2023年現在、タイのアパレル業界ではプリペイドカードなど最新技術を使った取り組みで顧客の増加を図っています。その際に、日系企業と手を組むタイのファッション業界も増えてきていることから、日本の先端技術を導入した取り組みに注目です!
今回は、そんなタイのアパレル業界に関する最新情報をお届けします!
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2022年 タイのアパレル(流通・小売)業界
アパレルMC Group、23年下半期に100店舗をオープン予定〜アパレル業界動向〜
タイ証券取引所SET上場のアパレル企業MC Groupは、2023年3月に設定した売上高および利益目標を達成するため、2023年下半期に「MCアウトレット」を100店舗オープン予定と発表した。
2023年度上半期の売上高は18.7億バーツと、前年同期比30.9%増加した。国内経済が新型コロナウイルスの影響から回復した結果であり、今後も国内で力強い成長を継続できれば、海外への事業展開も再度視野に入るとしている。
また、2023年度第3四半期の業績も前年同期比よりも上回ると見込んでおり、5年間で最高を記録すると期待している。
出典:https://shorturl.at/hiJQ2Thailand2023/03/08
アパレルThanulux、鉄道BTSからの出資を受諾〜アパレル業界動向〜
タイの財閥系消費財企業サハグループ(SPI)傘下で、タイ証券取引所SETに上場するアパレル企業Thanuluxは、タイの鉄道大手BTSからの出資受け入れで合意したと発表した。
BTSグループThanuluxの新株を計28億8,400万バーツで取得し、株式シェア41.09%となる。この出資によりBTSはサハグループに次ぐ主要株主となる。
BTSとSPIは戦略的パートナーシップを結び、両者のグループの長期的な成長を目指す。Thanuluxは完成衣料品、革製品に加え、食品や家電製品、美容製品も展開していく。
出典:https://www.thanulux.com/data/finance/65/meeting/EGM2/7E.pdf
アパレルMTW、タイ証券取引所maiへ上場〜アパレル業界動向〜
タイのアパレルメーカーおよび販売事業を展開するMAKE TO WIN(MTW)は2022年12月6日にタイ証券取引所の中小企業向け市場maiへ上場する。
MTWの払込資本金は3億3,700万バーツで、新規発行株は8,700万株であった。 同社は11月25日から29日にこの8,700万株をIPO価格2.88バーツで取引した。
また、MTWはアパレル事業に加えて電動二輪車を製造・販売するDecoGreen Energy Co., Ltd.を子会社として所有している。同事業は年産11,500台の製造能力を持ち、MTWの売上の58%を占める。
出典:https://www.set.or.th/en/market/news-and-alert/newsdetails?id=2022142534&symbol=mai
タイ建設WHAと日系住宅大和ハウス、バンコク東部にユニクロ店舗を開設〜アパレル業界動向〜
タイ建設大手WHAと日系住宅メーカー大和ハウスは両者の合弁会社を通じて、日系アパレルブランドのユニクロの独立店舗をバンコク東部のラートクラバン地区に開設したと発表した。
総面積は1,019平方メートルで、同合弁会社にとってタイで始めての商業小売施設の開発プロジェクトとなった。また、同店舗は事業運営や将来の規模拡大を見据え、場所やレイアウトなどは顧客の要件を満たした初のビルド・トゥ・スーツ型の施設である。
世界の品質基準に則った最新技術と納期厳守で完成した施設により、ユニクロにとっては効率的かつ効果的に店舗運営を開始できるとしている。
出典:https://www.wha-group.com/en/news-media/company-news/1604/wha-daiwa-logistics-property-develops-commercial-retail-store-uniqlo-roadside-lat-krabang
日系バリューデザイン、タイのアパレルに 決済サービスを提供〜アパレル業界動向〜
日系の決済サービス事業会社のバリューデザインは、タイのサイクリングアパレルブランド、CONCEPT SPEEDと提携し、店舗で利用可能なプリペイドカードおよびCRMサービスの提供を開始したと発表した。
CONCEPT SPEEDの顧客は専用のプリペイドカード「Conceptspeedian」で素早く支払いができるほか、店舗側は顧客の利用状況を把握し、販促アプローチにつなげることが可能となる。
CONCEPT SPEEDは様々なサイクリング用品を取り扱っている。またジャージなどのウエアにはイタリア製の生地を用いており、顧客に最高の素材と最先端のスタイルを提供することを目指している。
