インドネシアの金融業界は着実な成長を遂げつつあり、その中で注目すべきトレンドが浮かび上がっています。2023年9月19日、上場国有銀行のPT Bank Mandiri (Persero) Tbk(BMRI)が、同行のスマホアプリ「Livin‘ By Mandiri」における外貨両替の人気についてのニュースを発表しました。これは、デジタルサービスの進化が顧客に広く受け入れられている兆候であり、金融取引のデジタル化が進む中での重要な一環です。
また、インドネシア国内市場ではMFINが新車バイク向け自動車ローンやバイク担保多目的ローンを提供し、特にインドネシア東部で強い存在感を示しています。更に、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)が行ったMFINの買収が、インドネシアにおけるオートローン事業の強化・拡大を意味しています。これにより、日本の大手金融機関がインドネシア市場で一層の展開を図り、地域全体における金融サービスの充実が期待されます。
今回は、そんなインドネシアの銀行業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2023年 インドネシアの銀行(金融・法人サービス)業界
Mandiri銀行、スマホアプリでの外貨両替が人気
インドネシアの上場国有銀行のPT Bank Mandiri (Persero) Tbk(BMRI)が2023年9月19日ホームページにBMRIのスマホアプリ「Livin‘ By Mandiri」での外貨両替の人気が高まっているニュースを掲載した。
BMRIはデジタルイニシアチブを通じて金融取引の促進を積極的に取り組む中、Livin’ by Mandiriスーパーアプリのさまざまな機能を充実することで顧客に金融ソリューションを提供している。
外貨送金は、顧客がLivin’ by Mandiriの機能の中で最も関心を寄せているものの1つ。現在、Livin’ by Mandiri では、最大10種類の外貨普通預金口座の開設から、海外またはマンディリ銀行口座間の外貨送金に至るまで、外国為替取引ソリューションがますます充実しているとのこと。
新開業LRTでBRIの電子チャージマネーが使える
Bank BRIは2023年8月29日、Jabodebek LRTが8月28日に開業し、チケットがBRIの電子チャージマネーBRIZZIを使用してキャッシュレスで購入できることをアナウンスした。
BRIはLRT建設にあたり総投資額32兆6,000億ルピアを融資する銀行団の1行として資金提供した。BRI は、BRIサステナビリティボンドから集めた多くの資金をこの環境に優しい交通手段に割り当てた。
一方、BRIZZIカードは、トランスジャカルタ、MRTジャカルタ、LRTジャカルタ、KRL通勤線、スカルノハッタ空港鉄道などのさまざまな公共交通サービスの支払いに利用でき、ミニマーケットでの買い物、駐車料金の支払い、BRIと提携している他の加盟店でも使用でき便利だとのこと。
Bank BNI、中小企業の海外進出を支援
国有上場銀行のBank BNIは2023年3月1日、中小企業のグローバル化を奨励するためジャカルタ国際手工芸品見本市2023(Inacraft 2023)を支援していることを明らかにした。
Inacraft 2023は3月1日から5日までジャカルタ・コンベンションセンターで開催される東南アジア最大級の手工芸品展示会の一つで、今回23回目の開催となる。このインドネシアで最大の工芸展示会で製品を展示することで、中小企業(MSME)でも海外への市場拡大のチャンスを得ることができる。
今回、BNIは数十社のGo輸出支援MSMEをInacraft 2023に参加させた。世界市場で競争できるように育成されたMSME には、銅工芸品、バティック、陶器、木材、メッキ、短剣などが含まれている。
出典:https://www.bni.co.id/en-us/home/bni-news/news/articleid/22362
Bank BCA、myBCAアプリでユーザーの投資促進
Bank BCAは2023年9月18日、ホームページで「myBCA のWealth Insight で賢く投資しましょう」と呼びかけた。
myBCAアプリケーションユーザーの投資に関する理解と知識を高めるために、Wealth Insight通知が利用できるようになったことを案内している。
この通知を通じて、顧客は次のような投資に関する情報を定期的に取得できる。1. 投資教育では、財務管理、投資のヒントとコツ、投資商品のレビューなどに関する記事を提供。2. 投資イベントは、顧客が参加できるさまざまな専門家による投資ウェビナーおよび専門家による資産に関するBCAイベントを提供。3. Market Insight は、顧客が投資決定を行う際の考慮事項として使用できる最新の市場状況を提供。
MUFG、尼現地自動車ローン会社買収
