2023年8月4日トヨタ中国とPony.aiおよび広汽トヨタは、自動運転タクシー関連事業の合弁契約を締結したことを発表しました。業界内では、顧客サービスの強化、新エネルギー車の急成長、及び先進的な自動運転技術の展開を中心に、急速な進展とグローバルな展望を持つ動きが見られます。
今回は、そんな中国の自動車業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 中国の自動車(製造業)業界
上汽GM五菱、消費者サービス深化のための3つの主要施策を開始〜自動車業界動向〜
2022年12月16日、上汽GM五菱は顧客の満足度を高める製品とサービスを提供し続けるため、広西チワン族自治区消費者権利保護委員会の指導の下、3つの施策を立ち上げたと案内した。
一つは顧客クレームへの対応を30分以内に返答し、48時間以内に解決策を策定するなど顧客サービスに関する施策、、もう一つは納入検査基準の厳密化と欠陥への無償対応、アクセサリー価格の透明化などアフターサービスに関する施策、3つめは「エンジニア対話デー」をもうけるなど、顧客とのコミュニケーションに関する施策である。
上汽GM五菱は、今後も「すべては顧客中心」という考えを貫き、中国消費者協会が立ち上げた「消費経験の最適化と消費の公平性の促進」という大規模な公共福祉活動に積極的に対応していく。
出典: https://www.sgmw.com.cn/news_detail.html?id=2741
吉利汽車、2023年には販売台数165万台の目標を達成する見通し〜自動車業界動向〜
2023年1月13日吉利汽車12単月と2022年通年の販売データを発表した。12月の乗用車販売台数は14万6017台、吉利汽車の累計販売台数は14万6017台となった。2022年通年の自動車販売台数は143万2,988台と約8%増加し、6年連続で生産・販売台数が100万台を超えた。
吉利汽車は新エネルギーの急速な成長に伴い、ブランド価値上昇させてきた。吉利汽車グループは 2023 年に 165 万台の販売目標を設定しており、このうち新エネルギー車の販売目標は 2022 年の総販売台数と比較して 100% 以上増加を見込んでいる。
吉利ブランドは東ヨーロッパ、中東、アジア太平洋、アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパなどの地域での展開を深め、全世界で合計379の販売・サービス拠点を展開している。中東、アジア太平洋、ラテンアメリカ、アフリカではいずれも前年比 48% 以上増加している。
出典: https://m.geely.com/news/2023/202301/2023011301
长安汽车、新シリーズ最初のモデルであるA07を発表〜自動車業界動向〜
2023年7月20日、杭州の良渚文化芸術センターで、長安斉源シリーズの最新モデルであるA07富光が発表された。
富光は東方の自然に由来する古代人の優雅な太陽の名前であり、デザインコンセプトはこの太陽の光の暖かさ、希望を表現している。高級感のあるエレガントな光と影のデザインは、新エネルギー車がどれも似通ったものになりつつある中、型破りで独自のスタイルを持っており、ユウザーに視覚的驚きをもたらすと信じている。
A07富光には業界初の15.4インチの超高解像度コントロールスクリーンが装備されている。業界主流の8155チップが内蔵されており、ユーザーはデジタル世界を楽しむことが出来る。光量も一目で確認できるため、安全性を重視した確実な運転が可能となる。
出典: https://www.changan.com.cn/qiyuan/#/
BYD、2023年フォーチュン・グローバル500で212位にランクイン〜自動車業界動向〜
2023年8月2日、世界のフォーチュン・グローバル500リストが発表され、BYDは212位にランクされた。2022年から224位上昇し、今年最も順位を上げた中国企業となった。
2022年のBYDの年間営業利益は前年比96.2%増の4240億6100万元となり、すべてのコア営業データは過去最高を記録する見通しとなっている。特に新エネルギー車の販売は大幅な成長を遂げており、2022年には新エネルギー車の世界累計販売台数が186万台を超え、世界の新エネルギー車販売数第一位となる予定である。
2022年7月、BYDはブラジルに3つの新工場に投資・建設すると発表、産業チェーン全体の優位性を活用してグローバル展開を加速し、世界の新エネルギー開発の原動力となるよう努めている。引き続き「地球を1℃冷やす」という持続可能なビジョンを掲げ、最先端の技術と多様な製品で世界のグリーンエネルギー化を実現できるよう支援していく。
出典:https://bydauto.com.cn/pc/newsList/detail/?id=440&networkType=dynasty
トヨタ中国とPony.aiは戦略的協力〜自動車業界動向〜
2023年8月4日トヨタ中国とPony.aiおよび広汽トヨタは、自動運転タクシー関連事業の合弁契約を締結。合弁会社は年内に設立され、総投資額は10億元以上にのぼる。広汽トヨタが生産するトヨタブランドの純電気自動車をベースにPCSシステムを搭載するとともに、トヨタ生産方式のメリットを最大限に発揮し、広汽トヨタ販売店の成熟したサービス運営体制を活用して自動運転車両業界をエスコートする。
