【成長する自動車産業の今】フィリピンの自動車業界

2023年8月8日、ヒュンダイフィリピンは2023年にSMスーパーモールと提携して6つの電気自動車（EV）充電ステーションを設置する計画を報告しました。業界内では各メーカーが新たなプロモーション、拡大戦略、電気車関連の取り組み、および販売業績の向上を見せる活発な動きが続いています。

今回は、そんなフィリピンの自動車業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます！

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2022年　フィリピンの自動車(製造業)業界

トヨタモーターフィリピンは2023年8月31日まで、創業35周年を記念したセールを開催する。顧客は15％の頭金、初年度保険料無料、3年間のLTO登録、動産抵当なしで新車を持ち帰ることができる。

このプロモでは新型のFortuner 4×2 G M/Tを260,400ペソまたはHilux 4×2 E M/Tを176,100ペソで手に入れることができ、現金払いの場合はさらに割引を受けることができる。

また、ロイヤルカスタマーは車両の発売日から18ヶ月以内であれば、最大20,000 KMSまで無料の定期メンテナンスサービスを受けることができる。さらにLite Aceの顧客向けの固定定期メンテナンスパッケージもある。

出典：https://toyota.com.ph/news/Celebrate-Toyota-Motor-Philippines-35-Years-of-Mobility-with-Anniversary-Blowout-Deals

2023年6月5日、三菱モーターズ・フィリピン・コーポレーション(MMPC)は、フィリピン人にとって三菱車がより身近になるよう、セブに新たに2つのディーラーを開設すると発表した。これで国内のディーラー総数は71となる。

セブタリサイディーラーには6台の車のショールームがありサービスエリアには52台の車を収容可能。ゴロルドには4台の車展示、サービスエリアには12台の車を収容できる。どちらもカスタマーラウンジやワークステーション、プレイエリアをがある。

開会式でMMPCのCEOである原武志氏はセブ州でネットワークを拡大できることについて、献身的で勤勉なディーラーパートナーや協力したゲートウェイ・モーターズ・グループへの感謝を述べた。

出典：https://www.mitsubishi-motors.com.ph/articles/mmpc-adds-more-cebu-showrooms

2023年7月17日、FOTONフィリピンは中国で開催されたFOTON Global Partners Conference 2023で少なくとも4つの国際的な賞を受賞し、2つの最優秀個人賞も受賞したと報告した。

このカンファレンスには世界55カ国から集まったFOTONコアディストリビューターが参加し、世界的な戦略的開発の方向性を統一し、グローバリゼーションの成果を共有することを目的としていた。

2021年にFOTONは世界累計販売台数1,000万台を突破し、わずか25年でここまで到達した初の商用車ブランドとなった。フィリピンでは、FOTONの小型トラックモデルが3年連続ベストセラーとなっている。

出典：https://foton.com.ph/2023/07/17/foton-ph-receives-multiple-awards-from-foton-china-hq/

2023年8月8日、ヒュンダイフィリピンは2023年にSMスーパーモールと提携して6つの電気自動車（EV）充電ステーションを設置する計画を報告した。7月20日にモールオブアジアにて正式にそのブランドをスタートさせた。

フィリピンではヒュンダイが少なくとも10社のヒュンダイEV認定ディーラーを設置しており、サービス提供だけでなくAC充電器とDC充電器を備えている。新たに国内の6つのSMモールで充電可能となる。

6つのモールの駐車場スロットにはタイプ 2 コネクタを備えたAC充電器があり、EV およびプラグイン ハイブリッド車のすべての所有者に無料で提供される。使用可能となるのは8～10月を予定している。

出典：https://www.hyundai.com/ph/en/hyundai-story/news.1625.L

2023年7月19日、フォードフィリピンは次世代自動車ラインナップへの継続的な需要を背景に、2023年上半期で好調な小売業績を記録したと報告した。上半期の小売販売台数は前年同期比55％アップの13,838台であった。

最も売れたのはFord Rangerであり、前年比25％アップの5,436台となった。5月下旬に発売開始した次世代Ranger Raptorも、すでに600台近くが売れている。他にも次世代TerritoryやFord Everestも好調な売り上げを見せている。

