韓国の空運業界は、デジタル化やサステナビリティの推進により急速に変革を遂げています。顧客体験の向上を目指した新サービスや、AIを活用した運行効率化が注目を集め、業界の競争が激化しています。これらのトレンドが、今後の市場にどのような影響を与えるのか、見逃せません。本記事では、韓国の空運業界を変革する最新トレンドを深掘りし、未来の市場を見据えたインサイトをお届けします。
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2022-2023年 韓国の空運業界
大韓航空とアシアナ航空の企業結合条件付き承認〜空運業界動向〜
公正取引委員会(委員長チョ·ソンウク、以下公取委)は2022年2月21日に(株)大韓航空がアシアナ航空(株)の株式63.8%を取得する企業結合を条件付き承認することに決めた。
審査の結果、国際線の場合、両社重複路線の計65路線のうち26路線、国内線の場合、両社重複路線の計2路線のうち14路線で競争を制限する恐れが大きいと判断した。
特に、本件是正措置の実効的履行のためには航空当局の役割が必要だという点を考慮し、10月に国土部と了解覚書(MOU)を締結し実務協議を数回進行した。
現在、多数の外国競争当局(米国、欧州連合、中国、日本、英国、オーストラリアなど6ヵ国)が本件を審査中であり、今後同一路線に対して公取委の措置と異なる外国当局の措置がありうる。従って、是正措置に関する規定に従い、今後、外国の競争当局の審査結果を反映し、委員会の議決(全員会議)として適時に是正措置の内容を修正·補完および具体化する。
CJ大韓通運、アイジーエーワークスと物流ビッグデータ高度化MOU〜空運業界動向〜
CJ大韓通運はビッグデータプラットフォーム企業IGAWorksと共にソウル鍾路区に位置したCJ大韓通運本社オンリーワンホールで「データ協力関係構築のための業務協約」を締結したと2023年3月16日に明らかにした。
両社は今回の協約を通じて各社が持っているビッグデータを結合し、高度化してデータ価値を向上させるという計画だ。 また、高度化したデータを基盤に会社の競争力を強化するなど、革新技術企業に生まれ変わるための多様な活用方案を模索することにした。
まず両社はCJ大韓通運の宅配ビッグデータとIGAWorksが持っている消費者プロファイルなど外部データ(Third Party Data)を結合することにした。 例えば、特定地域で注文した即席ご飯の物量が前年対比70%増加したという宅配データと、同一地域に居住するレジャーが好きな30代新婚夫婦のような消費者プロファイルを結合してデータ価値を高めることだ。
IGAWorksが保有している個別ブランド情報とマシンラーニング基盤のAIエンジンを活用し、物流基盤ビッグデータの正確性と分類体系も強化する。
出典:https://www.cjlogistics.com/ko/newsroom/news/NR_00001036
LXパントス、ポスコフローと「グローバル物流事業協力」MOU〜空運業界動向〜
LXパントスは2023年8月18日、ソウル鍾路区LXパントス本社でLXパントスのチェ·ウォンヒョク代表とポスコフローのキム·グァンス代表など両社関係者が参加した中で「グローバル物流事業協力のための業務協約(MOU)」を締結したと同月20日明らかにした。
両社は今回の業務協約を通じて△戦略的パートナーシップ構築△両社の事業競争力を活用したシナジー創出△国内外インフラ投資および新事業共同推進など相互緊密に協力することで意見が一致した。
また、両社のグローバルネットワーク、事業力量およびノウハウなどを活用して海外地域での事業競争力を強化する一方、国内輸出企業の安定的な海外物流遂行および物流費節減のためにも共に努力するという方針だ。
LXパントスのチェ·ウォンヒョク代表は「ポスコグループの物流を担当しているポスコフローとの戦略的パートナーシップ締結を嬉しく思う」とし、「両社の友好的協力関係を基にシナジーを創出し、国内物流産業のグローバル競争力強化に貢献できるよう努力する」と明らかにした。
出典:https://m.lxpantos.com/kr/pr-center/news-detail.do?bbsSq=1139&page=1
済州航空、迅速な長期移送に参加〜空運業界動向〜
保健福祉部の国立臓器組織血液管理院(院長シン·ジェス)と済州航空(代表キム·イベ)は2023年9月13日、迅速な臓器移送のための業務協約を締結した。
