アメリカの外食・中食業界では、技術革新や顧客体験向上を目指した様々な取り組みが進展しています。Wendy’sの地下配送システム導入やPanera BreadのAlexa注文対応など、企業は新たなサービスを続々と展開しています。
今回は、そんなアメリカの外食・中食業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2023年 アメリカの外食・中食(飲食・食品メーカー)業界
Wendyʻs、業界初の地下配送システムを試験導⼊〜外食・中食業界動向〜
2023年5⽉17⽇の発表によると、WendyʻsはPipedreamと提携し、業界初の地下配送システムを試験導⼊した。ハイパーロジスティクス企業Pipedreamのシステムを利⽤し、モバイルオンライン注⽂商品をキッチンから指定された駐⾞場まで地下道を通り数秒で届け、顧客へより早く便利なデリバリーを実現する。この最先端技術を導⼊したのはファース
トフード業界ではWendy’sが初となる。
Wendy’sのキッチンをレストランの外に設置されたインスタントピックアップポータルに接続することで、顧客が⾞から降りることなく選んだポイントから商品を受け取る事ができる。
デジタル注⽂の受け取り場所を合理化することで、レストランのスタッフの業務負荷も軽減される。
出典:https://www.irwendys.com/news/news-details/2023/Wendys-Partners-with-Pipedream-to-Pilot-Industry-First-Underground-Delivery-System-for-Mobile-Orders/default.aspx
PANERA BreadがALEXAでの注文を開始〜外食・中食業界動向〜
Panera会員は2023年3月29日からAmazon Alexa経由で注文可能となった。Alexaを通した注文は、アプリを開かずに音声またはタッチでPaneraのお気に入りメニューを注文できる。
Alexa経由で注文するには、Panera会員はEcho Showデバイスとアプリに支払い方法の登録が必要で、デリバリーの場合はPaneraアカウントに住所が必要である。
お気に入りメニューの注文だけでなく、商品の追加、商品のカスタマイズ、チェックアウトをすべて音声で行うことができる。このサービスを可能にするために、PaneraはAmazonと協力して、AlexaがPaneraメニューを学習できるようにした。
出典: https://www.panerabread.com/en-us/press/press-room/panera-bread-launches-new-amazon-alexa-ordering-experience.html
McDonaldʼs、ドーナツをテスト 販売〜外食・中食業界動向〜
McDonaldʼsは、集客テストを目的にKrispy Kreme Doughnutsの人気3商品をケンタッキー州の9つの店舗で2022年10月から販売を開始した。
販売されたのは、The Original Glazed Doughnut、The Chocolate Iced with Sprinkles Doughnut、The Raspberry Filled Doughnut。McDonaldʼsで提供するMcCaféコーヒーと共に楽しまれる事を想定。ドーナツは毎日作りたてのものがKrispy KremeDoughnutsから販売店舗へ送られてくる。
テストからわずか5か月で販売店舗を160店舗へ拡大。テストは好調であったことを伺う事ができる。
出典:https://corporate.mcdonalds.com/corpmcd/our-stories/article/krispy-kreme.html
Chick-fil-A、デリバリー配達員への取り組み〜外食・中食業界動向〜
2023年2月15日の発表によるとChick-fil-Aは、ニューヨークのレストラン運営会社と協力して、寒さ厳しいNYシティーの食品配達コミュニティで働く人が休憩し、暖を取れるように冬の期間限定でThe Brake Roomをオープンした。
市内には65,000人以上の食品配達員がおり、Chick-fil-Aはこのコミュニティの労働者をケアする重要性を認識。2021年のデータによると、フードデリバリーの規模は2017年と比べて3倍に増加している。
食品配達員は各レストランビジネスにおいてますます重要な部分を占めており、マンハッタンを拠点とするChick-fil-A配達数は市内で最も多い。The Brake Roomは、配達員が寒い中、⻑時間の勤務や自転車で市内を何マイルも移動する中で、ひとときの休息と居心地の良い環境を提供した。
出典:https://www.ebayinc.com/stories/news/super-potato/
Chipotle、Street Fighter 6 とコラボ〜外食・中食業界動向〜
2023年6月17日から開催されるThe Chipotle Challenger Series(Eスポーツゲーム)としてStreet Fighter6が登場し、複数の優勝者にはラスベガスで開催される2023年2023 Evolution Championship Seriesへ参加する旅行が贈られる。
ChipotleアプリおよびChipotle.comでの食事を注文すると、ゲーム内プレミアム通貨であるファイターコインを獲得できる。
Chipotleは、2023 Evolution Championship Seriesの代表スポンサー、COMBOBREAKERのスポンサー、PlayStationの広告主、そしてTwitchの視聴者特典として無料の食事を提供する初のレストランブランドとなる。
