オフィス街やショッピングモール、住宅街などいたるところで飲食店が設置されているシンガポールでは、顧客満足度を高めるためにもより新鮮な食品を提供することに取り組んでいます。
今回は、そんなシンガポールの食品卸売業界に関する最新情報をお届けします!
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2022年 シンガポールの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
Nature Superfoods、腸の健康にYacon推奨〜食品卸業界動向〜
シンガポールのオーガニックスーパーフードブランドのNatureSuperfoodsは、2023年5月17日、Facebookで「Yacon」の効能について説明した。
年齢を重ねるにつれ、特に女性で、膨満感、便秘、下痢、胸やけ/胃酸逆流など消化器系の症状を経験することが多く、健康な腸を持つことが非常に重要。
腸の健康を改善するためには、プロバイオティクスを毎日の食事に取り入れることが勧められている。多忙なため高繊維食品(果物、野菜、全粒穀物)を毎日十分摂取できない場合には、ヤーコンの根から採取した天然プレバイオティクスを濃縮したヤーコンシロップを毎日小さじ2杯摂取するか、スナック形態(乾燥ヤーコンスライス)のヤーコンを摂取することが勧められるとのこと。
出典:https://www.facebook.com/naturesuperfoods/posts/pfbid0u44VosZV3VRtLtm5K1K5LQ7yQgmUhs3fhuoqFvMTtXCRyv57UsQkJ
Makoto-Ya、エビス生ビールを正式に発売〜食品卸業界動向〜
シンガポールの日本食および飲料の大手サプライヤーであるMakoto-YaSingaporeは、2022年6月、シンガポールで初めてとなるヱビス生ビールを正式に発売することを報じた。
Makoto-Ya Singaporeはエビステイスティングイベントやプロワインシンガポール2022などの大規模イベントを通じて、このユニークなビールの迅速な普及を短期間に積極的に推進してきた。
2021年6月に発売された「ヱビス缶ビール」のさらに高品質なバージョンが「ヱビス生ビール」で、ヱビス生ビールを提供するには、複雑な機械の操作と定期的なメンテナンスをして初めてコクがありながらすっきりとした味わいの最高品質のプレミアムヱビス生ビールが提供できるということ。
出典:https://makoto-ya.sg/beer/first-launch-of-premium-yebisu-in-singapore/
KOKUBU Logistics、4温度帯物流センター建設〜食品卸業界動向〜
国分グループ本社は2023年3月28日、シンガポールで物流事業を展開するCommonwealth KOKUBU Logistics Pte. Ltd.が4温度帯物流センターを開設することを明らかにした。
国分グループと現地のCommonwealthグループは、2018年に低温物流事業を行うCommonwealth KOKUBU Logistics Pte. Ltd.を合弁で設立し、シンガポール国内の外食事業者、小売事業者の物流受託業務を行っており、さらなる事業拡大のため、隣接する土地に4温度帯物流センターを開設し、機能強化を図る。
新倉庫は、冷凍倉庫(-18°C~-25°C) 16,100 ㎡、冷蔵倉庫(0°C~8°C) 3,000 ㎡、定温倉庫(15°C~20°C) 8,700 ㎡ 、常温倉庫 8,700㎡で、稼働予定は、2024年10月。
出典:https://www.kokubu.co.jp/uploads/aeb02384f383e9dc2560743e01f214c2dd39d411.pdf
Angliss、Food & Hotel Asia 2022に出展〜食品卸業界動向〜
シンガポールの大手食品卸売のAngliss Singapore Pte.Ltd.がホームページでFHA 2022に参加したことを報じた。
Covid-19パンデミックで休止していたアジアの主要な食品および飲料イベントFood & Hotel Asia (FHA) が再び開催された。2022年9月5日から8日までの4日間、シンガポールEXPOで2,000以上の出展者と50の国際グループパビリオンが参加する対面イベントで、60,000平方メートルの展示スペースに国内外から50,000人の登録来場者があり、キッチンはシェフのライブデモンストレーションで賑わい、大勢の人が行き交いした。