また、今年初めから新しいサービスイニシアチブを導入し、エクスプレスサービスでは車両のメンテナンスを90分以内で終わらせることができるようになった。

出典：https://www.ford.com.ph/about-ford/newsroom/2023/ford-philippines-posts-55-percent-growth-in-retail-performance-for-first-half-2023/

2021年　フィリピンの自動車(製造業)業界

COVID-19パンデミックの影響により自動車産業の成長の勢いが弱まった中、自動車業界のリーダーであるトヨタモーターフィリピン（TMP）は、2021年の自動車業界に対しては楽観的な見通しであることを発表した。

2020年は厳しい年ではあったものの、TMPは10万台の販売を達成し、市場シェアを41.3％へ拡大したと公表した。同社は業界の回復力を示し、2021年の自動車業界は明るい見通しであることを強調した。

自動車の製造と販売に対するパンデミックの影響を考慮して、投資委員会（BOI）は、包括的自動車復活戦略（CARS）プログラムを拡張する可能性を示唆したことを歓迎し、現地生産を行っているViosとInnovaの販売促進への最大限の努力を約束した。

出典：https://toyota.com.ph/news/tmp-2021-industry-outlook

フィリピンで二番目に大きい日系の自動車企業である三菱自動車（MMPC）は、2021年2月の販売台数が前月比44％増の5,072台となり、堅調な業績を記録したことを発表した。

7人乗りMPV三菱エクスパンダーの販売台数は2,003台で、1月比70％増となった。スマートで実用的なコンパクトセダンであるミラージュG4は、1,078台の販売で前月比94％の上昇を記録したため、最も強い成長を示した。

フィリピン国内で生産されており、信頼性の高いビジネス車両である三菱L300は、同年2月に947台が販売され、同社の2月の順調な売上を加速させる要因となった。

出典： https://www.mitsubishi-motors.com.ph/articles/mmpc-achieves-44-percent-increase-in-february

Hondaのフィリピン現地法人であるホンダ・カーズ・フィリピン・インコーポレーテッド（HCPI）は、四輪完成車の生産を、2020年3月をもって終了することを決定したと発表した。

フィリピン顧客のニーズにあった商品を、適正な価格で提供するには効率的な資源配分・投入が必要であり、アジア・大洋州地域における適正な生産体制を検討したことが撤退の要因として挙げられている。

今後、HCPIは、アジア・大洋州地域を中心とするリソースを活用した供給により、フィリピンでの四輪車販売およびアフターセールス事業を継続し、国内創業以来50年近く継続してきた地域社会への貢献に努めると述べた。

出典： https://www.honda.co.jp/news/2020/c200222.html

トラック、バス、スポーツ用多目的車および農業機械の設計および製造を行う中国企業であるFOTONは、国内有数のテクノロジーベースの配送サービス会社の1つであるJ＆T Expressとのパートナーシップを継続することを発表した。

同社はJ＆T ExpressにFOTONトルネードトラックの追加の購入を提案し、国内のeコマースサービスで重宝される配送サービス会社の効率化を高めた。今後は、リーズナブルな価格で高品質のトラックを探している他企業にも提案していく予定。

J＆T Expressは、2019年にFOTONの車両購入を開始し、現在までに450台以上の商用車を保有している。拡大を促進し、全国にビジネス展開する中で、大きくて丈夫なFOTON商用車の追加購入を決定した。

出典：https://www.foton.com.ph/news-events/jt-express-lauds-fotons-topnotch-quality-with-repeat-orders/

アメリカの多国籍自動車メーカーで、富裕層を中心に人気を集めるFordは、2020年にフィリピン国内でピックアップ、SUVセグメントでリーダーシップを発揮したと発表した。

2020年第4四半期の売上高は前四半期から36％急増し、12月の売上高は前月から30％増加した。フォードレンジャーは、2020年に国内で最も売れた4×4ピックアップ車で、41％の市場シェアを占めた。またフォードテリトリーは国内で最も売れている小型SUVとなった。

同社は現在、ピックアップのラインナップでレンジャーXLS、FX4、ワイルドトラック用の4×4バリアントを提供している。その背景には、拡大する顧客のさまざまなニーズ、ライフスタイル、予算に対応し続けていることが挙げられる。

