マレーシアの法律業界では、ウォン&パートナーズが女性従業員の支援を強化し、リーダーシップを維持する方針を打ち出しています。また、電子製品の供給に関わるCape EMS社は、マレーシア証券取引所のメインマーケット上場を目指し、HLIBとAm投資銀行との引受契約を締結しました。
一方、マレーシア弁護士会は、新型コロナウイルス対策アプリ「MySejahtera」の個人データ収集に関する透明性とプライバシー保護について提言し、データの漏洩や悪用の懸念を示唆しました。
今回は、そんなマレーシアの法律事務所業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます。
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2023年 マレーシアの法律事務所(金融・法人サービス)業界
ウォン&パートナーズが最優秀賞を受賞
ベーカー&マッケンジーインターナショナル傘下のウォン&パートナーズは、「2023年ユーロマネー・ウーマン・イン・ビジネス・ロー・アジア・パシフィック・アワード」において、7度目の「マレーシア・ファーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞したことを発表した。
同事務所のマネージング・パートナーであるムニール・アブドゥル・アジズ氏は、「職場におけるインクルージョン、公平性、多様性の推進に対する取り組みが評価され、マレーシア・ファーム・オブ・ザ・イヤーを再び受賞できたことを大変誇りに思う」と述べた。
また、同氏は25周年を迎えるにあたり、ウォン&パートナーズが多くの女性従業員の希望をサポートするような方針と取り組みを継続的に改善することで、この分野におけるリーダーであり続けることを約束するとしている。
アズミ&アソシエーツ、9番目の規模に
アズミ&アソシエーツは、ザ・マレーシアン・ロイヤーの統計において、同事務所のランキングが2022年の12位から9位へと3つ順位を上げ、マレーシアの規模別法律事務所のトップ10に入ったことを発表した。
22年前に設立された同事務所は7人の弁護士からスタートし、現在は83人の弁護士を擁する組織に成長した。
統計によると、マレーシアの5大法律事務所は、123名の弁護士を擁するザイド・イブラヒム法律事務所、114名の弁護士を擁するスクライン法律事務所、113名の弁護士を擁するシェアン・デラモア法律事務所、97名の弁護士を擁するラフマット・リム法律事務所、96名の弁護士を擁するクリストファー&リー・オング法律事務所となっている。
JLPWがケープ社のIPOを支援
エレクトロニクス製造サービス (EMS)、アルミニウム ダイカストの製造および電子製品の供給に携わるCape EMS社は、2023年第1四半期にマレーシア証券取引所のメインマーケットへの上場を目指し、新規株式公開(IPO)のための引受契約をホンリョン投資銀行(HLIB)およびAm投資銀行と締結した。
Cape EMS社のIPO業務は、45名の弁護士を擁するジェフ・レオン・ブーン&ウォン法律事務所(JLPW)のシニアパートナーであるジェフ・レオン氏と、パートナーのジョイ・リム氏が率いるIPOチームが担当した。
JLPWは、30年間にわたってマレーシア、シンガポール、香港、台湾、中国、ドイツ、英国、米国で多数のIPOを手がけてきた経験豊富なシニアパートナーを擁するIPO法務アドバイザーである。
弁護士会が個人情報保護について提言
マレーシア弁護士会は、新型コロナウイルス対策アプリ「MySejahtera」で収集される個人データの透明性とプライバシー保護に関する提言をリリース、MySejahteraに保存されている記録に関する最近の監査長官報告書に言及し、データの漏洩と悪用の可能性に関して問題のある状況を明らかにした。
これらの懸念事項の中には、様々なIP(インターネット・プロトコル)アドレスを通じて300万件の情報セットをダウンロードした「スーパー管理者」アカウントがあること、また、本アプリが112万件の攻撃を受けたという事実があることを示した。
マレーシア弁護士会は、前保健大臣であったカイリー・ジャマルディン氏が、アプリの使用を通じて収集されたすべての個人データは政府が所有していると常々強調していたことに注目している。
RL&Pが年間最優秀賞を受賞
ラフマット・リム法律事務所(RL&P)は、2023年5月4日にシンガポールで開催された2023年チェンバーズ・アジア太平洋及び中華圏地域賞において、マレーシア年間最優秀法律事務所賞を初めて受賞したことを発表した。
チェンバーズ・アジア太平洋及び中華圏地域賞は、同地域の主要な司法管轄区における法律事務所の卓越性を評価するとともに、過去12ヵ月間の顕著な業績、目覚ましい戦略的成長、卓越したクライアントサービスを反映している。
