2023年現在、インドネシアの経済成長に伴ってアパレル業界の売上もコロナの影響を振り払う勢いで利益を出しています。また、現代に合わせて国際ブランドの衣類を提供したり、環境問題に取り組むなど、様々な挑戦が行われています。
今回は、そんなインドネシアのアパレル業界に関する最新情報をお届けします!
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2022年 インドネシアのアパレル(流通・小売)業界
MAPI 、2023年Q1堅調なスタート
インドネシアのブランド総代理店PT Mitra Adiperkasa Tbk (MAPI)は2023年4月28日、第1四半期の売上高が前年同期比32.5%増加し堅調なスタートを切ったことを明らかにした。
MAPIの2023年Q1売上高は7.5兆ルピアで前年の5.6兆ルピアから32.5%増加。売上総利益率も前年の42.9%から44.3%に改善。営業利益は4,880億ルピアから6,640億ルピアへと前年比36.0%増加し、EBITDAは1兆ルピアから1兆3千億ルピアへと前年比24.8%増加した。
2022年第1四半期に発生したバーガーキングの売却による一時利益3,090億ルピア(税引後)を除くと、同社の中核的な経営成績を表すコア利益は、前年同期比46.7%増の3,390億ルピアから4,960億ルピアに増加。
出典:https://www.map.co.id/mapi-is-off-to-a-solid-start-for-2023-with-a-32-5-surge-in-q1-revenue/
Matahari、繊維廃棄物管理プログラムスタート
インドネシアの大手流通グループMatahariがアジア・パシフィック・レーヨンとのコラボで2023年11月16日から繊維廃棄物管理プログラムを開始したことを明らかにした。
MatahariのESGサンライズプロジェクトの一環として、このプログラムは顧客に対して環境改善のためのリサイクルプログラムによる繊維廃棄物削減への参加を奨励するもの。
第1段階では、Supermal Karawaci (タンゲラン)、Metropolitan Mall(ブカシ)、Ciputra Mall (ジャカルタ) の3店舗でネバダデニムの回収に焦点を当て、各店舗に2つのドロップボックスを設置する。このプログラムが分別、追跡、化学的リサイクルを通じて26トンの繊維廃棄物削減に貢献することを目標にしている。
出典:https://www.matahari.com/corporate/newsandevent/index/view/Matahari-Manajemen-Limbah-Tekstil
Mega Printas、2022年売上高前年比145%
2005年に設立されたインドネシアのアパレルメーカーPT MegaPerintas Tbk(ZONE)が2023年4月29日に2022年Annual Reportを公表した。
2022年の売上高は6.729億ルピアで前年比145%の二桁増収であった。2022年、インドネシア経済が5.31%の成長率を記録し、コロナ前の平均5%を大きく上回った。この結果、ZONEも大幅な売上高増となったとのこと。
2022年度のZONEのトピックスは、2022年4月1日、PTSaptakharisma CemerlangからEDWIN の知的財産権と商品在庫を買い取り、オンラインで強い存在感を誇るジーンズブランドを買収できたこと。この取引は、ZONEの製品バリエーションと将来の事業展開を拡大することを目的としている。
出典:https://megaperintis.co.id/Documents/ANNUAL%20REPORT%20DAN%20SR%202022%20ZONE.pdf
TRIS、好業績で2022年配当額前年の268%増
繊維・アパレル部門の総合アパレルプロバイダーでインドネシア証券市場に上場するPT Trisula International Tbk(TRIS)が、2023年4月10日に開催された年次株主総会で、2022年の純利益の31%に相当する202億3,000万ルピアを配当として分配することを決定したことを伝えた。
2022年の素晴らしい業績のおかげで、今年の配当額は、2021年の55億ルピアと比較して268%増加した。
昨年、輸出市場でのTRISの売上高は1兆ルピアに達し、前年比53%増加。TRISの総売上高は1兆5,000億ルピアで前年比36%増加。TRISは航空、医療、サービス業などさまざまな分野の大企業にユニフォームを供給している。さらに、多くの国際ブランドにさまざまな衣料も供給している。
出典:http://www.trisula.co.id/wp-content/uploads/2023/04/TRIS_Bill_Press-Release_RUPST_10042023.pdf
Uniqro、62店目をGreen Sedayu Mallに開店
Uniqro IndonesiaはFacebookで2023年5月5日、ジャカルタのGreenSedayu Mallに新店舗が開店することを案内した。
