【次世代エネルギーに注目】マレーシアの電力・ガス業界

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持続的な経済成長を維持していくため、安定的で廉価なエネルギー資源を国内市場へ供給することを基本政策としているマレーシア。

今回は、そんなマレーシアの電力・ガス業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!

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目次

2024年 マレーシアの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界

サラワクエナジーとマスダールが提携 ​

サラワク州へ電力を供給するサラワクエナジーは、アラブ首長国連邦の国営クリーン・エネルギー・プロバイダーであるアブダビ・フューチャー・エナジー社(通称マスダール)と、サラワク州とマレーシア全土で再生可能エネルギー・プロジェクトの開発を進めることを目的としたMoUを締結した。​

目標のひとつは、マレーシアで2ギガワットの再生可能エネルギー・プロジェクトを開発するために協働することであり、サラワク州で1ギガワットのプロジェクトを開発することが第1段階となる。また、同社とマスダールは、太陽光発電とエネルギー貯蔵プロジェクトに加え、マレーシア全土の水力発電プロジェクトでも協力の機会を探る予定としている。​

サラワクエナジーのダトゥク・ハジ・シャルビニ・スハイリ最高経営責任者は、マレーシアが正味ゼロ目標に向けて前進する中、各国が協力して再生可能エネルギー資源の可能性を最大限に引き出すことが極めて重要であるとしている。​

出典:https://www.sarawakenergy.com/media-info/media-releases/2023/sarawak-energy-and-masdar-join-forces-to-advance-renewable-energy-development-in-malaysia

TNBが戦略的パートナーシップ ​

国営電力会社のテナガ・ナショナルは、国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)に沿って大規模な再生可能エネルギーを推進するための重要な一歩として、ペラ州政府と協力し、スンガイ・ペラク水力発電計画ダムと貯水池の周辺にある浮体式太陽光発電システムの広大な可能性を探っていることを発表した。​

同社においては、ペラ州政府系企業のマジュペラホールディングス(MHB)と提携し、同州で100メガワットの地上設置型太陽光発電プロジェクトを展開する。​

また、最初の戦略的パートナーシップでは、同社は完全子会社であるTNBパワージェネレーション社を通じてペラ州開発公社と協力している。 2つ目のパートナーシップは、TNBの完全子会社であるTNBリニューアブル社とMHBとのパートナーシップとなっている。これらの取り組みは、NETRの目標に沿った、よりクリーンで持続可能なエネルギー源へのマレーシアの移行を促進するための集団的コミットメントを反映している。​

出典:https://www.tnb.com.my/assets/press_releases/20231123_61_ENG.pdf

ペトロナスガスの業績が好調 ​

国営石油会社ペトロナスのガス加工・販売部門であるペトロナス・ガスは、2023年第1~3四半期を14億リンギットの税引後利益で終え、2022年同期間の12億リンギットから10.7%増加した。当期の好業績は、税引前利益の増加と、2022会計年度に発生したプロスペリティ・タックスの反動によるものとなっている。​

また、2023年度第3四半期の同社の収益は、前年同期の45億マレーシアリンギットから7.4%改善し、48億マレーシアリンギットとなった。しかし、ガス輸送とガス処理、再ガス化の各セグメントでは、営業費用の増加によって減益となったため、グループの総利益は5.3%減の9,910万リンギットであった。​

同社のアブドゥル・アジズ・オスマン社長兼最高経営責任者は、同社はプラント運営の信頼性、安全性、費用対効果を向上させ、健全な利益率で持続可能な収益を確保することに専念しており、引き続き、成長の機会を追求し、国家エネルギー移行ロードマップに沿った持続可能な価値を創造することに重点を置いているとしている。​

出典:https://www.petronas.com/pgb/media/media-release/petronas-gas-berhad-closes-first-nine-months-2023-high-profit-after-tax-rm14

サルコンがへバボードとSPPA締結 ​

水処理施設建設などを手掛けるサルコンは、再生可能エネルギー部門であるイナージスト社を通じて保有する子会社のフォーチュンコマンド社(FCSB)が、パーティクルボードベースの製品を製造するへバボードと太陽光発電購入契約(SPPA)を締結したことを発表した。​

SPPAに基づき、FCSBはネゲリ・センビラン州ゲマスにあるへバボードのパーティクルボード製造施設の屋根に、総容量862.5kWpの太陽光発電システムを建設・運営ベースで設置する責任を25年間に渡って負う。太陽光発電システムは2024年前半までにフル稼働する予定であり、稼働期間中に約2,625万kWhのクリーンエネルギーを発電することを目標としている。​

