ベトナムのFintech市場は急成長を遂げており、2029年には722億4000万米ドル規模に達すると予測されています。政府の強力な後押しにより、現金決済比率を60%以下に抑える目標が掲げられ、モバイル決済やQRコード決済が急速に普及しています。MoMoやZaloPayなどの大手プレイヤーが市場をリードする一方、デジタルレンディング、WealthTech、InsurTechなどの新たな分野も台頭しています。しかし、サイバーセキュリティや消費者保護といった課題も浮上し、規制強化の動きも見られます。
この急成長するベトナムのFintech市場の実態と今後の展望、そして直面する課題について詳しく見ていきましょう。
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ベトナムのFintech市場の現状と成長要因
急成長する市場背景
ベトナムのFinTech市場は、スマートフォン普及率の急増と経済の成長を背景に、爆発的な拡大を遂げている。取引額は、2024年から2029年にかけて年平均成長率13.11%で拡大し、2029年には722億4000万米ドルに達すると予測されている。国内の現金依存率はまだ高いものの、政府は2025年までに現金決済の比率を60%以下に減らす方針を掲げ、デジタル金融の普及を後押ししている。モバイルマネーやQRコード決済などの新技術導入が進み、地方部でも金融アクセスが広がりつつある。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、多くの国経済に大きな打撃を与えたが、ベトナムは例外であった。同国は、パンデミックによる健康とビジネスのリスクを効果的に抑え込み、2020年には2.91%の経済成長を達成した。この安定した経済成長は、外資の投資を呼び込み、FinTech市場のさらなる発展を後押しした。また、ベトナム国家銀行(SBV)はデジタルバンキング推進を目指し、サンドボックス制度を導入して新たなFinTechサービスの実証実験を支援している。 ベトナムには現在、130社を超えるフィンテックスタートアップ企業が拠点を構えている。これらの企業は、デジタル決済、代替金融、資産管理、ブロックチェーンなど、幅広いサービスを提供し、ベトナムの金融サービスのデジタル化を加速させている。
ベトナムは、銀行口座を持たない人口が多く、インターネット普及率が急速に高まっていることから、フィンテック企業にとって大きな成長機会を提供している。特に、P2P融資、株式クラウドファンディング、デジタル決済、暗号資産、インシュアテックなどの分野では、今後さらなる成長が期待されている。
出典:https://kinhtevadubao.vn/thi-truong-fintech-tai-viet-nam-thuc-trang-va-giai-phap-29580.html
https://vneconomy.vn/thanh-toan-khong-dung-tien-mat-tang-truong-50-trong-nam-2023.htm
https://datafiles.chinhphu.vn/cpp/files/vbpq/2021/10/1813.signed.pdf
国内外の投資動向
ベトナムのFinTech市場は、海外の大手投資家からも注目を集めている。Goldman SachsやWarburg Pincusといったグローバルな投資会社が、ベトナムのFinTechスタートアップであるMoMoに多額の資金を投じている。また、AlibabaとBaring Private Equity Asiaも、ベトナムの大手企業Masan Groupとの提携を通じて、電子商取引と電子決済の分野に積極的に投資している。 これらの海外からの大規模な投資は、ベトナムのFinTech市場の成長を加速させ、国際的な競争力を高める上で重要な役割を果たしている。海外の投資家からの資金調達は、ベトナムのFinTech企業に、より高度な技術開発やグローバルな展開のための資金を提供し、イノベーションを促進している。
海外からの投資だけでなく、ベトナム政府もFinTech産業の発展を積極的に支援している。スタートアップや中小企業向けの支援プログラムが拡充され、FinTech企業は競争力を高め、ユニークなサービスを提供できる環境が整いつつある。 特に注目すべきは、地方部への金融包摂に向けた取り組みである。従来、銀行サービスが届きにくかった地方部においても、FinTechサービスの普及により、金融サービスへのアクセスが容易になっている。これは、ベトナム経済のさらなる成長と、地域間の格差縮小に貢献すると期待されている。