出典:https://www.valuedesign.jp/wp-content/uploads/2023/05/20230525.pdf
2021年 タイのアパレル(流通・小売)業界
AIS、バーチャル試着をタイ初導入〜アパレル業界動向〜
2020年11月20日、タイのデジタルネットワークのNo.1リーダーであるAISは、Central patanaと協力して、タイで初となる5Gネットワーク経由のバーチャルフイッテング「AIS 5G SMARTMIRROR」を立ち上げた。
この仮想試着は、最先端のARシステムとタイ最速の5Gネットワークを介して、H&M、UNIQLO、ZARAなど様々な大手ブランドの服を組み合わせながらリアルタイムで試着できる機能を備え、利便性、安全性に重点が置かれる。
さらに、衣服の購入前に製品情報を知ることが可能であり、5G時代の顧客のショッピング体験を変革する。バーチャル試着サービスは、2021年1月5日まで世界のトップブランドが集うCentral World内で展開される。
出典:https://investor.ais.co.th/news.html/id/809715
タイでアパレル業界大手のSupara Group、色が変わる衣料品を発売
2020年2月21日、タイのエンドツーエンドのハイテクアパレル企業SuparaGroupの管理下にあるアパレルブランドGQApparelは、温度変化に反応して色を変える革新的な衣料品「GQColor™」を発表した。
「GQColor™」は、GQWhite™に続きテクノロジー主導のアパレルに焦点を当てたブランドの一環として発売された。同ブランドの最新の製品は、Tシャツなどの各製品が着用者の環境の温度変化に反応して色を変える。
同製品はタイにおける旧正月のソンクランをさらに楽しくすることを目的に開発され、全国の一部のGQストアおよびGQColor.comで入手可能である。同社の新アパレルラインは、アパレル市場に新たな飛躍をもたらした。
出典:https://www.suparagroup.com/post/gq-makes-another-splash-with-new-color-changing-technology
タイのMC group、EBITDA前年比82.3%の大幅増加〜アパレル業界動向〜
2020年11月12日、MC Groupは2021年第1四半期(2020年7月1日〜9月30日)の業績を発表した。2020年9月30日現在、同社は合計654の販売拠点を置き、そのうち独立店舗の収益貢献率は54%と大半を占めた。
オンライン販売チャネルの拡大に伴い、Eコマースによる収益と売上高が増加した。また、オフライン販売チャネルの成長は、売上を伸ばすための結果として独立店舗カテゴリで維持され、総売上高は前年同期比2.8%増となった。
非継続事業前のEBITDAは、前年比82.3%増と大きく伸長し、EBITDAマージンは総収益の30.8%に増加した。この増加は、主にTFRS16の採用によるものである。また、純利益は前年同期比69.1%増と力強い成長を示した。
出典:https://investor.mcgroupnet.com/mdna.html
タイでアパレル業界大手のThanulux、総売上高前年比8.34%減
2020年4月8日、タイのアパレルの主要メーカーThanuluxおよびその子会社は、2019年度の業績を発表した。2019年の連結経営成績は、総収益が前年比9.73%減の17億7,996万バーツで、総売上高は前年比8.34%減少した。
さらに、国内外の経済の減速と消費者行動の変化により、国内販売と輸出販売の比率はそれぞれ70%と30%となり、純利益は前年比54.17%減となる89.61百万バーツに大幅に減少した。
同社は現在、Saha Pathana Inter Holdingの大株主の繊維・アパレルグループと上流から下流までの取引を行っている。さらに、流通会社との取引を開始して、原材料の調達から商品の流通まで行い、同社の事業能力を強化する。
出典:https://www.thanulux.com/en/invest.php
タイのGreyhoundOriginal、特別プロジェクトを発表〜アパレル業界動向〜
2020年9月27日、タイのファッションブランドGreyhound Originalは、Greyhoundのブランド・ポートフォリオであるSmileyhoundと共同で開発した特別プロジェクト 「CraftNomads」について発表した。
これは、サコンナコーン県の天然染料で手染めされた手織りの綿工芸グループBhukram、スリン県の天然染料で有機天然綿を織り上げる工芸グループVanta、ルーイ県の有機綿花栽培者FolkCharmのグループで構成される。
