【未来を描く!】アメリカの文房具・事務用品業界の最新トレンド

最近のアメリカの文房具市場は、デジタル化の進展により紙や筆記具の需要が減少する一方で、ホームオフィス用品やクリエイティブな文房具の需要が増加しています。また、環境に優しいエコ商品やデザイン性の高い高付加価値商品が注目されています。多様なニーズに対応するため、メーカーは新製品開発とマーケティング戦略を強化しています。

今回は、そんなアメリカの文房具・事務用品業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

読了時間の目安:5分

アメリカの文房具・事務用品業界 業界地図はこちら!
目次

2023年 アメリカの文房具・事務用品(製造業)業界

Paper Mate、資金が必要な学校教員をサポート〜文房具・事務用品業界動向〜

Paper Mateは、Thanks to Teachersキャンペーンを開始し、非営利団体AdoptAClassroom.org とともに、俳優のMax Greenfieldとコラボレーション。Teacher Appreciation Week (5/8-5/12) を記念し、Paper Mate は、Paper Mate製品が購入されるごとに 1 ドルを団体を通して教師に寄付。

キャンペーン開始にあたり、 Paper MateとGreenfieldは、ロサンゼルスの支援が必要な学校のひとつであるAccelerated Charter Elementary Schoolを訪問し、20,000 ドルの寄付を発表。この資金で教師は AdoptAClassroom.org アカウントを通じて学用品を購入できる。

米国では学校から指定された文具を各家庭で購入するが、全ての家庭が十分なものを用意しない事があり、その分を教師が自分のポケットマネーで補いう事が多い。そのため、大手のチェーン文具店は教師用のディスカウントを用意している。

出典:https://ir.newellbrands.com/news-releases/news-release-details/paper-mater-partners-max-greenfield-and-adoptaclassroomorg

Crayola、新商品Bold & Bright!を販売開始〜文房具・事務用品業界動向〜

Crayolaは同ブランドの人気商品ウォッシャブルマーカーの進化版としてBold & Bright!を販売開始。ウォッシャブルマーカーは手や衣類、机などについても水やせっけんで簡単に落とすことができるため、小さな子供のいる家庭でもストレスなく使用できる。

Bold & Bright!は特徴的な先端の形により、太い線も細い線も簡単に描くことができる。また、特別なインク配合により、あらゆる種類の明るい色の紙や、黒や紺などの暗い色の紙でもきれいに発色。

色鉛筆版も同時に販売を開始。色鉛筆はツイスタブル構造、芯が短くなったらひねる事で芯を出すタイプであるため、これまでの色鉛筆とは異なり、シャープナー不要で削りカスも散らからないことから保護者層からも好評。

出典:https://www.crayola.com/-/media/Crayola/About-Us/Press-Center-Images/05_2023/Bold-Bright-Fact-Sheet.pdf

3M、メープルウッド本社で1,100人の人員削減〜文房具・事務用品業界動向〜

3Mはミネソタ州St. Paul市長とMaplewood市長、および州雇用経済開発局へ書簡を送り、 Maplewood本社の従業員約1,100人の人員削減を伝え明らかにした。 同社は2020年3月時点で全世界で96,000 名の社員を有していた。本社でのレイオフは6月30日から開始。

同社は1月にも工場勤務者の製造職を2,500人削減すると発表しており、本社でのレイオフも含めると計3,600の大きな人員削減となる。

3Mは米国本社のみではなく、4月に先立って、世界的なリストラ計画の一環として6,000人の人員削減計画も発表。その理由は「企業の中心地の規模を縮小し、サプライチェーンを簡素化し、3Mの地理的拠点を合理化し、管理層を削減する」ためとしている。

出典:https://www.mprnews.org/story/2023/05/02/st-paul-maplewood-minnesota-3m-layoffs と
https://multimedia.3m.com/mws/media/1811476O/news-release-20200310.pdf

Avery Dennison、Emerald Technology Venturesとパートナーシップを開始〜文房具・事務用品業界動向〜

Avery DennisonはEmerald Technology Venturesとパートナーシップを組むことで、パッケージング、小売、産業で顧客ソリューションをサポートする最先端テクノロジーにアクセス可能となり、同社が重要課題とする2030年目標のサスティナビリティゴールに取り組む。

Emeraldは、2000年に設立されたベンチャーキャピタルで、気候変動と持続可能性における課題に取り組む企業を中心に投資を行う企業。Emeraldがこれまで運営してきたファンド群では、エネルギー効率の改善、CO2削減などの社会課題解決に資する産業イノベーションをポートフォリオとしている。

日本では村田製作所がEmerald Technology Venturesが運営するファンドに出資することを2022年に発表。

出典:https://www.averydennison.com/content/corp/na/en/home/newsroom/press-releases/avery-dennison-partners-to-fund-innovation-with-emerald-technology-ventures.html と https://corporate.murata.com/ja-jp/newsroom/news/company/general/2022/0715#

Zebra Pen、Liqui-Mark とコラボレーション〜文房具・事務用品業界動向〜

Liqui-Markは、2023年1月からプロモーション業界へのゼブラペン製品の独占サプライヤーとなる契約を結んだ。

最初にZebraブランドの最も人気のあるステンレスボールペン (F-301)、ゲルペン (G-301)、およびシャープペンシル (M-301) を含む、人気アイテムから取り扱いを開始。次いでX10、X20、サラサグランドなどのZ-グリップ、マイルドライナー、サラサシリーズのゲルペンも発売される。

Liqui-Mark はZebra同様、量販店、学校、オフィス製品の分野の製造販売業であるが、2005 年にプロモーション製品分野に参入。Liqui-Mark と Zebra の提携はプロモーション製品チャネルのみに適用される。

出典:https://www.zebrapen.com/blogs/news/liqui-mark-to-provide-zebra-pen-products-to-the-industry-starting-in-2023

アメリカの文房具・事務用品業界 業界地図はこちら!