出典:https://www.momo.vn/tin-tuc/tin-tuc-su-kien
https://tapchitaichinh.vn/xay-dung-giai-phap-tai-chinh-toan-dien-cho-khu-vuc-nong-thon.html
ユーザーの消費行動とFinTech利用の変化
ベトナムの消費者は利便性を重視し、デジタル決済の利用が急増している。特に若年層はモバイルウォレットやQRコード決済に対して積極的で、75%以上が生体認証を利用した決済を好む傾向にある。従来の代金引換払いから電子決済への移行が進む中、MoMoやZaloPayなどのプラットフォームが急速に普及している。 また、政府の支援を受けたモバイルマネーは、銀行口座を持たないユーザーへの金融サービスを拡大し、電子商取引の成長に寄与している。これにより、地方の小規模商店でも電子決済が普及し、日常の支払いが効率化されつつありる。
全体として、スマートフォンの普及、政府の非現金決済推進、そして積極的な国内外の投資が、ベトナムのFinTech業界の拡大を支えている。今後も金融包摂やサステナブルファイナンスへの取り組みが、さらなる成長を牽引する見込みである。
出典:https://vtv.vn/kinh-te/76-nguoi-tieu-dung-viet-nam-su-dung-cong-nghe-sinh-trac-hoc-de-thanh-toan-20221221151326811.htm
https://sbv.gov.vn/webcenter/portal/vi/links/cm255?dDocName=SBV610017
FinTech企業の分野別リーダー
デジタル決済
ベトナムのフィンテック市場において、特に注目を集めているのがデジタル決済分野である。スマートフォン普及率の高まりと政府の支援を背景に、数多くのフィンテック企業が誕生し、激しい競争を繰り広げている。
モバイル決済の覇者:MoMo
MoMoは、ベトナムのデジタル決済市場で圧倒的なシェアを誇る存在である。当初は電子ウォレットサービスとしてスタートしたが、現在は送金、投資、保険など、幅広い金融サービスを提供するスーパーアプリへと進化している。Goldman SachsやWarburg Pincusといったグローバルな投資家からの巨額の資金調達を受け、その成長はますます加速している。 MoMoが成功を収めた要因としては、以下の点が挙げられる。
強力なパートナーシップ:大手小売店や銀行との提携により、利用できる店舗やサービスを拡大。
ユーザーインターフェースの優位性:直感的で使いやすいアプリ設計が、幅広い層のユーザーに受け入れられている。
多様なサービスの提供:決済だけでなく、投資や保険など、幅広い金融サービスを提供することで、ユーザーの利便性を高めている。
その他の主要プレイヤー MoMo以外にも、ベトナムのデジタル決済市場には多くのプレイヤーが存在している。
・ZaloPay:ベトナム最大のSNSアプリ「Zalo」が提供する決済サービス。
Zaloのユーザー基盤を活かし、急速に利用者を拡大している。
・VNPay:ベトナムの銀行系決済サービス。
銀行口座との連携がスムーズで、企業向けの決済ソリューションも提供している。
・ShopeePay:Eコマースプラットフォーム「Shopee」が提供する決済サービス。
Shopeeでの買い物だけでなく、様々な店舗でも利用できる。
出典:
https://www.momo.vn/tin-tuc/thong-cao-bao-chi/momo-nam-giu-68-thi-phan-va-la-fintech-duoc-yeu-4355
https://zalopay.vn/
https://vnpay.vn/
https://shopeepay.vn/
デジタルレンディング
デジタルレンディング(オンライン融資)分野は、従来の銀行融資に比べて迅速かつ手軽なサービスを提供することで、多くの消費者から注目を集めている。 ベトナムのデジタルレンディング市場では、MoMo、Viettel Money、Timo Plus、Mcredit、Home Creditといった企業が主要プレイヤーとして活躍している。これらの企業は、フィンテック技術を活用し、ユーザーに安全かつ迅速な融資サービスを提供している。
- MoMo
特徴:ベトナム最大の電子ウォレットとして知られ、デジタル決済だけでなく、融資サービスも提供。
強み:広大なユーザー基盤と多様なサービス展開。 - Viettel Money
特徴:ベトナム最大の通信事業者Viettelが提供する金融サービス。
強み:通信事業者としてのインフラを活用した広範囲なサービス展開。 - Timo Plus
