シンガポールの金融業界では、SMBCグループが「アジアマルチフランチャイズ戦略」を展開し、アジア事業の強化と現地金融機関への出資・買収を進めています。同様に、Maybankは2023年上半期において純利益が前年比26.0%増の46億RMに達し、グローバル・イスラム金融のリーダーになる目標に向けて「センター・オブ・エクセレンス」を開発し、イスラム資産管理能力を向上させています。さらに、シンガポールの金融界では再生可能エネルギーやAIテクノロジー、インパクト投資などに関するサステナビリティに焦点を当て、専門家が参加してエコシステム内での実践方法について積極的に議論が行われています。
今回は、そんなシンガポールの銀行業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
読了時間の目安:5分
2023年 シンガポールの銀行(金融・法人サービス)業界
Bank of Singapore、「持続性サミット」開催
Bank of Singaporeは2023年9月28日11:30-14:30に「Sustainabilitry Summit 2023」を開催することを案内した。
現在、記録的な暑さや極端な気象変化が発生している。気象関連の災害は人命にかかわり生活やビジネスに混乱をもたらす。存続の脅威からシンガポールは2050年までに実質ゼロ排出を目標にしている。ネットゼロへの移行には、地域社会と個人のすべてが低炭素の未来における生活、仕事、遊び方を変革する重要な役割を担っている。
サミットでは、再生可能エネルギーやAIテクノロジーの利用やインパクト投資まで、さまざまなサステナビリティトピックに関する専門家が参加し、エコシステム内でサステナビリティを実践する方法に焦点を当てて論議が行われるとのこと。
出典:https://www.bankofsingapore.com/events/bank-of-singapore-sustainability-summit-2023.html
DBS Bank、2022年増収増益で好決算
DBS Group Holdings Ltdは2023年3月9日、2022 Annual Reportを公表した。
DBSグループの2022年売上高は165億SGD、前年比116%と二桁成長を達成した。純利益は82億SGD、前年比120%と過去最高を記録し、自己資本利益率 (ROE)は15%を達成、これまでの最高値である12~13%より大幅に高くなっている。
売上高の内訳は純金利収入が109億SGDで前年比130%と大幅増収であった。とりわけ、コンシューマー・バンキング/ウェルス・マネジメント部門は堅調で、67億SGDで前年比125%であった。一方、金利以外の収入は56億SGDで前年比97%と減収であった。不確実な市場環境の中で資産管理手数料や投資銀行手数料が低下したことが減収の要因。
出典:https://www.dbs.com/iwov-resources/images/investors/annual-report/dbs-annual-report-2022.pdf?pid=sg-group-pweb-investors-pdf-2022-a-different-kind-of-bank
https://links.sgx.com/1.0.0/corporate-announcements/9VHRMGDLS22374DG/b1f2b3c5dc2dca826fba4e2b4b27c3eab110a3eede99768f051fc34099865912
SMBC、「SMBC Asia Rising Fund」設立
三井住友銀行は2023年5月9日、コーポレートベンチャーキャピタルファンド「SMBC Asia Rising Fund」(CVC)設立について明らかにした。
SMBCグループは、「アジアマルチフランチャイズ戦略」のもと、既存のアジア事業の強化を図るとともに、現地金融機関への出資・買収によるアジア事業の拡大を推進している。
三井住友銀行は、大手金融機関として持つ強固なグローバルネットワークとスタートアップ投資の高度なノウハウを結集し、アジアの有力企業への投資を行うことを目的として、アジアの高い潜在力を持つスタートアップ企業への投資を通じた事業開発とパートナーシップの加速を行うためシンガポール共和国にインキュベイトファンド(IF)とCVCを設立する。
出典:https://www.smbc.co.jp/news_e/pdf/e20230509_02.pdf
City Bank、2023 CX IndexでNo.1