Pony.aiの共同創設者兼最高経営責任者(CEO)のPeng Jun氏は、「自動運転技術は現在、完全なシナリオ実装の段階に入っており、中国のインテリジェント自動車産業の質の高い発展に向けた勢いを蓄積し続けている。トヨタは、世界的に存在感のある世界クラスの自動車メーカーとして高い評価を得ており、両者の技術を組み合わせて中国の自動運転業界に貢献したい」と述べた。
トヨタ中国は、電動化と知能化を中国に根付かせ、推進するための重要な施策として、提案されている合弁事業において高度な自動運転技術の大規模かつ商用化を推進するだけでなく、量産化の推進も検討していく。
出典: http://www.toyota.com.cn/mediacenter/show.php?newsid=5222
2021年 中国の自動車(製造業)業界
中国の上海汽车グループの2020年第3四半期の業績〜自動車業界動向〜
1978年に設立し、本部を上海市に置く上海汽车グループは2020年度第3四半期の業績を発表した。
報告によると、現在の総資産は約8458億元で、前年同期比-0.41%となった。営業総収入は約4986億元で、前年同期比-14.81%となった。
一方で、営業活動によるキャッシュフロー純利益は前年同期比38.25%増となった。この主な要因は①キャッシュフロー管理の強化②子会社の上海汽車集団財務有限責任会社が、アウトブレイクがもたらす長期的な影響に対応し、グループのキャッシュフローを安全に保つため、資金を取り崩したことがあげられる。
出典:http://www.saicgroup.com/chinese/images/tzzgx/ggb/dqgg/2020ndqgg/2020/10/30/C181099DE8B8413EBCEAB85464A4F382.pdf
中国一汽グループ、海外市場にも積極的に参入〜自動車業界動向〜
1953年に設立し、中国吉林省長春に本社を置く中国一汽グループは、2021年2月の販売台数が23万1800台を記録した。前年比379.2%増の大幅な増加となった。
2021年1~2月、赤旗ブランドの販売累計は前年同期比178.0%増の45535台となった。中でも赤旗H9は主力製品である。販売台数増加は、常に革新を求め続けた成果である。
赤旗ブランドは国内市場だけでなく、海外のハイエンド市場にも積極的に参入しており、40万台の販売目標に近づいている。
出典:http://www.faw.com.cn/fawcn/373694/373706/5351550/index.html
中国重庆长安汽车の2020年第3四半期の業績 〜自動車業界動向〜
中国兵器装備集団有限公司傘下で、1996年に深圳証券取引所に上場した重庆长安汽车は、2020年度第3四半期の業績を発表した。
総資産は約1,114億元で、年初から14.18%増加した。一方、総負債は639.77億元で、年初比19.17%増加した。負債率は57.40%で、年初より2.41ポイント増加した。通貨資金の大幅な増加は、主に今期の経営活動と投資活動への現金純流入によるものである。
その他の収益は前年同期比81.80%増で、主に今期の政府補助金の増加によるものである。
出典:https://www.changan.com.cn/uploads/chan_reportreportfile/42f769f8804b2d7291ae6600d4112272.pdf
中国の安徽江淮汽车グループの2020年第3四半期の業績〜自動車業界動向〜
1964年に設立し、小型トラックやバスなど商用車の生産を強みとする安徽江淮汽车グループは、2020年度第3四半期の業績を発表した。
報告によると、現在の総資産は約459億元で、前年同期比4.72%増となり、営業総収入は約308億元で、前年同期比-17.15%となった。
販売費用は前年同期比‐35.95%で、主に当期に新収入基準を実行したためである。また、投資活動のキャッシュフローの純額は前年同期比1.26億元増加した。これは主に当期の処分資産を受け取った分の増加である。
出典: https://www.jac.com.cn/u/cms/www/202103/17105859srlu.pdf
トヨタ、2020年中国市場の販売実績速報を発表〜自動車業界動向〜
1964年に初めて中国へCROWNを輸出し、その後、独資会社や合弁会社、代表事務所や工場などを創立したトヨタ中国は、 2020年中国市場の販売実績速報を発表した。
発表によると、パートナー及びサプライヤー、ディーラーとの共同努力を経て、消費者の支持の下、中国市場で約180万台の販売台数を記録したとのこと。
トヨタとレクサスブランドは、今後も中国の消費者の「幸福の量産」を使命とし、中国の自動車業界と社会の発展に貢献していく。
出典:http://www.toyota.com.cn/mediacenter/show.php?newsid=5175
2020年 中国の自動車(製造業)業界
万里の長城ホールディングス、中国郵政と締結〜自動車業界動向〜
2019年12月14日の発表によると、万里の長城ホールディングスは、中国郵政と戦略提携協定を締結した。今回の契約は、同社が速達物流、金融、市場開拓など多くの分野での協力を展開し、資源共有を通じて、双方の共同発展を促進するために新たな活力を注入することを目的としている。
