【文房具ブランドが築く新たな時代】中国の文房具・事務用品業界

2023年5月30日、得力グループは贝碧欧と手を組んで新しい画材ブランド「Dantu」を立ち上げることを発表しました。業界は革新と多角化で新たな成長を目指しています。

今回は、そんな中国の文房具・事務用品業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます！

読了時間の目安：5分

[toc]

2022年　中国の文房具・事務用品（製造業）業界

1958年、当時世界的万年筆ブランドだった「パーカー」を超えるブランドとして9年の歳月をかけて開発された「英雄」の金ペン。特に「100番」の金ペンは、ペン先の滑らかさ、漏水温度差、吸水性、イリジウム粒子の耐摩耗性など11の指標でパーカーに追いつき、画期的な達成となった。

当時、この快挙を祝して、上海天馬映画スタジオは映画『ヒーローズ・キャッチ・パーカー』という映画まで撮影された。「英雄100番 」は大成功を収め、それ以来中国の万年筆の最高峰として君臨してきた。

2022年10月24日、英雄１００番の金ペンはリニューアルされ、大幅なアップグレードが施されたと案内した。トップキャップ、テールキャップ、ミドルリングに24K真空金メッキ素材を採用し、デザインや素材にもこだわりが存分に発揮されている。金含有率約58.33%の14Kゴールドペン先は小ぶりで弾力があり、優雅でしなやかな筆跡を生み出す。普段金ペンをあまり使わない人でも非常に快適に文字を書くことができる。

出典： https://www.hero.com.cn/news-detail/31.html

2023年5月30日、得力グループは贝碧欧と手を組んで新しい画材ブランド「Dantu」を立ち上げることを発表した。

Dantu は 中国語の「丹青」からつけられた名前で、英語名は達人の道、絵画の探求を意味する「Dmast」である。「Dantu」ブランドは、得力グループと100年続くカラークリエーターであるフランスの贝碧欧社が共同で創設し、プロ用美術画材の分野に焦点を当て、プロ用美術画材の世界トップブランドとなることを目指している。

新しいDantuブランドの立ち上げは、プロ用画材消費市場における文化的でクリエイティブなテクノロジー業界グループとしての得力の新たな姿であり、得力の全方位的な産業ラインナップの展開を支援すると同時に、さらなる可能性をもたらすだろう。

出典： https://www.nbdeli.com/news/newsinfo/445.html

2023年3月26日、文具業界の大手企業であるBEIFAグループは、50億元の法人消費券を発行し、380社の中小企業と提携して文化的・創造的文具のサプライチェーンを開放するための産業発展のコミュニティを構築すると発表した。BEIFAは設立以来 20 年間にわたり、世界中で 15 億人のユーザー、10 万台以上の小売端末、および100 以上のオンライン、オフライン チャネルを獲得してきた。

この消費券は、各種オンラインショッピングモールの割引クーポンに相当し、商品の小売価格の50％～70％の割引を受けることができる。感染症の影響により受注の激減と資金不足の窮状に直面している多くの中小企業にとって大きな助けとなるだろう。

「法人消費券に加えて、感染症流行の状況下で中小企業向けの共同開発コミュニティの構築を加速している。」BEIFA集団の邱志銘会長は、グループの成熟した生産ラインと豊富なサプライチェーンリソースを有効に活用することを考えていると述べた。

出典： http://www.beifa.com/cn/newsd.php?gid=2&nid=2629

株式会社パイロットは日本で登記されたペンの生産会社として1918年創業以来不屈の企業精神を持って最高品質の筆記用具の開発と生産に尽力してきた。

2023年4月7日、中国南昌市、上饶市、汕头市などの都市において、弊社製品INK-30の偽物が販売されていることを確認し提訴したと発表した。これらの案件に関して、裁判所はすでに商標権侵害を認め、パイロットの勝訴が決まっている。

百楽貿易（深圳）有限公司は中国大陸で唯一パイロットの製品を販売する権利を持つ代理店である。昨今、P-500,P-700などのボールペンや消すことができるペンFrixionなどの模倣品が中国市場で多数販売されていることが確認されている。消費者の皆様には一層の注意喚起を促していきたい。

出典： https://www.pilotpen.com.cn/detail/103.html

2023年6月15日、ワールドブランドラボ主催の2023年（第20回）「中国の最も価値あるブランド500」カンファレンスが北京で開催された。30年以上業界に深く関わってきた晨光は、その優れたブランド力により6年連続でリストに含まれており、 371位と昨年より6位上昇した。今年のブランド価値は206億5,200万元で、昨年より27.6％増加した。

