【医療ハブを目指して】シンガポールの医療用機器業界

January 4, 2019April 3, 2024

シンガポールの医療制度は世界的に認められた高い水準を誇っており、医療サービスを目的に渡航する医療ツーリズム市場が急速に拡大する国のひとつとなっています。

今回は、そんなシンガポールの医療用機器業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます！

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有用性が示唆された薬物被覆ステント、シンガポールのBioFreedom〜医療用機器業界事情〜

The Biosensors International Group (以下Biosensors)により新しく開発された薬物被覆ステント製品、BioFreedomは、ステント表面上の選択的微細構造表面(Selectively Microstructured Surface：SMS)技術を利用している。

ポリマーを使用する代わりに、BioFreedomは独自のBiolimus A9薬(BA9)でコーティングされている。薬物溶出ステント用に最も広く使用されている薬物よりも親油性が10倍も高い。また、出血傾向のある患者に対する治療において有用性が証明された。

Biosensorsはシンガポールを拠点とし世界中に事業を展開しており、25年以上にわたり心臓手術および集中治療の際に使用されるカテーテルシステムおよび関連デバイスの開発および販売を行っている。

医療用機器業界で関連規制が大幅変更、シンガポール

The Health Sciences Authority (HAS)は、2018年5月22日、医療機器産業の関連規制を大幅変更すると発表した。医療機器産業におけるさまざまな事業モデルや新興ビジネスモデルに対応し、アクセスを促進するとともに、消費者の健康と安全を担保することを目指す。

例えば、滅菌検査手袋や無菌静脈内投与セットなどのクラスA滅菌医療機器は、HASへの登録が不要となる。他の製品においても以前までは許可に60日かかったが、基準をクリアしていれば即日で許可が下りるようになる。

一方、危険性の高いデバイスは新たに規制の対象となる。HSAは自社製品が規制に準じているかを確認するためのポジティブリストを作成し、各社への配布を開始した。インプラントや脂肪の除去、分解のための機器などがこれに該当する。

【医療技術の最先端】シンガポールの医療技術産業に注目！

シンガポールで医療用機器業界大手のBDが新ソフトウェア

医療技術大手企業Beckton Dikinson and Company (BD)は、2018年11月29日、病院や保健医療システムが薬物流用を特定できる新しいソフトウェアアプリケーションの立ち上げを発表した。

新BD HealthSight™流用管理アプリケーションは、統合ソリューションと分析結果を通じて、薬物流用を未然に防ぐためのアプリケーションである。この統合システムは、BD Pyxis™ESシステムやElectronic Medical Record(EMR)など既存のBD製品のデータを活用して、病院や保健システムの転用調査を支援するための実用的な分析を提示する。

Becton Dickinson and Companyの子会社として2011年にシンガポールで設立されたBecton Dickinson Holdings Pte Ltdは、主に分子診断やゲノムサービスなどを提供している。

シンガポールのGE、ヘルスケア部門を独立企業へ〜医療用機器業界事情〜

さまざまな分野でグローバルに展開するGEは事業経営が一時停滞したことを背景に、会社再建のための事業である、電力・航空・風力タービンに集中投資を進めることを明らかにした。その結果、ヘルスケア部門と油田部門はGEから切り離されることとなる。

同社は、負債を削減しヘルスケア事業部を独立企業として安定させる方針を示した。また、GEを従来の経営指針とは根本的に異なる手法で改革し、「新しいGE、ハイテクGE、インダストリアルGE」を掲げ、よりシンプルでより強く、より選択的な企業となることを示唆している。一方、ヘルスケア部門の売却が、収益性やキャッシュフロー、事業の多様性に影響を与えるという指摘もある。

GEは航空やエネルギー、ヘルスケアや石油部門などを展開している。シンガポールへは1969年にエレクトロニクス製造工場が設立されたことをきっかけに、3000人以上の従業員を雇用している。