「2023台北クリエイティブステーションナリーフェア」が開催され、260以上のブランドブースが集結しました。業界内では、少子化やデジタル化の波に対応しつつも、革新的商品開発で新たな消費者層を獲得する動きがあります。
今回は、そんな台湾の文房具・事務用品業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
[toc]
2022年 台湾の文房具・事務用品(製造業)業界
10周年を迎えた“禮拜文房具”〜文房具・事務用品業界動向〜
2022年10月9日、オーナーは広告やロゴデザイン、ブランディングを手掛けるデザイナーで、過去にはUNIQLOとコラボするなど、着実に知名度を上げてきた「禮拜文房具(TOOLS to LIVEBY)」が10周年を迎えたと報告した。
主に取り扱う商品は、ヨーロッパ、アメリカ、日本から集めた文具や生活雑貨で、その多くは長い歴史を持つブランドや時代を超えて通用する定番商品である。また、国内外の商品を紹介するほか、実用性と美しさを兼ね揃えた自社のライフスタイルブランド商品の販売も行なっている。
また「禮拜文房具」は、世界各地に熱狂的なファンを持つ、素朴な牛皮製のカバーとシンプルなノートで構成された“トラベラーズノート”で有名な日本の「トラベラーズカンパニー」のパートナーショップに選ばれており、限定商品を台北及び高雄の店舗、公式サイトで販売している。
出典:https://www.toolstoliveby.com.tw/tw/blog/post/tools-to-liveby-thanksful-10th-anniversary-sales/
260以上のブランドが集結した台北文具フェア〜文房具・事務用品業界動向〜
「2023台北クリエイティブステーションナリーフェア」が世界貿易センターで盛大に開催された。4日間の日程で、オフィス文具、スタイル文具、クリエイティブ文具からオフィスガジェットまで260以上のブランドブースが集結した。
少子化やデジタル化の時代の変化により、伝統的な文具市場が苦境に直面する中、多くの大手メーカーが革新的な商品を開発し、消費者層を拡大し続けている。出店者らは高級ペンや幼児向け画材などの新商品を市場に投入し、展示会最終日には割引セールを実施し、多くの来場者を集めた。
台湾の文化・クリエイティブ産業はますます多様化しており、様々なスタイルの様々なブランドが存在している。また、来年2024年の台北文具フェアは規模を拡大して開催される事が既に決定しており、期待が高まっている事が見てとれる。
出典:https://music-fair.top-link.com.tw/
経済部が「文具商品表示基準」の改正を発表〜文房具・事務用品業界動向〜
2023年3月3日、政府により商品表示法の改正が発表され、これに連動するため「文具商品表示基準」の典拠条項及び関連規範内容が変更されたと報告した。また、特定商品の表示基準が段階的に完成し、2023年5月18日から適用を開始すると、経済部が発表した。
経済部は、新法の施行後、市場に参入する新たな商品には新法に従ってラベルを付ける必要があるが、新法の発効前に市場に参入した商品についてはラベルを付け直す必要はないと述べた。
多くの事業者が、新法で新たに追加された「輸入商品について、国外製造業者又は国外委託製造業者の外国語名称を表示すべきである」との規定に注目しており、経済部は商品が国内製造業者から海外委託を受けて再輸入された場合、委託製造業者が国内事業者である場合、国内委託製造業者の中国語名称を表示する事ができると説明した。
出典:https://gcis.nat.gov.tw/elaw/lawDtlAction.do?method=viewLaw&pk=43
国境を開放後初の台北国際ギフト文具展を開催〜文房具・事務用品業界動向〜
2023年4月23日、政府が国境観光を解放してから僅か1ヶ月後、アジアで最も象徴的なインターナショナルギフトショーであり、毎年恒例の「台北国際ギフト文具と文化創造展」が開催されたと報告した。今年の展示会のテーマは「デザイン、生命のまばゆい光を照らす」で、国際的な業界トレンドに焦点を当てた国際ギフト展となった。
