2023年、フィリピンの不動産デベロッパー業界は活況を呈しています。SMCとアヤラ社がアルカサウスプロジェクトで提携し、主要インフラプロジェクトへの接続性を強化しています。RLCレジデンスは最優秀開発者賞を受賞しました。これらの動きにより、フィリピン不動産市場の成長と多くのビジネスチャンスが期待されています。
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2023年 フィリピンの不動産デベロッパー(建設・インフラ・環境)業界
SMCとアヤラ社、アルカサウスのプロジェクト統合に合意
サンミゲルコーポレーション(SMC)とアヤラランド社(ALI)は、近々建設予定のアルカサウスオン/オフランプをスカイウェイシステムに接続するための統合契約に署名した。
プロジェクトは2024年に建設開始予定で、スカイウェイからアルカサウスへのシームレスなアクセスが可能になる。オルティガスアベニュー延長、マルコスハイウェイ、バタサン複合施設に向かうトゥマナ橋のインターチェンジなど交通渋滞緩和が期待されている。
この提携により、タギッグ総合ターミナル交換局、東北通勤鉄道、マニラ首都圏地下鉄プロジェクトなど、アルカ・サウス内で計画されている他の主要インフラ・プロジェクトへの将来の接続性を強化するメリットもある。
FEDERAL LANDとノムラ、フィリピン不動産の新たな基準を制定
フェデラルランドNREグローバル社 (FNG)は日本の野村不動産株式会社との画期的なコラボレーションし、現代の都市生活における進化する需要に応える、革新的で持続可能なコミュニティを構築するための基礎を築き始めた。
野村不動産は60年以上の従事による豊富な専門知識により、国際的にプロジェクトの品質で有名である。一方、フェデラルランドも50年以上の経験があり、豊かな歴史と経験を提供できる。
両社が協力することでFNG は革新的なデザイン、日本の技術、世界のベストプラクティスを導入するのに有利な立場にある。パートナーシップの相乗効果と有効性により、いずれは国全体の生活水準を向上させるだろう。
SMプライム、2023年9月に300億ペソを獲得
東南アジア有数の総合不動産開発会社であるSMプライムホールディングス (SM プライム) は、2023年最初の9か月に301億ペソの純利益を記録し、2022から37%上回った結果となった。
SM プライムの連結純利益は2023年第3四半期で107億ペソと前年同時期より35%増加し、連結営業利益は前年同期から17%増加の156億ペソとなった。SMプライムの社長は、このような目覚ましい成長は数ヶ月にわたる戦略的経営のおかげとコメントした。
連結収益の57%はモール事業が占めており、2023年第3四半期に525億ペソを記録した。他にもモール賃貸収入や映画館、イベントチケット販売も増加した。
出典:https://www.smprime.com/company_releases/sm-prime-earns-php30-billion-in-9m-2023/
RLCレジデンス、DOTプロパティフィリピンアワード2023で受賞
RLCレジデンシズは、9月14日に開催されたDOTプロパティ・フィリピン・アワード2023において、業界をリードし、地域の新たなベンチマークを確立した開発者に与えられるマニラ首都圏とセブの最優秀開発者賞を受賞した。
さらにロビンソンズランドの住宅部門は、クライアント向けのデジタルソリューションに対して唯一の特別賞であるイノベーション特別賞を受賞した。また、ルポンレジデンスが年間最優秀プロジェクト賞のピープルズ チョイスアワードを受賞した。
上級副社長兼ビジネスユニットゼネラルマネージャーは「顧客の生活を改善することに尽力することがイノベーションの本質である」とコメントした。
Filinvestランド、ラグーナ州のテクノロジーパークを拡張
総合不動産開発会社フィリンベスト・ランド社(FLI)は、ラグーナ州カランバ市に新たに25ヘクタールのフィリンベスト・イノベーション・パークを建設・開発する。急成長中の南タガログ地域での足場を固める目的だ。
フィリンベスト・イノベーション・パーク・シウダー・デ・カランバ(FIP-CDC)は50ヘクタールのフィリンベストテクノロジーパークを拡張したもので、税金や貿易手続きなどで恩恵を受けられるPEZAエコゾーンにある。
このパーク完成後は、優れたユーティリティインフラストラクチャサポートなど、グレードAの倉庫仕様を満たす既製工場 (RBF) およびカスタムメイドのユニットをリースする予定だ。
出典:https://filinvestland.com/news/filinvest-land-expands-filinvest-technology-park-laguna
2021年 フィリピンの不動産デベロッパー(建設・インフラ・環境)業界
フィリピンのDMCIホームズ、新コンド建設に投資〜不動産デベロッパー業界動向〜
50年以上の歴史を誇る老舗デベロッパーであり、ODAによる道路建設や低層コンドミニアム、ヴィラ、宅地の分譲、高級ホテルなど幅広い分野を手掛けるDMCIホームズは、ケソンシティに新住宅エリアである「The Oriana」を建設するために105億ペソを投資する。