特徴:デビットカードと連携した融資サービスを提供。
強み:シンプルな操作性と迅速な審査。 - Mcredit
特徴:安全性と迅速な審査が特徴。
強み:30分以内の融資承認が可能。 - Home Credit
特徴:迅速な審査と低金利が特徴。
強み:3ヶ月以内の借入であれば金利0%のキャンペーンを実施している場合がある。 ベトナムのデジタルレンディング市場は、フィンテック企業の参入により、大きく変貌を遂げている。迅速かつ手軽な融資サービスは、消費者の利便性を高め、金融包摂にも期待されている。しかし、過度な借金や情報セキュリティの問題など、課題も存在するため、政府による適切な規制と業界全体の健全な発展が求められる。
出典:https://vegafintech.vn/vi/ung-dung-fintech-cho-vay-uy-tin-tren-thi-truong
WealthTechと投資プラットフォーム
ベトナムのFinTech市場のWealthTech(ウェルステック)分野は、デジタル化が進む金融業界において重要な役割を担っている。WealthTechは、テクノロジーを活用して、投資、資産管理、財務計画などのサービスをより効率的でパーソナライズされたものにすることを目指している。
ベトナムでは、Finhay、Timo Digital Bank、Mitrade、FireAnt、TCInvest、VNDirect、VCBS Mobile Tradingといった数多くのWealthTechプラットフォームが競合している。これらのプラットフォームは、株式投資、債券投資、ファンド投資など、幅広い金融商品へのアクセスを提供し、ユーザーはスマートフォン一つで手軽に投資を行うことができる。
各プラットフォームの特徴
・Finhay:小額から始められる投資商品が豊富で、初心者でも使いやすいインターフェースが特徴。
・Timo Digital Bank:銀行口座機能と投資機能を統合した総合的な金融サービスを提供。
・Mitrade、FireAnt:株式投資に特化しており、高度なチャート分析ツールやリアルタイムの市場情報などを提供。
・TCInvest、VNDirect、VCBS Mobile Trading:証券会社が提供するプラットフォームであり、幅広い投資商品と専門的なサポート体制が特徴。
ベトナムのWealthTech市場が抱える課題と今後の展望
・金融リテラシー: 投資に関する知識が不足している国民もまだ多く、金融教育の重要性が増している。
・規制:新興のFinTech業界に対して、より明確な規制が必要とされている。
・競争の激化:数多くのプレイヤーが参入し、競争が激化している。 ベトナムのWealthTech市場は、急速に成長しており、今後もその勢いは止まると考えられる。しかし、その一方で、金融リテラシーの向上や規制の整備など、解決すべき課題も残されている。今後、ベトナムのWealthTechは、より高度なテクノロジーを活用し、個人投資家向けのサービスをさらに充実させていくことが期待される。
出典:https://www.vnsc.vn/app-dau-tu-tai-chinh/
発展途上であるInsurTech
ベトナムのフィンテック市場が急速に成長する中、インシュアテック(保険テック)分野も注目を集めている。しかし、他の東南アジア諸国と比較すると、ベトナムのインシュアテック市場はまだまだ発展途上であり、保険市場全体に占める割合はわずか3%にとどまっている。 ベトナムのインシュアテック市場を牽引している主なプレイヤーは、Papaya、TheBank Assurance (TBA)、Medici Medical Services Technology Joint Stock Companyなどである。これらの企業は、保険商品のデジタル化、特に保険商品の引受と販売のプロセスをデジタル化することに注力している。
ベトナムのインシュアテック市場が直面する課題
・資金調達の難しさ:インシュアテックは複雑なビジネスモデルであり、スタートアップ企業は資金調達が困難な状況にある。
・顧客の慣習:ベトナムの消費者は、従来の保険商品を購入する傾向が強く、新しいデジタルサービスへの移行が遅れている。
・競争の激化:既存の保険会社との競争は激しく、インシュアテック企業は差別化を図ることが求められる。
ベトナムのインシュアテック市場の将来性として、市場には明るい兆しもある。
・市場の成長:ベトナムの保険市場は、毎年2桁のペースで成長して、今後100億ドル規模に達する見込みである。
・人口の高齢化と中間層の拡大:高齢化が進み、中間層が増加するにつれて、保険に対する需要は高まる。