また、FHA Food& Bevarageでは、4日間にわたって3つの講演会場で100人以上の講演者による70以上のセミナーが開催された。
出典:https://fhafnb.com/wp-content/uploads/2023/02/Press-Release-FHFB-%E2%80%93-Singapores-biggest-B2B-trade-show-%E2%80%93-returns-physically-for-the-first-time-since-the-pandemic.pdf
JAPFA、鶏肉鮮度向上のため鶏を生きたまま移送〜食品卸業界動向〜
シンガポールに本社を置き、インドネシア、ベトナム、インド、ミャンマー、バングラデシュに展開し、何百万人もの人々に栄養を与える主食タンパク質(鶏肉、豚、水産養殖、牛肉)および加工食品の生産を専門としているJAPFA LTDが2023年5月14日、23,000羽の生きた鶏を海上経由でインドネシアからシンガポールに配送することを明らかにした。
鶏はPT Japfa Comfeed India Tbk の子会社のリアウ州ビンタンのPTCiomas Adisatwaで飼育されたもので、生きたままインドネシアからシンガポールに輸送するのは今回が初めての試み。
鶏を生きたまま輸送してシンガポールで屠殺することで、より新鮮な鶏肉をシンガポール市場に供給することができるということ。
出典:https://japfa.com/media/single_news/japfa-delivers-23-000-live-chickens-from-indonesia-to-singapore
2021年 シンガポールの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
シンガポールの「Angliss」の日本食品販売オンラインチャンネル〜食品卸業界動向〜
シンガポール食品卸大手AnglissはこれまでBtoB向け販売に注力していたが、現地の一般顧客からの強い要望を受け、SNS上のオンラインライブクッキング番組で、日本人シェフを中心に日本の良質な食材を調理・紹介・直販する「Angliss Market Place/Japan Night」を開始した。
コロナの影響が長期に残る中、 試食販売は政府方針により禁止されており、 試食を介したテストマーケティングの実施が困難な状況。そんな中、SNSで現地シェフが日本の食材を調理/紹介/直販するプロジェクト「Angliss Market Place」を新しいテストマーケティングの形として開始した。
シェフによる調理デモと連動した詳しい商材紹介は試食が無くとも消費者に強い印象を与え、十分な商品理解を促す。更にオンエアと同時にその場からオンラインで注文が入る仕組みはスピード感に溢れ、テストマーケティングに最適である。何よりもアングリスが認めた商品は買い取りが原則となり、日本からの出品者は低リスクでシンガポールの販機会を得る事が可能となる。
出典:https://www.anglissmarketplace.com.sg/
国分グループ、シンガポールの卸売事業会社に出資〜食品卸業界動向〜
2020年5月27日、国分グループ本社は、同社の100%子会社である KOKUBU SINGAPORE Pte.Ltd.が、コモンウェルスグループの卸売事業会社である TCGC Pte.Ltd.の株式を取得したと発表した。
同社は、第10次長期経営計画において海外事業の「基幹」事業化を掲げており、アセアン事業はその柱の一つ。シンガポールは高い所得水準をベースとした食品市場とアセアンエリアにおける経済、物流、情報の中心であり、アセアン事業の中核地と位置付けている。
同国においては、アセアンエリアを統括する KOKUBU SINGAPORE Pte.Ltd.、物流事業を行う Commonwealth KOKUBU Logistics Pte.Ltd.を展開してきた。今回、卸売事業会社を立ち上げるとともに、コモンウェルスグループが構築しているサプライチェーンネットワークを生かし、シンガポール国内での販売強化、及び周辺国との輸出入事業の拡大を図っていくとしている。