本プロジェクトは、マレーシアの持続可能エネルギー開発局が実施するネット・エネルギー・メータリング 3.0(NEM 3.0)スキームに基づいて開発される。​

出典:https://www.salcon.com.my/media/press-release/salcons-renewable-energy-arm-seal-long-term-solar-power-purchase-agreement-sppa

ガスマレーシアが東京ガスネットワークとMoU​

天然ガス大手で、大手複合企業MMC社の傘下にあるガスマレーシアは、東京ガスネットワークとガスディストリビューション分野における革新的な戦略と業界発展へのコミットメントを強化するための覚書を締結したことを発表した。​

本MoUは、従業員交流プログラムを目的とした専門知識や情報の交換のために、双方が協力・連携することを確約するものとなっている。また、本プログラムは両社間の技術職・非技術職社員の交流を促進することを目的としており、ビジネス上のニーズに対応するとともに、国家建設に積極的に参加する機会を提供する。​

両社は、リソースと知識を共有することで、新たな革新的事業を創出すると同時に、事業に伴う潜在的なリスクに積極的に対処することを目指すとしている。​

出典:https://www.gasmalaysia.com/wp-content/uploads/2023/07/PRESS-RELEASE_Gas-Malaysia-Inks-MoU-with-Tokyo-Gas-Network-1.pdf

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2021年 マレーシアの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界

マレーシアのTNB、スマートエネルギーでINSTEPと契約〜電力・ガス業界動向〜

国営電力会社のテナガ・ナショナルは、子会社のTNBエナジー・サービシーズ(TNBES)を通じてペトロナス石油技術研究所(INSTEP)とスマートエネルギー効率に関する契約を締結したことを発表した。これにより、INSTEPは年間約407,880kWhのエネルギーを節約することができ、年間約288トンの二酸化炭素を削減することが可能となる。

契約金額は245万リンギットで、期間は2030年までの10年間となっており、TNBESは革新的なエネルギー効率の高いライフスタイルソリューションをINSTEPへ提供する。

TNBESのアフマド・ジャアファル最高経営責任者は「本契約はエネルギー効率やグリーンエネルギーへの取り組みを強化するGLC間の重要な協力関係のひとつである」と述べている。

出典:https://www.tnb.com.my/assets/press_releases/20201074bi.pdf

マレーシアのサルコンが太陽光発電購入契約を締結〜電力・ガス業界動向〜

水処理施設建設などを手掛けるサルコンは、子会社のサトリア・メガジュタがパーティクルボードの子会社であるHeveaPacと3件の太陽光発電購入契約を締結したことを発表した。

サトリア・メガジュタは、HeveaPacの敷地内に合計1.48MWの屋上太陽光発電システムを設計・設置する。システムは2021年上半期に稼働予定で、年間約180万kWhのグリーンエネルギーを生産することを目指している。

パーティクルボードのヨン・ハウ・チュ社長は「製造施設に太陽光発電システムを設置し、太陽エネルギーを利用することで運営コストを下げるだけでなく、日々の事業活動における二酸化炭素排出量を削減することができる」と述べている。

出典:https://www.salcon.com.my/media/press-release/salcon-solar-arm-inks-25-year-solar-power-purchase-agreements-sppa-with-0

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マレーシアのペトロナス・ガス、2020年度業績は好調〜電力・ガス業界動向〜

国営石油会社ペトロナスのガス加工・販売部門であるペトロナス・ガスは、2020年度のグループ収益が前年度比で2.4%増となる55億9,000万リンギットを記録した。増収は料金の引き上げによって、規制対象である再ガス化及びガス輸送部門からの収益が増加したことによる。

また、粗利益は営業費用の減少によって前年度比で11%増となる26億6,000万リンギットとなった。税引後利益についても、不利な為替変動や投資収益減少の影響を受けたものの、前年度から5%増加して20億8,000万リンギットを計上している。

同社のアジズ・オスマン最高経営責任者は、今後は成長機会を追求しつつ、2021年に向けて本業績を維持することを目指すとしている。

出典:https://www.petronasgas.com/media/news/Pages/Press-Release-PGB-FY2020-Results.aspx

マレーシアのサラワク州、農村地域電化に向けて〜電力・ガス業界動向〜

サラワク政府は、サラワク公益事業省とサラワクエナジーを通じて、2025年までに同州を完全に電化することを目標としており、電化加速イニシアチブを発表した。現在、同州の電化率は98%で、都市部はすべて電化しているものの、農村地域の5%はまだ電化されていない。