RL&Pのリム・テオン・シット会長兼シニア・パートナーは、初めてマレーシアの最優秀法律事務所賞に選ばれたことを大変光栄に思うとしている。また、2010年に10名だった弁護士が、現在90名を超える事務所に成長した同事務所にとって、この受賞は重要な節目になると述べている。
2021年 マレーシアの法律事務所(金融・法人サービス)業界
マレーシア弁護士会、デジタル会員カードを発表〜法律事務所業界動向〜
マレーシア弁護士会は、メンバー向けのデジタル会員カード(DMC)を含むモバイルアプリを発表した。有効な資格認定証を持つ会員は、モバイルアプリとDMCへアクセスすることができる。これには、デジタル名刺として機能するvCard QRコードが含まれる。有効な認定証を持たない者、業務停止処分を受けた者、弁護士名簿から抹消された者は、モバイルアプリにアクセスできない。
この機能は会員だけでなく、弁護士情報がリアルタイムで表示されることで、なりすましに対処することが可能になるなど一般の人々もメリットを享受できる。
マレーシア弁護士会は、サービス向上のためにテクノロジーを活用している。DMCは「正しい方向への一歩であると信じている」と述べている。
出典:https://www.malaysianbar.org.my/article/news/press-statements/press-statements/press-comment-digital-membership-card-for-lawyers-will-ease-identification-of-and-reduce-concerns-about-bogus-lawyers
プライベートエクイティファーム KVアジアキャピタルがマレーシアのTFVM法律顧問に〜法律事務所業界動向〜
ベーカー&マッケンジーインターナショナル傘下のウォン&パートナーズは、プライベートエクイティファームのKVアジアキャピタルが、国内大手食料品小売業者であるTFバリューマート(TFVM)の全株式売却に際して法律顧問を務めたことを発表した。
2016年2月、KVアジアはTFVMを買収、広範な事業変革計画を実施してきた。買収以降、小売り拠点は2倍以上に拡大し、マレーシア全土に店舗網を持つ。そして2020年11月、KVアジアはインターミディエイトキャピタルグループへTFVMの株式を売却し、成功した投資の一つとして評価されている。
同事務所は、コロナ影響もあった2020年において、この取引の完了が現地プライベートエクイティに明るい兆しをもたらしたと述べている。
出典:https://www.wongpartners.com/-/media/minisites/wongpartners/files/news/2020/wong–partners-acted-for-kv-asia-on-its-exit-from-tf-value-mart.pdf
マレーシアのアズミ&アソシエーツがペナン事務所開設〜法律事務所業界動向〜
アズミ&アソシエーツは、2021年4月1日よりペナンのジョージタウン中心地に事務所を開設したことを発表した。
同事務所は、マレーシア国内で高まる法律サービスの需要に対応するものであり、ペナン事務所はクアラルンプール本社とジョホール事務所を補完する形となる。また、マレーシア北部では顧客が増加しており、COVID-19による移動制限下での顧客のニーズに対応する。
ペナン事務所においては、企業法務、合併・買収、資本・債権市場、建設・エンジニアリング、訴訟・仲裁、海運・海事、ロジスティックス、国際貿易、プロジェクト、石油・ガス、銀行・金融においてフルサービスを提供する。
出典:https://www.azmilaw.com/news/azmi-associates-opens-penang-office/
マレーシアのZICO、マインドフルビジネス憲章に署名〜法律事務所業界動向〜
ジコ法律事務所はマインドフルビジネス憲章に署名し、様々な企業や法律事務所とともにより健康的で効果的な働き方を促進するために、仕事上の回避可能なストレスに対処することを約束している。
本憲章の2周年を記念するイベントにおいて、同事務所はコミュニケーションの改善、労働時間の尊重、配慮ある仕事委任といった原則を遵守することを示した。
域内マネージングパートナーであるハニム・ハムザ氏は「同事務所は2019年から本憲章を積極的に支持しており、署名をしたことで、東南アジア全体の法律業界におけるメンタルヘルス問題をリードする手助けができることを誇りに思う」と述べている。
出典:https://www.zicolaw.com/news/zico-law-commits-to-mindful-business-charter-to-foster-better-working-practices-for-mental-health-and-wellbeing/