・政府の支援:政府はFinTech産業の発展を後押ししていて、インシュアテック企業への支援策も期待できる。
ベトナムのインシュアテック市場は、まだ初期段階であるが、成長ポテンシャルは非常に高い。今後、以下の点が期待される。
・パーソナライズされた保険商品の開発:AIやビッグデータを活用し、顧客一人ひとりに最適な保険商品を提案できるようになるであろう。
・ブロックチェーン技術の導入:ブロックチェーン技術を活用することで、保険契約の透明性やセキュリティが向上するであろう。
・IoTとの連携:IoTデバイスとの連携により、よりきめ細やかなリスク管理が可能になる。
ベトナムのインシュアテック市場は、まだまだ発展途上であるが、将来性の高い市場である。政府の支援や技術革新を背景に、今後ますます成長していくことが期待される。
ベトナムのFintech業界における規制と今後の展望
規制の現状と政府の対応
政府は、金融包摂の推進や経済成長を目的として、FinTech産業の発展を積極的に支援している。しかし、一方で、FinTechの急成長に伴い、消費者保護や金融システムの安定性を確保するための規制強化も進められている。
政府の支援策
非現金決済開発計画は、2019年に策定された。この計画は、モバイルマネーやQRコード決済の導入を促進し、非現金決済の普及を後押ししている。サンドボックス制度は、新しい技術やサービスの実証実験を可能にするものである。この制度は、FinTech企業のイノベーションを促進している。これにより、新たなビジネスモデルの創出や、消費者への新たなサービスの提供が期待されている。これらの支援策を通じて、政府はFinTech産業の発展と金融サービスの革新を推進している。
規制強化の背景と内容
消費者保護の観点から、P2Pレンディングや暗号資産取引において過剰な借入や詐欺行為が発生するリスクが高まっているため、規制強化が求められている。また、金融システムの安定性確保のため、FinTechの急成長がもたらす新たなリスクに対応するための適切な規制が必要とされている。具体的な規制強化の内容としては、以下の点が挙げられる。まず、電子決済に関する規則が改訂され、電子決済事業者のライセンス要件や資本金基準が明確化されたことで、事業者の参入障壁が引き上げられた。次に、P2Pレンディング事業者に対する登録制度が導入され、事業者の財務状況やリスク管理能力が厳しく審査されるようになった。さらに、暗号資産取引所に対してはライセンス制度が導入され、取引所の運営が厳しく規制されるようになった。これらの規制強化により、消費者保護と金融システムの安定性の向上が図られている。
規制の光と影
これらの規制は、消費者保護や金融システムの安定性を確保するという点では有効であるが、一方で、FinTech企業のイノベーションを阻害する可能性も指摘されている。特に、中小規模のFinTech企業にとっては、規制遵守のための費用負担が大きく、事業展開が困難になるケースも考えられる。
https://sbv.gov.vn/webcenter/portal/vi/links/cm255?dDocName=SBV610017
https://baochinhphu.vn/3-linh-vuc-duoc-thu-nghiem-giai-phap-fintech-10224030616364095.htm
課題とリスク管理
ベトナムのFinTech業界は急成長に伴う新たな課題も浮上している。特に、サイバーセキュリティや消費者保護といった分野でのリスク管理は、業界の持続的な成長にとって不可欠な要素となっている。 サイバーセキュリティの脅威 電子決済の普及により、サイバー攻撃の標的となる機会が増加している。不正アクセスや個人情報漏洩といった事件は、消費者の信頼を損なうだけでなく、企業の評判にも大きなダメージを与える。ベトナム政府は、FinTech企業に対して、より厳格なセキュリティ対策を要求し、企業側も最新の技術を駆使した多層的なセキュリティシステムの構築が求められている。 信用スコアリングの透明性と消費者保護 P2Pレンディングなどの新たな金融サービスの登場により、信用スコアリングの重要性が増している。
しかし、アルゴリズムに基づく信用スコアリングは、その透明性が不十分であり、消費者保護の観点から問題視されている。特に、高金利ローンによる債務不履行のリスクが高まるケースも報告され、消費者保護のための規制強化が急務となっている。 規制の強化と業界への影響 ベトナム国家銀行(SBV)は、これらの課題に対処するため、FinTech企業に対する規制を強化している。具体的には、サイバーセキュリティ対策の強化、消費者保護方針の策定、リスク管理体制の構築などが求められている。これらの規制は、企業にとって新たな負担となる一方で、健全な競争環境を整備し、消費者の保護に繋がるという側面も持ち合わせている。