両機関は9月13日からドナーの臓器が迅速かつ安全に移送されるように▲臓器移送関係者の航空機搭乗案内協力▲座席売り切れ時のキャンセル航空券に対して最優先予約協力▲空港内医療陣の迅速手続き支援およびエスコート協力▲ホットラインを通じた簡便連絡体系構築▲その他迅速で安全な臓器移植のための協力をする。
今回の協約で、これまで航空券がなく、遠距離移送に困難を経験した現場の医療スタッフも、臓器移植手術のゴールデンタイムを守るのに大いに役立つものと期待しているとし、協約を非常に歓迎している。
国立臓器組織血液管理院のシン·ジェス院長は「特別に生命分かち合い週間に貴重な協約をすることになり非常にうれしく、迅速な臓器移送のために済州航空の積極的な協力に感謝申し上げる」とし「今回の協約を通じてより多くの新しい生命を救えるよう持続的に協力していく」と話した。
エア仁川、アイノマドとデジタル物流革新のためのMOU締結〜空運業界動向〜
国内唯一の貨物専用航空会社であるエア仁川(代表イ·スンファン)と航空物流プラットフォーム企業であるアイノマド(代表イム·ジュンソク)は2023年9月20日、デジタル物流革新のための了解覚書(MOU)を締結した。
エア仁川とアイノマドの業務協約は両社API(Application Programming Interface)連動を通じた情報共有とプラットフォーム専用特価商品開発、追加デジタル航空貨物事業発掘など航空物流のデジタル化を促進するためだ。
今回の協約は物流デジタル化が次第に重要性を持つ状況で、新しい商品開発を通じて顧客にデジタル物流をより簡単に利用できる機会を提供することになったものと見られる。
今回の協約を通じて航空貨物顧客はエア仁川の特価商品をアイノマドプラットフォームで確認して予約することができ、早くて効率的な商品確認および予約サービスを構築することになる。エア仁川は、アイノマドと共に顧客増大のための広報及びマーケティングを共同で進める計画であることを明らかにした。
2021年 韓国の空運業界
CJ大韓通運、廃プラスチックリサイクルエコパレット商用化〜空運業界動向〜
2021年5月の発表によるとCJ大韓通運がロック&ロックとの協力を通じて製作したエコ再生パレットを商用化し、ESG経営実践の先頭に立っている。CJ大韓通運が廃プラスチックアップサイクリングで製作した親環境再生パレット「炭素ZEROパレット」300個を自社物流センターに導入すると2日明らかにした。炭素ZEROパレット製作のための廃プラスチックは、グローバル生活用品企業であるロックアンドロックから支援を受けた。
炭素ZEROパレットはCJ大韓通運の物流パートナー会社であるロック&ロックと意気投合して誕生した。製品生産過程で発生する切れ端プラスチックで多様な資源循環活動を実践中のロック&ロックが、環境にやさしいパレット製作のための良質の廃プラスチック確保に困難を来たしていたCJ大韓通運に10トンを無償提供したのだ。
炭素ZEROパレットは現場で最も多く使用する中荷重用パレットで、最大1トンまで積載が可能だ。CJ大韓通運は現場導入に先立ち、24時間積載テスト、フォークリフト台車テスト、ねじれ現象など安定性テストを経て、一般パレットと比較しても機能上問題がないという点を立証した。先月8日に先制作された50個のパレットは現在CJ大韓通運新徳坪物流センターで使われており、13日までに250個が追加投入される。
出典:https://www.cjlogistics.com/ko/newsroom/news/NR_00000832
ティーウェイ航空、機内貨物運送事業拡大〜空運業界動向〜
2021年6月の発表によるとティーウェイ航空が収益性改善のための事業拡大を本格的に進める。 2020年、仁川-ホーチミン路線の機内貨物運送事業の開始を通じて事業多角化を進めたティーウェイ航空が、仁川-ハノイ路線を追加で運営し、貨物事業を拡大していく。
2021年4月13日から週4回(火·水木金)の日程で運営される仁川-ハノイ路線で、ティーウェイ航空は計2ヵ所の国際線機内貨物路線を運営することになった。
このため、現在運営中のB737-800航空機27機のうち3機を貨物専用機として運営し、今後路線拡張時に運営可能な航空機を追加で投入して貨物運賃収益と航空機材稼動率を共に高めていく予定だ。