JLPW法律事務所創設者がマレーシアトップ100に〜法律事務所業界動向〜
アジア・ビジネス・ロー・ジャーナルは、マレーシアのトップ100弁護士の最新リストを発表した。ジェフ・レオン・ブーン&ウォン法律事務所(JLPW)の創設者であるジェフ・レオン氏が名を連ねた。
デジタルマーケティング会社であるJcbNextのグレッグ・ポアーチCEOは、JcbNextのIPOからマレーシア証券取引所メインボードへの上場、そして最終的には多額の資産処分までアドバイスを提供したレオン氏をノミネートし、同氏の存在は非常に貴重であったと述べた。
また、食品・飲料会社のFBEベンチャーズの共同設立者であるサブラマニアム氏は、20年以上に渡ってレオン氏が会社を支援したこと、証券法や会社法などに精通していることを評価した。
出典:https://jlpwneedlawyerblog.com/2021/04/01/founder-jeff-leong-recognized-in-the-a-list-of-malaysia-top-100-lawyers-2021/
2020年 マレーシアの法律事務所(金融・法人サービス)業界
マレーシア弁護士会がCOVID-19で封鎖を要請〜法律事務所業界動向〜
マレーシア弁護士会は、COVID-19感染者が急増しているにもかかわらず、政府によるロックダウン発動が遅れていることに憤りを感じているとした。
マレーシア弁護士会は、COVID-19の拡散を効果的に食い止めるため、社会のあらゆるレベルで多面的なアプローチが必要であり、政府は 1988年感染症予防管理法(PCIDA)によって与えられた権限に従って行動すべきであると考えている。PCIDA第11条に基づき、政府は特定地域の感染を宣言することができる。また、PCIDA第31条(t)に基づき、政府は感染症の予防・軽減のための幅広い裁量権を有している。
弁護士会はウイルスに感染するリスクを最小限に抑えるために、従業員が2週間の在宅勤務を検討するよう弁護士会会員へ助言した。
出典:https://www.malaysianbar.org.my/article/about-us/president-s-corner/pressstatements/press-release-malaysian-bar-urges-government-to-institute-a-lockdown-in-light-of-covid-19
マレーシアの5G実装における法的課題〜法律事務所業界動向〜
1963年より法律サービスを提供するスクラインは、5G実装に伴う法的課題についてコメントをリリースした。
5Gは様々な産業に大きな変化をもたらす鍵であり、規制の問題は通信業界だけに留まらない。5Gの規制をめぐる議論は、インフラ整備やセキュリティ、データー保護、アプリケーションなど、5G自体の実装に関係する規制と、5Gのアプリケーションや利用をめぐる規制がある。
5Gの可能性は時間が経つほどに大きくなり、発展するにつれて十分な監督をするための法律や、規制の制定・改正が必要となる。そのため、5Gエコシステム参入者は、今後数年間で変化が予想される法律や規制の遵守を確実とするため、常に注意を払わなければならないとしている。
出典:https://www.skrine.com/insights/newsletter/december-2019/jumping-on-the-5g-bandwagon
マレーシアで法律事務所業界大手のウォン&パートナーズ、PMAHBへ法的支援
ベーカー&マッケンジー法律事務所のメンバーで、マレーシアを拠点とするウォン&パートナーズは、インドネシアのHHP法律事務所と共に、東南アジア最大のアルミニウム製錬所であるプレスメタルアルミニウムホールディングス(PMAHB)が、ビンタンアルミナインドネシア(PT BAI)へ8,023万ドルを投資する計画に対してアドバイスを行っていることを発表した。PMAHBはPT BAIの増資株式の25%を取得する。
ウォン&パートナーズのエ・ボン・テオ氏は、PMAHBの成長ストーリーと戦略の一部になれることは同事務所の特権であり、同時に越境取引をナビゲートし、顧客が最もダイナミックな市場で戦略的な投資を行うことを支援できる能力を実証できたとしている。
出典:https://www.wongpartners.com/-/media/minisites/wongpartners/files/news/2019/wp_press-metal_dec2019.pdf
マレーシアのズウルラフィックがTMの弁護に成功〜法律事務所業界動向〜
