タイは航空貨物輸送量が世界的に見ても多く、今後は大メコン圏のハブとして活躍するとの見通しがたっています。今後のタイ空運業界の活躍とは?
今回は、そんなタイの空運業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2023年 タイの空運(運輸・物流)業界
バンコクエアウェイズとシンガポール航空、 新しいコードシェア提携を発表
バンコクエアウェイズ(BA)とシンガポール航空(SIA)は、新しいコードシェア提携を発表した。この提携により、乗客はシンガポールとタイの各都市、および東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドの他の都市との便利な旅行接続が可能になる。提携は、2023年9月4日から開始される。
この提携に基づき、バンコクエアウェイズはシンガポール航空の便にコードシェアし、以下の5つの都市間で提供:シンガポール – タイのバンコクおよびプーケット、オーストラリアのアデレードおよびシドニー、およびニュージーランドのオークランド。一方で、シンガポール航空は以下のタイの経路でバンコクエアウェイズの便にコードシェアする:シンガポール – コサムイ、プーケット – コサムイ、バンコク – チェンマイ、バンコク – コサムイ、バンコク – プーケット、バンコク – ルアンパバーン(ラオス)、およびバンコク – プノンペンおよびシェムリアップ(カンボジア)。
両航空会社のコードシェア提携により、両社のネットワーク全体の目的地への接続が向上、単一の予約でフライトの予約を行い、機内手荷物の一括搭載を利用できるため、利便性も向上する。
タイ空港公社、6つの国際空港でCUPPSを導入
タイ空港公社(AOT)は、6つの国際空港でCommon Use Passenger Processing System(CUPPS)を導入し、サービスの効率向上、旅客にとって便利で迅速かつ安全な空港サービスが利用できるように目指す。CUPPSはタイ民間航空局(CAAT)の決議に基づき、技術とCUPPSを公共空港で使用する民間航空政策の一環として導入。
このシステムには、Common Use Terminal Equipment(CUTE)、Common Use Self Service(CUSS)、Common Use Bag Drop(CUBD)の3つのサブシステムがある。CUSSの導入に伴い、AOTは追加サービス料金が発生し、それに伴い国際旅客の乗客サービス料金を1人あたり700バーツから730バーツに、国内旅客の乗客サービス料金を1人あたり100バーツから130バーツに調整する。
2024年4月1日から有効になる予定。CAATの承認後、CUPPSのサービス料金は、乗客サービスの一部として計算され、その収益は空港の開発、施設の提供・改善、国際基準の維持などに使用され、AOTは善意、透明性、説明責任を持ちながら事業を運営し、タイ社会との協力を通じて持続可能な成長を目指す。
タイ国際航空社は、PTTオイルリテールと 持続可能な航空燃料での運行を展開
タイ国際航空社(TG)のチャイCEOとPTTオイル・リテール・ビジネス(OR)のディサタットCEOは、プーケットからバンコクへの路線で実施された持続可能な航空燃料(SAF)を利用したフライトの運行に立ち会った。
持続可能な航空燃料(SAF)は、その寿命全体で通常の航空燃料よりも80%少ない二酸化炭素を放出し、ジェットA1の通常の航空燃料と混合でき、エンジンの改造が不要である点が特長。
持続可能な航空燃料(SAF)での運行は環境の持続可能性を維持するための有望な出発点であり、タイ国際航空社は国内外での2050年のネット・ゼロ・エミッション目標を達成し、国際民間航空機関(ICAO)、国際航空運送協会(IATA)、および欧州連合の規制に従いつつ、将来、積極的な対策を通じて企業目標である持続可能な成長を達成することを約束している。
出典:https://www.thaiairways.com/en_TH/news/news_announcement/news_detail/SAF-flight.page
Nok Airlines社、再生計画進捗
2021年9月29日に中央破産裁判所はNok Airlines社の再生計画とその修正についての命令を発行、この計画は債権者会議で受け入れられた。中央破産裁判所の承認を受けた計画は、Wutthiphum氏、Tai氏、Prinya氏、およびChavalit 氏から成る4人のプラン管理者が執行。中央破産裁判所の承認日から、プラン管理者は計画を完全かつ効果的に実施した。
第7条に規定された債権者の処遇に基づき、2023年6月29日から2023年9月28日の期間において最終決定命令を受けた後、プラン管理者は再生計画に規定された条件に従って、2,390,724.20米ドルおよび74,808,150.74バーツに対する債務の支払いを行い、これは再生計画に基づき支払われるべき債務の100%に相当し、未払い債務は再生計画の総債務の約98%になる。