The Orianaは、ビジネスセンターや一流大学の近くに位置する。今後成長が見込めるケソンシティ地区に興味がある一般消費者と投資家を引き付けることを目指している。
The Orianaはケソンシティのオーロラブールバード沿いにあるDMCI Homesの2番目の住宅ベンチャーであり、9,314平方メートルの敷地を有する。待望のメトロマニラ地下鉄システムであるアノナス駅など、数多くの駅に隣接し、交通の利便性が良いのも特徴である。
出典:https://www.dmcihomes.com/whats-new/news/dmci-homes-invests-p105b-to-build-the-oriana-in-quezon-city
フィリピンのSM Prime、モールおよび住宅事業に800億PHP投資〜不動産デベロッパー業界動向〜
国内最大のコングロマリット「SMインベストメンツ」グループの大手デベロッパーであるSM Primeは、モールおよび住宅事業セグメントの設備投資に800億PHPを用意すると発表した。
これはCOVID-19のパンデミックによって引き起こされた課題を十分に考慮し、モールおよび住宅事業セグメントに焦点を当てた予算配分である。
同社は2021年、検疫措置が緩和され、人々の安全に最大限の配慮が払われることを条件に、フィリピンに3つの新しいモールをオープンする予定である。これに伴い、前年同期の成長を維持しつつ、主要住宅事業セグメントであるSMデベロップメントコーポレーション(SMDC)を中心に15,000〜20,000戸の住宅を立ち上げることを目指す。
出典: https://www.smprime.com/company-releases/sm-prime-sets-2021-capex-declares-cash-dividends
フィリピンのFilinvest Land、オフィスリース事業は順調に推移〜不動産デベロッパー業界動向〜
ビサヤ地方、ミンダナオ地方などフィリピン中南部での開発に強みを持つ不動産デベロッパーであるFilinvest Landは、2020年の年次報告書を公開した。
年次報告書の財務ハイライトによると、同社の2020年の売上は174億ペソ(2019年は256億ペソ)、当期純利益は39億ペソ(2019年は65億ペソ)となっており、いずれも減少している。一方でパンデミックの中でもオフィスリース事業は最も回復力があり、2019年から8%成長した。
Covid-19パンデミックの困難な状況の中で、同社はプロジェクトポートフォリオの多様化とデジタル化に取り組んだ。COVID-19の中でも、引き続き国を支援していくとのこと。
出典: https://www.filinvestland.com/annual-report/2020
フィリピンのAyala Land、国内初の「コンクリート建設賞」を受賞〜不動産デベロッパー業界動向〜
フィリピン最大の財閥企業「アヤラ・コーポレーション」傘下の国内No.1不動産開発会社であり、都市開発事業などを行うAyala Landは、Ayala Triangle Gardensプロジェクトにおいて、高層構造部門でフィリピン初の優秀コンクリート建設賞を受賞した。
この受賞を受け、ATGタワー2は、2021年の米国コンクリート学会(ACI)のコンクリート建設コンペティションで、フィリピンを代表することになる。
ATGタワー2プロジェクトのコンクリートの総体積は62,651㎥となっている。コンクリートは52時間連続、187㎥/hの速度で鋳造された。これは、国内最大の単一コンクリート注入の1つとなっている。
出典:https://www.ayalaland.com.ph/ayala-triangle-gardens-tower-2-awarded-for-excellence-concrete-construction/
フィリピンのFederal Land、シーズンズレジデンスが5つ星受賞〜不動産デベロッパー業界動向〜
GT Capital Holdings傘下の大手不動産開発会社であり、高品質な住宅を提供しているFederal Landは、International Property Awards Asia-Pacificで、フィリピンのベストレジデンシャル高層開発における5つ星を受賞した。
このプロジェクトは、同社と野村不動産開発株式会社、三越伊勢丹ホールディングス株式会社の合弁会社として、サンシャインフォートノースボニファシオ不動産開発株式会社を設立し、総合開発が行われた。
この開発は、日本の設計効率とフィリピンの共同体意識を融合している。日本の技術としては、耐震技術や床下排水システム、湿気と臭いを最小限に抑える空気洗浄タイルなどが特徴的である。
出典:https://federalland.ph/articles/the-seasons-residences-wins-at-international-property-awards-asia-pacific/
2020年 フィリピンの不動産デベロッパー(建設・インフラ・環境)業界
フィリピンでニューノーマルに対応した注文住宅販売へ〜不動産デベロッパー業界動向〜