1999年12月に設立された法律事務所のズウルラフィック&パートナーは、1998年通信・マルチメディア法第7章に基づき、マレーシア通信・マルチメディア委員会が裁決した最初のアクセス紛争において、通信大手であるテレコムマレーシアの弁護に成功したことを発表した。
このアクセス紛争は、2015年裁決第2号(アクセスリスト)に記載された各種サービスの提供に関連するもので、YTLコミュニケーションズによって5つの問題が提起されていたが、全ての争点で弁護に成功した。
今回の判決により、アクセスリストの範囲とパラメーター、および委員会のアクセス料金に関する必須基準についての決定、2017年裁決第1号がさらに明確となった。
出典:https://www.tagalliances.com/news-resources/member-news-taglaw/7247-zul-rafique-partners-successfully-defends-telekom-malaysia-berhad-in-the-first-access-dispute-decided-by-the-mcmc
マレーシアののラマト・リム&パートナーズのCOVID-19対応〜法律事務所業界動向〜
2010年に設立された法律事務所のラマト・リム&パートナーズは、COVID-19への対応を発表した。
世界的なCOVID-19パンデミックに対応するため、マレーシア政府は緊急措置を発令し、2020年3月18日から3月31日までほぼ全ての官公庁および民間企業の閉鎖を指示した。
同事務所は本措置発動前に従業員の半数が輪番制で在宅勤務を行うなど、COVID-19に関する事業継続計画を実施していた。また、同事務所の堅牢で安全なITインフラにより、弁護士が遠隔地で仕事を継続し、オンラインまたは電話会議で打ち合わせを行うことで、高品質のサービスを継続することができるとしている。さらに、同事務所はCOVID-19に関連する特定の法的問題についてアドバイスするためのタスクフォースを結成した。
出典:https://www.rahmatlim.com/perspectives/articles/14394/my_covid-19-response-a-personal-message-from-our-chairman
2019年 マレーシアの法律事務所(金融・法人サービス)業界
マレーシアのJLPW法律事務所、法律実習生を途上国から受け入れる〜法律事務所業界動向〜
マレーシアのジェフ・レオン、プーン&ウォン法律事務所(JLPW)は、2016年より中国重慶にある西南政法大学からの法律実習生を受け入れてきた。実習生は3ヵ月間マレーシアのJLPW事務所で過ごし、ミャンマーやベトナム、フィリピン、インドネシア、インドなどの他地域事務所や関連会社を訪問する。
2019年3月22日に開催された感謝セレモニーにおいて、同大学は実習生プログラムを提供するJLPWと他のマレーシアとシンガポール企業に感謝状を授与した。
同事務所は、過去10年間で約160名の法律実習生を受け入れており、大学及び中国企業による中国人学生への金銭的支援があれば、より多くの法律実習生を受け入れられるとしている。
マレーシアの老舗法律事務所スクライン、OMVの株式取得に置いて助言〜法律事務所業界動向〜
スクラインは1963年に設立された老舗法律事務所で、クアラルンプールを拠点として訴訟・仲介、知的財産権、雇用、資産回収など幅広く対応する。世界有数の独立系法律事務所のネットワーク『レックス・ムンディ』、及び環太平洋諮問委員会のメンバーでもある。
同法律事務所は、OMVアクティエンゲゼルシャフトとサプラ・エナジーの戦略的ジョイントベンチャー・パートナーシップにおいて、マレーシア国内の法的側面について助言を行った。OMVは、サプラの探査及び生産事業の株式50%を最大9億7,500万米ドルで取得する。
本件は同事務所のパートナーであるファリズ氏が主導して専門知識を持った弁護士との合同チームで対応した。
マレーシアのジコ法律事務所、買収事業での助言が評価〜法律事務所業界動向〜
1987年創業で東南アジアの18都市に拠点を有するジコ法律事務所は、同事務所のメンバーファームが国際的法律雑誌であるアジア法務ビジネスによる『東南アジアLaw Awards 2019』において2つの賞を受賞したことを報じた。
Zaid Ibrahim & Co.とSokSiphana& AssociatesはプレミアムM&Aオブ・ザ・イヤーを受賞、そしてZaid Ibrahim & Co.はイスラミック・ファイナンス・ディール・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