本イニシアチブを成功させるため、サラワク公益事業担当大臣はプランテーションの所有者、木材会社、及び村民に対して、2025年までに農村部の完全電化の目標を達成できるよう協力を呼び掛けた。

また、サラワクエナジーは太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用することで、グリッドから離れた家庭に1日3,000Whの無料電力を供給している。

出典:https://www.sarawakenergy.com/media-info/media-releases/2021/plantation-and-timber-companies-urged-to-work-together-to-fully-electrify-sarawak

マレーシアのPBAPPの太陽光発電システムの効果〜電力・ガス業界動向〜

ペナン州水道供給公社(PBAPP)は、ブキ・ドゥンバインダに設置された太陽光発電システムにより、1ヶ月あたり平均で2万2,811リンギットの電気代を節約できたと発表した。同システムは2020年7月31日の試運転後、2020年8月~2021年1月の電気代が前年同月比で13万6,868リンギット減少した。通年では27万3,732.00リンギットのコスト削減を見込んでいる。

太陽光発電システムはペナンのPSBエナジー社が無料で設置し、代わりに25年間にわたって1kWhあたり0.305リンギットの価格で支払う契約を締結している。この料金は、テナガ・ナショナルの料金よりも低いものとなっている。

この成功により、PBAPPはペナンの他の施設に同様の太陽光発電システムを設置することを検討している。

出典:https://pba.com.my/pdf/news/2021/23-3-2021_PBAPP-taps-solar-energy-savings.pdf

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2020年 マレーシアの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界

マレーシア・サラワク北部地域の電力需要増加に対応〜電力・ガス業界動向〜

サラワク公共事業省は、発展途上にある同州北部地域の電力供給の近代化に向け、サラワクエナジーを通じて大規模なプロジェクトを推進している。同州のミリからラワスまでの地域では、タウンシップやビジネス/居住エリアが拡大を続けており、こうした需要増加に対応する計画となっている。

また、ミリ北部地域を州の電力網に接続する北部送電網拡張プロジェクトも進められており、北部近隣地域への電力輸出も行う。そして、2023年にはリンバンとラワスをサラワクの主要送電網へ接続予定としている。

今年3月にはシミラジャウ変電所の拡張工事が完了しており、ミリ市では2019年5月にマルディ変電所、2020年7月にイーストウッド変電所が完成した。

出典:https://www.sarawakenergy.com/media-info/media-releases/2020/connecting-sarawaks-northern-region-to-the-main-power-grid

マレーシアのマラコフ、2020年度Q1の税引後利益大幅増〜電力・ガス業界動向〜

独立系発電事業者のマラコフは、2020年度第1四半期の税引後利益が前年同期比で33.1%増となる8億9,200万リンギットを記録したと発表した。業績改善の主因は、新規に買収したアラムフローラからの寄与となっている。

ただ、グループの収益は前年同期比で11.6%減少となる17億7,400万リンギットであった。石炭価格が下落したことでエネルギー価格が下がったこと、そしてガス発電所で定期的な停止メンテナンス作業を行ったことが主因となっている。

また、同社のアーマド・フアード・クナリ最高経営責任者は、COVID-19による移動制限令期間中は産業・商業部門の電力需要が減少しており、電力事業に悪影響が及んだとしている。

出典:https://cms.malakoff.com.my/WebLITE/Applications/news/uploaded/docs/News%20Release%202020/Q1%20FY2020_Press%20Release_FINAL_Malakoff.pdf

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EV充電ステーション100ヶ所を目指すマレーシアのTNB〜電力・ガス業界動向〜

国営電力会社のテナガ・ナショナルは、完全子会社であるTNBエナジーサービスとマレーシア・グリーン・テクノロジーを通じて、2019年末までに最大100ヶ所の充電ステーション『ChargEV』を国内に設置する計画であると発表した。

発表時点で14ヶ所の充電ステーションが設置されており、さらに35の候補地が特定されている。両社はペナンからジョホール間の主要都市でのネットワーク拡大のため、大手駐車場事業者、モール所有者、ホテルチェーンと交渉を行っている。

さらに、両社は協力関係の第2段階として、特別目的会社となるテナガEモビリティソリューションを設立、EV充電事業やスマートモビリティに関連するあらゆる事業の可能性を検討する。

