【ターゲットは富裕層】タイのプライベートバンキング業界

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質の高いサービスを提供することや顧客満足を第一に考えるプライベートバンクはタイ国内で拡大に向けて動き出しています。

今回は、そんなタイのプライベートバンキング業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2020年 タイのプライベートバンキング(金融・法人サービス)業界

SCB 10X、タイ初のビジネスモデルを発表〜プライベートバンキング業界動向〜

2020年1月23日、Siam Commercial Bank(SCB)は、Digital Ventures、SCB Abacusなど、全てのSCBグループに属するテクノロジー企業を引き継ぐ持株会社および、テクノロジーへの投資を使命とした新会社「SCB 1OX」を設立したと発表した。

SCB 1OXの3年間の投資計画には、200億バーツの予算が割り当てられ、その主な目的は、SCB 1OXのビジネスを推進するベンチャービルダー(VB)、様々なテクノロジー企業との提携、ベンチャーキャピタル(VC)の3つである。

SCB 1OXは、タイ初の「ベンチャービルダー」ビジネスモデルに焦点を当てた「Moonshot Mission」と大規模な投資予算を通じて、5年以内にベンチャービルダーとデジタルテクノロジー投資でASEANリーダーになることを目指す。

タイでプライベートバンキング業界大手のKPB、2019年の業績と2020年の戦略を発表

2019年12月19日、タイの大手プライベートバンキングプロバイダーであるKBank Private Banking (KPB)は、9つの世界クラスの機関からプライベートバンキングに関連する14の賞を獲得したと発表し、プライベートバンキングビジネスでの成功を強調した。

2019年の事業運営は、11,600人の顧客と約7,500億バーツ相当の運用資産残高(AUM)で成長を続け、複合資産への投資が前年と比較して24.7%増加した。また、変動の激しい市場に関わらず顧客のポートフォリオが12.5%拡大した。

2020年は引き続き、タイで最も包括的な個人向け金融アドバイザリーサービスを提供する。さらに、世界クラスのウェルス・マネジャーであり、5年目を迎えるLombard Odierとのパートナーシップを強化していく。

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タイのLH BankとMTL、業務提携を発表〜プライベートバンキング業界動向〜

Land and Houses Bank(LH Bank)と世界有数の生命保険会社であるMuang Thai Life Assurance(MTL)は2020年3月17日、両組織の強みと専門知識を統合してバンカシュアランスビジネスを開発・強化するため、ビジネスパートナー契約を締結したと発表した。

このパートナーシップは、顧客の全てのニーズに応えるという概念の下にあり、全ての年齢層に適した新製品を設計することを目的とする。さらに、MTLはLH Bankの顧客のライフスタイルに適した保険プランも提供する。

独占的パートナーシップ契約を正式に発表するため、LH BankとMTLは「LH Bank Happy Life 919(配当あり)」製品を発売した。製品は、LH Bankの全ての支店を通じて購入が可能である。

タイの富裕層から集計!レポートの内容とは?〜プライベートバンキング業界動向〜

Siam Commercial Bank (SCB)とJulius Baerの合弁会社であるSCB Julius Baerは、351人のタイの富裕層(HNWI)から収集されたデータ「The Wealth Report Thailand 2019」の初版を、2019年6月12日に発表した。

ウェルス・レポートによると、タイの富裕層の資産は2015年から2020年までの5年間で年間成長率(CAGR)が9.9%増加し、4,012億米ドルとなり、SET指数は2019年第3四半期までに1,800ポイントに達すると予測される。

タイのウェルスマネジメントの展望に焦点を当てたレポートの調査結果によれば、タイのウェルスマネジメントの傾向が近年非常に成長しており、この傾向は全体の人口がより豊かになるにつれて継続すると予想されている。

タイのkrungthai、「2 Banking Model」戦略を発表〜プライベートバンキング業界動向〜

2020年3月13日、国営商業銀行として54周年を迎えたkrungthai(KTB)は、銀行の本来のビジネスを保護、維持、発展させることを目的とした「2 Banking Model」戦略を推進することを発表した。

2020年の戦略計画「2 Banking Model」は、従来の方法とアジャイルスタイルでビジネスを行う2つのビジネスに基づいており、KTBはデジタルプラットフォームのデータを分析して、顧客のパートナーからの事業拡大に焦点を当てる。

さらにKTBは、Krungthai NEXTアプリケーションがデジタル時代の金融ライフスタイルに対応していることを明らかにし、銀行の5つの主要なエコシステムをリンクする金融イノベーションの実装の成功を発表した。

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2019年 タイのプライベートバンキング(金融・法人サービス)業界

プライベートバンキング業界大手のLGT、新たにタイに進出

ヨーロッパの大手プライベートバンクLGTプライベートバンキングは、タイにLGT株式会社(Thailand)Co.,Ltd.としてオフィスを開設した。東南アジアでの事業展開は、シンガポールに続いて今回で2カ国目となる。

LGTは30年以上にわたり日本や香港でアジアの富裕層顧客にサービスを提供してきた実績があり、2017年のAsian Private Bankerからの最新のデータによると、12の項目アジアでランク付けされている。

LGTではタイ全体の資産管理事業の成長を見込んでおり、顧客向けの資産管理サービスの提供する。タイには顧客向けの資産管理サービスを利用していない富裕層が多く、タイ国内投資家のための海外投資の援助サービスなども受け付ける。

タイのローカル資本SCB、新たなサービス開始〜プライベートバンキング業界動向〜

およそ1万人の顧客に向けて7,500億バーツの資産運用を行なうSiam Commercial Bank(SCB)のプライベートバンク部門は、富裕層への資産運用事業の可能性を示すと共に、将来の運用方針などに関するアドバイスを提供するウェルス・リサーチと呼ばれるサービスの提供を開始する。