ワールドブランドラボは世界三大ブランド価値評価機関の一つ として認められ、「独立性と公平性」の原則に基づき、20年連続で「中国で最も価値のあるブランド500社」を発表している。ハイアール、テンセント、チャイナリソースなど業界の優れたブランドを含む 8,000以上の人気中国ブランドの中から、中国の高い水準を代表するブランド５００を選定する。

中国人に愛される国家ブランドとして、晨光は数十年にわたって中国の優れたペンの製造に焦点を当てて業界をリードしてきた。今日、晨光は世界最大の文具メーカーの一つとなり、アジア最大のペン製造拠点を所有し、その製品は世界中の 50以上の国と地域に輸出されている。

出典： https://www.mg-pen.com/corporatenews/info.aspx?itemid=1374&lcid=72

2021年　中国の文房具・事務用品（製造業）業界

1991年に設立され、文房具製造だけではなく、オフィス用品の販売も行う斉心文具は、クラウド映像の「新インフラ」としての発展性を紹介した。

コロナの蔓延により、テレワークやビデオ会議などのクラウド勤務様式が急速に浸透しはじめた。斉心グループのCEOはクラウドビデオ会議の将来について「国産化、軽量化、5Gモバイル化、AIoT、VR仮想現実などの方向に向かって発展するだろう」と発表した。

中国では近年、5Gネットワーク、ビッグデータ、人工知能などの分野において「新インフラ」建設を経済発展の重点課題としている。クラウドビデオ会議は「新インフラ」建設推進における重要なかけ橋となることが期待されるため、クラウドビデオ会議市場全体の需要は、今後拡大していくと想定される。

出典：http://about.comix.com.cn/article/detail/185.htm

1992年に設立し、文房具と印刷用紙の製造とゴム製品の貿易などを行う広博文具は、2020年の振り返りと2021年の経営方針を発表した。

2020年はコロナの影響を受け、国内外の市場の開拓は難しかったものの、新たなチャネルとプラットフォームを深掘りすることで目標を超過達成することができた。

2021年は、新材料プロジェクトの上場、不動産事業の成長、大きな柱となっているベトナムの生産基地での外国貿易事業の拡大を中心に、事業発展の強化に向けて注力していくとした。

出典：http://www.guangbo.net/newshow-1-4007.html

1996年に設立し、筆の生産を中心に世界150カ国以上に輸出をしている貝発グループは、企業品質の信頼性報告書を発表した。

2020年度の検疫合格率は98.9％、品質事故は0回、顧客満足度は98.7％、クレーム率は0.08％であり、消費者の立場に立ったサービスを提供できたとした。

近年積極的に国内市場を開拓し、eコマース事業に力を入れている同社は、ISO9001基準に厳格に準拠している。各品質管理業務を徹底した上で、コストを下げて利益を増やすことに成功した。また、これらの動きは会社のブランド力向上のための強固な基礎を築くことにつながった。

出典：http://www.beifa.com/cn/newsd.php?nid=2710

上海に本社を置き、7.8万以上の店舗を有する上海晨光は、2020年第3四半期の業績を発表した。

営業収入は約85憶元で、前年同期比で7.43％増加した。子会社の晨光科力普、晨光生活館、上海晨光信息科技有限公司の営業収入はそれぞれ15.24％、17.41％、69.97％の増加率だった。

営業収入増加の主な要因としては、為替による利益が大きかった。また、その他の要因として政府の補助金が昨年より増加していることが挙げられた。

出典：https://www.mg-pen.com/uploadfiles/2020/10/20201030134503456.pdf

2001年に上海、2009年に深圳に進出し、マッキーやボールペンを主力商品とするゼブラテクノロジーは2020年第4四半期の業績を発表した。

売上高は1,308百万ドルで前年同期比9.7%増となった。純利益は1億9,900万ドルであり、目標を大きく上回る結果だったとした。

この増加は、主に中国の輸入関税による1200万ドルの収益と、より高いサービスとソフトウェアマージンによるものである。

出典：https://investors.zebra.com/news-and-events/news/news-details/2021/Zebra-Technologies-Announces-Fourth-Quarter-and-Full-Year-2020-Results/default.aspx

2020年　中国の文房具・事務用品（製造業）業界

2019年11月6日の発表によると、中国の文具大手、晨光文具は、第二回中国国際輸入博覧会に際して、イタリアの児童向けお絵かきブランドのCARIOCAと戦略的パートナーシップを締結した。両国文具界のリーディングカンパニーが手を組む強者連合が成立する。

