料理)、Red Ribbon(ケーキ専門店)、Mang Inasal(サテ)のフランチャイズ運営を行っている。
イギリスからフィリピンへの牛肉輸入が解禁〜加工食品業界動向〜
フィリピンにはこれまでイギリスからは豚肉、鶏肉、子羊、乳製品が輸入されていたが、2017年8月には牛肉の輸入も解禁された。過去、イギリスからフィリピンへの豚肉出荷量は2015年から2016年の間に40%増加した前例がある。
フィリピンは、今後5年間に肉類の消費量が10%増加すると予測される東南アジア最大の飲食品市場であり、イギリスにとってフィリピンへの牛肉輸出開始は、すでに香港やカナダを含む世界中で3億5,000万ポンド(約522億円)以上を輸出している実績をさらに伸ばす絶好の機会となる。
現在、フィリピン国内世帯の牛肉消費割合は豚肉、鶏肉と比べてそれ程高くない。イギリスからの牛肉輸入は、今後のフィリピン人の食生活を変える可能性があると期待されている。
フィリピン農業省の支援でビコールにカカオ加工施設が完成〜加工食品業界動向〜
ビコール・カマリネス州(ルソン島)で農業省によって新設されたカカオ加工施設には、カカオロースト・粉砕機・真空シーラーが完備されている。これらの設備を有効活用して、乾燥したカカオ豆をより早く発酵させることができ、また発酵日数が短くなることで販売価格も高くなる。従来の30ペソ(約60円)から、150ペソ(約300円)に引き上げられる見通し。
同施設はDA-Bicolによる高価値作物開発プログラム(HVCDP)に基づいて建設。カカオ農家の団体 Binanuaanan Farmers Community Development Association Inc.(BFCDA)に引き渡された。この加工施設で作られた製品は、貿易産業省(DTI)の支援を受けたことを示す「B-Farn Products」のラベルがと共に近隣の市町村で販売されている。
加工食品業界大手のNestleフィリピン、人材育成に注力の企業5選に認定
Nestlé Philippines, Inc.(NPI)は現在、NESCAFÉ・NIDO・MILO・NESTEA・MAGGI・PURINAなどの有名ブランド製品を市場に送り出している。製品ラインナップは、コーヒー・幼児向け栄養食品・冷凍乳朝食シリアル、ペットケアなど多岐に渡る。
NPIは、ビジネスに特化した世界最大のSNS「LinkedIn」のAsia Pacific部門から「人材育成のために尽力した5つのフィリピン企業」の1社に認定された。フィリピン航空・セブパシフィックといった名だたる企業に並んでの認定である。フィリピンのLinkedIn利用はアジアで4番目の規模を誇り、会員数400万人以上の、会社数19,000以上の登録がある。
まとめ:フィリピンの加工食品業界
フィリピン国内で最大規模を誇る鶏肉加工場が建設されたことやイギリスからの牛肉輸入受け入れの開始などフィリピンの食肉業界の動きは活発な傾向があります。それらの変化によってフィリピン国民の食生活がどのように変化するのかこれから楽しみですね。
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、2010年4月よりWeb業界を目指す社会人向けのスクールのインストラクターとして主にコーディングソフトや画像編集ソフトの授業を担当。2015年より海外での生活とキャリア形成を目的に、青年海外協力隊に参加。