キリンビール株式会社は2022年10月27日に新たにシンガポールへ輸出開始すると発表しました。シンガポールのアルコール業界は新製品の発表やプロモーション活動が盛んに行われています。
今回は、そんなシンガポールの酒類業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 シンガポールの酒類(飲食・食品メーカー)業界
Brass Lion Distillery、世界女性デーにイベント
シンガポールで唯一のスピリッツ蒸留所Brass Lion Distilleryが2023年3月2日フェイスブックで今年の世界女性デー(3月7日)にカクテルパーティーを開催することをアナウンスした。
場所はBrass Lion Distillery。日時は、3月7日午後6時~午後10時。女性リーダーと特製カクテルを共同開発することでインスピレーションの夜を楽しもうというもの。女性リーダーたちは、Christine Amour Levar、Claudine Pang、Jamie Koh、Leanne Robers、Tjin Lee、Trina Liang-lin といった面々。
なお、世界女性デーにちなみ、カクテルが売れるたびに5ドルが、暴力や虐待の被害者である女性を支援するウィメンズ オン ア ミッション (WOAM) に寄付されることになっている。
The Orientalist Spirits、新製品発売
東洋で調達された最高級のプレミアム原料のみから作られた世界初の汎アジアのプレミアムクラフトスピリッツ会社のThe Orientalist Spiritsがホームページで2023年春に「Imperial Solera 23 Rum」を発売したことをアナウンスした。
世界初のトリプルブレンドウォッカ「Origins Vodka」、世界初のオールアジアンブレンデッドウイスキー「8YO Dragon Whisky」、火薬茶の奇跡のジン「Gunpower Gin」に続く4つ目の酒として今回「Imperial Solera 23 Rum」が発売された。
これは、タイ、フィリピン、インドネシア産の熟成6年から23年のラムをブレンドし、バーボン樽とPedro Ximenezシェリー樽から古典的なソレラプロセスで熟成させた手作りの少量バッチ。
出典:https://www.theorientalistspirits.com/
キリン、シンガポールにウイスキー輸出開始
キリンビール株式会社は2022年10月27日にホームページで「キリンシングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士」「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」を10月末より新たにシンガポールへ輸出開始すると発表した。
富士御殿場蒸溜所のグレーンウイスキー原酒のみを使用した「キリン シングルグレーンジャパニーズウイスキー 富士」は700ml/びん入り、アルコール分:46%で店頭価格は140シンガポールドル前後に設定されている。
一方、モルトとグレーンの熟練のブレンド技術が生んだ「キリン シングルブレンデッドジャパニーズウイスキー 富士」は700ml/びん入り、アルコール分:46%で、店頭価格:135シンガポールドル前後で設定されている。
出典:https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2022/1027_02.html
Carlsberg、アサヒグループと代理店契約解消
Carlsberg Singapore Pte Ltd(CSPL)は2023年6月19日、ホームページでCSPLおよびその子会社Maybev Pte Ltdがアサヒグループホールディングス株式会社との販売代理店契約を更新しないことを発表した。
すべての当事者は、当該契約と2023年12月31日に期限切れとなるシンガポールにおけるアサヒブランドの独占的販売契約を更新しないことに相互に同意したとのこと。
CSPLはアサヒブランドと素晴らしい関係を築き、10年以上にわたってアサヒブランドを現地で販売・流通する唯一の権利を持ち続けてきた。CSPLとMaybevは2023年12月31日まではシンガポールにおけるアサヒの独占販売代理店であり、残り期間はアサヒブランドをサポートし続けるとのこと。
出典:https://www.carlsbergsingapore.com.sg/newsroom/non-renewal-of-distribution-rights-of-asahi/
Pacific Beverage、 HAHN×GYMプロモ
2023年6月14日、ビール、 ワイン、蒸留酒を輸入販売するシンガポールのディストリビューターであるPacific Beverages Pte Ltdは、ビールブランドの一つHAHNのプロモーションプログラムを案内した。
7月1日~8月31日までHAHN×GYMメンバーシップラッキードロープロモーションをPacific Beverages Pte Ltd が主催して行うというもの。
応募は参加小売業者のNTUC、Cold Storage、Giantと参加レストランでの10ドル分のHAHNの購入レシートを一口として行える。応募締め切り後、デジタル抽選が行われ、幸運な当選者2名は2023年9月の第2週に発表される。当選者はそれぞれ$1,000相当のトレーニングジムのGYMboxのメンバーシップを受け取ることができるというもの。
2021年 シンガポールの酒類(飲食・食品メーカー)業界
シンガポールで酒類業界大手のSUTL、Jack Daniel’sなどの販売権を確保