実施事項により、企業およびプラン管理者による再生計画の実施のパフォーマンスと能力が示され、旅行状況が改善していることから、企業は全体的な事業が回復し、これが航空業界の通常および効率的な事業に復帰する要因となることを期待している。
出典:https://lh.listedcompany.com/news.html/id/2468866
MJETS社、最新のGulfstream G550航空機の導入贅沢な飛行体験を向上
タイの主要なプライベートジェット企業であるMjets社が、最新の航空機であるGulfstream G550の導入を発表した。この航空機は、大型キャビンチャーターの需要に応え、顧客に特注かつ贅沢なプライベートフライトサービスを提供するためのMJetsのコミットメントの一環。
G550は燃費効率が高く、多様な長距離飛行が可能で、最大13時間のノンストップ飛行ができる。MJetsはSatcom Directと提携し、高速WIFIを備えた豪華なキャビンを提供、昼行と夜行の両方のフライトに最大16人のゲストを収容できる。
お客様は単一の予約でフライトを予約し、手荷物のスムーズな搭乗手続きを楽しむことができる。Gulfstream G550の導入は、お客様に究極の贅沢さ、エグゼクティブな快適さ、そして安全性を提供する私たちのビジョンに合致している。2024年初頭にチャーター用に利用可能になる。
2021年 タイの空運(運輸・物流)業界
タイ国際航空、No-show料金の徴収開始〜空運業界動向〜
2021年3月26日、タイのナショナルフラッグであるThai AirwaysInternationalは、No-show料金の徴収を開始すると発表した。
チェックイン後に飛行機に搭乗しなかった場合や、出発前に予約をキャンセルしなかった場合にNo-show料金が徴収される。
タイからアジア(ニュージーランド、オーストラリアを除く)までの便は一律4,835バーツ、タイからヨーロッパ(ニュージーランド、オーストラリア、アラブ首長国連邦、オマーンを含む)までの便は一律11,275バーツが請求される。なお、No-show料金徴収は2021年4月16日より開始される。
出典:Thai Airways International https://www.thaiairways.com/en_TH/news/news_announcement/news_detail/no-show.page
タイのAOT、コロナ後の経済回復に向けた大幅開発〜空運業界動向〜
2021年1月7日、タイの国営空港を運営するThe Airports of Thailand Plc(AOT)は、アフターコロナの経済回復をサポートするために空港の大幅な開発をすると発表した。
AOTは将来的にNew Experience Travel Technologies(NEXTT)を導入し、セルフチェックインキオスクによるカウンター業務の効率化、パスポートコントロールの待ち時間表示、駐車場システムの自動化(スマートパーキングシステム)の開発を行う。
また、空港の効率を高めるだけでなく、土地開発プロジェクトを促進し、航空収入以外の収益の拡大も目指している。
出典:AOT https://www.airportthai.co.th/en/aot-celebrates-its-42nd-anniversary-forging-service-and-capacity-development-to-support-the-organizations-sustainable-post-covid-19-income-when-air-travel-recovers/Thailand
タイのBangkok Airwaysの業績と将来への投資戦略〜空運業界動向〜
バンコクを拠点とするFSC(フルサービスキャリア)であるBangkokAirwaysは、2021年第1四半期の業績を発表した。
売上高は13億5,700万バーツで前年同四半期比-78.8%を記録し、純損失は7億5,650万バーツに達した。
業績の悪化は新型コロナウイルス感染症の影響による国際線の運航停止、規制による国内線縮小の影響を受けたものである。また、フライト数が前年同四半期比-85.6%、乗客数-88.5%と減少した影響もあった。なお、Bangkok Airwaysはアフターコロナの旅行需要に備えてU TAPAOInternational Airportに投資している。
出典:Bangkok Airwayshttps://www.bangkokair.com/press-release/view/announces-operating-results-for-the-first-quarter-of-2021Thailand
タイのMJETS、ミシュランとタイヤ供給契約締結〜空運業界動向〜
タイを拠点とするビジネスジェットチャーター航空会社であるMJETSは、東南アジアで初めてミシュランのジェネラルアビエーションタイヤの認定ディーラーになり、ミシュランと3年間の一般航空用タイヤ供給契約を交わした。