出典: https://newsroom.chipotle.com/2023-05-24-CHIPOTLE-ANNOUNCES-PARTNERSHIP-WITH-CAPCOMS-STREET-FIGHTER-TM-6-AND-EXCLUSIVE-EXPERIENCES-FOR-THE-FIGHTING-GAME-COMMUNITY-FGC
2022年 アメリカの外食・中食(飲食・食品メーカー)業界
Panera Bread、接客無しのイートインを全米展開〜外食・中食業界動向〜
2022年3月29日の発表によると、米国とカナダに2,000店舗以上を展開するベーカリーカフェレストランのPaneraBreadは、完全接客無しの店内イートインを全米展開させた。モバイルやPCで注文した食事を、テイクアウトやデリバリーでなく、レストラン店内で飲食可能にしている。
顧客は注文の際にレジでの対面のやり取りを省くことができる。また、呼び出しベルなどの共有デバイスへの接触を避けるのにも役立つ。
非接触イートインを利用したい場合は、事前に注文しなくてもその場で利用できる。また、注文した食事の準備完了通知により、事前注文すればゲストはカウンターで待つ必要がなく、食事ができる。
出典:https://www.panerabread.com/en-us/press/press-room/panera-launches-contactless-dine-in-nationwide.html
KFC、業績好調を受けフランチャイズ拡大〜外食・中食業界動向〜
2021年5月、Kentucky Fried Chickenが第一四半期の業績を発表した。同期は非常に好調で、全四半期から14%成⻑、過去2年間ベースでは11%の成⻑率となった。これを受け、大規模な人員拡大を計画しており、全米で新たに20,000人を様々なポジションで募集している。
特にドライブスルー、テイクアウト、デリバリーが好調で需要が拡大し続けている。
CEOのジョン・カーニック氏は「当社のフランチャイズオーナーの多くは店舗でキャリアをスタートさせた。その中で経営、キッチン、顧客サービスなどを学び、オーナーまで成⻑できるマイルストーンがある。また、現役のジェネラルマネージャーの75%以上が、店舗のシフトリーダーとしてスタートしている」と語った。
出典:https://global.kfc.com/press-releases/kfc-and-franchisees-hiring-20-000-restaurant-employees/
Taco Bell、Beyond Meatとコラボ〜外食・中食業界動向〜
Beyond Meat社は植物由来の人工肉を製造・開発する食品テクノロジー企業だ。2022年9月21日の発表によるとTaco Bell社はファーストフード界のベジタリアンリーダーとしてその植物ミートを使用たビヨンド・カルネ・アサダ・ステーキの販売を開始した。
Taco Bellのリズ・マシューズ氏は「ビヨンドカルネアサダステーキは、誰もが求めている味を損なうことなくベジタリアンのメニューとして選択できる」と自信のあるコメントを述べた。
植物由来の製品を手頃な価格で提供するため、通常のカルネアサダステーキをビヨンドカルネアサダステーキに変更するのに追加料金をとらない設定にしている。
出典: https://www.tacobell.com/news/taco-bell-introduces-new-beyond-carne-asada-steak
Whataburger、オリジナル製品の売上好調〜外食・中食業界動向〜
Whataburgerは、ファンシーケチャップ、スパイシーケチャップ、オリジナルマスタードという自社商品を製品化し、2013年にテキサス州の店舗で導入が開始された。同社のオリジナル製品は、21の食料品ブランドとの販売契約の拡大を通じて成⻑し、現在では全米5,000店舗以上に提供されるようになった。
Whataburgerは2013年の製品化から2022年5月までに、収益が500%以上増加した。同社はレストランの店舗展開とともに食料品の流通も拡大するため、今後も安定した成⻑が見込まれるとしている。
食品業界調べによると、中でもWhataburger Ketchupsは米国で最も急速に成⻑しているケチャップブランドとなり、シリーズの中で最も広い範囲で入手可能。
出典:https://stories.whataburger.com/whataburger-original-recipe-products-now-available-at-more-than-5000-grocery-stores-in-25-states/
Raising Caneʼs、人気野球選手を一日店員に〜外食・中食業界動向〜
Raising Caneʼsは、ジェレミーペーニャを2022年11月14日に、テキサス州ヒューストンの店舗にて一日店員として迎えた。ジェレミーペーニャは2022年のワールドシリーズチャンピオンになったヒューストンアストロズの選手である。
ペーニャからの接客を期待し、500台を超える車とファンが店舗の周りを取り囲んだ。ペーニャは笑顔で接客を行い、熱心で忠実なファンとセルフィーを撮る時間も取り、イベントは大盛況に終わった。
RaisingCaneʼsは他にも過去にオリンピック金メダリストのクロエ・キムやNCAAバスケットボールチャンピオンのカンザス・ジェイホークスなど多くのスポーツ選手とファン交流会を開催した事がある。
出典:https://www.raisingcanes.com/news/over-500-fans-greet-world-series-mvp-jeremy-pena-as/
ワシントン在住の日本人。大学卒業後、日本で外資系メーカーに勤めており、営業とマーケティングを経験。マーケティングは発売予定の製品周りの広告、パッケージや販促、イベントやデジタルプラットフォームの使用等様々な側面に関わり、年に1−2回ある新商品発売に向けて取り組む。渡米してからはフリーランスでスタートアップにマーケティングやマーケティングリサーチのサービスを提供し、プロジェクトベースで様々な依頼に応えている。