展示会には、タイ文具協会、韓国ギフトライセンス協会、マレーシアギフト協会などのバイヤーが訪問し、加えて、米国や日本、東南アジアからのバイヤーもオンラインで展示会来場の事前登録に殺到するなど、開催前から注目を集め、例年よりも多くの外国メーカーが展示会に参加した。
新型コロナウィルス流行後の観光と貿易は徐々に回復しており、今後数年間が期待され、ギフト及び文具業界はこの貴重なマーケティングの機会を掴むため、展示会への物理的な参加の再会は、間違いなく市場を拡大するために必要な戦略の一つであると言える。
出典:https://www.giftionery.net/zh-tw/index.html
文具業界関連法案「プラスチック製品表示」の適用〜文房具・事務用品業界動向〜
2023年8月4日、文具業界や医療業界、食品業界など日常生活から切っても切れない関係であるプラスチック製品、近年台湾では、廃棄問題や安全性に関する報道が多くされるようになる中、2026年9月1日から適応される、「主成分又は材料がプラスチックである製品のラベル表示方法」を経済部が発表した。
ラベルには、聚丙烯、polypropylene、PPなどのプラスチックの中国語での正式名称、英語での正式名称、又は英語の略語でマークする必要がある。また、事業者が既にプラスチックの種類の英語の略語やプラスチックという単語を表記してる場合、ラベルを変更する必要はない。
業界が表示変更を検討する際に、在庫や物流を考慮する必要があるほか、輸入品については海外メーカーとの調整が必要となるため、業界では3年間の猶予期間を推奨している。
出典:https://town.chcg.gov.tw/files/117_20230822141645167_%E7%B6%93%E6%BF%9F%E9%83%A8%E5%87%BD.pdf
2021年 台湾の文房具・事務用品(製造業)業界
台湾富士ゼロックスと台湾エプソンが提携〜文房具・事務用品業界動向〜
2020年9月28日、台湾富士ゼロックスは、台湾エプソンとの戦略的提携を発表した。将来的にユーザーは、台湾富士ゼロックスを通じてエプソンのデジタルインクジェットプリンターおよび消耗品を購入できるようになる。
この協力モデルは、富士ゼロックスとエプソンのグローバル協力協定に基づいている。両社は既に、アジア太平洋地域の多くの国で共同でデジタルインクジェット印刷事業を拡大してきた。今回、台湾市場でも協力してより多くの台湾ユーザーを満足させることを望んでいる。
台湾のエプソン印刷技術部門のゼネラルマネージャーである輝偉偉は「この相互信頼・支援を通じて、新しい産業地図を作成し、台湾のユーザーへ価値の高いサービスを提供してWin-Winの状況を作り出すことができるだろう」と述べた。
出典:富士ゼロックス https://www.fujixerox.com.tw/zh-TW/Company/Newsroom/Corporate-News/2020/9/Collaboration_Press_Release
台湾の震旦行株式会社の2020年第3四半期の業績〜文房具・事務用品業界動向〜
事務機器などを取り扱う震旦行股份有限公司は、2020年第3四半期の財務報告を発表した。連結売上高は35.96億元、税引後純利益は4.96億元であった。
中国と台湾でオフィス市場の需要が高まったことを受け、売上が増加。前年同期に相当する利益を獲得した。2020年第4四半期はオフィス市場のピークシーズンを迎えるため、震旦行の売上と利益は増加し続けると予測されている。
さらに同社は、新型コロナウイルスの防疫に対応していく。各事業部門と子会社は、リモートミーティング、クラウドアプリケーション、社員の健康管理などの各ソフトウェアとハードウェアを整合し、正常な運営を維持できるようにする。
出典:オーロラグループ https://www.aurora.com.tw/xmdoc/cont?xsmsid=0H272513352885348973&sid=0K316508479093707776
台湾の台北文具創意展が開催〜文房具・事務用品業界動向〜
