外資銀行が多く参入しているベトナム国内では国内ブランドの銀行が他の外資銀行とどのように差別化を図れるか対策を講じています。
今回は、そんなベトナムの銀行業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2023年 ベトナムの銀行(金融・法人サービス)業界
Vietcombank、企業向け個別債券取引システム開設
旧国営銀行で主に国際取引に強みを持つベトナム最大級の金融機関であるVietcombank(ベトコムバンク)社は、2023年6月30日に国家証券委員会(SSC)から国内市場での私募社債取引(TPDNRL)の決済銀行として正式に承認された。
同社では私募社債取引(TPDNRL)の決済取引開始に向けてベトナム政府が求める要件に適合した先端の決済基準に基づく債券および債券市場向けの特化した決済銀行システム(VCB C-Bond)を構築した。
VCB C-Bondの正式稼働に伴い、ベトナム市場での私募社債取引(TPDNRL)は重要な証券決済システムの一つとなった。Vietcombank社を含めたベトナムの一般商業銀行が証券決済活動に積極的に関わり、ベトナムの資本市場が更に発展することが期待されている。 VCB C-Bondの稼働初日は、市場で5,052,249件の債券に対して39件の取引が行われ、取引総額は1兆7,813億VNDに達した。
VPBank、SMBCと戦略協定締結
ベトナム国内の金融機関の中でも積極的にDXに取組んでおりm事業運営効率及びビジネス収益性が特に優れた商業銀行の一社として高く評価されているVPBank社は、2023年10月20日に日本第2位の大手金融グループである三井住友銀行(SMBC)が同社の株式を取得し、VPBank社は三井住友フィナンシャルグループ及び三井住友銀行の持分法適用会社となった。
今回の取引ではVPBank社の普通株式15%を第三者割当増資により三井住友銀行(SMBC)が取得した。今回の取引はVPBank社が2022年から行っている資本増強計画の一環で、同社の長期的な財務能力の強化及び第3次5年戦略開発計画の成長目標を達成の一環として行われた。
三井住友銀行(SMBC)の出資に関してVPBank社は、“今回の出資はVpbank社は十分な財務力を確保し、大手企業を含めたクライアントをよりサポートできるようになり、銀行の成長にも寄与する事になる”とコメントしている。
MB Bank、ShopeeとJCBと共同で新カード発行
軍隊系の大手金融機関であるMBバンク社は、2023年9月18日に食事注文&デリバリーサービス大手のShopeeFood、国際的なクレジットカードサービス会社のJCB社と共同でベトナムのグルメ愛好家をターゲットにしたユニークなデザインの多用途クレジットカード“Hi ShopeeFood
カードコレクション“を正式に発表した。
同カードは、クレジットカードとATMカードの2つの機能を統合した多機能カードで、顧客がスマートフォンの“ShopeeFoodアプリ”を利用した支払いを容易にし、海外でも容易に決済が出来るサービスを提供する。“ShopeeFoodアプリ”を使用して食べ物を注文し、同カードで決済すると50%の割引が受けられるキャンペーン等も展開している。
MBBankの関係者は同カードコレクションの発表に関して“MBBank社とShopeeFood社、JCB社の間の長期的な発展や特別な節目としての意味だけではなく、MBの顧客が支払いやMBの利便性サービスを利用する際に現代的で便利でスムーズな顧客体験を提供していくために顧客の声に常に耳を傾け、不断の努力を行っている事を示すものである”とコメントしている。
Shinhan Vietnam、Samsung Vina保険と協定締結
韓国系の金融機関Shinhan銀行のベトナム法人で国内及び法人向けに金融を提供しているShinhan Vietnam 社では、2023年10月11日にSamsung Vina保険会社と金融保険商品をShinhan Vietnam社の顧客に販売するための協定を締結した。
本契約に基づき、ベトナム全土にあるShinhan Vietnam社の店舗でSamsung Vina社保険の財産保険製品が販売される。 Samsung Vina保険会社はShinhan Vietnam社が同社保険商品の販売を拡大するためのサポートを行う。
今回の契約に関してShinhan Việt Namの代表者は“本協定は、両社の有効性や可能性、強みを活用して両社の能力を向上させ、競争上の優位性を生み出すのに役立つと信じています」とコメントしている。また、”ベトナム市場で評価の高い保険会社の一つであるSamsung Vina保険会社との協力関係を通じて、法人顧客に実用的な価値を提供し、法人顧客がより適切な保険選択と包括的な銀行ソリューションの提供が可能になる“ともコメントしている。