ベトナムFinTech業界の発展には以下の課題を克服していく必要がある。
・規制の明確化:新しい技術やビジネスモデルの登場に伴い、規制の枠組みが追いついていない部分もあり、規制の明確化が求められる。
・人材育成:高度なITスキルを持った人材の育成が急務である。
・国際的な連携:グローバルなFinTech業界との連携を強化し、国際的な標準に合わせた規制を整備していく必要がある。
https://baochinhphu.vn/3-linh-vuc-duoc-thu-nghiem-giai-phap-fintech-10224030616364095.htm
今後の市場展望と成長分野
ベトナムのFinTech業界は今後も拡大が期待され、特に以下の分野が成長のカギを握ると考えられている。
・モバイルマネーと地方市場の拡大:都市部に集中していたFinTechサービスは、地方部への浸透が加速しており、金融アクセスの拡大が見込まれる。
・デジタルバンキングとAIの活用:デジタルバンクが個人向けサービスを強化する中、AIを活用したパーソナライズドサービスが差別化要素となっている。
・WealthTechとESG投資:若年層の投資意欲が高まる中、ESG(環境・社会・ガバナンス)に特化した投資商品が注目を集めている。
政府の支援と規制のバランスを取りつつ、今後もベトナムのFinTech業界は持続的な成長が見込まれている。技術革新と規制の両立が、市場の安定とさらなる発展の鍵となるであろう。
https://dtsvn.net/vi/tuong-lai-cua-thi-truong-fintech-toan-cau-2024
主要企業
MoMo
MoMoは、ベトナム最大の電子ウォレットサービスの1つで、2300万人以上のユーザーを抱え、決済や送金、公共料金支払いなど、幅広い金融サービスを提供している。Goldman SachsやWarburg Pincusから大規模な資金を調達し、地方市場への進出を加速させている。 独自のポイントプログラムやプロモーションにより、若年層の支持を集め、特にキャッシュレス決済を好むユーザーの間で人気を博している。また、ロイヤリティプログラムの展開により顧客のエンゲージメントを高め、リテール業界と連携しつつさらなる市場拡大を目指している。
ZaloPay
ZaloPayは、メッセージングアプリZaloとの連携を活かし、シームレスなユーザー体験を提供する電子ウォレットである。Zaloユーザーは、チャット内で友人への送金やグループでの支払いを簡単に行えるため、若年層の間で普及が進んでいる。 同社は、銀行とのパートナーシップを強化しており、デジタル決済の利便性を高めている。さらに、オンラインショッピングプラットフォームやサービスプロバイダーと提携し、ユーザーが日常的に利用できる幅広い決済オプションを提供している。
VNPay
VNPayは、ベトナム国内で広く利用されるQRコード決済のリーダー的存在で、銀行や商業施設との強固な提携により、利便性とアクセス性を高めている。VNPayは全国的なネットワークを構築し、地方市場にも浸透している。QRコード決済の普及によって、中小企業や地元店舗でも簡単にデジタル決済が導入できる環境を提供して、地方市場でも利用が急増している。また、公共料金支払いやチケット購入など、多様な支払いサービスを提供している。
Viettel Money
Viettel Moneyは、通信大手のViettelが提供するモバイルマネーサービスで、主に地方部の利用者層をターゲットにしている。銀行口座を持たないユーザーにも金融アクセスを提供するために、キャッシュレス決済の普及に尽力している。Viettelの広範な通信ネットワークを活かし、ベトナム国内の都市部から地方の隅々までサービスを展開し、特に農村部での普及に注力している。さらに、通信契約と連携したリワードプログラムも実施して、リテンション施策に力を入れている。
Timo
TiMoは、ベトナム初のデジタルバンクとして注目を集め、銀行窓口に行かずにオンラインでの口座開設や振込が可能である。手数料無料のサービスを多数提供し、ユーザーにとって非常に使いやすいプラットフォームとして人気がある。TiMoは、特に若年層や都市部のユーザーに支持され、利便性と透明性を追求したサービス提供に努めている。
ハノイ在住のベトナム人。名古屋大学で文部科学省奨学金の日研生として留学経験有り。日越の翻訳、通訳などが得意で、日本語教師の経験有り。ハノイで日系IT企業に入社後、主に総務・人事、日本親会社との取引業務を約3年経験し、その後長野県で日本企業で勤務。