晨光文具によれば、経済発展に伴ってより複雑化する消費者のニーズに応えるために、イタリアの国民的お絵かき文具メーカーであるCARIOCAの製品を決めたという。

CARIOCAは、2016年より電子商取引を経由して中国市場への進出を果たしている。同社のブランドは、ヨーグルトや飴と同じ安全性をもつ色素を用いており、消費者から高い信頼を得ている。今回の提携に合わせて、MASKUPシリーズというクレヨンを新たに発売。顔や体の上に直接お絵かきができる水溶性クレヨンで、皮膚への刺激が全くないことを強みとしている。

出典：https://www.mg-pen.com/corporatenews/info.aspx?itemid=784&lcid=10

2019年11月13日の発表によると、激しい市場の変化に対応するために、deliとキヤノンは戦略的な協力関係を樹立した。市場の需要をより満足させるだけでなく、双方の企業の急速な成長を促し、新たな企業間協力の模範を作り上げることを目標に掲げた。

「中国のオフィス業界は重要な企業であり、キヤノンは力を合わせて新たな市場を開拓したい」と述べている。今回、双方の初めての提携であり、双方が相互に利益を得て、未来を共にする大きな一歩となった。

Deliは当面はキヤノンとの全面的な戦略協力関係の構築に力を入れ、企業発展の新しいページを共同で作成し、オフィス業界の変革とアップグレードを進め、ユーザーのためにより大きな価値を創造する意気込みを伝えた。

出典：http://www.nbdeli.com/about/delinews_c.php?id=1516

2019年10月29日の発表によると、KOKUYO（国誉）は、杭州KOKUYO展覧会において、アリババのECサイトTMALLと戦略提携を行い、同サイトに旗艦店を出店するとのこと。オフィス家具を取り扱う。11月11日の特売デーには、限定製品とサービスを顧客に提供するという。

出店と同時に、「ing」というオフィス用品の新ブランドをTMALL上で初発売する。なお、「ing」は、DIA中国設計大賞において銀賞を獲得している。オフィス用品はBtoBの取引が主流であり、大企業とは異なってオフィス用品へのアクセスが限られた中小企業に対して、KOKUYOの製品を売り込む狙いだ。

TMALL側で膨大なユーザーデータを分析することで、ニーズを明らかにする。例えば、ハイエンドなオフィス用の机椅子セットの需要が強いことが明らかになっており、このようなデータ分析をマーケティングに生かす戦略をとる。

出典：https://www.kokuyo.cn/news/detail/1490

2019年8月28日の発表によると、一週間に渡った上海書展が上海展覧センターで円満に閉幕した。PILOTは再び百新文具館とタッグを組み、上海デビューを果たした。新しく発売された百楽MR 3万年筆セットはこの展覧会で初めて発売され、多くの上海のファンが購買に来てくれた。

ケースの表紙はマカロン色のベースカラーで宮廷風の欧風のフレームをあしらい、万年筆の模様は精巧なイギリス式のアフタヌーンティーを連想させる作りとなっている。細部までこだわったデザインが人気を集めた。

MR３万年筆以外にも、第二回上海書展に出展したレトロな78 G万年筆セット、世界の六不思議をテーマにしたEXPLORER万年筆セット、キュートなKAKNO「笑顔万年筆」セット、CUSTOM万年筆セットなどの人気商品も豊富に取りそろえた。

出典：http://www.pilotpen.com.cn/News/info/id/30.html

2019年は新中国成立70周年の年であり、経済のグローバル化を背景とした中国ブランドの活力を示すため、CCTVと中国広告協会は共同で「新中国成立70周年ブランドサミット」を作り上げた。

今回のサミットは「時代に敬意を表し、未来に敬意を表する」というテーマで展開され、70の業界の優秀者が集結し、新中国の創立70年の栄光と輝きを共有した。真彩文具は業界優秀者として「新中国創立70周年70ブランド」の栄誉を授与された。

真彩文具は90年代初めに創立され、三十年近くの歴史を経て、研究開発、生産、マーケティングを一体にした。中国での生産規模が大きく、総合実力が最も強い大手文具企業の一つとして大きな存在感を見せた。

出典：http://www.lotuspen.com/showinfo-743.html

多くの文具や事務用品を取り扱う会社が、同業種や販売プラットフォームをもつ会社との提携によって、複雑化した市場での生き残りを図っている。今後はどのような会社と協力し、競合と差別化していくかが成功の分かれ目になりそうです。