この契約に基づき、MJETSが保有するセスナ、ガルフストリーム、ホーカー、ダッソー、ビーチクラフト、ホンダジェット、キングエアにミシュランのタイヤが供給されることになる。
また、MJETSは東南アジアとインド市場でミシュランのジェネラルアビエーションタイヤの正規販売店として販売を行う。
出典:MJETS https://www.mjets.com/article/478/michelin-signed-its-southeast-asias-first-supply-agreement-on-general-aviation-tyres-with-mjets-Thailand
タイのプーケット知事、新たな入国措置を発表〜空運業界動向〜
THE CIVIL AVIATION AUTHORITY OF THAILAND(CAAT)の発表によると、プーケット知事は2021年6月1日よりコロナ感染症の感染拡大防止のためにプーケットを訪れる旅行者に新しい措置を導入する。
新たな入国措置として発表されたのは次の4点。1.2回のCOVID-19ワクチンの接種、または90日以内にCOVID-19の感染から回復して検査で陰性である必要がある。2.スマートフォンにMorChanaアプリをダウンロードして位置情報を提供しなければならない。3.www.gophuget.comから登録しなければならない。4.感染症を予防し、人混みを回避しなければならない。
出典:CAAT https://www.caat.or.th/en/archives/58167Thailand
2020年 タイの空運(運輸・物流)業界
AirAsiaタイ、2020年の目標搭乗率80%へ〜空運業界動向〜
2020年5月13日、Thai AirAsia(TAA)の大株主であるAsia Aviation(AAV)は2020年第1四半期の業績を発表した。2020年第1四半期の総収益は前年比19%減の9,399百万バーツであり、純損失は671百万バーツとなった。
2020年第1四半期後半のコロナウイルス発生に伴い、タイ民間航空局の指示に従ってTAAは国際線および国内線を一時停止した。さらにリスクのある国へのルートをキャンセルして調整した結果、有効座席キロ(ASK)は前年比30%減となる4,834百万バーツとなった。
2020年第1四半期は、旅行制限などによる需要の減少により乗客数は450万人となり、搭乗率(PLF)は前年比23%減となる84%に落ち込んだ。TAAは、2020年全体の乗客目標を前年比51%減の1,100万人に定め、搭乗率80%を目標に掲げた。
出典:https://www.aavplc.com/en/investor-relations/updates/news/777345/aav-announces-operational-results-for-q1-2020-transporting-45-mil-passengers-at-a-load-factor-of-84
タイのThai Airways International、総収益7.7%減〜空運業界動向〜
2020年3月2日、Thai Airways Internationalは2019年度の業績を発表した。同社とその子会社の総収益は前年比7.7%減となる184,046百万バーツ、 旅客及び超過手荷物の収益は前年比7.0%減の149,044百万バーツとなった。
総収益の大半を占めた旅客及び超過手荷物の収益の内、国内旅客による収益は前年比6.4%減の10,507百万バーツとなった。同社は国内線の全てのフライトで「Bangkok Airways」とコードシェア契約を締結したことにより、この路線の需要に応え続けた。
さらに同社は、2019年の純損失12,017百万バーツを報告した。これは2018年の448百万バーツを大きく上回った。さらにEBITDAは前年比39.3%減となる8,804百万バーツに大幅減少し、EBITDAマージンは4.8%に低下した。
出典:http://investor.thaiairways.com/en
タイのNok Air、2020年第一四半期の発表を延期〜空運業界動向〜
2020年5月14日、タイの格安航空会社Nok Airlineは、2020年第1四半期の業績の発表を延期した。国内線と国際線の両方で営業をする同社およびその子会社は、各国政府が課した旅行制限により、全ての国際線を停止した。
毎年第1四半期は主要な観光期間であり、飛行活動は他の四半期より高くなる。さらにこの期間の収益は、2018年および2019年にそれぞれ31.21%と27.29%を占めている。このうち25.46%と27.29%は、国際線による収益で占められている。
発表が延期されたのはコロナウイルスによる例外的な状況が原因である。同社は最も正確な財務諸表を公開するため、2020年第1四半期の財務諸表の提出を2020年8月14日に延期するようタイ証券取引委員会へ要求した。