Agribank、人民警察通信局と協定締結
ベトナム政府が100%株式を保有する唯一の国営銀行でベトナム最大の金融機関であるAgribank社は、2023年10月24日にハノイ市内で公安省傘下でテレビや新聞、ラジオ等の大手メディア等を運営している人民公安省通信局と協定を締結した。
両社は以前から協力関係があり、公安省からの要望に応じてAgribank社はソンラやゲアンなどの地域の貧困層向け住宅の開発に資金提供等を行ってきた。また、 人民公安省通信局では以前から傘下のテレビやラジオでAgribank社が行う様々な活動の宣伝・広告活動を積極的に行ったり、 Agribank社も参加している数多くの慈善プログラムのコーディネーター等を行ってきた。
両社は本協定に基づき、今後両社が共同研究を行いながら、具体的な協力を行う分野の絞り込みなどを行いながら関係を強化していく。
2021年 ベトナムの銀行(金融・法人サービス)業界
ベトナムのAgribank、顧客をサポートするため利益削減へ〜銀行業界動向〜
1988年設立の国営BIG4の一つであるAgribankは、2021年1月12日にハノイでビジネスタスクの実施に関する会議を開催した。Agribankは不良債権の処理と回収におけるトップの銀行の1つである。2020年の信用成長率は8%を超え、利益は12兆8,690億ドンに達したが、昨年対比(14,000億ドン)は下回った。
Agribankはベトナム国家銀行の指示に基づき、債務の再構築、企業と民間人を支援するための金利の引き下げ、利息と手数料の免除を行い55,000億ドンの利益を積極的に減少させた。
具体的施策として、優先セクターの貸出金利を7倍、サービス料を9倍削減し、新型コロナ流行前よりも0.5-2.5%低いローン金利でクレジットプログラムを実施した。
出典:https://www.agribank.com.vn/en/ve-agribank/tin-tuc/dtl?current=true&urile=wcm:path:/agbanken/ve-agribank/news/agribank-news/agribank+cut+vnd+5%2C500+billion+in+profit+to+support+customers
ベトナム初のライブブロックチェーン国内信用状取引が開始〜銀行業界動向〜
2020年12月9日、イギリス系銀行HSBCと国営BIG4の一つであるベトコムバンクがベトナムでベトナムドンによる初めてのライブブロックチェーン国内信用状取引の共同実施に成功したことを発表した。
Ton Dong A(売り手)、Kirby South East Asia(買い手)、売り手銀行(ベトコムバンク)、発行銀行(HSBC)の4当事者が同時に行う単一プラットフォーム”Contour”で取引が完了した。
以前は紙の書類を郵送し処理に10日かかっていたが、電子文書では半日で完了できる。また、Contourプラットフォーム上のブロックチェーン対応信用状では、全ての当事者が独自の専用ノードで取引の進捗追跡を行える。
出典:https://portal.vietcombank.com.vn/en-Us/News/Pages/home.aspx?ItemID=6240
ベトナムのSCB、きらぼし銀行の子会社と提携〜銀行業界動向〜
2021年2月5日、ベトナム大手の民間銀行であるサイゴン合資商業銀行(SCB)と日本のきらぼし銀行の子会社である「きらぼしビジネスコンサルティングベトナム」との間で戦略的パートナーシップ契約の調印式が開催された。
きらぼし銀行はベトナムでコンサルティング会社を設立した最初の日系銀行の1つである。SCBはきらぼし銀行と連携を行うことで、ベトナム在住の日本顧客に多様かつ専門的な銀行商品やサービスを提供する予定である。
この包括的な協力は、企業と投資家が両国で様々な支援を求める際に、信頼性のある強固な基盤を構築するであろう。
出典:https://www.scb.com.vn/eng/news/scb-signed-strategic-partnership-with-kiraboshi-banks-business-consulting-vietnam-company
ベトナムのBIDV、デジタルトランスフォーメーションを促進〜銀行業界動向〜
1957年に設立された国営BIG4の一つであるベトナム投資開発銀行(BIDV)は2021年4月12日、ハノイ本社で「SMEDisitrans(SMEデジタルトランスフォーメーション)」の開始式を開催した。