2022年 アメリカの文房具・事務用品(製造業)業界

3M のポストイットと Microsoft が共同イノベーションのアプリを発表〜文房具・事務用品業界動向〜

2022年10月に発表された3MとMicrosoftの共同イノベーションアプリでは、ユーザーはデジタルのホワイトボードでアイデアをメモし、整理することができる。

多くの素晴らしいアイデアはポストイットに書かれる、アプリはそれをさらに一歩進め、物理世界とデジタル世界の間のギャップを橋渡しをする。アプリにより、何百万ものユーザーがアイデアを実行に移し、あらゆるプロジェクトの勢いを加速するサポートができる。

3Mの文具担当プレジデント、ヘザー・グリーン氏は「ロケーション、アナログまたはデジタルでの作業の好み、さらには技術的な精通のレベルに関係なく、アプリのシンプルさと柔軟性により、ハイブリッドで生産的なエクスペリエンスを得る事ができる」と語った。

出典:https://news.3m.com/3M-and-Microsoft-launch-new-Post-it-App-for-Teams

BIC が温室効果ガス (GHG) 排出削減を計画〜文房具・事務用品業界動向〜

BICが温室効果ガスの削減目標を発表。パリ協定に沿った長期的な計画は、「2030年まで5% 削減」としている。これは既存プログラムの“Writing the Future, Together“と呼ばれるサスティナビリティな開発のさらなるステップアップである。

目標を達成するために必要な投資は、すでに予算に組まれており計画的に実施される。

BICは20 年以上にわたってエコビジネスに取り組んでおり、リスクと緩和計画、温室効果ガスの追跡を通じて、気候変動をビジネス戦略に組み込む、すべてのスコープの排出量を把握し、気候レポートで年間GHG 排出量を公表してきている。

出典: https://res.cloudinary.com/bic-digital/image/upload/v1658301352/BIC_GH_Gtargets_19_MAI_22_68cc12f2af_3e209a3cc5.pdf

Avery Dennison、リテールメディアのVestcomを買収〜文房具・事務用品業界動向〜

Avery Dennisonは、小売業者や消費者向けパッケージ製品企業向けに価格設定およびブランドラベルのソリューションを最前線で提供する非公開企業の市場をリードするプロバイダーである Vestcom を14億5000万米ドルで買収。

Vestcom は、データ管理機能を使用して店舗レベルのデータを統合および合理化し、カスタマイズされた販促メッセージを配信するなどAvery Dennisonのビジネス戦略をサポートする。

Avery DennisonのCEOであるButierは「この買収により、当社は高価値カテゴリーでの地位を拡大し、当社のインテリジェントラベル戦略を促進する補完的なチャネルアクセスとデータ管理機能を持つことができる」と述べた。

出典: https://www.averydennison.com/en/home/newsroom/press-releases/avery-dennison-to-acquire-vestcom.html

Staedtler、アップサイクルウッドから鉛筆を製造〜文房具・事務用品業界動向〜

Staedtlerはアップサイクルされた木材から鉛筆を製造。アップサイクルとは、ボトルで作られた花瓶、ワインの木箱から作られた本棚、残り布で作られた衣類など、古い物や役に立たない素材に新しい目的を与えリサイクルする事である。

アップサイクル木材から定番の色鉛筆や木板を使った鉛筆に加え、原材料を最大限に活用し、資源の節約を図るため、小さな木材チップからも高品質な鉛筆を生産することが可能。

同社のブランド&コミュニケーション部門責任者Britta Olsenは「木材は私たちにとって大切なものです。だからこそ、この資源を責任を持って使用することが私たちにとってますます重要なのです」と述べた。

出典:https://e.staedtlercdn.com/fileadmin/user_upload/Company/Newsroom/Press_Release_2022/STAEDTLER_PM_Made_from_Upcycled_Wood_GB.1643374050.pdf

Zebra Pen、QRコードを通してAR体験を提供〜文房具・事務用品業界動向〜

Zebra Pen Corp. は、消費者が同社のアニメキャラクター、しま馬の“Zen” とつながるAR体験を導入。ポータルサイトにアクセスするにはZebra Pen商品パッケージの裏面にある QR コードをスマートフォンでスキャンすることでアクセスできる。

ユーザーは、ZenからZebra Pen製品についてさらに詳しく学んだり、筆記具での自己表現方法を学ぶ事ができる。さらには、Zenとのチャットや、ZENと写真を撮り、その写真を他のユーザーと共有することができるSNS機能も持つ。

Zebra Penは米国で40周年を迎える。ARの世界でもZENが参加する祝賀会が開催される予定である。

出典:https://www.zebrapen.com/blogs/news/zebra-pen-launches-augmented-reality-consumer-experience

まとめ:アメリカの文房具・事務用品業界

アメリカの文房具・事務用品業界は、デジタル化や環境への配慮が進む中、各社がユニークなキャンペーンや製品で市場の変化に対応しています。Paper Mateの教師支援活動、Crayolaの新製品、3Mのリストラ、Avery Dennisonの持続可能性への取り組み、Zebra PenのAR体験など、多彩な動きが見られます。

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