2023年9月13日、Citybank Singaporeはフェースブックで、世界的な調査会社 Forrester が毎年実施しているシンガポールの顧客体験調査(CX Index)においてCitybank Singaporeが3 年間で 2 回目のトップにランクされたことを発表した。
この実績は、対面でのやり取りからデジタルタッチポイントに至るまで、顧客に優れたサービスを提供するというCitybankの献身的な取り組みによるものだと説明している。
Forresterのホームページによると、CX Index 2023の結果は、マルチチャネル銀行間で全体的に CX の質が低下。CitybankとDBS BankはCXスコアを向上。Standard Chartered Bank、OCBC BankとUnited Overseas Bank (UOB)らはスコアを低下させたとのこと。
出典:https://www.facebook.com/CitiSingapore/posts/pfbid0oLmtgpGX5CzumY5pyLM5qLdse1154aJJVb6qqtQSQAc8DxXcJfidrTdAvaLntDmul
https://www.forrester.com/press-newsroom/forrester-singapore-banking-2023-cx-index/
Maybank、2023年上半期二桁増益達成
2023年8月30日、資産規模で東南アジア第 4 位の銀行であるMaybankは2023年上半期の決算概況を発表した。純利益は前年同期比 26.0% 増の 46 億RMと大幅に増加。税引前利益(PBT)は21.8%増の64億RMとなった。
この上半期の好調な業績は、世界的な課題に直面しているにもかかわらず、メイバンクが持つ強力なフランチャイズとM25+戦略によるもの。
今後さらに、Maybankは、ASEANの持続可能性のリーダーになるべく、グループと顧客の低炭素経済への責任ある移行をサポートし、グローバル・イスラム金融のリーダーになるというグループの目標に導く「センター・オブ・エクセレンス」を開発することで、イスラム資産管理能力を深化させていくとのこと。
出典:https://www.maybank2u.com.sg/en/personal/about_us/maybank-singapore/newsroom/2023/30-aug-2023.page
2021年 シンガポールの銀行(金融・法人サービス)業界
シンガポールのUOB、SBFと戦略的パートナーシップを締結〜銀行業界動向〜
ローカルの大手銀行であるUOBは、シンガポールでの越境ビジネスの機会を増やすためにSingapore Business Federation(SBF)との戦略的パートナーシップを発表した。
今回の締結により、国内のビジネスを提携することのみならず、2万7000人以上のSBF会員に対してアセアン各国(特にインドネシア、ベトナム、タイ)でのビジネス機会を提供することが出来る。
UOBの外国直接投資(FDI)アドバイザリーユニットは2011年に設立され、3,500を超える企業に対し、地域全体で事業を拡大するための支援を行ってきた。SBFとの共同の取り組みを通じて、ダイナミックなビジネスの構築を支援することで、より多くの企業が繁栄し、成長することを見込んでいる。
出典:https://www.uobgroup.com/web-resources/uobgroup/pdf/newsroom/2021/UOB-SBF.pdf
OCBC、シンガポール国内初の「エコケア」住宅ローンを開始〜銀行業界動向〜
OCBC Bankは、国内初の「エコケア」住宅およびリフォームローンを開始した。ローン申請者の適格性を判断する基準として、建築建設庁(BCA)の熱帯住宅エネルギー効率評価(THEEA)を活用する。シンガポールで住宅ローンやリフォームローンを申請するための前提条件としてTHEEAが使用されるのはこれが初めてである。
「エコケア」住宅およびリフォームローンの下で優遇料金の資格を得るために、公的および私的住宅の両方の借り手は、THEEAに合格する必要がある。
合格するには、顧客は住宅設計(ソーラーウィンドウフィルムの使用)、エネルギー効率の良い家電の採用、エネルギー消費を規制する特徴を持ったスマートホームという3つの条件をクリアしなければならない。(例:エアコン制御用のスマートサーモスタット)
出典: https://www.ocbc.com/group/media/release/2021/singapore_first_eco_loan.page?
