2023年現在、マレーシアではコロナの収束と共に、家具用品への需要が高まってきています。また、マレーシアの家具は海外での需要も高く、マレーシア工業開発庁は、2022年にマレーシアの家具の輸出額が139億リンギットを記録し、前年の126億リンギットから増加したことを発表しています。
今回は、そんなマレーシアの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 マレーシアの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター(流通・小売)業界
モビリア、2022年度は増収増益〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
家具及び家具部品の設計・製造・販売を手掛けるモビリアは、2022年度の収益が前年度比で21.2%増となる8,495万リンギットを記録した。この増収は、米ドル高に加え、2022年度上半期の販売数量が増加したことによるものとなっている。同年度中、海外市場からの収益は総収益の約70.09%を占め、残りの29.91%は国内市場からとなった。
また、同年度の税引後利益は前年度比で46.4%増となる1,594万リンギットとなった。利益増加の主因としては、子会社のモビリア・インターナショナルにおいて、従業員がCOVID-19に感染しなかったことなどで製造活動に混乱が生じなかったことによるものとなっている。
今後について、同社グループは顧客基盤の拡大と輸出市場の拡大に向けたマーケティング活動、家庭用家具の品揃えの拡大に向けた設計開発活動に加え、安定したサプライチェーンと効率的な生産体制の維持に努めるとしている。
出典:https://mobilia.listedcompany.com/newsroom/Mobilia_AR2022.pdf
ミスターDIY、東南アジアで人気のDIY店に〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
2005年に設立され、2,300店舗以上を展開する大手ホームセンター小売業者のミスターDIYは、2022年11月3日にロンドンのケンジントン宮殿で開催されたワールド・ブランディング・アワードにおいて、東南アジアで人気のDIY店として認められ、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンの4市場で「トップホームセンター小売ブランド」として地域賞を獲得した。
同社のマーケティング責任者であるアレックス・ゴー氏は今回の受賞について、一般消費者からのフィードバックを伴う本受賞は、顧客が「常に低価格」という当社の約束を日常生活で感じ続けていることを示すものであるとしている。
本賞以外にも、同社はロイト・プライベートの「ベスト・マネージド・カンパニー」とフロスト&サリバンの「2022年ホームセンター業界における最優秀企業賞」を2年連続で受賞するなどしている。
出典:https://www.mrdiy.com/2mrdiy-recognised-as-southeast-asias-favourite-diy-store
2022年の家具関連投資額が5億リンギット〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
マレーシア工業開発庁は、マレーシアの家具輸出業者は160ヵ国に進出しており、2022年にマレーシアの木材、プラスチック、金属、部品でできた家具の輸出額は139億リンギットを記録、前年の126億リンギットから増加したことを示した。
また、2022年には34件の家具関連の投資プロジェクトが承認され、投資額は前年の約2倍となる5億170万リンギットを記録した。この投資額の65.25%は国内投資で、残りが海外からの投資となっており、1,484人の雇用創出が期待されている。
さらに、同庁においてはインダストリー 4.0 テクノロジーに対応するために製造工場をアップグレードしたいと考えている家具メーカーから、Industry4WRDインターベンション基金に対して16件、スマートオートメーション助成金に対して47件のプロジェクトを受け取った。
出典:https://www.mida.gov.my/wp-content/uploads/2023/03/MIPR-2022.pdf
MTCがTHAなどと覚書を締結〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
2022年9月15日、マレーシア材木委員会(MTC)は、ASEAN加盟国の地域としての競争力を高める取り組みとして、タイのソンクラーにあるタイ工業連盟において、タイヘベア木材協会(THA)と木材加工産業クラブと覚書を締結したことを発表した。
この覚書は、マレーシアとタイの木材取引の発展を促進し、二国間の木材取引の標準化を確立することに寄与するとともに、MTCが開催するマレーシア木材エキスポ(MWE)へタイの木材産業関係者の参加を促すプロモーション活動も含まれている。署名の後、マレーシアの木材会社19社と、タイの木材会社15社によるB2Bマッチングが行われた。
MTCはCOVID-19パンデミックで停滞したビジネスや貿易関係を復活させるためにASEANの貿易パートナーへ働きかけを行っており、2022年にはシンガポールとタイ、ベトナム、インドネシアを訪問、同年11月にはフィリピンを訪問する予定としている。
出典:https://mtc.com.my/images/media/1304/MTC_INKS_MOU_WITH_THAI_COUNTERPARTS_15.9.2022.pdf
マレーシア国際家具見本市、驚異的な回復〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
2023年3月1日から4日まで開催された東南アジア最大の家具見本市である「マレーシア国際家具見本市」において、12億1000万米ドルの売上を達成したことが発表された。この数字は、パンデミック前となる2019年の10億1,000万米ドルから19%の増加であり、出展企業は673社(マレーシア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、韓国、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムの11ヵ国)、訪問者は136国籍に及んだ。
今回の見本市は、マレーシア国際貿易展示場とクアラルンプール世界貿易センターの2会場で開催され、1万9,275人のバイヤーを迎えた。約30%が海外バイヤーであり、40%が初来場者となった。最も多かった来場者はアジア諸国からであり、北米、オセアニアが続いた。
また、見本市で最も売れた家具はダイニングルーム向け、ベッドルーム向け、リビングルーム向け、オフィス向け、布張り家具/ソファ、キッチン向け家具であった。