2020年7月3日〜6日、台湾国内で新型コロナウイルスが落ち着いてから初めて、台北創意文具展が開催され、大勢の人々が来場した。
各老舗メーカーも新商品を多数展示したことや、主催者が特別に準備した若者たちの大胆な想像力を掻き立てる「Design・Playwith Creativity」ブースによって、多くの若者の来場が見られた。日本からはPentel、Tombow、MitsubishiPilotなどから出展があった。
2020年の旧正月以降、コロナウイルスの流行が拡大し、展示会の数はほぼ0になった。台北文具創意展は、コロナ解禁後でも多くの人が来場したことから、国内業者や消費者に最も人気のあった展示会の一つであると言える。
出典:台湾文具産業協会(TASI) https://blog.xuite.net/tasi123/stationery/589215671
台湾の2020年の台北國際禮品文具暨文創展〜文房具・事務用品業界動向〜
2020年11月5日から8日、台北世界貿易センターにて、台北國際禮品文具暨文創展(Giftionery & CultureCreative,Taipei)が行われた。展示ブースには217社が出展した。海外からは、日本、インド、香港、イギリスなどの国や地域から出展があった。
来場者の合計人数は5,755名であった。そのうち外国人バイヤーは91名だった。国別にバイヤーを見ると、人数が多い順に、中国、アメリカ、香港、日本、グアテマラ、フィリピン、シンガポール、タイ、ブラジル及びドイツとなった。
文房具、学校用品、オフィス用品、ギフト、ペット用品、幼児用品、カルチャークリエイティブ商品など数多くの商品が出展された。
出典:台北國際禮品文具暨文創展 https://www.giftionery.net/zh-tw/menu/B524D22715C01768D0636733C6861689/info.html
台湾にも展開するリコーグループ、持続可能な企業賞を受賞〜文房具・事務用品業界動向〜
2021年2月22日の発表によると、リコーグループはアメリカのS&P Globalによる「持続可能発展企業」の評価で「銀賞」を受賞し、「社会的責任投資(SRI)」で世界をリードする企業の1つになった。
S&P Globalは独立した投資調査を提供している。その中の一部門であるS&P Dow Jones Indices は、投資ツールの評価を含めコンセプト、データ、調査に基づく世界最大の調査指数源となっている。
今回「コンピュータ周辺機器・事務用電子機器」業界の中で入選した5つのグローバル企業の1つにリコーグループが選ばれ、合計11の評価項目で、最高のスコアを獲得した。
出典:リコー https://www.ricoh.com.tw/news/2021/02/22/ricoh-awarded-silver-class-recognition-in-sustainability-ratings
2020年 台湾の文房具・事務用品(製造業)業界
台湾で初めて製造!ボールペンのトレンドの変化とは?〜文房具・事務用品業界動向〜
60年前、台湾で初めてMITボールペンが製造され、SKBボールペンは、文具店からブランド名となった。SKBボールペンは、高雄で最もにぎやかな商業地区である塩埕商圏で初めて販売された。前身は、日本時代の緑屋文具であったが、1951年に盧火榮氏が経営を引き継ぎ、文明書局と名前を変えた。
SKBボールペンは一度30年間生産停止となったが、2012年にボールペンブームが訪れた際に生産が開始された。そのころ、ボールペンは文具としてではなく、身に着ける道具としての収集価値も出てきた。
SKB文明ボールペンを担当する取締役員の林冠宏氏は、これからのボールペンは材質重視となるだろうと語った。ボールペンはインクを取り換えるので、使い捨てしない点で環境保護の役割を担っている。SKBボールペンを入れる箱も再生紙を利用している。
出典:https://bit.ly/35f9Q6O
Pentelと台湾印花楽がコラボ文房具を発売〜文房具・事務用品業界動向〜