2020年11月からホーチミン路線を通じて機内貨物運送を続けているティーウェイ航空は79便(往復)を運航し、計1100トン(t)の貨物を輸送してきた。ベトナム路線の貨物には危険性のない生地、アクセサリー、電子部品などの原材料と完成品衣類および電子製品などが主に運送される。
出典:https://www.twayair.com/app/company/NEWS/retrieve/3582
LXパントス、「Eコマース物流」新事業に進出〜空運業界動向〜
2021年6月、LXパントスの「EC統合管理システム」は、Eコマース企業の業務利便性と生産性を画期的に向上させることができるEコマース専用のグローバルワンストップ統合管理システムである。同システムはこれまで、Eコマース企業の事業拡張の遅れや収益性悪化の主な原因と指摘されてきた大量の単純反復手作業を、単一システム上で自動化した。
また、国内外の主要ショッピングモール·オープンマーケット·自社モールなど多様な販売先からの注文収集から在庫管理、精算、CS管理、ラストマイル配送に至るまで複雑な全過程を一つに統合して見せる可視性を提供することになる。
システムローンチングと共に、LXパントスは44年間、国際物流事業を通じて確保した360余りのグローバルネットワークを基に「クロスボーダーフルフィルメント」(CBF;Cross Boarder Fulfillment)サービスも提供する。
このようなサービス競争力の差別化により、LXパントスはEコマース顧客の底辺を積極的に拡大することで、事業進出初期であるにもかかわらず、すでに多数の大型顧客を確保した。Eコマースの新規顧客の受注金額は、約2,500億ウォンを上回るという。
出典:https://m.lxpantos.com/kr/pr-center/news-detail.do?bbsSq=1154&page=3
アシアナ航空、韓国貿易協会と中小企業航空運送支援業務協約締結〜空運業界動向〜
アシアナ航空は2021年11月10日、三成洞トレードタワーで韓国貿易協会と「COVID-19下の中小企業航空運送支援協力のための業務協約」を締結した。この日の協約式にはアシアナ航空のキム·グァンソク副社長、韓国貿易協会のシン·スングァン専務理事など関係者が参加した。
アシアナ航空と韓国貿易協会は▲中小企業の航空運送支援のためのチャーター機供給▲航空運送·輸出入業界の共生方案用意▲中小企業物流支援のための多様な新規事業発掘などに相互協力することにした。 また、グローバル輸出入物流動向と中小企業の苦情を共有し、支援業務の効率性を高めることにした。そして、ベトナム所在の韓国中小企業が経験している貨物運送の困難を解消するための支援方案を追加で検討している。
輸出中小企業の航空運送支援を希望する企業が韓国貿易協会(kita.net )に申請すれば、協会で支援対象企業を選定する。選定された企業はアシアナ航空が提供する貨物専用旅客機を利用して貨物を輸出することになる。
大韓航空、グローバルエンジン整備協力会社に加入〜空運業界動向〜
航空機エンジンメーカーであるプラット·アンド·ホイットニー(P&W)の次世代GTF(Geared Turbo Fan)エンジン整備協力体の加入で、グローバル航空機エンジンの維持整備(Maintenance Repair & Overhaul、MRO)競争力をさらに高める。
大韓航空は2021年12月、大韓航空のイ·スグンOperation部門副社長、プラット·アンド·ホイットニーTom Pelland専務など両社の関係者が非対面テレビ会議で参加した中、次世代GTFエンジン整備協力会社の加入契約を結んだ。大韓航空は今回のプラット·アンド·ホイットニーGTFエンジン整備協力会社の加入により、先端整備技術力と共に整備物量の提供を受けることになる。
大韓航空は今回の契約及びエンジンメーカーとの戦略的協力で、全世界の航空MRO市場での立地を持続的に拡大していく計画だ。 また、海外委託整備に依存していた国内航空会社のエンジンMRO需要を国内に転換することで、外貨流出防止、MRO事業の拡張による雇用を創出するなどの役割で、国内航空MRO産業の発展に積極的に貢献していく予定だ。
ソウル在住の韓国人。日本での在住経験は12年。日本の有名大学を卒業し、大手シンクタンクの正社員及び経営コンサルタントとして勤務。ビジネス戦略とイノベーションの分野で活躍。
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