出典:https://www.kokubu.co.jp/news/2020/news20200525_3709_2780
シンガポールで展開するSAKE TO GOで日本酒をテストマーケティング〜食品卸業界動向〜
株式会社キュアテックスは、シンガポールで展開中のオンライン日本酒デリバリー〈SAKE TO GO〉を活用し、日本酒のテストマーケティングを開始すると発表した。新型コロナウイルスの世界的流行で多大な影響を受けている日本酒の酒蔵や米の生産農家を支援したいという思いを背景に企画した。
〈SAKE TO GO〉は、シンガポールで日本企業の販路開拓支援事業を手がけるキュアテックスのグループ会社「極品(いっぴん)」が、「日本酒を手ごろな価格で手軽に購入したい」という現地のニーズに応え、2020年1月にサービスを開始したオンライン日本酒デリバリーである。
今回のテストマーケティングでは、日本国内の日本酒製造企業・ブランドからエントリーを募り、味やパッケージ、ブランドストーリーなどさまざまな点から総合的に判断し、5社程度を厳選。〈SAKE TO GO〉でテストマーケティングを行い、成果を挙げた日本酒について買取での継続的な販売を行うもので、輸出実績のない企業・ブランドにとって販路拡大のチャンスとなる。
出典:http://curetex.jp/info_support/2837/
シンガポールのデリバリーボックス『UMEETS』とは?〜食品卸業界動向〜
『UMEETS』は、地域産品とその背景ストーリーを最適なクリエイティブと共に諸外国へ直送するデリバリーボックスである。シンガポールをよく知る目利きが集まった最強チームが自治体や生産者とディスカッションを重ね、シンガポール生活者の「今の空気」を知るからこそ見える魅力を抽出する。
さらに、現地のつながりを活かしたコミュニケーション施策で現地に刺さる発信を実現し、インバウンド再開時に滞在したい旅行先として想起されるようなきっかけづくりも目指していく。
嬉野市は佐賀県西部に位置し、全国茶品評会で「農林水産大臣彰」を5年連続で獲得した「うれしの茶」をはじめ、清らかで豊かな土壌に育まれた多様で魅力的な農畜産物を数多く有している。最終選定した嬉野食材をシンガポールの人気レストラン3店舗へ提供することが決定している。
出典:https://www.city.ureshino.lg.jp/var/rev0/0021/7562/120111110552.pdf
東南アジア産直ECシンガポールの「Secai Marche 」とは?〜食品卸業界動向〜
Secai Marcheとは、生産者と消費者をダイレクトにつなぐ東南アジアNo.1の生鮮食品ECプラットフォームである。「創る人と使う人がダイレクトに繋がることで、情報・モノが平等に流通し、全ての人が主役になれる世界を創造する」をミッションに東南アジアの新しいダイレクトインフラを創造している。
シンガポール・マレーシアにおける新たな消費者の「品揃え需要」に対応し得るサプライチェーンの構築を目指している。小ロット多品種フルフィルメントサービス提供が有益であることを検証し、東南アジアにおけるECプラットフォームおよび共同配送サービスのアジア全域展開を目指す。
生鮮食品においては冷蔵物流が未発達であるためEC化はほとんと進んでいないのが現状。本事業の実施において、デジタルECプラットフォームを介した生産者から消費者へのダイレクトなアクセス(受発注、物流、決済)が整備され、今まで中間流通事業者が享受していたマージンが生産者・消費者に還元されることで、生鮮食品のEC化が一気に進むことが期待される。
出典:https://www.jetro.go.jp/services/supplychain/kekka-2.html?fbclid=IwAR1-QLYqyxAIbA1KsDWjhLIxLP9iFLA5y4NEXcOrnAAOh2zTa8nA52zeo80
2020年 シンガポールの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
シンガポールで青果大手SunMoon、中国本土への事業拡張を目指す〜食品卸業界動向〜