直近では、3月にバリのLiving World Dempasar店とスマトラ島ジャンビのJambi Town Square店を開店し、4月にはジャカルタのAEONMall Jakarta Garden City店、中部ジャワのPakuwon Mall Solo Baru店と西ジャワのCibinong City Mall店を開店している。
Uniqro Indonesiaは 2013年にジャカルタのクニンガン地区にあるロッテショッピングアベニューショッピングコンプレックス内に1号店を開店して以来、この10年間で店舗数を増やし、Green Sedayu Mall店で62店目。ジャワ島だけでなく主要な島々に全国展開しており、出店スピードも上がっている。
出典:https://www.facebook.com/UniqloIndonesiaOfficial/videos/3409137712668072/
2021年 インドネシアのアパレル(流通・小売)業界
インドネシアのアパレル業界大手のMAP、顧客とのオムニチャネル化を強化
様々なファッションブランドを持つインドネシアの大手ライフスタイル小売業者であるPT Mitra Adiperkasa Tbk(MAP)は2020年8月3日、2020年上半期の決算を発表した。
売上高は6兆7,900億ルピアで前年の10兆ルピアから大幅に減少した。これはCovid-19流行によるモールの閉鎖と需要の減速の影響による。とりわけ、第2四半期の売上高は2兆800億ルピアで前年の5兆3,400億ルピアの半分にも達していない。
しかし、一方で、オンラインショッピングは活況で、上半期のe-コマース売上高は前年比400%、第二四半期だけ取ると前年比600%を超える伸びを示している。今後は300万人のMAPCLUB会員を中心にオムニチャネルの強化を図る方針。
出典: https://www.map.co.id/map-second-quarter-hit-by-pandemic/
インドネシアのラマヤナ百貨店、2020上半期売上高前年比41.7%〜アパレル業界動向〜
インドネシア全土に百貨店を展開するPT Ramayana Lestari Sentosa Tbkは2020年9月10日にパブリックエクスポーズを開催した。
その中で2020年上半期の売上高は2兆1,955億ルピアで前年比41.7%であった。第2四半期だけを見ると、8,388億ルピアで前年比22.5%とcovid-19の影響を大きく受けた結果であった。
また、上半期の売上高の構成は、男性用衣料品:34.8%、女性用衣料品:10.6%、子供用衣料品:8.7%、靴・カバン・アクセサリー:24.2%、おもちゃ・文房具・家庭用品:3.4%、生鮮食料品・飲料他:18.3%であった。なお、地域的な売上高の前年比は、首都ジャカルタ、ジャカルタ以外のジャワ島とジャワ以外の3つの地域で比較してもほとんど差がなかった。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202009/334d3996e1_40ee16f54e.pdf
インドネシアでアパレル業界大手のTrisula、2019年度小売部門50%販売増
インドネシアで衣料品の製造販売を行うPT Trisula International Tbk(TRIS)の2019年の売上高は1兆4,787億ルピアで前年比105.9%と増収であった。
部門別売上高は、①製造部門:1兆511億ルピアで前年比105.3%、②物流部門:4,393億ルピアで前年比99.7%、③小売部門:2,483億ルピアで前年比150.1%、④相殺:-3,159億ルピアであった。
前年比150%と好調な自社ブランドを販売するTRISの小売部門は、ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、メダン、マカッサル、バリクパパンなど、インドネシアの各地域で自社ショップと呼ぶ189の小売店ルートと西武、そごう、メトロ、セントラル、セントロ、マタハリ、ヨグヤ、パークソン、スターやサリナなどの百貨店ルートから成る。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202005/1ce1c42fb4_baf3fda078.pdf
インドネシアのCarrefour、ファッショナブル布マスクを品揃え〜アパレル業界動向〜
インドネシアで衣料品を販売するTransmart Carrefourは2020年9月29日、Covid-19パンデミックの最中、女性がマスクをしても美しくファッショナブルに見せる方法についてアドバイスした。
「マスクの色やモチーフと衣服を組み合わせてファッショナブルに見せるマスク」は重要なファッションアイテムであり、マスクは機能性だけでなく美しさも重要だとしている。そのため、Transmart Carrefourではファッショナブルな布製マスクのコレクションを多数取り揃えているとのこと。
また、マスクを着用した際にポイントとなる目については、アイシャドウ、マスカラやアイライナーを使い、印象的に見えるようにすることを勧めている。