出典：https://www.ford.com.ph/about-ford/newsroom/2021/ford-philippines-reinforces-leadership-in-pickup/

2020年　フィリピンの自動車(製造業)業界

ソウルに本社を置き、世界第3位の韓国の多国籍自動車メーカーであるHyundai Asia Resources, Inc. (HARI)は、COVID-19のまん延を考慮し、最初のオンラインストアであるHyundai Online Market Experience（H.O.M.E.）を立ち上げた。

H.O.M.E.は、自動車の購入体験を統合した、自動車業界初のWebベースのプラットフォーム。H.O.M.E.では、選択したヒュンダイ車の価格見積を取得できる。位置情報に基づいて優先ディーラーを選択し、銀行に申請してローン承認を取得し、購入した車を玄関先まで届けるワンストップショップである。

同社は本格的なeコマースサイトにある多くの機能を組み込み、CRMプラットフォームと密接に統合することによって、継続的にH.O.M.E.をアップグレードすることを目指している。

出典：https://www.hyundai.ph/mediacenter/news/hyundai-introduces-new-buying-experience-right-from-the-comfort-and-safety-of-your-h-o-m-e

トラック、バス、スポーツ用多目的車および農業機械の設計および製造を行う中国自動車メーカーであるFOTONは、公共交通車両（PUV）近代化プログラムにおいて環境に配慮した新しいジープニーを導入した。

ジープニーは国を代表するPUVだが、これらの車両は90年代から使用されており、通勤者にとっての乗り心地は悪くなっている。さらに、環境に害のある排気ガスを放出し続けており、これらを解決するため政府は2017年にPUV近代化プログラムを立ち上げた。

平均的なジープニーと比較して、新型ジープニーは最大24人の乗客を収容でき、広々としているため、貨物と足元のスペースを最大限に活用できる。乗客のドアが比較的広いため、出入りが非常に簡単なのも特徴。

出典：https://www.foton.com.ph/para-sa-pinas-foton-introduces-all-new-jeepney-for-puv-modernization-program/

フィリピンの富裕層に一定の人気があるFordは、アメリカで43年連続ベストセラートラックに選出されているF-150の国内販売を開始した。

F-150は、「ビルトフォードタフ」の設計と機能、卓越した外観とデザイン、強力なパフォーマンス、スマートで安全な高度テクノロジーにより、トラックのグローバルスタンダードをリードする。フィリピンではthe F-150 4×4 Platinum SuperCrew ATとF-150 4×2 Lariat SuperCrew ATが販売される。

F-150は、フォードの安全スイートであるCo-Pilot 360を備えており、自動緊急ブレーキ（AEB）、アダプティブクルーズコントロール（ACC）、ブラインドスポットインフォメーションシステム（BLIS）、レーンキーピングシステム（LKS）などの衝突前アシスト機能が備わっている。

出典：https://www.ford.com.ph/about-ford/newsroom/2020/ford-reinforces-truck-leadership-launches-f-150-in-the-philippines/

TOYOTAモーターフィリピン（TMP）は、2020年7月に始まる最初のeモータースポーツプログラムであるTOYOTA、GR Supra GT Cup Asiaフィリピンを正式に開始した。

本カップはVIOレーシングフェスティバル（VRF）の先駆けとして、長期にわたるOne-Make-Raceプログラムによるモータースポーツ活動の一環である。同社は最近、COVID-19パンデミックによるリスクを考慮し、VRFの2020シーズンの延期を発表したが、オンラインで行われる本カップは開催される。

18歳以上のフィリピン人ゲーマーは、国を代表して本カップアジア地域予選でアジア太平洋諸国の他の参加者と競争する機会を得る。参加者は、プレイステーションのゲームと、一般向けの2つのクラスで、トヨタの代表的なスポーツカーをレースする。

出典： https://toyota.com.ph/news/Toyota-keeps-waku-doki-spirit-alive-with-GR-Supra-GT-Cup-Asia%E2%80%93Philippines

ディーゼル車に強みを持つMITSUBISHI MOTORS PHILIPPINES （MMPC）は、同社の拠点となっているサンタローザ市におけるCOVID-19のフロントランナーの支援を継続する。

同社は市役所と協力し、COVID-19と闘うフロントランナーを支援する活動を行っている。200名以上のウォーターディスペンサーと50の休憩用ベンチを市に寄付した。

