台湾のシンボルでもある台北101が世界で最も影響力のある高層ビルに選ばれ、台湾の建設業のレベルの高さを世界的に注目される機会となりました。
今回は、そんな台湾の建設業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2023年 台湾の建設(建設・インフラ・個人サービス)業界
遠雄建設2022年連結売上高は266億台湾元
遠雄建設が株主総会を開き年次事業報告などを行い、2022年の連結売上高は266億台湾元、税引後純利益は55億台湾元、税引後純利益率は21%となったと報告した。また、2022年の収益の80%は桃園北部のプロジェクトによるもので、総認識額は214億台湾元であった。
2022年の第4四半期以降、国際情勢の混乱と将来の世界経済に対する否定的な期待により、全国の建築販売及び取引の登録建物数は2四半期連続でそれぞれ25%及び24%減少した。
疫病の状況や資材不足、例年における作業ラッシュが建設スケジュールに大きな影響を与え、完成住宅件数の減少につながったが、遠雄建設は操業ペースの調整を完了し、年間完成住宅件数の合計は、今後3年間で200件に増加すると予想されている。
新潤建設が世界的な建築チームと協力し ランドマークを創造
新潤建設が、南京大道の南京東路のセクション3に、ニューヨークのHandel Architectsと世界的ブティックホテル設計の米国HBA、そして100年の歴史を持つ日本企業の清水建設を含む3つの世界クラスの建築チームと協力して、世界的なランドマーク「新潤朗格」を創造する。
南京大道は、常に台北の商業と金融産業の本拠地であり、新光グループだけでなく、華南グループ、國泰、富邦などの大手企業は早くからここに参入しており、また、ネジメーカー、コンピューターメーカー、エレベーターメーカーなどの多くの隠れた台湾のチャンピオン企業がここで財を成し、舞台を世界に広げ、国際的なスターホテルなどにとっても中軸となっている場所である
各建築チームの代表的なプロジェクトとしては、Handel Architectsの国立911記念博物館や米国HBAのドバイ スカイライン ランドマークホテル、清水建設の国立代々木競技場などがある。
出典:https://shinruenn.com.tw/news
鹿島建設によるFamilyMart 新物流センターが完成
鹿島建設によるファミリーマートの「新花蓮物流センター」が無事完成し、盛大に竣工式が執り行われた。この新たな物流センターは、東部の人々や加盟店へのサービス向上のために5億6,000万台湾元が投資され、今後の台湾ファミリーマートの事業拡大に大きな力となることが期待されている。
ファミリーマートのジェネラルマネージャーは、新型コロナウィルスの影響で、電子商取引と冷凍食品のビジネスチャンスが爆発的に拡大したと同時に、店舗数は着実に増え続けており、物流能力の需要も高まっていると述べた。
今回竣工した、花蓮物流センターに加えて、近年、台湾ファミリーマートは高雄と瑞芳に多温度物流センターを、中歴と台南に電子商取引サテライト倉庫を相次いで立ち上げている。
忠泰建設とTCCが協力し低炭素住宅を建設
忠泰建設は、長い歴史を持つ台湾のセメント会社TCCと正式に契約を締結し、両社は新竹県のTCC旧工場の約6,508坪の土地を共同で使用し、低炭素建材を採用した新世代の低炭素住宅の開発を行うと発表した。
この開発プロジェクトでの建築面積は25,078坪、総販売額は90億台湾元に達すると見込まれており、2025年に先行販売を開始し、2028年に完成予定である。
忠泰建設とTCCは同じ信念を持ち、経済活動と発展を追求しながら生態環境との調和に努め、地球の持続可能な発展に尽力していく。同時に、TCCは新しいセメントとコンクリート製品を積極的に開発しており、忠泰建設はエネルギー貯蔵、創エネルギー、グリーンエネルギーなどの分野にも取り組んでおり、其々が進歩を続けている。
出典:https://www.taiwancement.com/tw/newsArticle.html?id=885
2024年以降は続々と新プロジェクトが竣工予定
土地権利均等化条例と住宅貯蔵税2.0の改正は、相対的に見て企業より住宅市場が影響を受けていると感じ、興富發建設は、2024年からプロジェクト推進戦略を大幅に変えてマイクロオフィス市場を戦略していく。また、2024年以降は、新規プロジェクトが続々と竣工・決算され、中長期的な業績成長が確実となる。
2023年の業績は、仕事不足とプロジェクトの進捗状況の影響を受け、新規プロジェクトの完了額は、125億6,500万台湾元に減少、台中の総売上高49億9,600万台湾元の「TOP1世界貿易センター」、台北の総売上高75億6,900万台湾元の「興富發T1」の2大プロジェクトが牽引した形となった。
2024年以降で見ると、2023年の一部の案件が2024年に延期されるため、新規プロジェクト完了額は360億台湾元と推測され、、2025年には858億台湾元に急増し、2026年には825億台湾元、2027年には1,132億台湾元に再急増を見せ、その後、2028年に741億台湾元、2029年に445億台湾元の新規プロジェクトが完了すると予想されている。