委託物流については、工場物流、アフターサービス、備品物流、国際業務、書類及び物品速達などを積極的に推進。金融業務においては、信用融資、個人自動車消費ローン、ディーラー融資、保険、証券、資本運営などの面で協力を展開する予定。
顧客の車の購入及び郵便業務の勧誘をはかるため、ミニカーショー、団体購入会などを利用してクロスマーケティングを展開する。同時に、サービス体系の共同建設、ブランドの宣伝普及、車両販売、ネット予約車のレンタル業務などの面でも共同で進めていくことが発表された。
出典:https://www.gwm.com.cn/news_detail-17141.html
SAICと中国郵政、戦略的協力枠組み協定書締結〜自動車業界動向〜
2019年12月9日、上海汽車集団有限公司(以下は「SAICグループ」と称する)と中国郵政集団公司(以下は「中国郵便」と称する)は上海で戦略的協力枠組み協定書を正式に締結した。双方は、車両調達と車両運用、金融、エクスプレスロジスティクス、市場拡大などの分野で綿密な協力を促進し、新規事業を共同で開発する。
協定書によると、自動車の調達と車両の操作に関して、SAICグループは中国郵便に純粋な電気、水素燃料電池、エネルギー製品、カスタマイズされた製品などの新エネルギー製品を提供して、車両操作などの多様化したニーズを満たす。また、両当事者は、新エネルギーおよびインテリジェント車両の適用を共同で促進することも計画している。
市場の拡大について、中国郵便はネットワークリソース、メディアリソース、顧客リソース、製品リソース、パートナーリソース、データリソースなどの利点を活用し、SAICグループが中国の国内市場を拡大することを支援する予定。
出典:http://www.saicgroup.com/chinese/xwzx/xwk/2019/52696.shtml
中国、吉利自動車は上半期に65万台の販売を記録〜自動車業界動向〜
吉利自動車は2019年7月8日、2019年6月の販売データを発表した。6月の販売台数は90,875台で、前月比で0.63%増。このうち、海外の輸出台数は6,234台に達し、新エネルギー自動車と電気自動車の販売台数は15,985台に達した。
2019年上半期、吉利自動車の累計販売台数は651,680台に達し、累計輸出台数は38,619台で、同期比343.95%増を記録。新エネルギー及び電気化モデルの累計販売台数は57,600台に達し、同期比301.06%増となった。
現在、中米貿易摩擦、新エネルギー車の返品・補充など一連の要因の影響を受けて、国内の乗用車市場は引き続き下降している。そんな中でも吉利自動車は海外市場の開拓が加速しており、新エネルギーと電気車種の販売量が日増しに伸びいる。
出典:https://www.geely.com/geelynews/newslist/2019/20190712-1
“奇瑞ニューリテール”へ。中国の奇瑞汽車、喜相逢と提携〜自動車業界動向〜
2019年12月5日、奇瑞汽車と喜相逢集団有限公司(以下「喜相逢」称する)は、安徽省の蕪湖で最初の車両交付式典を開催した。奇瑞汽車マーケティング公司の副総経理黄招根と喜相逢集団の副董事長叶富偉が交付式典に出席した。
最初の車両の交付後、両社は自動車の「ニューリテール」のプロセスを共同で加速し、自動車のデジタルマーケティングプラットフォームの構築において全面的な協力を行う。
2019年の始めから、奇瑞は「ニューリテール」レイアウトを加速し続けている。多くの自動車「ニューリテール」プラットフォームと協力して、顧客のビッグデータ、人工知能などのリソースを統合し、ユーザーの自動車購入体験を積極的に改善した。
出典:https://www.chery.cn/BrandShow/News?newsid=4bde5be2-f790-4014-a96d-f4e998dccceb
中国の東風日産、ターミナルの最新販売レポート〜自動車業界動向〜
最新の販売レポートによると、2019年11月の東風日産のターミナル販売台数は114,795台に達し、前年と比べて3.3%増加した。同年1月から11月まで、東風日産のターミナルの累積販売台数は1,041,020台に達した。
自動車に関しては、軒逸グループは2019年11月に52,785台の端末販売を達成し、前年比9.5%増加した。1月から11月までの累積端末販売は403,895台になった。第7世代の天籟は11月に10,327台を販売し、4か月連続で10,000台を超えた。
藍鳥の11月のターミナル販売量は4,262台で、前年比24.7%増加し、1月から11月までの累積ターミナル販売量は43,233台だった。ティーダの11月の端末販売台数は6,435台で、前年比47.1%増加した。1月から11月までの累積端末販売台数は68,767台で、前年比22.2%増加した。
出典:https://www.dfmc.com.cn/news/company/news_20191209_0945.html
まとめ:中国の自動車業界
中国では大気汚染や渋滞などの社会問題を解決すべく、各省がナンバープレートの交付の制限を設けるなど自動車産業の向かい風になっているものの、市場規模としては増加傾向にあります。効率的な販売には、親和性の高い異業種との提携がカギになってくるでしょう。
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。