SunMoonはシンガポールで1983年に設立した。青果物と凍結フルーツ、ナッツ、ジュースなどの加工食品、315種類以上の製品を提供している。中国とシンガポールで事業展開し、製品を中国、インドネシア、タイ、オーストラリア、ブラジル、中東、ヨーロッパなどに輸出している。
2018/19通期決算を踏まえた今後の戦略は以下の通り。①今後は中国市場に注力し、中国でのSunMoonブランド価値を高めたい。 ②中国以外の市場を拡大し、SunMoonのブランドエコシステムにディストリビューターネットワークを構築する。東南アジア市場に注力し、より良い流通体制を確立していく。
中国での事業会社Yiguoの優れた生鮮食品調達能力と世界中のサプライヤーとの価格交渉力を活用して、東南アジア市場で製品を販売していくとしている。
出典: http://sunmoonfood.listedcompany.com/newsroom/20190704_175832_AAJ_B2WOW5AIXBS8TZWZ.1.pdf
ヨシムラ・フード・ホールディングス、新会社設立〜食品卸業界動向〜
2019年4月15日の発表によると、ヨシムラ・フード・ホールディングスは海外子会社の管理統括及び成長支援を目的に100%子会社YOSHIMURA FOOD HOLDINGS ASIA PTE. LTD. を設立した。資本金は4,561万SGD予定で取締役2名及び子会社の取締役1名を派遣する。
同社は2017年12月にシンガポールで日本食(寿司等)を製造し、大手スーパーにて販売を行う JSTT SINGAPORE PTE. LTD.の株式を取得した。2018年9月には、シンガポールを中心としたアジア地域で水産品の卸売りを行うSIN HIN FROZEN FOOD PRIVATE LIMITEDの株式を取得し、シンガポールを中心としたアジア地域において事業を拡大してきた。
同社は今後も市場の成長が予想されるアジア地域において、さらなる事業拡大を目指し、効率化と統括会社を設立することにした。引き続き事業を拡大することで、将来的には海外市場への上場を目指す。
出典: https://ssl4.eir-parts.net/doc/2884/tdnet/1692530/00.pdf
シンガポール政府が食品卸関連の年間データを公表〜食品卸業界動向〜
シンガポールの国内卸売売上高について、2019年第3四半期は前年同期と対比すると10.4%減少した。 石油を除くと、国内卸売売上高は12.3%減少した。 シンガポールの海外卸売売上高は、2019年第3四半期の前年同期と比較して10.2%減少した。 石油を除くと、海外卸売売上高は5.9%減少した。
食品飲料・タバコのカテゴリでは、2019年第3四半期の国内卸売売上高は前年同期と対比して0.1%減少、海外卸売売上高は前年同期と対比し1.7%減少した。
出典: https://www.singstat.gov.sg/-/media/files/news/wti3q2019.pdf
シンガポールで食品卸業界大手のOlam International、グループ組織改編を発表〜食品卸業界動向〜
2020年1月20日の発表によると、シンガポールに拠点を置く食品総合商社、Olam Internationalは食品原料とグローバルアグリビジネスに焦点を当てた2つの新しい事業グループOFIとOGAに事業編成する。
ポートフォリオを簡素化し、焦点を明確にし、投資家が潜在的なカーブアウトまたはIPOを介して2つの多様なテーマに参加し、収益性の高い成長を加速できるようにする。
Olam Food Ingredients(OFI)は、消費者が愛する健康的で贅沢な製品を楽しめるように、持続可能で自然な付加価値のある食品と原料を提供する。一方で、Olam Global Agri(OGA)は、高まる需要とタンパク質ベースの食事へのシフトに対応するために食品、飼料、繊維を供給するアジアとアフリカの主要企業になる。
出典: https://www.olamgroup.com/news/all-news/press-release/re-organisation-of-olam-unlocking-long-term-value.html
2019年 シンガポールの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
シンガポールで食品卸業界大手のHanwell、2018年の業績は?