出典:https://www.highwealth.com.tw/news_page.php?SN=811
2021年 台湾の建設(建設・インフラ・個人サービス)業界
台湾の江翠北側の物件、売れ行き好調〜建設業界動向〜
新北市に本部を置く重徳建設株式会社は、板橋江翠の北岸宛如大直エリアで再計画を行い、「藝樹家(アートツリーハウス)」というテーマで緑の多い環境の住宅販売を開始した。
台湾人は生活の質を重視するようになっており、帰宅後はゆったりとした時間を楽しみたいと思っている。都心部では川や緑など自然の景観に恵まれた環境はほとんどないため好評を得ている。江翠北側は、河岸や商業センターにも近いという条件から、近年住宅価格は上昇しており、近隣のMRT駅付近の住宅価格も上昇している。
永水特別区の緑化率は73%で、8つの公園があり、新北市で最も快適で自然な生活圏となっている。
出典:https://www.mawder.com.tw/core/NewsContent.php?id=509
新潤にて台湾初の抗菌エリア付き住宅〜建設業界動向〜
台北市で有名な建築ブランドである新潤建設機構(以下新潤)は、成立20年以来5000戸以上の住宅を建設してきた。
同社は「若者の夢の実現を支援する」という理念を持つ。台北市と新北市の中心地は地下が高騰しており、若者には手が届きにくいことを受け、台湾初となる「全年齢酸素住宅」を立ち上げ業界を牽引した。手ごろな価格でより良い建築材料を採用したことで、顧客から高い支持を得た。
この住宅では、24時間クラウドリアルタイム監視を行って住人の健康を保護している。また、クリーン・疫病予防公共エリアも標準装備している。疫病予防の公共エリアスペースでは、医療級のエレベーター清浄機や空気清浄機、オゾン発生器などが設置され、台湾で唯一の抗菌・エピデミック予防公共エリアがつくられている。
出典:https://www.shinruenn.com.tw/news
台湾のB&B Italia、大陸建設と提携〜建設業界動向〜
イタリアのトップ家具ブランドであるB&B Italiaは、大陸建設と提携し、台湾初のB&BHOUSEを立ち上げた。平面配置、空間スケール、家具まで、世界で最も優れた建築家やデザイナー、アーティストの作品を集めて、オールラウンドな空間美学を形成した。
限定20戸のB&BHOUSEは、イタリアのクラシックデザインで、台中七期「丽格」のみに建築される。
同社のゼネラルマネージャーであるPaoloBottegal氏は、「世界で唯一のB&Bハウスは、アントニオチッテリオによって設計され、大陸建設のトップレベルの建築品質能力に賛同し、総代理店である栢悅國際を通じて共同で完成させるという合意に至った。」と述べた。
出典:https://www.continental-propertydevelopment.com/zh/information/latest-news/2020101901
台湾の遠雄グループ、本部を「遠雄國際中心」へ移転〜建設業界動向〜
1969年に建設事業を設立し、51年を迎えた遠雄(ファーグローリー)グループは、環境と従業員に優しいオフィススペースを作るために、傘下の遠雄建設などのオフィスを遠雄金融中心から遠雄國際中心に移転した。
主に賃貸投資率を考慮し、また同僚同氏が親しみやすいオフィススペースにすることを前提するために、関連会社の本部を移転したとのこと。
遠雄建設、遠雄營造は2021年1月に移転し、遠雄房地産は同年2月に移転を完了した。他にも事業総合管理事務所と東源營造、遠雄創藝など、次々と遠雄國際中心へ入る予定。
出典:https://www.farglory.com.tw/news/news/detail/276
台湾の桃園市を投資に適した都市へ〜建設業界動向〜
桃園市は産業の発展を積極的に支援している。工業地帯では人工知能、5G、AIOT、スマート自動車、クラウドなどの次世代産業を推し進めているとのこと。
特に航空都市計画は多くのメーカーの注目の的となっている。これを受け、各投資案件を円滑に進め、より多くの雇用機会を創り、桃園市を投資に適した都市にすることを目指している。
台湾の経済部が投資した3つの主要プロジェクトの合計額は1兆1,000億元を超え、桃園への投資金額は2300億元、107社以上に達している。台湾の優れた防疫対策により、より多くの企業が台湾へ投資するようになった。桃園市政府チームは、同市に工場を建設する際に企業を迅速に支援した。これにより今後桃園市への投資機会が増えると考えられている。
出典:https://www.yi-cheng.net.tw/newsdetail.php?id=123
2020年 台湾の建設(建設・インフラ・個人サービス)業界
土地の合理的な活用へ!台湾・台中市政府の規制とは?〜建設業界動向〜
2019年12月29日の発表によると、合理的な土地の利用、且つ適切な人口分布を図る為、台中市都市発展局は2020年に全都市計画の容積及び公共施設の容量を算出し、容積総量規制を設ける。