SMEDisitransプログラムは、中小企業のデジタルトランスフォーメーションプロセスとエグゼクティブ及び財務会計における最新テクノロジーの促進を目的としたプログラムであり、同プログラムにはアジア開発銀行(ADB)も100万米ドル以上の技術支援を提供している。
BIDVは「SMEDisitrans」プログラムを通して、中小企業支援法及び国家デジタル変革プログラムの方向性に従ったソリューションを引き続き実施していく。
出典:https://www.bidv.com.vn/bidv_en/tin-tuc/thong-tin-bao-chi/bidv-ho-tro-dnnvv-chuyen-doi-so
ベトナムのVPバンク、定款資本の49%をSMBCグループに売却〜銀行業界動向〜
2010年設立の民間の大手銀行であるVPバンクは、2021年4月28日に三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)と定款資本の49%(28億米ドル)をベトナムプロスペリティファイナンスリミテッドカンパニー(FEクレジット)に売却する契約締結を発表した。
SMFGが完全所有する子会社であるSMBCコンシューマーファイナンスカンパニー(SMBCCF)がこの株式購入を行う。
FEクレジットは約50%の国内シェアを持つベトナムを代表する消費者金融会社である。この取引を通じては、VPバンクに多額の資本を追加し、銀行の財務的可能性の強化に貢献することが期待されている。
出典:https://www.vpbank.com.vn/tin-tuc/thong-cao-bao-chi/2021/le-ky-ket-ban-von-dieu-le-tai-fe-credit
2020年 ベトナムの銀行(金融・法人サービス)業界
ムーディーズ、ベトナムの銀行見通し引き下げ〜銀行業界動向〜
米国の格付け会社ムーディーズは2019年12月18日、ベトナム政府の国債格付けを「Ba3」に据え置く一方、格付けの見通しをネガティブに引き下げた。ムーディーズは2018年8月にベトナムの格付けを「Ba3」に引き上げたが、ベトナム政府の債務返済に遅延が見られると指摘し、2019年10月から格付けの下方修正を検討していた。
今回の格付けでは「Ba3」に据え置かれたが、政府内の債務管理の調整機能や透明性の改善に向けて具体的で抜本的な措置が講じられない場合、継続的に政府保証債務の返済遅延リスクが生じるとして、格付けの見通しはネガティブに変更した。
ネガティブにしたことを受け、ムーディーズはベトナムの銀行18行の格付けも見直し、12月19日に10行の見通しをネガティブに引き下げた。
出典:https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/01/f9281a5faec6fae5.html
ベトナムで銀行業界大手のVietcombank、感染症対策を行い事業継続
COVID-19対策に関する政府、保健省、ベトナム国家銀行の指示に従い、Vietcombankは顧客とスタッフの健康と安全を保護することを目的として、包括的な行動計画を直ちに実施した。今後も感染症対策は取りつつも営業は継続する。
同行は、通常の営業時間(祝日と週末を除く月曜から金曜)の全国のすべての支店などで、顧客への金融および銀行サービスを中断することなく維持する方針だ。
24時間年中無休のオンラインバンキングサービスを利用することを顧客に推奨したり、支店に来店した顧客に対しては、窓口でも他の顧客との距離を十分に空ける、といった対策が取られている。
出典:https://portal.vietcombank.com.vn/en-Us/News/Pages/home.aspx?ItemID=6232
ベトナムで銀行業界大手のEXIMBANK、Epayと提携
Eximbankは、送金市場を拡大し、顧客が海外の親族から送金を受け取るのを容易にすることを目的として、Epayと提携することを発表した。
Epayは2014年に設立され、香港に本社を置く大手金融機関だ。現在、Epayには合計40万人のグローバルユーザーと6,000を超える協力組織がおり、世界のすべての主要な地域とつながっている。
Eximbankはベトナム全国に207の支店を持つ。ベトナムの顧客は海外の親族から追加料金を支払うことなく安全かつ簡単に送金を受け取ることができるようになる。また、他行の口座を通じた支払いサービスなども併せて提供していく。
出典:https://eximbank.com.vn/home/News/10223
ベトナムで銀行業界牽引のTECHOMBANK、定期預金口座の条件変更
貯蓄預金に関するベトナム国家銀行(中央銀行)の通達第48号/2018/TT-NHNNと、定期預金に関する同行の通達第49号/2018/TT-NHNNが2019年7月5日に施行された。