出典:https://2023.miff.com.my/misc/pressreleases/2023-04-06.pdf
2021年 マレーシアの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター(流通・小売)業界
マレーシアのモビリアがIPOで1,350万リンギット調達へ 〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
家具の製造販売を手掛けるモビリアインターナショナルは、ACEマーケット上場を計画しており、6,000万株の新規株式公開の目論見書を発表した。
公募価格は1株0.23リンギットで、2,000万株は一般公開、1,200万株は同社及び子会社の従業員に、そして2,800万株は特定の投資家向けとし、約1,380万リンギットを調達する。
調達金額の内、580万リンギットはオフィスやショールーム、工場建設に使用し、180万リンギットは借入金の返済、190万リンギットは運転資金、300万リンギットを上場費用、そして残りの130万リンギットを機械の購入に使用する。同社は、131,274平方フィートのオフィスビルと工場を建設予定としており、下請け業者への依存を減ら計画としている。
出典:https://www.bursamalaysia.com/market_information/announcements/company_announcement/announcement_details?ann_id=3126237
イケア、マレーシアに巨大物流センター設立〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
北欧スウェーデン発の家具・生活雑貨販売店のイケアは、2020年度の年次報告書において2020年8月、クアラルンプールに1万平方メートルの物流センターを完成させたことを発表した。
この物流センターは世界で3番目に大きな規模であり、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、インドのイケア事業にサービスを提供する。また、2021年度に開業予定となっているフィリピン・マニラの店舗にも、サービスを提供する。
現在、同社は首都圏で2店舗、ジョホール州とペナン州で各々1店舗を展開し、東南アジア域内では最大となる1,649人(2019年度)の社員を雇用している。
出典:https://gbl-sc9u2-prd-cdn.azureedge.net/-/media/interikea/igi/financial-reports/inter-ikea-holding-bv-annual-report-fy20-03112020.pdf?rev=0d6e0296b648458b8241d6c84f89eb0f&hash=CBF354F5CCDE34AE91950286D364232F
マレーシアの家具関連の投資状況〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
マレーシア工業開発庁の発表によると、木材・木製品産業には約24万人が従事しており、2019年の同産業の輸出額は225億リンギットを記録した。その内、40.6%が木製家具で、15.1%が合板であった。
投資状況としては、2019年には木材・木製品産業で34件のプロジェクトが承認され、投資額はRM7億7,075万リンギットで、1,649人の新規雇用創出をした。また、家具サブセクターでは、2019年に40件のプロジェクトで623万5,500リンギットの投資額を記録、木材・木製品産業と併せて5,320人の雇用創出となった。
同産業は効率性を高め、より洗練された製品を生産するため、最新の技術を採用しなければならず、同庁はマレーシア企業が自社ブランドメーカーへ移行することを目指している。
出典:https://www.mida.gov.my/industries/manufacturing/wood-based-and-furniture/wood-based-industry-furniture-and-fixtures/
マレーシアのMr. D.I.Y.、2020年第3四半期は増収〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
大手ホームセンター小売業者のMr. D.I.Y.グループは、2020年度第3四半期の収益が前年同期比で31.8%増となる7億4,023万リンギットを記録した。増収の背景には、移動制限令後にホームセンターに対する消費者需要が高まったこと、そして店舗数が前年同期の556店舗から688店舗に拡大したことにある。
また、2020年9月期の累計収益は、移動制限令後に店舗閉鎖を行ったにもかかわらず、消費者需要増と店舗数増によって、前年同期比で8%増となる18億リンギットを計上した。
今後については、COVID-19の不確実性があるものの、同社は事業基盤の強さと回復力から楽観視している。2020年と2021年には、MR DIY、MR TOY、MR DOLLARで307店舗を新規出店する予定としている。
出典:https://www.insage.com.my/Upload/Docs/MRDIY/MRDIY-Q32020.pdf#view=Full
マレーシアのAMオフィスがエルゴヒューマン紹介〜家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界動向〜
1998年にオフィス家具販売会社として設立されたAMオフィスは、オフィスチェア製品を展開するエルゴヒューマンの販売代理店として任命されており、ワンストップショップとしてアフターサービスや製品保証を提供している。
同社は、この1年で在宅勤務やオフィスレイアウトの変更など労働環境が大きく変わる中、最適な椅子の重要性を訴える。同社が販売するエルゴヒューマンの椅子は、優れた全身サポートを備え、人間工学に基づいて作られたことで長時間の快適性を提供している。
また、エルゴヒューマンの椅子は世界中で80万脚が販売されている実績がある。また、97%がリサイクル可能であり、環境に優しいことをアピールしている。
出典:https://amoffice.com.my/with-over-800k-units-sold-this-ergonomic-chair-is-a-must-have/
まとめ:マレーシアの家具・インテリア・生活雑貨・ホームセンター業界
マレーシアでは効率性を高め、より洗練された製品を生産するため、最新の技術を採用しなければならず、マレーシア工業開発庁はマレーシア企業が自社ブランドメーカーへ移行することを目指しています。今後に期待ですね。
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。