2019年8月28日の発表によると、環境保護を重視する日本の文具メーカーPentelと、環境にやさしいを提唱する台湾のデザインブランドinBlooom印花楽はコラボレーションによる商品を発売した。台湾の美しいデザインで、どこか懐かしい素朴な印象も与えてくれる仕上がりとなっている。
印花楽は様々な柄の中からファンの人気が高く、かつ最も印花楽らしいものを厳選した。PentelのEnergelボールペン、Energizeシャープペン、I+3色ボールペン等の商品と組み合わた多彩なラインナップを発売。
手帳だけでなく、テストや会議、仕事中にも使っていると楽しくなるような機能性も高い見た目も楽しめる文具となっている。
出典:https://www.pentel.com.tw/news-in?cls=1&id=57https://www.inblooom.com/products/featured/inblooomxpentel-2019/
台湾誠品書店、世界10カ国以上の面白い文房具販売〜文房具・事務用品業界動向〜
2019年8月2日から19日に、誠品書店信義店は「理想の文具IN MY LIFE」コーナーを設け、アメリカや日本を始めとする10か国以上の面白い文具を販売した。トンボメーカーなど世界7大ブランドと協力し、2階から6階まで異なるコンセプトで空間を作った。
3階は、整理整頓されたイメージで有名なKOKUYOの東京千駄谷の「THINK OF THINGS」店舗空間をそのまま再現した。また、限定商品も販売した。ブランドデザインのオフィスデスクや陳列棚なども販売しており、消費者は持ち帰ることもできた。
「理想の文具IN MY LIFE」は、BRUTUS雑誌の表紙で人気を博したイラストチーム「山鳩舍」と協力し、得意のモノクロラインで展示空間に動物や植物など、かわいいイラストを添えた。日本の人気イラストレーターのmizutama氏を招待し、8/3、8/4にイラスト教室を開いた。
出典:https://bit.ly/2QgJJYV
台湾ネットサイトmomo、セール実施で売上1.5倍〜文房具・事務用品業界動向〜
ショッピングサイトmomoは「新学期応援文具セール」を実施した。文具は最高78%オフで提供され、一定金額購入するとさらにクーポンをプレゼントするなどの大セールを実施し、年間文具の売上は1.5倍へ増加した。
本セールで特に好調なアイテムは鉛筆、色鉛筆、定規等の基本的な文具のセット商品。また、特殊なデザインにより正しい握り方が身につく鉛筆がベストセラーとなった。軽くて子供たちの背中を保護するランドセルも売れ行きが好調で、単月で5,000個近い量を売り上げた。
momoでは消費者の多様なニーズに応えるため、2019年の販売文具アイテムを昨年同期より3,000個近く増やした。8月上旬から8月末までの文具売上は前月比170%へ達した。
出典:https://reurl.cc/drgROM
台湾三燕文具会社、カラー印刷機を導入〜文房具・事務用品業界動向〜
2019年5月6日の発表によると、三燕文具会社は顧客のカスタマイズに対応するため、精密なカラー印刷設備を導入した。この印刷機械は、色々な文具の表面に色あざやかな模様や写真をプリントすることができる。
三燕興業株式会社は、1964年に創業し、30年間自社のブランドである「COX」の学生用文具やオフィス用具を製造し続けてきた。文具市場の多様化に伴い、新しい文具を研究開発し、消費者ニーズを満足させてきた。同社は新商品の開発以外に、高品質で付加価値の高い商品を目標としている。
同社の工場は台南にあり、商品デザイン・包装デザイン・プラスチック射出成形・ブランキングプレス・特殊印刷など、先進的な生産設備と専門技術職員を有する。近年は世界各地の文具メーカーと契約し、代理販売もしている。
出典:https://bit.ly/2ZFJael
まとめ:台湾の文房具・事務用品業界
台湾と日本の文房具メーカーがコラボレーションする機会も多く、日本製品への注目の高さは続いています。しかしコンピューターの普及などもあり、市場規模としては年々縮小しているので、慎重な姿勢が必要になるでしょう。
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。