シンガポールのDBS、早期退職を促進する新サービス開始〜銀行業界動向〜
DBSは、シンガポール国民の早期退職を促進する新たなソリューションの提供を開始したと発表した。これには、現在の財政状況に基づいて顧客の将来の退職ニーズを予測できる新しい「MapYourMoney」インタラクティブダッシュボードが含まれている。
同社はまた、顧客が不動産計画のトピックをよりよく理解するのに役立つ退職計画ポータルを導入し、CPF指名などの関連サービスにアクセスして、Lasting Power of Attorney(LPA)を作成および設定する。
また、中央積立基金(CPF)理事会と銀行間の初めてのコラボレーションでは、DBSとCPFが協力して、銀行のウェルスプランニングマネージャーとローンスペシャリストにCPFスキームのトレーニングを行っている。
出典:https://www.dbs.com/newsroom/DBS_launches_new_solutions_to_bolster_Singaporeans_retirement_plans_and_financial_resilience_amid_tough_times
Citi Bank、シンガポールでデジタルクレジットカードを導入〜銀行業界動向〜
Citi Bankは、シンガポールでデジタルクレジットカードの導入を発表した。デジタルクレジットカードの利用者は、オンライン支払い、ApplePay、GooglePay、SamsungPayの登録などができるようになる。
新規クレジット顧客は、CitiMobileアプリ– Citi’sを通じてデジタルクレジットカードを受け取る。クレジットカードの申込が承認されると、カード所有者は通知を受け取る。
電子メールまたはSMSを使用して、オンラインバンキングアカウントを作成し、オンラインバンキングのアカウントが作成されると、デジタルクレジットカードはアプリですぐにプロビジョニングされ、クレジットカードを提供することができる。
出典:https://www.citibank.com.sg/global_docs/pdf/press-release-citi-launches-digital-credit-card-first-in-singapore.pdf
シンガポールのHSBC、独立形資産管理デスクを設置〜銀行業界動向〜
シンガポールのHSBCプライベートバンキングは、顧客に代わって資産を管理するファミリーオフィスや、独立したアドバイザーのニーズに応える専用の独立資産管理(IAM)デスクを立ち上げた。富裕層の顧客はIAMを任命して資産を監督でき、IAMはプライベートバンクと提携して資産投資の助言と実行を提供することができる。
デスクはIAMと緊密に連携して、銀行がクライアントに最高のサービスを提供できるようにしている。IAM業界はウェルスマネジメントにおいて急速に成長しているセクターである。クライアントの意識の高まりと独立したアドバイザリーサービスに対する需要は、専門のIAMアドバイザーの開発に拍車をかけている。
Asian Private Bankerの調査によると、香港とシンガポールには現在160のIAMがあり、約915億米ドルの資産運用を管理している。これは市場シェアの5.5%に相当する。
出典:https://www.about.hsbc.com.sg/news-and-media/hsbc-private-banking-in-singapore-launches-independent-asset-management-desk
2020年 シンガポールの銀行(金融・法人サービス)業界
銀行業界大手のMUFG、シンガポールのGrabに7憶600万USドルを投資
三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は、GrabHoldings Inc.に対し、次世代の特注金融サービスを共同で開発するために最大7億600万ドルを投資する契約を発表した。これにより、MUFGは東南アジア地域での金融包摂を後押しすることができる。
GrabはMUFGに「First Choice Bank」ステータスを付与し、シンガポールのパートナー銀行として契約している。両社は金融のニーズによりよく応えるため、顧客の声を反映したサービスを提供し、Grabのユーザー、ドライバーパートナー、マーチャントパートナーのニーズを捉えた、革新的な金融システムを共同開発する。
過去7年間で、Grabは配車アプリから食品や小包の配達、デジタル決済、ホテル予約など複数のサービスを提供するスーパーアプリへと成長した。なお、2018年にはGrab Financial Groupを立ち上げ、フィンテックプラットフォームとして、支払い・送金サービス、マイクロレンディング、マイクロ保険サービスをGrabユーザー、ドライバーパートナー、マーチャントパートナーに提供している。
出典:https://www.mufg.jp/dam/pressrelease/2020/pdf/news-20200225-002_en.pdf