フィリピン最大の財閥企業「アヤラ・コーポレーション」傘下の国内No.1不動産開発会社であるAyala Landは、COVID-19のパンデミックの影響を受け、「ニューノーマル」に対応した顧客へのサービス提供方法として注文住宅の販売を開始した。
同社が展開する住宅ブランド「Avida」ユニットの販売において、政府が実施している強化されたコミュニティ検疫期間(ECQ)などの顧客の行動制限を踏まえ、ストレスのない購入体験をオンラインで提供することに注力している。
パンデミックの最中に直面する課題に対処することを目指して、Avidaは顧客と従業員の利便性と安全性を念頭に置き、購入プロセスを見直し、時代に適したシンプルでシームレスな購入体験を提供する。
出典: https://www.ayalaland.com.ph/contactless-convenience-of-virtual-home-buying-amid-the-covid-19-pandemic/
事業継続計画を断念、 フィリピンで不動産デベロッパー業界大手のFilinvest Land
Filinvest Development Corporation(FDC)の不動産部門で、フィリピン南部での開発に強いFilinvest Land Inc(FLI)は、現在のCOVID-19危機に照らして、残りの年の事業継続計画を断念したと発表した。
同社は、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)後の再参入プログラムを準備した。このプログラムは、財務、カスタマーケア、および職場の安全性の分野における3つの主要な問題に対処しており、財務面では、プロジェクトの立ち上げと資本支出プログラムを再評価・再検討している。
同社はまた販売需要を注意深く観察し、V字型の回復が発生した場合にプロジェクトを即座に開始できるよう準備している。2020年には、約160億ペソを設備投資に費やす予定であり、そのうち73億ペソは投資用不動産に割り当てられている。
出典:https://www.filinvestland.com/news/philippine-listed-filinvest-land-bares-business-continuity-plan
フィリピンで不動産デベロッパー業界大手のSM Prime、第1四半期の収益成長率は23%増
「SMインベストメンツ」グループの大手デベロッパーであるSM Primeの住宅部門であるSM Development Corporation(SMDC)は、第1四半期の売上高が昨年同期の93億ペソから23%増加し、114億ペソとなったことを発表した。
同社の第1四半期の予約販売は248億ペソに達し、SMプライムの連結収益の44%を占めた。また、1万6,000の住宅ユニットが販売可能となっており、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)による住宅プロジェクトの建設遅延の影響を緩和するのに十分な供給があると報告された。
モールセグメントでの収益損失に関わらず、同グループはSMFoundationを通じて、ECQの実施以来、総額2億7,000万ペソを寄付した。また、マニラ首都圏に緊急検疫施設(EQF)を引き渡し、COVID19の蔓延を抑制するという国の対応を支援した。
出典: https://www.smprime.com/media/news/smdc-q1-revenue-growth-23
フィリピンで不動産デベロッパー業界大手のRobinsons Land、第1四半期の純利益82%増
ゴコンウェイ財閥系企業「JG サミット ホールディングス」傘下の大手デベロッパーであるRobinsons Landは、 2020年第1四半期の純利益が前年同期の18億ペソから82%増加し、33億4,000万ペソとなったことを発表した。
会計方針が業界の慣行に合わせて変更されたため、主に同社の住宅事業が収益成長を牽引した。その結果、住宅事業は前年比241%増の67億ペソとなり、連結売上高の58%に貢献した。
一方、3月中旬に実施された、強化されたコミュニティ検疫(ECQ)によって引き起こされた運用の混乱により、投資ポートフォリオは年の最初の3か月において横ばいの収益を記録した。
出典:https://www.robinsonsland.com/robinsons-land-net-income-expands-by-82-to-php3-34bn-in-1qcy2020/
フィリピンで不動産デベロッパー業界大手のDMCI Homes、病院労働者をサポート
50年以上の歴史を誇る老舗デベロッパーであるDMCI Homesは、 Covid19に関する課題を解消するため、個人用保護具(PPE)ギアをフィリピン南部医療センター(SPMC)に提供した。
同社は医療現場に防護服、N95マスク、ヘッドキャップ、靴カバーを提供することで病院労働者をサポートする。従業員はまた、コロナウイルスと最前線で戦う労働者を支援するために「バヤニハン」活動を立ち上げた。
SPMCのほかに、DMCI Homesはフィリピンハートセンター、フィリピン総合病院、ホセR.レイエスメモリアルメディカルセンター、フィリピンチルドレンズメディカルセンターなど、マニラ首都圏の他の病院にも物資や設備を寄付した。