出典:http://nok.listedcompany.com/newsroom_set.html
タイのBangkok Airways、総収益17.5%減〜空運業界動向〜
2020年5月13日、Bangkok Airwaysが発表した2020年第1四半期の営業収益は、前年同期比21.1%減の6,082.5百万バーツとなった。さらに同社の純損失は前年同期比166.3%減となる338.8百万バーツとなった。
2020年第1四半期の総収益は、前年比17.5%減となる6,423.2百万バーツとなった。総収益の減少はそれぞれ、航空会社事業が25.2%、空港事業が18.4%、空港関連事業が14.6%減少したことに起因する。
総収益の70.0%は、航空事業によるものである。航空会社による各収益は、定期便が前年同期比24.5%減の4,411.8百万バーツ、チャーター便およびチャーターサービスが前年同期比65.6%減の111.8百万バーツと大幅減少した。
出典:https://www.bangkokair.com/ir
Vietjet、新しいタイ国内路線を発表〜空運業界動向〜
2020年6月15日、Vietjetは5つの新しいタイ国内線のチケット販売を開始し、タイのフライトネットワークを拡大した。5つの新しいルートは、ハジャイ、コンケンなどタイの北部から南部にかけての有名な観光目的地に接続する。
新しいルートは、タイのVietjetの国内フライトネットワークを12の国内ルートに拡張し、タイの11の目的地を結ぶ。目的地の1つであるタイ南部のスラーターニーには、旅行者に人気のサムイ島を含む大小様々な島が多くある。
現在、タイのVietjetはタイ国内ネットワークをカバーする安定したフライトオペレーションを運営している。さらに同社は、フライトスケジュールを継続的に増やし、需要の高まりに応じてネットワークを拡大していく。
出典:https://www.vietjetair.com/Sites/Web/en-US/NewsDetail/news/4340/vietjet-announces-5-new-thai-domestic-routes-expanding-flight-network-in-thailand
2019年 タイの空運(運輸・物流)業界
大幅赤字の2018年、タイ航空〜空運業界動向〜
タイフラッグシップエアーのタイ国際航空は、2018年損益が115億6900万バーツ(約400億円)の赤字となったことを発表した。収益は前年比3.1%の増加だったが、運営コストの増加による赤字が大幅に拡大した。
赤字の要因として、進むバーツ高の進行により、中国人をはじめとする外国人旅行客の大幅減少、格安航空会社(LCC)との競争激化による運賃の低下、主に中東の国際間緊張による迂回ルートの使用などが挙げられた。
一方、積極的な見通しとして、原油安による燃料コストの削減を挙げることができる。さらに、食品の廃棄などを減らしてコスト削減に取り組むほか、デジタルマーケティングを強化し、旅行保険やレンタカーなど関連サービスの販売を強化すると改善策を発表している。
高い成長が期待!タイの航空機保全事業とは?〜空運業界動向〜
今後、東南アジア、特にASEAN諸国の航空機市場が拡大することを受けて、航空機保全(MRO)事業の高い成長が期待されており、タイは東部経済回廊(EEC)地域における同産業への投資を政府レベルで進めている。
タイの主要空港であるスワナプームとドンムアンの処理能力は限界に達しているとされ、第3の空港としてEEC内のウタパオ国際空港の拡張工事を行い、MRO事業に不可欠なインフラ整備を前年比130%の予算を投じて行う。
さらに「航空都市(Aerotropolis)」構想として、航空人材訓練センターの設置をはじめとする包括的な事業展開を計画する。
急拡大するタイの空港利用者数〜空運業界動向〜
タイ航空公社(Airports of Thailand AOT)によると、タイ国内外からの旅行客の増加に比例して、タイの空港離着陸回数は年平均約8%で増加している。主要6空港の2018年の航空機合計離着陸回数は約90万回となった。
首都バンコクのスワンナプーム空港とドンムアン空港で航空機離発着陸回数の75%を占めている。海外からの観光客は首都バンコクに到着後、さらに国内線での移動を行うために増加しているとみられている。
国際便の増加と比例して国内線の離着陸回数も増加しており、これはタイ国内で運行されている格安航空会社(LCC)5社による事業拡大によよって、タイ市民の移動手段として航空機が一般的になっていることを示している。
新空港建設!?タイの空港事業〜空運業界動向〜
タイ民間航空機構(Civil Aviation Authority of Thailand CAAT)によると、現在タイ国内に38か所の空港があり、うち12か所が国際空港として運用されている。
現在、主要6国際空港といわれるスワンナプーム、ドンムアン、チェンマイ、ハトヤイ、プーケット、チェンライの空港で年間利用者数が1億4000万人を超え、特に首都バンコクのスワンナプーム、ドンムアン空港だけで利用者が1億人を超えている。