容積率制御は人口密度や交通、物件価格、公共施設のサービス水準等、居住環境のあらゆる方面に影響を及ぼす。台中市の直轄市認定後の変化は大きく、都市部と過疎地区との格差や、鉄道および駅周辺の土地の使用強度などへ対応する必要が出てきた。
今後は土地所有者もしくはディベロッパーが納める容積増額代金もしくは発展建設基金設立により、研究都市発展対策や公共事業、社会環境改善事業の重要な財源として活用していく。
出典:https://www.taichung.gov.tw/1441689/post
台湾・台中市政府、日本統治時代の砂糖工場を再利用〜建設業界動向〜
2019年10月2日の発表によると、台中市政府は台中市で歴史的建築物に登録されていた、「帝国砂糖工場台中営業所」を修復し、新たに「臺中產業故事館」としてオープンさせた。「帝国砂糖工場台中営業所」は1935(昭和10)年に建設された日本統治時代の建物である。1990年代に営業停止していた工場はほぼ撤去されていたものの、営業所だけが取り残されており、2007年に台中市の歴史的建築物に登録されていた。
施設内では商業レジャー機能の導入、美術展、レクリエーションスペースの提供、市内の地域特色産業の導入などを行い、台中市の新たな観光スポットとして期待されている。
2019年4月に工事が終了し、2019年10月にオープン。台中駅周辺に位置しており、2023年開業予定の三井ショッピングパークららぽーと台中(仮称)」にも隣接するなど、今後の集客が予想される。
出典:台中市政府https://www.economic.taichung.gov.tw/16103/16153/16163/16196/16205/43424/post
台湾の台北101、世界で最も影響力のある高層ビルへ〜建設業界動向〜
2019年11月20日の発表によると、台北101が高層ビル認証機構により「世界で最も影響力のある高層ビル50」の大賞に選ばれた。15年前に101建設に携わった建設チームも授賞式に参加し、今回の受賞を喜び合った。
101が大賞を受賞した理由として、世界中の高層ビルの中で永久的な先端技術を備えているだけではなく、断熱や照明、エネルギー、水循環、廃棄物処理等の環境保護の面まで考慮されている点が挙げられる。
101のグリーンビルディング技術はアメリカのグリーンビルディング協会も認証するほどの最高水準にある。101はエネルギー制御管理システムにより、年間で3300万KW(200万USDに相当)もの電力削減を行っている。これらの取り組みが全世界へ広がり、今後の更なる環境保護促進の契機となることが期待される。
出典:https://www.taipei-101.com.tw/tw/news/content/222ea6d9-27b4-48f8-9758-c2a54997b56e
台湾の桃園空港第2ターミナルに展望デッキがオープン〜建設業界動向〜
2019年12月14日の発表によると、桃園空港の第2ターミナルに面積約825平方メートルの展望デッキがオープンした。第2ターミナルの南側5階にある屋外展望台は、午前6時30分から午後10時30分まで営業している。
送迎、飲食、レジャーのニーズを提供しており、飲食店には「やよい軒」、「ラーメンいろは」「Tim Ho Wan」などがある。他にも、飛行機が離着陸するのを眺めながら香り豊かなコーヒーを楽しめるカフェエリアや、お土産屋、ファミリーマートもある。
休憩セクションでは、桃園空港の乗客数の増加を考慮して搭乗前または空港到着後に、乗客が利用できる106のベッドを提供している。
出典:桃園空港
https://www.taoyuan-airport.com/chinese/News/Page/349e3c98-dff6-4306-a21c-c27918213bbc
台湾の新竹県、新たなスマートシティがスタート〜建設業界動向〜
新竹県が計画する国際AIスマートシティ建設が2019年12月より開始し、2020年1月末には完成する予定。AIシステムを使用したスマート駐車場ParkingGoや、スマート養殖場など全く新しい挑戦が始まる。
本計画地はAI技術の発展及び実験場としても使用され、今後は研究開発の品質向上や新竹県の発展の拠点の1つとして活用される。
今後は小学校の授業の中にもAIシステムが導入される予定。QRコードでデータを読み取ることで地球の重力や回転を操作できる次世代教育も始まる。農業分野ではデータ分析による稲熱病の予防や灌漑抑制が可能となり、収穫量が通常の5倍となるなど、各分野の発展が期待される。
出典:https://www.hsinchu.gov.tw/News_Content.aspx?n=153&s=222934
まとめ:台湾の建設業界
台湾の建設業界の市場規模は年々増加傾向にありますが、人手不足により供給が間に合っていないというように、まだまだ成長余地が感じられます。台北101のグリーンビルディング技術が注目されるように、建設業にはデザイン性のみならず環境保護という視点も重要になるでしょう。
台北在住の台湾人。日本の東北大学で修士号取得後、7年以上IT企業でマーケティングを担当。デジタルマーケティングと市場分析の専門家として、製品の市場導入とブランド戦略を得意とする。