MUFGは2023年6月26日、PT Mandala Multifinance Tbk(MFIN)を買収することを発表した。
MFINは主に新車バイク向け自動車ローンやバイク担保多目的ローンをインドネシア国内市場で提供しており、特にインドネシア東部で強い存在感を示している。今回の買収でMUFGはインドネシアにおけるオートローン事業のさらなる強化・拡大を図る。
三菱UFJ銀行とその連結子会社PT Adira Dinamika Multi Finance Tbk(ADMF)は今回、MFINの株式の80.6%を約7兆0,420億ルピアで取得する。買収は、関連規制当局からの承認を得ることを条件として2024年初頭までに完了する予定。完了後、MFINの残り19.4%株式を公開買い付けする予定だとのこと。
出典:https://www.bk.mufg.jp/global/newsroom/news2023/pdf/newse0626.pdf
2021年 インドネシアの銀行(金融・法人サービス)業界
インドネシア 2020年末の商業銀行ローンの貸付残高(〜インドネシア銀行業界のトレンド〜)
インドネシア銀行によると、2020年末の商業銀行全体のローン貸付残高は4,825兆ルピアで、前年比98%となった。内訳は、産業界向けが3,226兆ルピアで前年比97%、構成比67%、消費者向けが、1,599億ルピアで前年比99%、構成比33%だった。
産業界のトップ5は、小売・卸売:914兆ルピア(前年比95%/構成比28%)、製造業:600兆ルピア(前年比94%/構成比19%)、建設業:374兆ルピア(前年比105%/構成比12%)、農林水産業:352兆ルピア(前年比106%/構成比11%)、金融・保険:167兆ルピア(前年比89%/構成比5%)であった。
銀行ジャンル別構成比は、国立銀行:44%、公立銀行:10%、民間都市銀行:40%、外国銀行:4%、民間地方銀行:2%であった。
出典:https://www.bi.go.id/SEKI/tabel/TABEL1_5.pdf
インドネシアのマンディリ銀行、国内経済減速の影響を受ける(〜インドネシア銀行業界のトレンド〜)
インドネシアの国有銀行PT BankMandiri(Persero)Tbkの2020年末の体制は、2,714支店、ATM13,217台、従業員38,247名であった。
また、2020年9月末時点の総資産は1,407兆ルピアで前年比110%だった。これは、インドネシアの全商業銀行の総資産の15.5%を占める。
2020年のマンディリ銀行の収入は、85兆7,077億ルピアで前年比98%。2020年のインドネシアの名目GDPが前年比97.5%であったように、Covid-19パンデミックによる国内経済の減速の影響を受けている。内訳は、金利収入が56兆5,081億ルピアで前年比95%、保険料収入が1兆5,137億ルピアで前年比84%、その他業務収入が27兆6,859億ルピアで前年比105%であった。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202102/c1bc654b30_0135a53cbb.pdf
インドネシアのBCA銀行、トップ3銀行で唯一増収を記録(〜インドネシア銀行業界のトレンド〜)
インドネシアの民間銀行の一つであるPT Bank Central AsiaTbk(BCA)の2020年の収入は75兆1,560億ルピアで前年比105%であった。
内訳は、金利収入が54兆1,610億ルピアで前年比107%、金利以外のその他業務収入が21兆40億ルピアで前年比99%であった。BCA銀行は、インドネシアのトップ3銀行の中で、唯一増収(1位:BRI銀行:前年比99%、2位:Mandiri銀行:前年比98%)を果たした。
2020年はCASA(当座預金と普通預金)が前年比121%で増加し、低コストで資金調達ができたため、インドネシア銀行の国債や短期証券など、リスクは低いが利回りの高い商品に投資できた。また、国債からの受取利息の増加が、貸付からの受取利息減少をカバーしたとのこと。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202102/339f719125_bb2fd96ceb.pdf
インドネシアのBNI銀行、貸付残高国内4位へ(〜インドネシア銀行業界のトレンド〜)
インドネシアの国有銀行の一つPT Bank Negara Indonesia (Persero)Tbk(BNI)の2020年の収入は52兆320億ルピアで前年比100%であった。
内訳は、金利収入が37兆1,520億ルピアで前年比102%、保険金収入が1兆4,710億ルピアで前年比87%、その他業務収入が13兆4,130億ルピアで前年比98%であった。