現在タイ国内の多くの空港で拡張工事が進められ、さらに新空港の建設も計画されている。特に北部チェンマイ、南部リゾート地プーケットには第二空港の建設が予定されており、首都バンコクにも新空港建設用の用地取得計画が進められている。
2018年 タイの空運(運輸・物流)業界
タイが大メコン圏の航空輸送ハブとなるためのカギは?〜空運業界動向〜
タイの東部経済回廊事務局 (Eastern Economic Corridor Office:EECO) によれば、タイはその地理的優位性から、物流業界で年間2.8%と大きな成長が期待されている。
今後は、インランド・デポ (ICD:内陸保税拠点) や鉄道輸送網との連携、近代的なロジスティック施設 (IDC:国際物流センター)、 コールドチェーン物流などの整備が課題となる。
さらに、MRO と呼ばれる航空機の保守・修理・オーバーホールにおいてアジア地域で増加するナローボディ機体に焦点を当てることや、航空輸送のスピード感が必須となる高付加価値ビジネス向けに空港周辺地域を開発することが、大メコン圏(GMS)の「航空輸送ハブ」としてタイが持つ可能性を最大限に発揮することに繋がると期待されている。
出典:https://www.eeco.or.th/
タイのAOTが主催!Asia Air Cargo Summit 2018が開催〜空運業界動向〜
2018年1月、タイ空港公社 (AOT) 主催による Asia Air Cargo Summit 2018が行われた。スワンナプーム空港、ドンムアン空港など6つのタイの主要空港での貨物・郵便物取扱量は2017年度に前年比11.89%増の157万tとなり、航空輸送業界が持つその成長可能性から、AOT は同サミットの開催に至った。
この世界クラスのサミットでは各航空会社、空港のシニア・マネジメント層から160人以上が出席し、航空貨物の管理に関する知見の交換が行われた。
スワンナプーム空港の航空貨物輸送量は世界の上位30位以内 (21位)にランクインしており、年間170万tの処理能力は年間300万tまで拡大する可能性を秘めている。
出典:https://aotinter.airportthai.co.th/th/%E0%B8%97%E0%B8%AD%E0%B8%97-%E0%B8%A3%E0%B9%88%E0%B8%A7%E0%B8%A1%E0%B8%88%E0%B8%B1%E0%B8%94%E0%B8%81%E0%B8%B2%E0%B8%A3%E0%B8%9B%E0%B8%A3%E0%B8%B0%E0%B8%8A%E0%B8%B8%E0%B8%A1-asia-air-cargo-summit-2018/
DIPによるタイ航空輸送業界の先行き予想〜空運業界動向〜
タイ商務省知的財産局 (DIP) によると、世界で運行中の航空機22,510機のうち6,350機が、航空機総数では世界で45,240機のうち16,970機がアジアに存在するという。その割合が裏付けるように、アジア地域での成長率は167%と、世界平均の101%と比較して大変高い数値をみせている。今後の新たな航空機需要に関しても、世界全体で2016年から2035年に予測される39,620機のうち15,130機をアジアが占める。
タイにおいても東西経済回廊政策に連動して、特別経済開発区付近の国際空港の輸送貨物量が増加しており、この傾向はこれからも続くと見込まれている。
また、タイの新たな経済政策「Thailand4.0」で今後の航空輸送産業がフォーカスする対象として 1) 航空機部品の製造、2) 複合材料からなるタイヤとカーボンファイバー製部品、3) 航空機のMRO (保守・修理・オーバーホール) の3点が挙げられている。
出典:http://patentsearch.ipthailand.go.th/DIP2013/simplesearch.php
タイで航空輸送の需要増加と「空の渋滞」〜空運業界動向〜
タイのロジスティクス企業 DACHSERによると、同社の航空輸送インフラは取扱量・便数の両面で引き続き改善傾向にあるという。既存顧客からのニーズ増加を要因に、2017年の空運取扱量は前年比で21%増加した。
危険物や高付加価値商品、ライフ・サイエンス製品や健康製品といった取り扱い商品のバラエティを広げるために、温度管理基準の順守や直送航路の確保、一部(あるいは完全)チャーター便の利用を行ってきた。
また、国際航空運送協会 (IATA) が2018年の航空貨物需要は前年比で5%の増加になると予測していることにも触れつつ、航空輸送業界自体の課題として「空の渋滞」を挙げ、特に主要な航路では枠自体の不足と料金の高騰を指摘している。
出典:https://www.dachser.com/th/th/Magazine_323.htm
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。