SCBは同社のプライベート・バンキング部門の顧客として、総資産が5000万バーツ以上の資産家のみとしているが、現在タイ国内での当該資産保有者は約12万人となっており、総資産額は前年比13.3%増の20兆バーツとなっている。

SCB Private Bankingではさらに多くの顧客を獲得するため、銀行のファイナンシャルアドバイザーや多くの専門家による海外投資プランの構築、証券会社などとの協業による国内投資のためのファンド設立などを積極的に行っていく。

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プライベートバンキング業界牽引のJulius Baer、SCBとの合併会社を設立しタイ市場へ参入

スイスのプライベートバンク大手Julius Baerは、タイのSCBが運営するプライベートバンキング部門との合弁会社を設立し、タイ国内の富裕層のプライベートバンキング資産運用業務を行なうことを発表した。

スイスの4大資産管理グループの一つと評されるJulius Baerは、タイで最初の商業銀行として設立されたSCBとの合弁会社SCB Julius Baer設立に伴って、50人以上の専門家でチームを組織し、タイの富裕層のためのサービスを行う。

タイ国内での合弁事業は、タイで成長している高純資産および超高純資産の顧客を中心に、SCBによるタイ国内での深い知識とJulius Baerの129年にわたる純粋な資産管理能力を用いたアドバイスとソリューションの提供を行っていく。

タイでプライベートバンキング業界大手のKBank、最大手企業へ成長

KBankプライベートバンキングは2018年の事業報告で、タイのプライベートバンキングサービス市場において最大規模となる11000を超える顧客に対して総運用資産が約7500億バーツとなったと発表した。

2019年のKBankプライベートバンキングの成長目標は8%とし、目標達成のために新たな投資商品の開発、サービス顧客への投資オプションの増設などを計画している。

同社は、リスク分散とボラティリティの体系的管理に焦点を当てるK-EUSMALLファンド、中小規模のヨーロッパ株に焦点を当てたファンドなどの顧客からの信頼の獲得を中心に中国の株式への投資を含めたファンド設立を積極的に進める方針を示している。

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2018年 タイのプライベートバンキング(金融・法人サービス)業界

タイでプライベートバンキング業界牽引のキアットナーキンファイナンシャルグループ、株主資本配当率を一律10%へ設定

タイでプライベートバンク事業を手がけるキアットナーキン銀行は株主資本配当率を海外のプライベートバンクと同水準である約10%と定めたことを明らかにした。2018年の運用計画においても積極的に投資拡大を推進することを示しており、同期中における運用利益は61億バーツに達すると予想している。

国外のプライベートバンクと同様の配当率を定めることで、富裕層を中心とする海外顧客の獲得を目指す。近年、タイ国内の大企業、中小企業の業績は非常に安定しており、株式相場が上昇トレンドに入ったことも、プライベートバンクにとって利益向上が期待できる要素だ。

2015-17年にわたり貸付額と預金の両面で縮小傾向が続いていたものの、2018年下半期はマーケット全体の好調を受け、過去最大の利益を期待している。

タイでプライベートバンキング業界大手のサイアム商業銀行、プライベートバンク部門を担う支店数を全国60箇所へ拡大

富裕層が拡大するタイでプライベートバンキングサービスを提供するサイアム商業銀行(SCB)が全国に伸ばす支店SCB Investment Centerの店舗数が60店舗に達する見通しだ。

SCBは首都バンコクの中心街に位置する巨大ショッピングモール、セントラルワールドプラザの各フロアに支店を置くことで、複数のチャネルを開き顧客獲得を狙っている。

SCB Investment Centerでは顧客の資産運用を中心に、SCBウェルスプラットフォームによって各顧客のライフスタイルに沿ったサービスを提供している。SCBは2018年現在、およそ20万人の銀行口座を保有しており、1.5兆THB(約5.1兆円)の資産運用を担っている。

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クルンタイ・アセットマネジメント、AIによる投資ファンドを創設〜プライベートバンキング業界動向〜

クルンタイ・アセットマネジメント(KTAM)はKT-Brainとして、人工知能(AI)による株式売買をメイン業務とするファンドの株式公開買付け(TBO)を行った。KT-Brainファンドは新規に開発されたAIを通じて投資される証券を売買し、ポートフォリオの管理を行う。

KT-Brainは投資の成長の可能性が高い株式を数学的にサーチすることが可能で、データ分析速度も専門家を凌駕すると考えられる。また意思決定の感情を排除する事により効率的かつ合理的な売買ができ、投資シミュレーションの結果、トータルリターン63.99%を記録した。

KT-Brainファンドには担当マネージャーも専属しており、証券のリストをチェックし、投資方針や投資ルールに従うことを徹底的に義務付ける。AIの異常動作などに備え、ファンドマネージャーはシステムに介入することができ、適切なリスクヘッジがなされていると評価を受けている。

プライベートバンキング業界大手のタイCIMB、PB部門の顧客を対象に資産運用情報を共有

マレーシア商業国際貿易商銀行(CIMB)傘下のタイCIMBは同行顧客に向けた資産運用講座「2018上半期のグローバル経済俯瞰及び投資戦略」を開講し、プライベートバンク部門の顧客に国際的な情報を公開、運用方法を教授し、積極的な資産運用を行うように働きかけている。

同講座では世界各国における政治情勢についても主に経済的な視点からの情報提供が行われ、富裕層の人々へ積極的な投資の参加を呼びかけるなど、顧客満足度の上昇に力を注いでいる。

講座にはAEC(ASEAN経済協力体)の発足に関連する投資機会やリスクに関する情報提供も含まれた。また、タイ証券取引所(SET)の株式市場の近況など、プライベートバンキングの顧客のみを対象に資産運用情報が共有された。

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