出典:https://www.pna.gov.ph/articles/1105157
2019年 フィリピンの不動産デベロッパー(建設・インフラ・環境)業界
フィリピンのAyala Land、Ayala North Exchangeを正式にオープン〜不動産デベロッパー業界動向〜
2019年7月5日の発表によると、フィリピン最大の財閥企業「アヤラ・コーポレーション」傘下の国内No.1不動産開発会社であるAyaka Landは、マカティCBDへの最新のゲートウェイとなるAyala North Exchangeを正式にオープンし、テープカットの記念式典を開催した。
同社の代表的な商用複合施設の1つであるAyala North Exchangeは、アヤラアベニューの北端、サルセド通りとアモーゾロ通りの角に位置し、ショッピングモールやレストラン、オフィス、アパートメントなどが含まれる。
Ayala North Exchangeには、人々が一日中いつでもリフレッシュできる2,600平方メートルの市民スペースがある。同施設につながるEDSAからBuendia Avenueまでの高架歩道が完成予定で、快適なウォーキングも楽しめる。
フィリピンの高級リゾート、Dusit Thani Mactan Cebuとは?〜不動産デベロッパー業界動向〜
フィリピン最大級であるゴコンウェイ財閥系企業「JG サミット ホールディングス」傘下の大手デベロッパーであるRobinsons Landは、高級リゾートDusit Thani Mactan Cebuをオープンした。同社はラグジュアリーリゾートのニッチ市場への最初の進出となる。
同社が所有し、開発を手掛けたタイのDusit Internationalが運営する5つ星のビーチフロントリゾートは、Mactan島の北西端、PuntaEngañoに位置する 。 定評のある国際的ブランドであるデュシット・インターナショナルと提携することは、会社にとって正しい方向への一歩だと同社は述べた。
新ターミナルが開設されたマクタン-セブ国際空港からわずか11キロの距離にあり、送迎サービスを提供している。 敷地内にはリゾートの本館の居心地の良い建築、周囲と調和した3つの低層の建築物に迎えられる。野外のGrand Lobbyでは、セブ島のLiloanの丘陵地帯や山々が広がるMagellan Bayの素晴らしい景色を一望できる。
フィリピンで不動産デベロッパー業界大手のRockwell Land、40%の利益増加
フィリピンの地場系大手デベロッパーであるRockwell Land Corporationは、 2019年第1四半期の純利益を前年同期の5億1,400万ペソから40%増加して7億1900万ペソと発表した。 収益の伸びは、住宅開発の堅調な業績と商業リース事業の拡大によってもたらされたと述べた。
今年の第1四半期の連結売上高は3億5,500万ペソに達し、2018年第1四半期に報告された3億3,300万ペースを5%上回った。住宅開発は持続的な実績を反映し29億ペソとなり、同社のプロジェクトであるProsceniumと32Sansonの好調な販売実績は、当期の総収益の82%を占めた。
同社の継続的な成長に貢献しているのは、小売およびオフィス業務を含む商業リース事業で、この部門の売上高は5億6200万ペソで、2018年第1四半期の4億3100万ペソを30%上回り、総売上の16%を占めた。 またホテル事業による収入は6,400万ペソで、総収入の2%を占める結果となった。
収益は24%増、フィリピンで不動産デベロッパー業界大手のFilinvest Land
2019年5月16日の発表によると、フィリピンのビサヤ地区やミンダナオ地区の開発を得意とするFilinvest Land Inc. は住宅開発および賃貸ポートフォリオからの収益が2桁成長したことにより、前年同期比でQ1の収益が24%増の18億4000万ペソとなった。同社の総売上高は、最初の3ヶ月間で前年同期比15%増の72億ペソとなり、フィリピン証券取引所に発表した。
同社は、自社のオフィスやショッピングモールなどからの3カ月賃貸収入が前年同期比で42パーセント増加し、これは17億2000万ペソに達した。同四半期の不動産売上高は10%増加し、51億ペソとなったとも報告している。
同社は2023年までにオフィス用および小売用賃貸物件で総面積160万平方メートルのGLAを達成することを目標としている。また、在庫管理のサポートを目指す物流、軽工業、技術、およびEコマース企業のニーズの高まりに対処するために、経常利益ポートフォリオの一部として物流および工業団地への拡大を計画している。
まとめ:フィリピンの不動産デベロッパー業界
アジア太平洋などより大きな範囲で見ると、フィリピンの不動産市場は、今後の成長が大いに期待される新興市場のひとつとなっています。このような中、同国の不動産デベロッパー業界は今後も多くのビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。
マニラ在住5年目の日本人。法政大学経済学部卒業後、2010年4月よりWeb業界を目指す社会人向けのスクールのインストラクターとして主にコーディングソフトや画像編集ソフトの授業を担当。2015年より海外での生活とキャリア形成を目的に、青年海外協力隊に参加。