出典:https://www.tnb.com.my/assets/press_releases/S.A.2019.10.67.HQ_English.pdf

マレーシアガス協会、第三者LNG貨物を歓迎〜電力・ガス業界動向〜

2019年10月7日、スンガイ・ウダンの再ガス化ターミナルは、第三者アクセスが施行されてから最初の液化天然ガス(LNG)貨物を受け取った。これに際し、マレーシアガス協会は国内LNG市場の持続可能性が軌道に乗っているとした。

第三者LNG貨物の増加により、国内市場はダイナミックで競争力ある市場へ変革し、販売業者は消費者へより多くのオプションを提供できる。また、変革ではガス販売業者へ公正な競争環境を提供するため、規制価格から市場価格へ移行することが重要だとしている。

同協会のハズリ・シャム・カッシム会長は、天然ガスの適正価格設定は、より多くの第三者がガス市場へ参入することを促すと同時に、上流への投資拡大を促進すると述べた。

出典:https://malaysiangas.com/2019/10/09/press-statement-on-mga-welcomes-the-industrys-first-third-party-lng-cargo-as-a-catalyst-towards-a-sustainable-gas-industry/

マレーシアのペトロナスガス、2019年度収益は1%減〜電力・ガス業界動向〜

国営石油会社ペトロナスのガス加工・販売部門であるペトロナスガスは、2019年度の収益が55億リンギットを記録し、前年度から1%減少した。ガス輸送・再ガス化セグメントからの収益は減少したが、ガス処理・公益事業セグメントからの収益は増加した。

2020年の事業環境は、2019年度と同様に続くと予想する。また、2019年に開始されたLNG燃料補給プロジェクト、及びLNGトラック積み込みサービスといったプロジェクトは2020年中に完了し、稼働予定となっている。

また、同社は業務強化のためデジタル化を推進しており、ビッグデータ分析でプラントの潜在的な問題追跡や予測を行っている。他にも、PiriGISソフトウェア導入により、ガス輸送・再ガス化資産を可視化している。

出典:https://www.petronasgas.com/IR/Documents/Annual%20Reports/PGB%20AR%202019%20-%20IR_website.pdf

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2019年 マレーシアの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界

1億4,400万リンギットを調達、マレーシアのTNB〜電力・ガス業界動向〜

2019年1月5日、国営電力会社のテナガナショナル(TNB)は、ケダ州クアラムダで進める太陽光発電プロジェクトにおいて、1億4,400万リンギットを調達したことを発表した。

本プロジェクトは、同社がエネルギー委員会での競争入札で獲得したもの。発電容量は30MW(DC設備容量は45MWp)となっており、2020年第4四半期に完成予定。現在、同社ではセランゴール州クアラ・ランガットにおいて50MW(DC設備容量は78MWp)の太陽光発電を運営している。

資金調達では、TNB子会社であるTNBブキット・セランバウ・ソーラー社(TBSS)が、MUFGマレーシア銀行から融資を受けることで合意した。また、TNBはTBSSと2018年3月に21年間の電力購入契約を締結している。

マレーシアのマラコフと電源開発が提携〜電力・ガス業界動向〜

2019年9月12日の発表によると、マレーシア最大の独立発電企業であるマラコフ社と電源開発株式会社は、未開発地や遊休地での発電、及び造水プロジェクトをグローバルに展開していくことを目的とした戦略的提携を締結した。

電源開発の火力や水力、再生可能エネルギー市場における運用・技術といった専門知識と、マラコフ社のマレーシアおよび周辺国の発電・造水分野における経験を活かし、新規案件の開発を共同で検討する。

マラコフ社のダトー・アハマッド・ファードCEOは、この提携は両社の強みを活用する相乗的な機会であり、将来のプロジェクトを含め、発電所の運用効率をさらに高めることを期待しているとしている。

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収益17%増の要因とは?ガスマレーシア〜電力・ガス業界動向〜

2019年5月16日の発表によると、天然ガス大手で、大手複合企業MMC社の傘下にあるガスマレーシアは、2018年度におけるグループ全体の収益が前年比で17%増となる62億3,324万リンギットを記録したとのこと。全収益のうち99%が天然ガス販売であった。

収益増加の要因は、産業界の新規顧客からの需要が増加し、且つそれに対応できるよう140kmの天然ガス供給システムネットワークを構築できたこと、そして2018年にガス料金を改定したことにある。ガス販売量は、前年から5.4%増加して1億9,385万 MMBtuであった。