さらに、同社の従業員は余分な廃材と既存の在庫材料を使用して400個のフェイスシールドを製造し、市役所へ寄付している。

出典：https://mmpc.ph/pressrelease/mitsubishi-motors-philippines-continues-aid-santa-rosa-city-frontliners-covid-19/

2019年　フィリピンの自動車(製造業)業界

中古車から新車まで幅広い種類の車、バイクそしてトラックを扱ってる事で有名なローカルディーラーであるCarmudi Philippinesは、取扱自動車メーカーであるトヨタのハイブリッド電気自動車に関する最新情報を自社ホームページにて紹介している。

Toyota Motor Philippines (TMP)は最新の自動車業界の動向と方向性を通じてアカデミーの知識を拡大することを目的に、De La Salle University (DLSU)とのパートナーシップを確立した。 DLSUの機械工学部にて学生と教員は、トヨタの技術専門家が実施する教育セミナーに参加した。

ハイブリッドキャンパスツアーは、持続可能なモビリティに向けた車両の電動化を促進するためのトヨタのグローバルな取組の一部である。フィリピンにおいてトヨタはハイブリッド車がより環境に優しく、エネルギー効率の高い自動車だというスタンスを堅持している。

ロールスロイス、ミニ、そしてベスパなどを扱っている事で有名なローカルディーラーAUTOHUB GROUPは、取扱自動車メーカーであるヒュンダイの受賞に関する最新情報を自社ホームページにて紹介している。

Hyundai Asia Resources、Inc.（HARI）はSalesとAfter Sales部門で3つのトップアワードを授与した。オーストラリアのシドニーで開催された2017年アジア太平洋地域リージョナルエクセレンス賞、シンガポールで発表されたアフターセールスの顧客満足度の優秀賞。また、ベトナムのハノイで授与された2017年ベストセールス賞である。

HARIは、2016年にCVディストリビューター事業に参入した。これは、この地域で唯一の単一ブランドのディストリビューター事業である。 2017年、HARI CV部門は1年間で売上高が883％増加し、13年間の営業におけるかつての販売代理店の最高のパフォーマンスを上回った。

Toyota Motor Philippines Corporation (TMP)は、自動シートフィーダーとアンローダーロボットを備えた1600トンのサーボ式プレス機を含む、10億ペソの新しいハイテクプレスラインを開設した。これは、サイドメンバーパネルの現地生産の開始を意味している。

サイドメンバーパネルは最大のボディ部品であり、車体の他の部分と接触点が多いため、高レベルの精度と品質の成形が必要とされる。サイドメンバーパネルのローカライズを可能にするには、サーボ式プレス技術への投資が必要だった。サーボ式プレスは、高レベルの精度、優れた成形性、再現性を実現する。

TMPは、地元の自動車産業でこの種のプレス技術を利用した最初の企業である。新しいラインは、年間66,000台の生産能力を持ち、TMPの既存の機械式プレスラインと外部プレス部品の生産を補完する。これは、包括的な自動車再生戦略（CARS）プログラムに基づくTMPの最大規模のローカリゼーションプロジェクトとなる。

Honda Cars Philippines, Inc. (HCPI)は、 新しい企業ウェブサイトの開設を発表した。今までと同じURLアドレスを持つ新しいWebサイトは、Hondaのお客様にニーズを提供できる関連情報をより速く、使いやすく、ナビゲートし、充実させることができるようになった。

シンプルで合理化されたデザインを特徴とするこの新しいWebサイトは、情報の検索に役立つさまざまな機能とツールをもつ。車種モデルごとのページ、最新の価格表、顧客が好みの車種の支払いモデル計算などである。

自動車販売関連の機能に加えて、ウェブサイトではアフターサービスに関する関連情報も提供する。メンテナンスのスケジュールとコスト、部品のチェックと交換ガイド、顧客がメンテナンス費用を節約するために利用できるプログラム、および毎月のプロモーションなどが含まれる。

フィリピンでは自動車の製造やノックダウン（CKD）産業を育成するため、自動車開発プログラム （Motor Vehicle Development Program）を制定し、特定の場合を除き、中古車の輸入を禁止しています。このような政策に注目することで、今後のビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。