シンガポールで銀行業界大手のUOB、中小企業支援のため40億ドルの融資を承認
国内のローカル銀行のUOBは、政府がローンのリスクシェア率を90%に高めたことを受け、一時的なブリッジローンプログラム(TBLP)に基づき、40億Sドルの融資を承認したことを発表した。
これはCOVID-19により打撃を受けている、建設、小売、ホスピタリティ業界の中小企業が対象となっている。UOBは、クライアントが必要としている資金を低金利でアクセスできるようにするために、シンガポール金融庁(MAS)やSGD Facility for Enterprise Singapore(ESG)とも協力している。
資金が可能な限り迅速に支払われるように、UOBはローン全体をデジタル化した。クライアントは約1週間で資金を受け取るための申請プロセスを完了することができる。
出典:https://www.uobgroup.com/web-resources/uobgroup/pdf/newsroom/2020/UOB-Temporary-Bridging-Loan-Programme.pdf
シンガポールで銀行業界牽引のDBS、国内で新卒2000人以上を雇用予定
シンガポールの政府系大手銀行のDBSは今年、国内で2000人以上の新規採用を予定していることを発表した。このうちの1,000人以上は、新卒者採用者と経験豊富な専門家向けのより専門的な役割を担当する人が占めている。
また、DBSはコロナウイルスの影響で出勤ができない場合でも、1万2千人の社員に対して給与を全額支給を公約している。サーキットブレーカー時はe-learningを有効活用し、個々のスキルを向上させるよう促進している。
毎年開催されいているインターンシッププログラムも継続予定で400人以上を対象に実施する。他にも南洋工科大学のビジネススクールと協力し、将来の銀行業界のリーダーを育成するためのプログラムなども行っており、雇用創出に貢献している。
出典:https://www.dbs.com/newsroom/DBS_to_hire_over_2000_people_in_Singapore_this_year_committed_to_creating_and_protecting_jobs_amid_pandemic
シンガポールのOCBC Bank、デジタル決済を強化〜銀行業界動向〜
OCBC Bankは2020年1月にGoogleと提携し、最新のGooglePayアプリを導入。OCBCの顧客は、シンガポールで初めてGoogle Payの拡張機能を使用して、アカウント間のPayNow資金送金を行うことができる。このサービスは現在テスト段階にあり、OCBCの一部の顧客は銀行口座をリンクしてデジタル決済を行うことができる。
PayNowは、顧客の銀行口座間で直接シームレスなデジタル決済を可能にする。シンガポール銀行協会の数値によると、2019年の上半期には46億ドル相当に及ぶ2,800万回ものPayNow取引が行われた。シンガポール政府も、eペイメントにさらに力を入れるようシンガポール人に呼びかけている。
iOSとAndroidの両方のデバイスでGoogle Payが有効になっているため、Google PayとPayNow統合のリリースは、シンガポールでのPayNowの採用と使用に大きな影響を与えるだろう。
出典:https://www.ocbc.com/group/media/release/2019/ocbc-partners-google-to-enable-digital-payments-leveraging-paynow.html
シンガポールで銀行業界大手のBOS、データイノベーションのチーフを任命
Bank of SingaporeはCeline Le Cotonnec氏をデータイノベーションのチーフに任命したと発表。これにより、分析と革新的なテクノロジーを活用してクライアントに質の高いインサイトを提供し、デジタル変革プログラムの一環としてビジネス効率を最適化することが可能になる。
実際に、クライアントのリスク分析などのプロセスでデータ、人工知能、機械学習を利用することにより、40%以上の時間の節約につながり、従業員がより価値の高い活動に時間を費やすことができたというデータが出ている。
Le Cotonnec氏は、アジアにおけるビジネス変革とデータ分析の分野で15年以上の経験を積んでいる。彼女は前職のAXA InsuranceSingaporeで、データ分析と人工知能の実用に尽力し、顧客エクスペリエンスを強化し、データイノベーションオフィサーとして新しい収益を生み出した経歴がある。
出典:https://www.bankofsingapore.com/media-releases/2020/bank-of-singapore-appoints-chief-data-and-innovation-officer.html
2019年 シンガポールの銀行(金融・法人サービス)業界
シンガポールで銀行業界大手のBOS、欧州ウェルスマネジメントをローンチ