出典:https://carrefour.co.id/ https://wolipop.detik.com/fashion-news/d-5193199/tampil-cantik-dan-fashionable-dengan-masker?_ga=2.151486777.1226657602.1605053624-1226702945.1604404098
インドネシア・ユニクロ、ヒジャブファッションマニュアル発表〜アパレル業界動向〜
2020年3月16日、インドネシアのユニクロは、インドネシアでヒジャブを着用する女性のためのマニュアルを発表した。
これは、インドネシアの女優であり、起業家、作家、ミュージシャンでもあるアユディア・チャエラニ氏とのコラボレーションである。ユニクロインドネシアは、スタイリングディレクターとしてヒジャブファッションに精通しているヒジャブの有名人アユディア氏と協力して、2020年4月8日に発表する50のスタイリング・インスピレーションを作成した。
このドレススタイルガイドは、快適で機能的なユニクロ製品を通じて、エレガントでスタイリッシュに見せたいインドネシアでヒジャブを着用する女性のニーズに応えるために立ち上げられた。
出典:https://www.uniqlo.com/id/corp/pressrelease/2020/03/uniqlo_indonesia_gandeng_ayudi.html
2020年 インドネシアのアパレル(流通・小売)業界
アパレル業界大手のH&Mインドネシア、オンラインショップ立ち上げ
インドネシアにも展開するH&Mは2019年8月28日、インドネシアでH&Mオンラインショップを立ち上げ、インドネシアの顧客に新しいオムニショッピングエクスペリエンスの提供を始めたことをアナウンスした。
H&Mのオンラインショップ(www.hm.com)では、女性、男性、子供向けに幅広いファッションアイテムを提供している。配達先は、自宅、代替住所、H&M店舗のいずれかを選択できる。
インドネシアで最初のH&M店舗がオープンしたのは2013年。現在までに店舗は35店舗に増えた。オンラインショップの開店で、顧客はいつでもどこでも好きなときに買い物を楽しむことができる。H&Mは現在、49の市場でオンラインショッピングを提供している。
出典: https://hmgroup.com/media/news/general-news-2019/h-m-launches-shop-online-in-indonesia.html
インドネシアのElzatta、ヒジャブを女優と共同開発〜アパレル業界動向〜
インドネシアのファッションブランドのエルザッタは2019年10月30日のブログで、女優のチトラ・キラナとコラボして開発した「チトラシリーズ」と命名されたヒジャブのコレクションを発表した。
チトラ・キラナは「チキ」という愛称で親しまれるメロドラマのヒロイン役で有名なインドネシアの女優。彼女はボゴール出身の25歳である。「チトラシリーズコレクション」はヒジャブだけでなく、スカーフ、ベルゴ、チプト、インナー、レギンス、ソックスもある。さらに、このコレクションにはユーザーにとってより快適な素材が使用されている。
エルザッタは「チトラシリーズコレクション」を女優として活躍し、快適なイスラム服を必要としていたチトラ・キラナに触発されて開発したとのこと。
出典: https://elzatta.com/blogs/blog-elzatta/citra-kirana-meluncurkan-koleksi-hijab-berkolaborasi-dengan-elzatta
インドネシアでアパレル業界大手のMAPの業績、好調に推移
インドネシアでZARAやMANGOをはじめとする、40以上のグローバルファッションブランドを手掛ける大手ライフスタイル小売業者のPT Mitra Adiperkasa Tbk(MAP)は、2019年10月31日、2019年Q3の決算を発表した。
売上は15.4兆ルピア(前年比:112%)で増収。純利益は8,130憶ルピア(前年比:138%)で増益であった。マーチャンダイジングプロセスの改善、データ分析活用、在庫プロファイリングの効果が出ている。
今後は、専門店、飲食店、化粧品、ヘルス&ビューティーなど成長エンジンへの注力を加速していく。2019年9月現在、MAPは売り場面積を66,361 ㎡ (148店舗)追加し、総売り場面積を850,876 ㎡ (2,243店舗)にした。
出典: https://www.map.co.id/map-posts-11-surge-in-net-revenue-for-9m-2019/
インドネシアで活況を呈すRabbani、ノウハウを伝授〜アパレル業界動向〜
インドネシアでイスラム系ファッションを販売するRabbaniは、2019年10月7日、ユニークなワークショップの開催を案内した。
ワークショップ名は「青天井ビジネス秘密のセミナー」。うたい文句は「成功は単なる夢ではない。あなたの夢を実現しよう!」というもの。2019年11月3日に開催されるこのワークショップは、参加費用が50万ルピアで、講師陣はRabbaniの営業幹部社員となっている。内容は、講師陣から直接、顧客を見つけ販売する方法を伝授してもらえるというもの。