通達第48号は、貯蓄預金に関する同行の決定第1160号/2004/QD-NHNNおよび決定第47号/2006/QD-NHNNに代わるもので、通達第49号は、居住者・非居住者の外貨・VND建て口座の使用についてガイダンスする通達第16号/2014/TT-NHNNの一部を改正・補足するものとなっている。
これを受けてTECHOMBANKでは、貯蓄預金の対象顧客をベトナム人のみ、定期預金はベトナム人と外国人も対象としつつも、外国人の場合は、預入期間を身分証明書の有効期間以内とするという制限が設けられている。
出典: https://www.techcombank.com.vn/about-techcombank/media-corner/in-the-news/thong-bao-ve-thay-doi-doi-tuong-khach-hang-voi-cac-nhom-san-pham-tiet-kiem
ベトナムで銀行業界牽引のVietinBank、ハザン省で感謝のしるしにお米配布
2020年5月3,4日の2日間、VietinBankHàGiangは、祖国戦線委員会(MTTQ)と協調して、ハザン省、クアン・バー地区で、COVID-19による影響を受け、生活に支障をきたしている住民に対してお米を寄付するプログラムを実施した。
配布されたお米は1つあたり5kg、合計500セットで、総重量は2.5トンに及ぶ。プログラムには、同行の幹部や、地元の人民委員会委員長も参加した。
同プログラムは、同行の地域に対する責任感ある姿勢を示すためのものだ。今回のプログラム全体を通じて提供されたお米の量は130トン、金額にして20億ドンに上るという。
出典: https://www.vietinbank.vn/vn/tin-tuc/-Ngan-hang-gao-nghia-tinh-cua-VietinBank-den-voi-ho-ngheo-tinh-Ha-Giang-20200508081625.html
2019年 ベトナムの銀行(金融・法人サービス)業界
ベトナムのVietcombankが新店舗をオープン、顧客のニーズに対応〜銀行業界動向〜
2019年5月6日、 Vietcombank Ben Tre店傘下に新たな取引事務所 がBen Tre省Ba Tri地区にオープンした。
同取引事務所は、Vietcombankが2019年に初めてオープンしたオフィスとなる。オフィスは同地区の中心部に位置し、中心部在住の顧客や同地区内のコミューンだけでなく、周辺地域の顧客の取引にも利用される見込みだ。
同社は、Ben Treに新たに設置されたオフィスについて、「今後地域の顧客に金融サービスを提供することにより、預金やローン、口座開設、カード発行、送金と言った金融および銀行サービスに関する顧客のニーズを完全に満たせる」と期待を述べた。
Vietcombank、ベトナム企業トップにランクイン〜銀行業界動向〜
Vietcombankは、フォーブスの世界最大の公開会社2019ランキング(収益、利益、資産、時価総額の合計点に基づいて企業のランキングを計算する)にランク入りした。同行はベトナム企業の中でもトップの順位を誇っている。
2015年から現在までの統計によると、同行の順位は1985位から1096位に大幅に上昇した(2018年比較では198位の上昇)。
Vingroupと言った他部門の企業は1,992位から1,747位に245位上昇したが、BIDVは1,714位から1,716位へ順位を2つ下げた。VietinBankは1,719位から1,769位へ順位を50落とした。
ベトナムのTechombank、オンラインバンキング向けシステムの導入へ〜銀行業界動向〜
Techombankは同行のコーポレートインターネットバンキングプラットフォーム用に新しい認証方法Smart OTPの導入を促進している。
新しい認証方法Smart OTPは現在のトークンキーを、より優れたセキュリティと高度な機能を持つシステムで置き換えるものになっており、オンライン取引におけるさらなる安心と安全を提供する。
携帯電話の電波がない場合でもOTPを取得できるため、海外旅行の際にローミングなどを利用する必要がなくなり、ハードトークンを持ち運ぶ必要がなくなるのも大きなメリットだ。
ベトナムのEximbank、オンラインバンキングのセキュリティーに注意喚起〜銀行業界動向〜
近年ベトナムでは銀行の預金が不正に引き出されるなどの被害が発生しており、オンラインバンキングサービスの使用について顧客に心理的な不安を引き起こしている。
こうしたリスクを防ぐため、Eximbankではセキュリティ対策を推奨している。