このコラボレーションは、地元の手工芸品グループを代表し、全ての製品で天然素材と環境に優しい生産方法に焦点を当てる。また、Folkcharmは化学物質を含まない綿を使用してマスクを縫製する予定である。
出典:https://www.greyhound.co.th/blogs/blog/hound-to-help-x-craftnomads
2020年 タイのアパレル(流通・小売)業界
タイのスタートアップPomelo、5200万ドルを調達〜アパレル業界動向〜
タイのスタートアップ企業、Pomeloは東南アジアを中心にSPA(製造小売り)型ビジネスを展開し、自社の通販サイトを主な販路とする。タイとシンガポールでは実店舗でも販売を行う。
2019年9月12日の発表によると、同社はアジアでの事業拡大のほか、ビッグデータや人工知能(AI)などの技術開発を行うため、タイ小売最大手Central Groupや香港のベンチャーキャピタル(VC)などから計5200万ドルを調達した。
Pomeloによるとスタートアップが事業成長を拡大させる段階である「Series C」での資金調達を行い、中国ネット通販大手の京東集団(JDドットコム)や衣料品通販サイト大手ZOZO系の投資会社から受けた出資は総額8300万ドルに到達したとのこと。
出典:https://www.centralretail.com/th/updates/corporate-news/100/เซ็นทรัล-รีเทล-ผนึก-เฟรเซอร์ส-พร็อพเพอร์ตี้-ประเทศไทย-สร้างโลจิสติกส์แคมปัสระดับเวิลด์คลาสแห่งแรกของไทย
タイで要注目のスニーカーブランドが誕生〜アパレル業界動向〜
世界の縫製工場からブランド発祥地への成長を目指す、タイで要注目のスニーカーブランド「DUST OFF SHOES」が誕生した。
スニーカーフリークの4人のタイ人によって立ち上げられた「DUST OFF SHOES」の製品のデザインは、1970年代のスポーツシューズからインスパイアされており、生産もバルカナイズ製法などといったクラシックな手法を選択している。
履き心地の面でも優れ、現地の若者から人気を集めている。同社は普遍的でクラシカルかつ、オリジナリティの光る商品を開発している。海外での販売も視野に入れ、価格は12,500円(税別)となるとのこと。
出典:https://dustoffshoes.com/index.php/coming-soon-v2/
アパレル業界大手のLenzing Group、タイに世界最大のリヨセル工場建設
オーストリアの大手セルロースメーカー、Lenzing Groupは2020年末までにタイのPrachinburi地区のIndustrial Park 304にリヨセル繊維TENCELの工場を新設する計画を発表した。
Lenzing Groupはタイ投資委員会(BOI)から支援を受けている。工場建設は2019年秋に開始、稼働開始は2021年末を予定しており、工場の生産能力は年産10万トン、投資額は約4億ユーロとなり、世界最大のリヨセル繊維工場となる。
今回の新工場建設については、同グループが展開する「sCore TEN」戦略の一環であり、リヨセル繊維など特殊繊維のシェアを拡大、気候変動対策のためのCO2排出量の少ない持続可能なバイオエネルギーの供給といった面で優れていることなどを選択の理由として挙げている。
出典:https://www.lenzing.com/newsroom/press-releases/press-release/lenzing-group-builds-worlds-largest-lyocell-fiber-
タイのThanulux社、ビッグデータの管理ソフトウェア開発〜アパレル業界動向〜
Saha Group傘下のアパレルメーカーThanulux Plcは、ドイツの人気シャツブランドOlympの輸入を初めてタイ国内で行い、顧客基盤を拡大した。
2019年8月20日の発表によると、同社はヨーロッパやアジアの多くの国際的なファストファッションブランドをタイ国内で販売し、アパレルメーカーのトータルファッションソリューションプロバイダーへの転換を試みている。
同社は2000万タイバーツを費やし、管理効率を高めるためにビッグデータの管理ソフトウェアを開発した。生産基地をミャンマー、ベトナム、インドネシアに設置することで、タイバーツ高に対応している。
出典:https://www.thanulux.com/invest2.php#investnew2
2019年 タイのアパレル(流通・小売)業界
タイのICC、海外事業とオンライン販売の強化へ〜アパレル業界動向〜
タイの消費財大手サハ・グループ傘下で衣類、靴、コスメティック、消費財を販売するICCインターナショナルは1月8日、利益率の改善を図ることを目的として、海外事業とオンライン販売事業の強化に取り組む方針を固めた。