プレミアムM&Aオブ・ザ・イヤーは、マレーシア及びカンボジアの事務所がグラブによるウーバーの東南アジア事業買収において助言したことが評価された。マレーシア事務所は資産取得について、カンボジア事務所は取引そのものについて助言し、さらにウーバー従業員の移籍についても支援を行った。
マレーシアのラマト・リム&パートナーズ、2つの賞を受賞〜法律事務所業界動向〜
2010年に設立されたラマト・リム&パートナーズは90名以上の弁護士を抱えており、企業法務や金融、知的財産権、不動産などを幅広く手がける法律事務所である。同事務所は3月28日、アジア法務ビジネスによる『マレーシアLaw Awards 2019』において2つの賞を受賞したと発表した。
一つはM&Aディール・オブ・ザ・イヤーで、提携事務所であるアレン・アンド・グレッドヒルとの協働により、グラブがウーバーの東南アジア事業を取得したことによるものであった。もう一つはプロジェクツ・エネルギー・アンド・インフラストラクチャー・ディール・オブ・ザ・イヤーであり、エドラ・エネルギー社の信用状に基づくスクーク・プログラムによるもの。
2018年 マレーシアの法律事務所(金融・法人サービス)業界
マレーシアのザイン&カンパニーがデントンズと統合
ザイン&カンパニーは、1970年にクアラルンプールに設立された法律事務所であり、2018年現在30名の弁護士を擁する。主な業務分野は法人・商業、紛争解決、不動産、銀行、知的財産、イスラーム金融及び財務となっている。
同事務所は、世界最大の法律事務所デントンズとの統合計画を明らかにした。同計画はクライアントが東南アジア地域の事業機会へ円滑にアクセスできることを目的としており、デントンズは同社の域内におけるプレゼンス向上を期待している。
本統合は、デントンズ側でパートナーの承認を得た後、2018年後半より正式に開始される予定。
マレーシアのドノバンホー、クラウドによる文書管理システムを採用〜法律事務所業界動向〜
ドノバン&ホーは、2014年にクアラルンプールに設立された法律事務所で、主な業務分野は法人・商業、紛争解決、労使関係と雇用法、家族法、不動産、税務となっている。
同事務所は業務効率改善を目的とし、クラウドベースでメールと文書を管理するiManageシステムを導入することを発表した。同社では毎日機密文書が扱われることから、信頼性が高く安全で管理しやすい文書管理システムの検討がかねてより要請されていた。
iManageを採用することでサーバーのダウンタイムへの懸念が不要となり、常に全ての文書へ容易かつ安全にアクセスすることが可能となった。さらに、ITインフラ管理の負担がなくなり、クライアントへ優れたサービスを提供することに集中できるようになることが期待されている。
EasyLaw、マレーシア弁護士の利用が急増〜法律事務所業界動向〜
EasyLawは、モバイルアプリを用いた土地検索、法的手数料と不動産収益税の計算及び関連する法令へのアクセスを提供するサービスで、弁護士や社内法務部などへの支援にフォーカスし事業を展開している。
マレーシアの弁護士の4人に1人が毎日このアプリを使用しており、アプリ公開から10ヵ月で弁護士と法律関係者によって20,500件ものインストールが記録されている。また、利用者の86.7%以上がリピートユーザーとなっている。
EasyLawが構築したシステムこれまでにない全く新しいもので、東南アジアでは類を見ないほどの性能を誇る。次のターゲットをシンガポールに定めており、同社はシンガポール法曹協会のイノベーション・プログラムに参画するなど積極的な攻勢を見せている。
マレーシアのジコ法律事務所、2018年のリーガルランキングで高評価〜法律事務所業界動向〜
ジコ法律事務所は、1987年にクアラルンプールに設立された法律事務所で、現在はASEAN域内の10ヶ国でサービスを提供している。
2017-2018年のチェンバーズ&パートナーズ、Legal 500、IFLR、Asialawが実施した調査において、同事務所の弁護士とプラクティスグループのランキングが上昇しており、2018年には8ヶ国でランクインしていることが発表された。
また、クライアントは同事務所の現地知識と域内専門知識を高く評価している。同社はASEAN各国に拠点を置き国境をまたぐネットワークを保有していることから、クライアントがアジアのどこにいても適切なアドバイスや域内ソリューションといったユニークなサービスを提供できる。
まとめ:マレーシアの法律事務所業界
ユニークなシステムやモバイルアプリを取り入れいかにシンプルにし顧客にとっていかに使いやすくするかを追求しているマレーシア法律事務所業界。またその活動は国内のみならず近隣諸国の東南アジアまで活動の幅を広げています。現代社会には必須ともいえるITとどこまで連携できるのか今後が楽しみですね。
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。