食品卸大手のHanwell Holdingsは、2018年における総収益について、2017年度比8.09%増の、501.55百万SGDとなったことを発表した。増収の要因として、主に包装事業(Tat Seng Group)の需要の増加が寄与し、シンガポールと中国の両部門で成長が見られた。
さらに、マレーシアの小売事業は、積極的な販売促進や、さまざまな販売チャネルとの密接な協力などが要因となり、増収を達成することとなった。
2018年度の小売事業は、前年同期比5.11%の増収を記録したものの、同部門の売上総利益は0.59%の低い成長となった。この分野では、原材料のコストが回復の兆しを見せていないことから、当面の利益率の改善は見込めないと予測している。世界経済は全般的に低成長傾向にあるため、現在の消費者心理の低迷が購買に影響を及ぼしているといえる。
出典:http://www.hanwell.com.sg/files/Hanwell_FY_2018_Full_Year_Announcement_Final.pdf
DKSH、Auric Pacific、シンガポール事業部門を買収〜食品卸業界動向〜
スイスに本拠地を置き、アジア地域を中心に包括的な事業をサポートする企業、DKSHは、2018年12月21日、シンガポールとマレーシアでAuric Pacific(Auric)の消費財流通事業を1億6000万スイスフラン(2億2200万SGD)で買収すると発表した。
Auricは、食品製造業など、さまざまな消費者事業に携わる投資持株会社であり、Food JunctionフードコートやDelifranceカフェを所有している。DKSHは今後、利益率の高いフードサービス事業への投資比率を高め、アジアの消費財業界におけるプレゼンスを拡大する予定である。
Auricの流通事業は、シンガポールやマレーシアで急速に変化を見せる消費財市場における企業の拡大を支援している。同社の投資ポートフォリオは150以上のブランドを含み、ホテル、レストラン、カフェのフードサービスなどを保有している。Auricはシンガポールとマレーシアの約4,400の顧客に製品を配布しており、Auricの消費財流通事業は、約1億8,500万フランの純売上高を生み出し、その営業利益は約1,400万フランとなっている。
出典:https://dksh.com/sg-en/home/media/news?id=tag:xml.newsbox.ch,2018-12-21:1081.973.digest
シンガポールMOH、トランス脂肪酸の使用を全面禁止へ〜食品卸業界動向〜
保健省(MOH)は2019年3月7日、人工トランス脂肪酸の主な供給源である部分硬化油(PHO)の全面禁止を計画していると発表した。シンガポールで販売されている油脂は現在、2013年に設定された上限の下で最大2パーセントのトランス脂肪酸を含むことが許可されており、この動きにより、シンガポール国民の1日平均トランス脂肪酸摂取量は2010年の2.1gから昨年1gに減少している。トランス脂肪酸の使用規制は、麺やクッキーなどの包装食品にも適用される。
トランス脂肪酸は、天然または工業原料に由来する不飽和脂肪酸である。世界保健機関(WHO)によると、天然のトランス脂肪酸は牛や羊に由来しているが、工業的に生産されたトランス脂肪酸や人工トランス脂肪酸は植物油に水素を加える工業プロセスで生成されるものである。これによって液体を固体に変換し、部分的に水素化された油を生成する。
トランス脂肪酸はLDLコレステロールを増加させ、心疾患のリスクを高めると言われており、世界保健機関(WHO)が1日1%未満の摂取量に控えることを勧告するなど、国際的な注目も高まっている。トランス脂肪酸はマーガリンだけでなく、パンやケーキなどにも含有される。
出典: https://www.nestle.com/stories/nestle-supports-trans-fat-removal
シンガポール政府、農産物輸出入のハブ機能を強化へ〜食品卸業界動向〜
農産物・家畜庁(AVA)は、2019年2月13日、保健科学庁 (HAS)および国家環境庁 (NEA)が管轄するすべての食品関連機能について、新法令の下で統合され、シンガポール食品管理庁(SFA)となることを発表した。SFAによるすべての行政活動は今後、環境水資源省 (MEWR)の下に監督・統制される。
これと並行して、AVAの食料部門以外の動植物関連の行政機能はすべて、国家開発省 (MND)の下に置かれる国立公園局 (Nparks)へと移管される。NParksは、動物と植物の保全のみならず、シンガポールにおける生態系管理において主導的な機関となる。
SFAは、農場から食卓まで、食品に関連するすべての問題に対する規制監督を強化し、シンガポールの食品安全体制をさらに強化する計画である。この動きはまた、食品業界とのより良いパートナーシップを促進し、ビジネスに優しい規制を発展させることが期待されている。政府は、食品に関する機関を統合することによって輸出入食品に対する規制を一本化し、食品のハブ機能を発展させる計画である。
出典: https://www.sfa.gov.sg/ava/index.html
2018年 シンガポールの食品卸(飲食・食品メーカー)業界
「Tasty Singapore」ブランドでシンガポールからインドネシアへ〜食品卸業界動向〜