近年、アパレル業界の概況として、タイ国内の消費者の購入額が伸び悩んでいる点や、リアル店舗よりもオンライン上の電子商取引市場が活況である点が指摘されており、今回の戦略もそれらのトレンドを加味したもの。
オンライン販売事業では自社ウェブサイトのほか、eマーケットプレイス(電子市場)における販売品目を増やす。昨年の売上高に占める比率は百貨店が80%で、オンラインは5%にとどまったものの、2020年までには10%に拡大する計画を示している。
出典:http://investor.icc.co.th/index.php/en/new-event/
タイのPTT、プラスチックを再利用した繊維製造業への投資を拡張 〜アパレル業界動向〜
タイに本拠地を置く投資会社Saha Pathana Inter-Holding Plc(SPI)は、プラスチック廃棄物を再利用した繊維製品の製造を拡張することを目的として、石油精製のPTT Global Chemical PLC(GC)と協力することを発表した。
両社は繊維製品の基準を国際レベルに向上させることに焦点を当て、タイの廃棄物削減の課題に高い基準を設ける一方で、環境への影響が少ないとされる製品の開発に注力する。
GCは今回の協業について、「画期的な技術を組み入れることで、石油化学事業とプラスチック樹脂の製造にイノベーションをもたらすことができる」としており、また世界中の環境ビジネスの趨勢に呼応しつつ、高い潜在力を持ったタイ企業のビジネスを後押しできる可能性があると述べた。
出典:https://www.pttgcgroup.com/en/updates/press-release/887/ptt-global-chemical-and-mitsui-chemicals-sign-joint-venture-agreement-in-pet-and-pta-business-in-thailand
アパレル業界大手の「ZOZOTOWN」、タイ市場への展開を開始
ファッション通販「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイは2018年7月3日、自社ブランド「ZOZO」を取り扱う海外向けサイトhttps://zozo.comを開設した。
ZOZOはタイなど72の国と地域で合計10万人にTシャツとジーンズを無償でプレゼントするキャンペーンを行い、海外での知名度とブランド力の強化を図っている。
ZOZOは日本でも注目を浴びた、体型サイズを自動的に採寸できるシステム、〈ZOZOSUITS〉をタイ市場でも導入しており、アプリでの注文や決済手段の選択肢を広げるなどの戦略を採用することで顧客層の拡大を図っている。
出典:https://zozo.com/th/en
タイでスポーツウェアの受注高が過去最高に〜アパレル業界動向〜
タイアパレル協会によると、スポーツウェア市場では世界の有名スポーツチームなどからの発注がタイに集まったことで「製造が間に合わない状態」となっていることがわかった。さらに、アパレル市場全体で2018年は過去最高の受注高となることが見込まれており、2019年においても成長の加速が予想されている。
スポーツウェアの製造枚数は1億枚以上となり、輸出額では450億バーツにものぼる。イングランドの有名サッカーチームのスポーツウェアなどもライセンス製造しており、1着3~4000バーツのものも「即日売り切れ状態」にあるという。
世界的に活躍するチームがタイでのユニフォーム製造を選ぶ要因として、タイ製の生地の素材や縫製の丁寧さに定評があり、また期日通りの納品が守られているなどが挙げられる。タイではブランドのコピー商品が一斉摘発されており、本物志向が強まっている。今後は各社とも東南アジア周辺国での製造・販売を拡大させ、受注増に対応する構えだ。
出典:http://tgmapr.wixsite.com/thaigarmentwp-content/uploads/2017/02/11.-%e0%b8%aa%e0%b8%96%e0%b8%b4%e0%b8%95%e0%b8%b4%e0%b8%aa%e0%b9%88%e0%b8%87%e0%b8%ad%e0%b8%ad%e0%b8%81-%e0%b8%9e%e0%b8%a2.-17.pdf
2018年 タイのアパレル(流通・小売)業界
世界の有名メーカーが群雄割拠、タイのデニム市場〜アパレル業界動向〜
タイではデニム製品が広く受け入れられており、国際的ブランドLevi’s、Lee、 Wrangler、Dieselなどのプレーヤーが参入している。
日本のプレミアムジーンズブランドであるSamurai JeansやMOMOTRO Jeansもファッション小売のPRONTOが代理店となってタイ市場に参入、その他にタイの国産ジーンズブランドMcも人気がある。