国内各銀行の貸付残高と、2016年~2020年の年平均成長率をみてみると、1位:BRI銀行:881兆ルピア(6.7%)、2位:Mandiri銀行:764兆ルピア(5.2%)、3位:BCA銀行:576兆ルピア(6.7%)、4位:BNI銀行:552兆ルピア(8.2%)で、年平均成長率はBNI銀行が最大であった。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202103/72f3c9aea2_804bf5f3b6.pdf
インドネシアのダナモン銀行、OJKよりBUKU4 銀行に指定される(〜インドネシア銀行業界のトレンド〜)
MUFGグループが買収したインドネシアの銀行PT BankDanamonIndonesiaTbk(BDMN)の2020年の収入は17兆9,160億ルピアで前年比98%であった。内訳は金利収入が13兆7,240億ルピアで前年比94%、金利以外の業務収入が4兆,1920億ルピアで前年比111%であった。
2020年のトピックスはダナモン銀行が金融サービス庁(OJK)からBUKU4の商業銀行に指定されたこと。
2020年の経営実績のハイライトとしては、年度末の企業向けの貸付残高が25%伸び、134.2兆ルピアとなった。また、不良債権(NPL)比率が前年比0.2%減で2.8%となったことや、預金(CASA)が前年比18%増加し、年度末で63.9兆ルピアに達したことなども挙げられる。
出典:https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202103/c81486392f_39f8a26dee.pdf
2020年 インドネシアの銀行(金融・法人サービス)業界
インドネシアで銀行業界大手のBTN銀行、西ジャワでビジネス開発へ
インドネシアの銀行PT Bank Tabungan Negara (Persero)Tbk(BBTN)は2020年3月6日、ホームページで、「西ジャワでの大きなビジネスチャンスを獲得する」ためブカシ地域事務所を開設することを発表した。
中央統計局(BPS)によると、2019年西ジャワ州の人口は4,931万人で成長率は1.3%だが、労働力率は65.1%と非常に高く、人口ボーナスが享受されている。また、経済成長率は全国平均より高く、とりわけ不動産セクターは前年比9.54%と非常に高い。
そのためBBTNは、ブカシやチカランといったジャカルタの衛星都市で、BBTNを給与振込口座に指定している人を対象に住宅ローンの利率が安くなる特典を準備し、貸し出し金額成長率10%を目指している。
出典: https://www.btn.co.id/id/Conventional/Informasi-yang-Anda-Butuhkan-Saat-Ini/Info/Potensi-Bisnis-Besar-BTN-Tingkatkan-Layanan-di-Jawa-Barat
インドネシアで銀行業界牽引のMandiri銀行、医療従事者に1兆Rpの保険提供
インドネシアの国営銀行BankMandiriは2020年4月1日、ホームページで、コロナウイルスと闘う医療従事者のための1兆ルピアの保険を準備したことを発表した。
この保険は、AXAMandiriFinancial Servicesの子会社を通じて提供される。この保険は、マンディリコーポレートライフプラン保険で、有効期間は2021年3月31日まで。顧客は、カスタマーケア(電話番号:150083)を通じてAXAマンディリに直接連絡することにより、請求手続きを行うことができるというもの。
マンディリ銀行は、この生命保険の提供が「Covid-19ウイルスにさらされた人々に対して医療サービスを提供することに日々苦労している医療従事者への感謝の意である」と説明している。
出典:https://www.bankmandiri.co.id/web/guest/news-detail?primaryKey=42168552&backUrl=%2Fweb%2Fguest%2Fnews
インドネシアのPermata銀行、2019年に大幅な経営改善を達成〜銀行業界動向〜
インドネシアの銀行PT Bank PermataTbk(BNLI)は、2020年2月19日、ジャカルタのWTC Conferenceのサバンルームで2019年の決算に関する記者会見を行った。
2019年の純利益は1.5兆ルピア(約96億円)で前年比166%と大幅な増益であった。また、不良債権比率は前年の4.8%から2.8%へと大きく減らすことができた。
増益の主な要因は、正味受取利息が前年より5.6%増加したことと、利息以外の手数料ベースの収入も前年より25.3%増加したことによる。また、BNLIでは、不良債権を積極的に処理したことに加え、銀行業界の平均より高い伸び率で優良債権(住宅ローンや担保ローン)を増やしたことで、不良債権比率を3%以下に抑えることができたとのこと。
出典:https://www.permatabank.com/id/article/permatabank-umumkan-kinerja-2019-tembus-laba-bersih-15-triliun