大手金融サービスグループ、OCBC Bankのプライベートバンキング部門、バンク・オブ・シンガポール(BOS)は、2019年4月3日、資産管理子会社であるBOS ウェルス・マネジメント・ヨーロッパ S.A.(BOSWM)を正式に立ち上げたと発表。BOSのヨーロッパにおける金融サービス事業を展開する。
同社はヨーロッパでのプレゼンスを高め、新たな成長段階を模索する。BOSは今後5年間で24%の収益増加を見込んでいる。
BOSは、「ヨーロッパは我が社の事業において、非常に重要なセグメントを占める地域だ。ロンドンとルクセンブルクという主要な金融拠点にBOSWMを設立したことで、この地域の超富裕層および富裕層を中心に金融サービスを提供し、市場シェア獲得を進めていきたい」とコメントしている。
出典:https://www.bankofsingapore.com/media-releases/2019/bank-of-singapore-officially-launches-european-wealth-management-subsidiary.html
シンガポールのOCBC、MyInfoと金融サービスを拡大〜銀行業界動向〜
OCBC Bank(OCBC)は、2019年5月15日、すべてのシンガポール国籍保持者および永住者に対し、既存の口座がなくても、顧客が利用したい主要な金融商品に対する即時承認と即時利用が提供できるようになったことを報告した。
OCBCは国内のデータリポジトリ(データベース)のMyInfoとOCBC独自のリアルタイムデジタルKYC(本人確認サービス)を活用し、顧客は支店にてクレジットカード、デビットカード、個人ローン、銀行口座などを申請し、それらを即座に利用することが可能となった。
OCBCは、MyInfoとOCBCのデジタルKYCプロセスを活用して、顧客が即座に新しい銀行口座を開設できるようになった初の銀行となった。
出典:https://www.ocbc.com/group/media/release/2019/150519_instant-application-approval-use-consumer-banking-products.html
シンガポールで銀行業界大手のUOB、Mastercardとメタルカードを発行
2019年5月28日、UOBはMastercardと提携し、アジア太平洋地域初となる中小企業(SMEs)向けのメタルカード、UOB レガル・ビジネス・メタルカードを発行したと発表した。
UOBとMastercardは、中小企業の上級幹部に対して、コマーシャルカードがどのように活用されているかを詳細に検討した。調査結果によると、4人に3人の中小企業の上級管理職は、四半期に2回出張し、ビジネス関連の旅行に月平均4,800ドルを費やしているということが判明した。回答者はまた、ゴルフや顧客との食事などに月平均2,300ドルを費やしている結果となった。
これらの調査結果を踏まえ、 UOB レガル・ビジネス・メタルカードは、一般的なクレジットカードでは利用できない空港でのラウンジやゴルフ場などの包括的な旅行特典を提供できるようデザインされている。
出典:https://www.uob.com.sg/web-resources/uobgroup/pdf/newsroom/2019/UOB-Regal-card.pdf
シンガポールのMAS、AFFとフィンテックに関する協働で合意〜銀行業界動向〜
シンガポール金融管理局(MAS)とアジア太平洋金融先物取引調査研究所 (AFF)は、フィンテック分野における学術交流、情報共有および研究協力を促進するためのフィンテック協力合意書に署名した。
これは、シンガポールと中国のビジネス界、学界、シンクタンクの間のさらなるコラボレーションを促進することを目的としている。この協定のもと、シンガポールと中国の金融機関の間で、フィンテックを積極的に活用することで顧客へ付加価値を提供するため、より広い分野にわたり協力関係を促進することを確認した。
「今回の署名は、シンガポールと中国のフィンテックに関するより緊密なパートナーシップ関係に向けた大きな一歩である。両国において、より活気に満ちた世界規模のフィンテックを育成するため、中国におけるフィンテックコミュニティとの知識共有及び金融分野に関する深い協力を期待している」とMASはコメントしている。
出典:http://www.mas.gov.sg/News-and-Publications/Media-Releases/2019/MAS-and-Asia-Pacific-Future-Financial-Research-Institute-Cooperate-to-Promote-FinTech-Innovation.aspx
2018年 シンガポールの銀行(金融・法人サービス)業界
シンガポールで世界初の統一決済QRコード「SGQR」とは?〜銀行業界動向〜