消費者のデニム販売チャネルはCENTRAL PLAZA、The Mall、ROBINSONなどの大型ショッピングモールが最も多く、タイ国内で44支店を展開するROBINSONでは「ROBINSON JEANS」と題して著名ジーンズブランドを一挙に束ねた販促イベントも行なっている。
出典:http://store.robinson.co.th/event-20171114.html http://prontodenim.com/blog/new-arrival-momotaro/
アパレル業界大手のUNIQULOタイ、東南アジア初の路面店舗オープン
タイUNIQLOは、バンコク東部パタナカン通り沿いに東南アジア初となる路面店舗をオープンさせた。これまではショッピングモール内のテナント店舗のみであったが、郊外のファミリー客層の取り込みを狙っている。
店舗面積は1,440㎡で、日本のUNIQLO大型店舗の敷地面積およそ1,650㎡とほぼ同サイズとなる。大型の駐車場も完備する路面店舗は、日本における成功の礎を築いたのみならず韓国や台湾でも成功を収めており、タイにおいても新規顧客層の開拓になることを期待している。
出典:http://www.uniqlo.com/th/corp/pressrelease/2018/01/uniqlo_to_open_first_roadside.html
タイアパレル業界の最新統計
2017年7月31日現在、全国のアパレル企業は1,797社、うち1,284社が株式会社である。市場規模は102億バーツ、その81%の82億6,800万バーツを株式会社が占める。
2017年の新規登記企業数は211社(金額ベースで2億8,100万バーツ)、前年同時期の153件と比較して264%の増加となった。やはりそのほとんどは中小企業であり、政府は中小企業向けのビジネス支援策を強化している。
地域別では、北部83社 1億1,600万バーツ、東部161社 3億7,600万バーツ、西部30社 3,500万バーツ、南部 142社 3億3,200万バーツ、バンコク周辺が1,381社 93億5,600万バーツと、バンコクへの一点集中が明らかである。
出典:http://www.dbd.go.th/download/document_file/Statisic/2560/T26/T26_201707.pdf
タイは生産拠点として今後も生き残れるか?〜アパレル業界動向〜
2016年のタイアパレル業界への投資額は、102億1,700万バーツであった。国内投資が55億5,800万バーツ、海外企業による投資が46億5,900万バーツで、国別ではシンガポールが最大の10億6,000万バーツ、次いで日本の7億4,300万バーツ、イタリアの4億7,900万バーツ、オーストラリアの3億4,600万バーツ、その他20億3,000万バーツとなっている。
輸出額については緩やかな減少が見られたが、外国企業がタイの近隣諸国へ生産拠点を移したことが要因のひとつと思われる。例えば対アメリカでは前年比で6.95%減少した(2016年)が、これはベトナムとカンボジアからの対米輸出が増えたことと連動している。一方で中国市場向けの既製服輸出は増加が見込まれる。
出典:http://www.dbd.go.th/download/document_file/Statisic/2560/T26/T26_201707.pdf
タイが「世界の縫製工場」を脱するには〜アパレル業界動向〜
タイ工業省が主導する産業開発戦略の下、タイのファッション業界はIndustriy 4.0(第四次産業革命)に焦点を当て、イノベーションを通じた価値創造に注力することで、5年以内に繊維、アパレル、宝石、革製品の各産業の市場規模全体を1兆バーツまで成長させ、そしてASEANのファッションハブになることを目標においている。
タイのアパレル市場は緩やかな縮小傾向にあり、それを食い止める1つの方法がファッションデザイナーの育成である。タイが世界の縫製工場で留まったままになるか、ファッションリーダーとして業界を牽引する立場になれるかどうかは非常に重要なファクターである。政府主導で「Fashion Designer Creation(FDC)」と呼ばれるイベントを毎年開催しているのもその一環である。
出典:http://www.thansettakij.com/content/187341
https://www.facebook.com/fdc2016/
まとめ:タイのアパレル業界
デニム市場が活発なだけではなく、日本企業ユニクロもタイへの規模拡大に向けて新たな動きを示しています。首都バンコク一点集型と言われるアパレル業界は今後タイ全土ではどのような動きを見せるのでしょうか?またデザイナー育成に向けての今後のタイファッション業界の動きから目が離せないですね。
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。