Rabbaniのイスラム系ファッションは旺盛な需要の中、活況を呈している。そのため、このワークショップに参加してノウハウを身に着ければ毎月数千万から数億ルピアの売上を上げることも夢ではないとのこと。
出典:http://www.rabbani.co.id/page/artikel-WBL-DEPOK-6-60.html
2019年 インドネシアのアパレル(流通・小売)業界
アパレル業界大手のユニクロ、インドネシア・バンドンに21店目をオープン
ユニクロ・インドネシアは2018年11月14日、同社ウェブサイト上で11月16日に西ジャワ州、バンドンのパリス・バン・ジャヤに新店舗をオープンすることを報じた。新店舗ではバンドンに居住する学生を対象にした「店頭小売り体験」というイベントが開催された。
バンドンにオープンした新店舗は2013年のユニクロのインドネシア市場への進出以降、21店目となる。ユニクロはバンドン支店の成功を願うと同時に、近隣の専門高校2校から30人の学生を招いた。
体験イベントは、店内のレイアウトを知ることから始まり、商品補充、レジ係とスタイリングを実際に経験するというプログラムである。この「店頭小売り体験」プログラムはユニクロの社会貢献活動の一環として行われた。ユニクロでは地域社会に根付いた店舗となることを目指し、様々な活動が行なわれている。
出典:http://www.uniqlo.com/id/corp/pressrelease/2018/11/uniqlo_untuk_pertama_kalinya_m.html
キキ・ベルテンス、FILAインドネシアと契約〜アパレル業界動向〜
インドネシアでFILAを販売するPOLYFILATEXは2019年1月2日、ホームページ上で世界ランキング第9位の女子プロテニスプレーヤー キキ・ベルテンスがFILAの契約選手として登録されたことを報じた。
ベルテンス選手はオランダ出身の27歳。これまでWTAツアーでシングルス7勝、ダブルス10勝を達成しており、2018年の4大大会でのシングルスの成績は、全米・全豪は3回戦進出、全英はベスト8へ進出している。今までの4大大会での最高の成績は2016年全仏のベスト4進出。
FILAのグローバル事業部長は「ベルテンス選手は非常に高いポテンシャルを持つ選手である」とし、特に昨年において著名なプレーヤーとの勝負で優秀な戦績を収めていることを高く評価している。
出典:http://polyfilatex.com/news-events
インドネシアにも多数進出!アパレル業界大手のH&M、合弁会社が持続可能な新繊維開発へ
インドネシア国内に展開するアパレルメーカーH&Mグループは2018年12月21日、同社ホームページ上で、H&Mグループ、IKEAグループと森林ベースの再生燃料を作るスウェーデンのLars Stigssonの3社が合弁で設立した会社Tree To Textile ABへ、紙・パルプ・森林製品を製造するフィンランドのストラ・エンソーが新たなパートナーとして加わったことを報じた。
Tree To Textileが有するスウェーデンの試作ラインでは現在、森林の原材料から採れるセルロースを再生可能な織物繊維として採用した、持続可能でコストを抑えた次世代の繊維技術の検証が進められている。
今回のパートナーシップ提携により、ストラ・エンソーは北欧に保有する工場の建物内に実証工場を設置し、そこで生産された繊維をM&HグループとIKEAグループがそれぞれの商品に原材料として用いる。
出典:https://www.map.co.id/maps-subsidiary-pt-map-aktif-adiperkasa-maa-announces-launch-of-its-ipo/
インドネシアMAPの子会社、MAAが新規上場〜アパレル業界動向〜
インドネシア最大の流通コングロマリットであるMAP(PT Mitra Adiperkasa Tbk)は2018年5月24日、同社が子会社として保有するPT MAP AKTIF ADIPERKASA(MAA)の新規株式公開(IPO)の準備を始めたことを報じた。
MAAはプラネットスポーツを含む様々なマルチブランドコンセプトを運営しており、所有するブランド数は50以上。全国70の主要都市に900店舗以上を展開しており、2018年においては新規100店舗をオープンさせた。
今回のIPOでは5億5千万株が売り出される予定である。IPO時の売出価格は2,000~2,400ルピアで提案されている。IPOによって得られた資金は債券の返済に90%、残り10%は運転資金に充て資本構造の強化を図る。
出典:https://www.map.co.id/maps-subsidiary-pt-map-aktif-adiperkasa-maa-announces-launch-of-its-ipo/
2018年 インドネシアのアパレル(流通・小売)業界
インドネシアのMAP、経営改革をへて2017年も増益〜アパレル業界動向〜