2018年9月17日、シンガポール・クイック・レスポンス・コード(SGQR)が正式に開始された。複数の決済QRコードを1つのSGQRにまとめることができるため、消費者と販売者の双方にとってモバイル決済がこれまで以上にシンプルとなる。SGQRは、PayNow、NETS、GrabPay、Liquid Pay、Singtel DASHなど27の決済手段で導入され、今後6ヶ月にわたり徐々に普及が進められる予定である。
SGQRは消費者にとって、簡単かつ迅速で、安全な決済方法ある。「Pick」、「Scan」、「Pay」の3ステップで支払いを完了することができる。
販売者は、複数のQRコードを統合し、SGQRラベルを1つだけ表示すればよいこととなる。このため、店頭での消費者の混乱を軽減でき、支払処理が迅速となる。また、SGQRは専用端末を必要としないので、様々な電子決済を取り入れるよりも安価な方法となる。
出典:http://www.mas.gov.sg/News-and-Publications/Media-Releases/2018/Singapore-Introduces-Worlds-First-Unified-Payment-QR-Code.aspx
ブランドバリュー前年比20%増!6年連続トップを維持、シンガポールのDBS〜銀行業界動向〜
「トップ100シンガポールブランド」レポートによると、DBS銀行のブランド価値は65億米ドルとなり、シンガポールで6年連続のトップブランドを維持した。
DBS銀行のブランド価値は2017年から前年比20.3増となる11億米ドルに達した。これは、シンガポールのトップ100ブランドの平均ブランド成長率の9%の2倍であり、シンガポールのトップ10ブランド全体の45%以上のブランド価値向上に寄与した。
DBS銀行は、「今年は設立50周年の年でもある。6年連続でシンガポールを代表するブランドとなり、2度目の世界一のデジタルバンクと認知されたことは名誉なことである」とコメントしている。
出典:https://www.dbs.com/newsroom/DBS_continues_to_dominate_as_Singapores_most_valuable_brand_for_sixth_year_running
シンガポール銀行、SMBC信託銀行との提携に向け書面契約へ〜銀行業界動向〜
2018年5月21日のプレスリリースによると、シンガポール銀行とSMBC信託銀行は、日本の顧客に向けたグローバルな投資機会の提供と、多様なポートフォリオの構築を目的としたパートナーシップを結ぶことに合意(了解覚書; MoU)した。
同MoUにより、日本の超高所得および純資産を保有する投資家の間でシンガポール銀行の知名度を大幅に向上させることがねらい。2017年におけるこの投資家セグメントの年率成長率は19%と高く、運用資産残高(AUM)の成長が堅調である。
シンガポール銀行は格付け会社Moody‘sによる評価がAa1と高い。また、SMBC投資信託は、同社のリサーチおよびコンサルティング、オープンアーキテクチャ製品プラットフォームを用いた幅広く革新的な投資ソリューションを高く評価している。
出典:https://www.bankofsingapore.com/media-releases/2018/bank-of-singapore-inks-mou-with-smbc-trust-bank.html
シンガポールで銀行業界牽引のHSBC、新支店立ち上げで新たな段階へ
HSBC銀行は、シンガポールの中心地、Raffles Placeでリテールバンキング部門を正式に立ち上げた。これはHSBC支店内での財務アドバイザリー活動の拡大に焦点を当てたものである。より広義には新たな3カ年計画の一環として、消費者およびホールセール・バンキング事業全体でシンガポールへの投資を増やすことを意図している。
HSBCによると、多くの顧客は既にオンラインおよびモバイルバンキングプラットフォームを活用しているが、同社は人と人のコミュニケーションをより重視する。対面を通じたやりとりが資産アドバイスや投資計画、および資産保護において生きるという考えを示している。
HSBCは支店新設をシンガポールにおけるプレゼンス向上を目指した中期戦略計画の起点に置いている。同国が担う、ASEANのマクロ経済と経済開発をリードする役割を後押しする考えだ。
出典:https://www.about.hsbc.com.sg/-/media/singapore/en/press-releases/180319-pws-news-release-rp-branch-opening-final.pdfSingapore
まとめ:シンガポールの銀行業界
政府、銀行ともに積極的に新たなテクノロジーを取り入れるシンガポール。アジア有数の金融ハブ、シンガポールの銀行業界では今後も大きなビジネスチャンスを期待できるのではないでしょうか?
2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。
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