インドネシアのPan Indonesia銀行、2019年決算良好〜銀行業界動向〜
2020年3月2日、インドネシアの銀行PT Bank Pan IndonesiaTbk(PNBN)は2019年の決算を発表した。
2019年の純利益は3.5兆ルピア(約225億円)を記録し、概ね良好な結果であった。受取利息収入が増加し9.08兆ルピアを達成、正味利息マージンは4.83%を記録、一方、営業経費は前年より6.27%削減され7.0兆ルピアに抑え込めた結果である。2019年12月31日付け連結総資産は221.3兆ルピア。融資残高は151.5兆ルピア。融資残高の内58.3%はリテールとコマーシャル融資で、残りはコーポレート分野への融資である。
現在、インドネシアの銀行は総資本の大きさで4つに分類されおり、PNBNは最高のBank BUKU4(30兆ルピア以上)のうちの1行である。
出典:https://www.panin.co.id/doc/cmsupload/documents/pressrelease/press_release_kin_thn_2019.pdf
インドネシアのBNI銀行、ルアングルと無料オンライン学習を提供〜銀行業界動向〜
インドネシアの国営銀行のPT Bank Negara Indonesia (Persero)Tbk(BNI)は、2020年3月23日、ホームページでオンライン学習アプリケーションプロバイダーのルアングルとの取り組みを発表した。
これは、BNIとルアングルが協力した、COVID-19の健康危機の真っ只中にある学生が直面する学習課題に対応するための取り組みである。数億ルピア相当の賞品を用意して学生のやる気を引き出し、学生が家で飽きることなく熱意を持ってオンライン学習アプリで勉強する機会を提供し、COVID-19の蔓延を減らすための政府の社会的分散プログラムをサポートするもの。
この無料オンラインスクールプログラムは月曜日から金曜日の間小学校1年生から高校3年生までが使える。
出典:https://www.bni.co.id/id-id/beranda/berita/siaranpers/articleid/6725
2019年 インドネシアの銀行(金融・法人サービス)業界
インドネシアで銀行業界大手のBank Mandiri、オンライン決済額大幅に増加
政府とインドネシア銀行が一体となって普及を進めるキャッシュレス化の実現に向け取り組む中、e-moneyの提供に力を入れる大手国営商業銀行、Bank Mandiriは2019年1月14日、同社ホームページ上でShopeeと提携したことを報じた。
Shopeeは東南アジアや台湾で最先端をゆくe-コマース企業で、Bank Mandiriは、Shopeeとのコラボによってマンディリ銀行が展開するe-moneyとオンライン決済の普及を加速することを狙っている。
ちなみに2018年のBank Mandiriを通したオンライン決済額は24兆ルピア(約1,900億円)。2017年と比較すると400%の増加であった。Bank Mandiriは、2018年12月末までに1,640万枚のe-moneyカードを発行し、45,000店以上で販売、60,000カ所でトップアップできるよう整備してきた。
銀行業界大手の三菱UFJ、インドネシアのBank Danamonへ戦略出資
三菱UFJ銀行は2019年4月26日、ホームページでインドネシア大手商業銀行Bank Danamonへの戦略出資に係る許認可取得完了を報じた。また、2019年4月29日、Bank Danamonへの戦略出資(第三段階)について報じた。
すでに40%出資しているBank Danamonに対して、今回、既存株主より追加で54%を取得し、合計94%を保有することとなった。また、Bank BNPの発行済株式総数の92.1%を追加取得し、99.9%保有することになった。
Bank DanamonとBank BNPは2019年5月1日付けで合併する予定で、合併後Bank Danamonは、三菱UFJ銀行94.1%、一般株主5.9%の持ち株比率となる。
インドネシアのBank Central Asia、貸付ポートフォリオ増加により増益〜銀行業界動向〜
PT Bank Central Asia Tbkは2019年2月28日に2018年度の連結決算結果をホームページに発表した。
純利益は、前年比10.9%増の25.9兆ルピア(約2千億円)であった。正味受取利息および非受取利息の合計としての営業利益は、前年比10.6%増の63.0兆ルピア(約5千億円)であった。内訳は正味受取利息が前年比8.3%増の45.3兆ルピア、非受取利息が前年比17.0%増の17.7兆ルピアであった。
貸付ポートフォリオは好調な事業向け貸付需要に支えられ、前年比15.1%増加の538兆ルピア(約4.2兆円)。内訳は、大企業向けが前年比20.4%増の213.3兆ルピア、商業・中小企業向けが前年比13.4%増の183.8兆ルピア、消費者ローンが前年比9.7%増の140.8兆ルピアであった。