Mitra Adiperkasa(通称MAP)は、インドネシアアパレル業界のリーディングカンパニーである。4月3日に同社が発表した決算報告によれば、2017年の純利益は前年比15%増の16.3兆ルピアに達した。
営業利益は前年比26%減の1.1兆ルピアに落ち込んだが、当期純利益は68%増の3,500億ルピアとなった。グループ内のブランド合理化・整理を進めたという特殊事情もあり、それを考慮すれば当期純利益は5,510億ルピアになる。
同社の企業広報統括であるFetty Kwartati氏は、2014年から2016年にかけて実行したアジェンダを経て、2017年は今後のブースト(飛躍)に向けての点火を行なった年であったと総括した。
ムスリム女性ファッションのパイオニア、インドネシアでアパレル業界牽引のRabbani
Rabbaniは、ムスリム女性向けファッションのパイオニアである。ファッション性が高いとは言えない伝統的なムスリム服を変えたいと願った創業者、Rabbaniの理念がその始まりである。
そのため新しいムスリムファッションの啓蒙にも力を入れており、2017年9月から2017年10月にかけては「Rabbaniガール総選挙2017(Pemilihan Gadis Krabbani 2017)」と題するファッションイベントを開催。西ジャワ州の州都バンドゥンの会場では、インドネシア全土の400名を超す参加者から選ばれた36人のファイナリストから、3名のRabaniガールが選ばれた。
Rabbaniらしく、人格やイスラムに対する理解、容姿、ムスリムファッションといったポイントがその選考基準であった。
出典:https://rabbani.co.id/page/artikel-Gadis-Krabbani-6-49.html
インドネシアでアパレル業界大手のMatahari、世界的ブランドとのコラボ実現
Matahariは、インドネシアを代表するアパレル企業の1つで、1958年に第1号店がオープン、2017年次点でインドネシア全土の73都市に155の店舗を展開している。手頃な価格帯で多数の商品を提供するファミリーブランドである。
2億6000万人を超える人口を抱えるインドネシアは若年層の割合が大きく、同社は潜在的顧客層の開拓にも目を向けている。子供向けのファッションショーを行なうことは、低年齢層からオシャレに目を向けさせるきっかけのひとつである。また、ウォルト・ディズニー社とブランド利用に関する複数年契約に合意。衣服のみならずおもちゃなど多岐にわたるディズニー製品の展開を目論む。
出典:http://www.matahari.co.id/en/events/press-conference-matahari-x-disney-1
他のムスリム圏で商機を狙う!インドネシアのアパレル業界
インドネシア外務省は、国内ムスリムファッションデザイナーの世界的な認知度上昇を鑑みて、インドネシアのムスリムファッションが世界のファッション業界で高い競争力を持つ可能性があるとの見解を持っている。
インドネシアは現在、バングラデシュ、トルコ、モロッコ、パキスタンに次ぐ、世界第5位のムスリムファッション輸出国である。世界レベルでは2019年までにムスリムファッションの市場規模が3,270億米ドル(2016年の1.4倍)に成長すると予想されている。
一例として、イスタンブールのインドネシア総領事館では、ムスリムファッションの一大市場であるトルコにおけるインドネシアアパレル企業の存在感を強めるための各種支援策を採っている。
出典:https://www.kemlu.go.id/id/berita/Pages/Potensi-Industri-Kreatif-Busana-Muslim-Indonesia-di-Istanbul.aspx
インドネシアのZALORA、ムスリム向けスポーツヒジャブを発売〜アパレル業界動向〜
ZALORAは、2012年創業でアジア最大のオンラインアパレル企業。500を超える国内外のブランド、3000以上の商品をオンラインで取り扱っている。
同社はインドネシアの企業らしく、Nikeとコラボレーションして、女性ムスリムスポーツ選手・スポーツ愛好家向けのスポーツヒジャブを開発した。
伝統的なヒジャブがネックとなって競技スポーツで持てる実力を発揮することが難しかった女性アスリート・スポーツ愛好家にとっては朗報となる。
出典:https://s3-ap-southeast-1.amazonaws.com/zaloraid/PR/SIARAN+PERS+-+NIKE+PRO+HIJAB+Tersedia+di+Asia+Tenggara.pdf
まとめ:インドネシアのアパレル業界
世界的にみてもインドネシアにおけるムスリムファッション業界の規模は大きく、これからのムスリムファッション業界を牽引していく存在になりそうです。また若年層が多いインドネシアだからこそファッションのトレンドを意識しなおかつ値段という面でも消費者目線の商品を提供することが大事になっていきそうです。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。