今後の見通しとして、産業界における既存顧客・新規顧客の安定したガス需要を見込んでいる。同社においては適時ガスパイプラインを拡張していく予定としている。

タイ南部へ電力輸出、マレーシアのランヒル〜電力・ガス業界動向〜

2019年2月21日の発表によると、電力及び環境事業を手掛けるランヒル社と、タイを拠点とするトレジャー・スペシャルティ社は、タイ南部への輸出向けに、ケダ州に1,150MWのガスタービンコンバインドサイクル発電所(CCGT)を開発することで提携した。調印式には、マハティール首相が立会人として出席した。

プロジェクトでは、ペトロナスから液化天然ガスを購入し、マラッカのプラントにて再ガス化する。再ガス化された天然ガスはPGU(Peninsular Gas Utilisation)ネットワークを通じて発電所に輸送される計画である。

発電された電力は全てタイ南部へ供給され、同地域の電力不足に対応する。現在、当該プロジェクトの承認についてマレーシアとタイ両国の関係局が評価・議論を行っている。

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2018年 マレーシアの電力・ガス(建設・インフラ・環境)業界

マレーシアのテナガ・ナショナル、10ヶ年の長期目標達成に向けて〜電力・ガス業界動向〜

テナガ・ナショナル (TNB) は1990年に民営化されたマレーシア最大の電力会社であり、水力発電や火力発電、送電・配電事業を行っている。

同社は「Reimagining TNB」と呼ばれる長期戦略を推進しており、2025年までに世界のエネルギー業界上位10社入りすることを目指している。

その一環として、老朽化した非効率なプラントを廃止し、より効率的で経済的な超々臨界技術を使用する石炭火力発電所に置き換えている。この技術を採用したジマイースト発電所は2,000MWの発電容量を持ち、2019年に操業予定となっている。これにより、マレーシア国内の全発電量の内、TNB社の市場シェアは51.8%から53.2%に拡大する見通しである。

マレーシアのマラコフとタッチ・メッカニカ、再生エネルギー事業でMoU締結〜電力・ガス業界動向〜

マラコフ社は、MMCグループ傘下で発電を主事業とする国内最大の独立系発電事業者である。国内に7つの発電所を持ち、総発電容量は6,346MWを誇っている。

2018年1月8日の発表によると、同社は、再生可能エネルギー開発を行うタッチ・メッカニカ社と再生可能エネルギー事業の開発についてMoUを締結した。契約には、パハン州での大規模太陽光発電および小型水力発電プロジェクトなど複数のエネルギー開発プロジェクトが含まれており、マラコフ社は商業化に向けたフィジビリティ・スタディーを行う。

パハン州は国内最大の州であり、マレー半島内で最長の河川が流れていることから、大規模な太陽光発電や小型水力発電開発に適している。

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ガス・マレーシアと東京ガス、東南アジアでの事業でMoU締結〜電力・ガス業界動向〜

MMCグループ傘下のガス・マレーシアは1992年に設立され、マレー半島内で天然ガス配給システムの建設・運営・維持管理を含む天然ガス販売・流通を行う企業である。マレー半島に2,200kmのパイプラインを持ち、産業・商業・住宅向けに天然ガスとLNGを供給している。

ガス・マレーシアと東京ガスは、ベトナムを除く東南アジア地域の天然ガスバリューチェーン開発における新たな投資について協力することでMoUを締結した。両社は技術・商業情報の共有、新プロジェクトへの共同投資、人材育成のための人材交流を行う。

両社は1992年よりパートナーシップの関係にあり、本MoUは両社が長期的な事業パートナーであることを示している。

ガス・マレーシア、2017年の収益が大幅増加〜電力・ガス業界動向〜

ガス・マレーシアは、2017年に天然ガス買取価格が改定されたこと、そしてガス消費量が増加したことで、2017年の収益が前年の40.5億リンギットから32.1%増となる53.5億リンギットを記録した。税引後及び少数株主持分控除後利益は前年から17.9%増加して1億9,464万リンギットであった。

2017年に販売したガス量は、前年の1億6,426万MMBtuから11.9%増加して1億8,390万MMBtuであった。天然ガス配給システム拡張が完成したことで、産業・商業・住宅向け総顧客数が38,883に増加した。同社は、2018年中にガスパイプラインをさらに57km延長し、2,243kmとする予定である。

特に、顧客の1つであるガラス部門が大きな伸びを示しており、2017年のガス販売量の約8%を占めた。

まとめ:マレーシアの電力・ガス業界

近年では持続可能なエネルギーを生産可能にするクリーンエネルギー、水力、バイオマス発電などの次世代エネルギーが注目を集めています。このようなトレンドに注目することでも、新たなビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。

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