インドネシアで銀行業界大手のMaybank、2018年の業績発表
Maybank Indonesiaは2019年2月14日、ホームページに2018年12月31日現在の連結財務ハイライトを発表した。
2018年年間の税引き前利益は前年比20.5%増の3兆ルピア(約235億円)と過去最高額を達成した。純利益は前年比21.6%増の2.2兆ルピア。正味受取利息は前年比5.2%増の8.1兆ルピアであった。
資産内容の改善では、不良債権(NPL)の比率はグロスで前年の2.8%から2.6%へと0.2%改善。ネットでも同様に1.7%から1.5%へと0.2%改善された。資産内容の改善と合わせて、2018年を通じ、減損引当金を前年より38.6%引き下げ1.3兆ルピアとした。一方、リスク管理を強化しながら貸付ポートフォリオは前年比6.3%増の133.3兆ルピアとなった。
2018年 インドネシアの銀行(金融・法人サービス)業界
銀行業界大手のMUFG、インドネシア・Bank Danamonの支配株主に
2018年8月3日、ダナモン銀行 (Danamon)は完全子会社であるAsia Financial Indonesia Pte. Ltd. (AFI)より三菱UFJファイナンシャルグループ (MUFG)がDanamonの株式合計40%を取得することを明らかにした。
MUFGはAFIと他の関連会社から追加で20.1%の株式を買い取る。これは2017年12月26日にかねてよりの発表していた戦略出資計画の第2段階目にあたる取得で、今回の追加取得ではDanamonの2018年2Qの純資産の査定評価に基づく価格1株=8,921ルピアで取引が行われた。
同取引によりMUFGが40%の株式を所有する筆頭株主となるが、一方でAFIも全体のうち33.8%を所有する支配株主として残存する。
SMBC出資の2社、インドネシアのBTPNとSMBCIが合併を公表〜銀行業界動向〜
2018年8月2日、バンク・タブンガン・ペンシウナン・ナショナル (BTPN)とインドネシア三井住友銀行 (SMBCI)が両社合併の概要を公表した。
同二社はSMBCが出資するインドネシア現地法人で、SMBCの持ち株比率はそれぞれBTPNが40%、SMBCIが98.48%となる。
同日、合併計画書がインドネシア金融庁 (OJK)へ提出される。政府による認可後、臨時株主総会を開催し株主の承認を得た後、正式に合併後の会社が始動する運び。2018年5月31日現在の両銀行が発行した貸借対照表 (B/S)に基づくと、合算した資産は計179兆ルピア(約1.4兆円)となり、より強い影響力を持つ銀行が誕生すると注目を集めている。
インドネシアのBRI、航空3社と電子マネーの販売契約締結〜銀行業界動向〜
2018年8月6日、BRI銀行はガルーダ・インドネシア航空、シティリンク、エアアジアインドネシアと2018年アジア競技大会の記念BRIZZI (電子マネー)の販売契約を締結した。航空業界大手である各社は自社の空港ラウンジと機内でBRIZZIを販売する。
2018年アジア競技大会を記念して発行された特別BRIZZIは2017年11月に販売が開始、累計百万枚の販売を記録している。プリペイドカード型電子マネーBRIZZIはBRIZZIのロゴを掲げる小売店、レストラン等での使用が可能で、様々な特典を提供する店舗も多い。高速道路、トランスジャカルタ(市内バス)でも利用することができる。
カードへのチャージはアルファマートなど全国25,000ヶ所のチェーン店や、ATM、モバイルバンキング、インターネットバンキングでも行える。
インドネシアのBCA、MTNにシンジケートローンを融資〜銀行業界動向〜
最大手政府系銀行バンク・セントラル・アジア(BCA)はマンディリ銀行、 BRI銀行、BNIとシンジケート団を結成し、2018年7月20日、PT Marga Trans Nusantara (MTN)とクンシラン-スルポン間11.2kmに及ぶ高速道路の建設を目的としたシンジケートローン契約を締結し、7,359億ルピア (56億円)を融資した。
同高速道路はジャカルタ近郊の人口密集地域を結ぶジャカルタ外環状線263kmの一部だ。
BCAのインフラへのローンポートフォリオは2018年6月時点で24.7兆ルピアに上り、そのほとんどが発電所と高速道路の建設へ用いられる。BCAは政府が採用したインフラ開発加速政策により、2018年のシンジケートローンが前年比31%増大すると予想している。
まとめ:インドネシアの銀行業界
金融機関の日本グループの参入はインドネシア国内の金融業に大きな変化をもたらすと予想されます。電子マネーの導入で国内の各業界で連携をとることが可能になり特典などの付加価値がついてくることで利用価値が高まりますよね。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。