大手外資系飲料メーカーのSUTLは、 Johnnie Walker, Gordon’s, Smirnoff, Jack Daniel’sなどの有名なスピリッツとウイスキーのラベルの新しい販売権を確保したと発表。
同社の完全子会社であるSUTL Consumer Goodsは、シンガポールの一部のチャネルを通じて、MoëtHennessyDiageo(MHD)製品とJack Daniel’sの正規販売代理店になった。
これらの新しい流通買収は、SUTL消費財が代表する確立された製品の幅広い選択に追加される。 SUTL Consumer Goodsは、50年以上にわたって大手販売業者として、タバコ、ワイン、スピリッツ、ビール、飲料から家庭用品、化粧品、香料に至るまで、世界で最も愛されているブランドや製品のいくつかを代表している。
出典:https://www.sutl.com/news/announcements/distribution-rights-secured-for-johnnie-walker-gordons-smirnoff-jack-daniels/
シンガポールのAPBのサステナビリティプラン 〜酒類業界動向〜
Fraser & NeaveとThe HEINEKENの合弁会社として1931年に設立され、2012年にハイネケンに完全に買収されたAsia Pacific Breweries Singaporeは、下記のようなサステナビリティプランを発表した。
水資源の保護、炭素排出量の削減、持続可能性の調達、責任ある消費の促進、健康と安全の促進という6つの主要分野に焦点を当てた「Brewing a Better World」というサステナビリティ戦略を通じて、環境と社会にプラスの影響を与えることに全力で取り組んでいる。
例えば、サードパーティと協力して、生産過程で使用された穀物を動物飼料として使用するためにアップサイクルするシステムをサポートしている。また、同社は2020年までに生産におけるCO2使用量を40%削減、サプライヤーコード手順への95%のコンプライアンスの達成、従来の冷蔵庫よりも炭素排出量が50%少ない100%グリーン冷蔵庫の購入を目標としている。
出典:https://www.apbsingapore.com.sg/news_media/brewing-pride-for-a-better-singapore/
SAKE HUNDRED、シンガポールへの輸出開始 〜酒類業界動向〜
日本酒ブランドのSAKE HUNDREDは、2020年12月よりシンガポールへの輸出をスタートした。他にもドバイ・香港への輸出が決定しており、今後さらなる展開エリアの拡大、現地レストランへの納入、および現地でのEC販売を推進していく。
シンガポールは東南アジア有数の多民族国家であり、アジア最大の物流のハブ、そしてマリーナベイ・サンズに象徴される世界有数のリゾート地でもある。このエリアでは、「百光」「天彩」「思凛」「現外」の全ラインナップが、高級酒を中心とした日本のアルコール飲料を取扱う「Whistler Wine & Spirits」にてEC販売されている。
今後、ECにて現地の顧客に商品販売しながら、世界有数のリゾートホテル・一流レストランへの納入を推進していく。さらに、商品の流通・販売のみならず、現地レストランとコラボレーションしたペアリングイベントも企画している。
出典:https://sake100.com/
シンガポール、Phase3でのお酒の提供規制 〜酒類業界動向〜
URAはPhase3でのアルコールの提供に関する規制を発表。すべてのF&B施設でのアルコールの販売と提供は、毎日22:30以降は禁止されている。これには、F&B施設が所有または管理する屋外のリフレッシュエリアやテーブル、椅子での飲酒が含まれる。
ベストプラクティスとして、F&Bオペレーターは、22:00までに、食事サービスとしてのアルコールの販売を停止し、22:30までにアルコールを消費するように顧客に促す必要がある。
F&B施設は、結婚披露宴や厳粛な雰囲気のほか、第三者による仕事関連のイベントの会場になる場合がある。その場合、F&B施設では食べ物や飲み物を提供することはできない。また、結婚披露宴の開催は一日1回のみ許可されている。
出典:https://www.ura.gov.sg/Corporate/Guidelines/Circulars/ja-24
シンガポールのAtlas Barが持ち帰り用にお酒を販売 〜酒類業界動向〜
英系メディアの「アジアのベスト・バー50」ランキングで上位常連の有名バー、Atlasが持ち帰り用にお酒の販売を開始した。外資系企業などが入るオフィスビルのロビー階に位置する。人気のマティーニなどのカクテルをボトルに詰め、宅配や持ち帰り用に販売している。
値段は1本21シンガポールドルからで、店内とほぼ同額だ。売れ筋のマティーニなど3本セットは60シンガポールドル。小口宅配は送料がかかるがプロの味を家でも楽しめる。
飲み物の他にも食べ物、デザートの持ち帰りも可能。今後もコロナ禍で外出が自粛され、来客数が減っている中、持ち帰りや宅配の需要が高まると予想される。
出典:https://atlasbar.sg/atlas-home
まとめ:シンガポールの酒類業界
URAはPhase3でのアルコールの提供に関する規制を発表し、毎日22:30以降のすべてのF&B施設でのアルコールの販売と提供が現在禁止されています。厳戒態勢の中で酒類業界がいかに発展していくのか、要注目です。
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。