具体的な対策としては、ウェブサイトのアドレスが同行のものであるか十分に確認する(ブラウザに表示されるアドレスの横に表示される南京錠のアイコンでアドレスが本物であるかを確認できる)、同行以外の第三者に口座情報を渡さないなどの対策を促している。また、不正と思われるサイトを発見した際には同行に連絡するようにも呼びかけいてる。
2018年 ベトナムの銀行(金融・法人サービス)業界
ベトコンバンク、ベトナム最優秀金融機関賞2018を受賞〜銀行業界動向〜
2018年9月18日、ベトナム外商銀行(Vietcombank)はTHE ASIAMONEY AWARDSのセレモニーにおいて”ベトナム最優秀金融機関賞2018”を受賞した。ベトナムからの参加は同行のみで、他国からはHSBC、Citibank、ドイツ銀行、スタンダードチャータード銀行等が参加した。
同賞の選定にあたって顧客からのフィードバックに加え、金融機関が提供する商品や危機管理能力や発展を持続性などを基準として審査が行われた。
ASIAMONEYは1989年に設立された金融関係雑誌。現在ではEuromoney Institutional Investor PLCと合併し、アジアにおける銀行や金融市場分析等に関する情報を提供している。年間発行部数は11,339部、オンライン版の読者数は140万人に及ぶ。
Moody’s、ベトナムのVietinBankを格上げ〜銀行業界動向〜
2018年8月14日、Moody’s Investors Serviceは、VietinBankの格付けをBa3へと格上げした。同時に金融機関などの破綻による支払い不履行などのリスクの指標となる長期カウンターパーティリスク格付け(CRR)や、カウンターパーティリスク評価などの部門でも格上げされている。
背景にはMoody’sがベトナム政府の格付けをB1からBa3に、また見通しを中立的(Stable)から、楽観的(Positive)へと引き上げたことがある。
2018年上半期におけるVietinBankの業績は順調だ。総資産は1,140兆ベトナムドンに達し、これは前年期末比10.08%増となっている。顧客への融資額も868兆ベトナムドンと前年同期比18.84%の増加だ。さらには、不良債権率は1.29%と低い水準に抑えられている。今回の格上げにより同行はその地位をさらに確たるものにしていきたい考えだ。
Mercedes BenzとベトナムのEximbank、車両購入時の金融サービスで提携〜銀行業界動向〜
Mercedes-BenzはEximbankと提携して、銀行に行かなくてもディーラーの店舗にてワンストップで自動車購入の融資を受けられるサービスを開始した。三菱ふそうトラック・バス(FUSO)もまた同社のトラックやバスのオーナーに融資を提供する。
ディーラー店舗に常駐するEximbankの社員が顧客より身分証などの提示を受ける。融資の審査はQuick credit pre-screenにより、事前承認を受けていれば30分程度で完了する。その後必要な書類が全て揃った段階で本承認、契約の締結が行われる。顧客は保険もオプションで利用することができる。
本サービスにおけるFUSOの金利はバス、トラック業界では非常に競争力があるもので、バス、トラック購入者の90%が融資を必要としている現状を踏まえると、本サービスは事業運営の鍵になる可能性がある。
外国投資が増える中でのベトナム系銀行の役割とは?〜銀行業界動向〜
2018年上半期ベトナムへの外国直接投資は200億ドルを超えた。前年比で5.7%の増加になる。急速に変化する市場の中で、ベトナム地場の銀行は海外の銀行との競争に晒されており、顧客にあった商品、サービスを提供できるように変化していくことが求められている。
外国直接投資が増加する一方で、投資に向かう資本とベトナム国内企業がうまく繋がっていない現状もある。ベトナム地場の銀行はベトナム国内企業へのネットワークを活かして、外国からの投資資金と国内企業の橋渡しをする役割が期待されている。
Vietinebankは外国直接投資の投資元(日本や韓国など)の企業をサポートできるよう各国用サポートデスクを設置している。こうしたきめ細やかなサービスの提供を通じて、外資系金融機関との競争を勝ち抜いていく構えだ。
まとめ:ベトナムの銀行業界
ベトナム国内大手銀行が唯一金融機関賞を受賞したことで国内で他行もサービスを充実させることや他業界との協力により国内ブランドを成長させようとしています。外資系銀行にとってはベトナム金融は市場価値が高いためこの機会に進出を検討してみてはいかがでしょうか?
ハノイ在住のベトナム人。名古屋大学で文部科学省奨学金の日研生として留学経験有り。日越の翻訳、通訳などが得意で、日本語教師の経験有り。ハノイで日系IT企業に入社後、主に総務・人事、日本親会社との取引業務を約3年経験し、その後長野県で日本企業で勤務。