インドネシアのスーパーマーケット内で「Tasty Singapore Food」と名付けられたコーナーが設置された。これは2018年1月16日から開始された試みで、12の食品製造業者が共通のブランド「Tasty Singapore」を冠し、Senayan City、Plaza Indonesia、Grand Indonesia などインドネシアの有名モール内にあるスーパーマーケット10ヶ所で専用のコーナーを利用する。
その中には高級志向のスーパーマーケットであるFoodHall、AEON、Diamond、Farmers Marketも含まれている。今回の試みは SFMA(Singapore FoodManufactures’ Association) の協力の下、行われたものである。
出典:http://www.sfma.org.sg/news/view/launch-of-tasty-singapore-food-aisle-in-indonesia
マレーシアからシンガポールへの輸入規制、食用油にも適用〜食品卸業界動向〜
シンガポール農食品・獣医庁(AVA:Agri-Food and Veterinary Authority)は2013年以降、マレーシア保健省(MOH)とともに規制強化プログラム(ERSP)を運用。その一環として、伝統的な菓子であるクエ(kueh)、粉ミルク、乳児用シリアル、調理済み米製品、その他食品(nasi lemak・ roti prata、lontong など)に関する規制を行ってきた。
これらの製品については、MOHの認可を受けた工場で製造されたものでなければシンガポールに輸入できない。2018年6月1日からは、食用油に関する規制も新たに追加される。
そのため、マレーシアからシンガポールへの製品輸入を行っている企業は、マレーシアのMOHから発行された食用油の認可証を仕入先経由で入手の上、シンガポール側で提出する必要がある。
出典:https://www.ava.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/moh-hpb-ava-joint-media-release-on-formula-milk—response-to-ccs-(10-may).pdf
粉ミルクの価格高騰続き、シンガポール政府が規制変更で対応〜食品卸業界動向〜
シンガポールでは現在、乳児をもつ親たちの間で粉ミルクの価格高騰への不安が高まっている。この問題に対し、保健省(MOH)をはじめとするシンガポール政府機関は、粉ミルクの広告・ラベルおよび輸入に関するガイドラインを変更することで、市場での価格競争を促すと発表した。
広告やラベルについては、栄養面・健康面に関する断定的な主張等の表示を禁止する。これにより、各社が過当なマーケティング活動に充てる費用を抑制させ、ひいては販売価格の低下に結びつくことが期待される。
また、シンガポールの病院に対しては母乳育児へのサポートを強化するよう促した。間接的にではあるが、粉ミルクの価格高騰からの影響を緩和することを目指す。
出典:https://www.ava.gov.sg/docs/default-source/default-document-library/6-mar-18-circular—import-of-m-39-sian-products-from-moh-m-39-sia-approved-establishments.pdf?sfvrsn=0
シンガポールのAVA、添加物・保存料に関する規制変更〜食品卸業界動向〜
シンガポール農食品・獣医庁(AVA:Agri-Food and Veterinary Authority)は、添加物・保存料に関する規制の変更を発表した。新たな添加物として、乳化剤である加水分解レシチン、アミド化ペクチンが認可された。また、カルシウムL-メチル葉酸塩、ビタミンK1とK2の源であるフィロキノンとメナキノンも使用可能となった。
さらに、キャビアと腹子の保存料として、安息香酸とソルビン酸がそれぞれ2,000ppm、1,000ppmまで認可された。またスクラロースが「cheese-based preparations」カテゴリーにおいて500ppmまで承認された。
一方で、パラオキシ安息香酸プロピルとソジオオキシ安息香酸プロピルは健康への悪影響防止のために認可リストから削除されることとなった。
出典:https://www.ava.gov.sg/docs/default-source/legislation/sale-of-food-act/circular-on-food-(amdt)-regns-2018-rev-23mar2018.pdf
まとめ:シンガポールの食品卸業界
近年の国内農業部門ではハイテク自動化が急速に進み、葉野菜の生産や販売事業に力を注いでいます。しかし、国土全体に占める農用地は1%以下で供給が頭打ちになっている状態です。まだまだビジネスの可能性が残されている食品分野には、大きなビジネスチャンスが眠っているのではないでしょうか?
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2017年よりシンガポール在住の日本人。元客室乗務員。大学ではマーケティングと経済を学び、卒業後は海外での生活と旅行を重ね、さまざまな国の文化や人々、食に関する豊富な知識を身につける。シンガポール人の旦那との結婚を機にシンガポールに移住し、現地で就労。現在はライター業と翻訳業を行っている。