インドネシアの日用品市場では、持続可能性と品質に重点を置いた製品が増加しています。特に、天然素材を使用し、環境に配慮した製品が人気です。消費者は製品の安全性と透明性に価値を見出し、オンラインでの購入も一般化しています。
今回は、そんなインドネシアのトイレタリー・日用品業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 インドネシアのトイレタリー・日用品(製造業)業界
インドネシアのParagon、男性向けブランド「Kalf」を育成強化
Wardahブランドで有名なインドネシアの化粧品会社PT Paragon Technology and Innovationが2023年1月9日、ホームページに「男性向けパーソナルケアブランドKahfはコミュニティとともにビジネスを構築し、コミュニティとともに成長します。」という記事を掲載した。
インドネシアで第2位の男性向けパーソナルケアブランドとして、Kahf はより大きな影響を与えるためにコミュニティと協力することに常に前向き。
現在、ランニング、フットサル、アウトドア、バスケットボール、オートバイ、バドミントン、サイクリング、ダイビングコミュニティなどを含む 50 以上のコミュニティと協力している。これらコミュニティとの協力により、Kahf の価値観を強化している。
出典:https://www.paragon-innovation.com/post/news/05ef907a-ca4b-41b4-bf59-88d56e6c35a2
インドネシアのTigaraksa Satria、2022年売上高前年比109%
インドネシアの大手ディストリビューターPT Tigaraksa Satria Tbk(TGKA)が2023年3月27日に2022 Annual Reportを公表した。
TGKAはベビー栄養食品を主力として、食品・飲料、トイレタリー用品などを取り扱っている。2022年の売上高は、12兆9,775億ルピアで前年比109%と増収であった。製品カテゴリー別には、ベビー栄養食品が8兆8,214億ルピアで前年比109%・構成比68%、トイレタリー用品を含むその他市販商品が3兆3,479億ルピアで前年比118%・構成比26%であった。
トイレタリー用品を取り扱うのはSmart Familyビジネスユニット(SFBU)で、教育製品、家庭生活用品とパーソナルケア用品を取り扱っている。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202303/39dd892506_a28f6f7c03.pdf https://www.tigaraksa.co.id/upload/annual_financial/e6895bfdc253c01d64acc40ceb0ab50a.pdf
インドネシアで尼ユニリーバ、Dove脇の下キャンペーン実施
グローバルに展開するユニリーバグループのPT Unilever Indonesia Tbk(UNVR)が2023年6月6日、ホームページでDove Deodorantが「#KetiakmuBerarti(あなたの脇の下が大切)キャンペーン」を展開していることを明らかにした。
インドネシアを含む7か国を対象としたDoveの「脇の下に関する自信調査」で、10人中9人の女性が脇の下に不快感を感じたことがあると回答している。女性の脇下の理想的な状態は毛がなく、臭いがなく、滑らかであると認識されている。
Doveの脇の下ケア製品はすべて、汗や体臭から48時間保護する。また、肌に優しい成分が含まれており、特に脇の皮膚に栄養を与えて柔らかくする1/4保湿クリームが含まれているとのこと。
インドネシアのUNI-Charm、抗菌ワイプ「Kirey Care」発売
日系のPT Uni-Charm Indonesia Tbk(UCID)は2023年7月13日、ホームページで新製品の抗菌ワイプ「Kirey Care」を発売したことを発表した。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴い、消費者の健康と衛生に対する意識が高まり、インドネシアで抗菌ワイプの使用が増加し、家の外で活動するときにワイプを持ち歩く人が多く、ワイプの市場規模は2026年には現在の2倍にまで成長すると予想されていることから、UCIDも新規参入することになった。
「Kirey Care」は20枚/パックで、2023年5月発売。主な流通チャンネルはローカルスーパーマーケット&ミニマーケット、プレミアムスーパーマーケット&ドラッグストア、Eコマース。標準小売価格はRp.15,900に設定。
インドネシアのMulti Indocitra、安全で高品質のスキンケア
Pigionブランドの製品を製造販売するPT Multi Indocitra Tbk(MICE)が2023年2月16日にホームページで「Z世代は即効性よりも安全で高品質のスキンケアを好む」という記事を掲載した。
400人の消費者を対象にしたSociolla の2022年の調査結果によると、インドネシア女性の77%は製品の品質と安全性を優先して製品を選択する傾向にあり、選択する製品には、BPOMおよびHALALテストのラベルが添付されている。
2017年より「Kaila」ブランドでスキンケア商品を発売したMICEでは、自己試験と臨床試験で効果を確認し、すべての成分について透明性のある製品を提示している。Kailaスキンケア製品は28日間継続して使用すると最大限の効果が見られるとのこと。
https://kailaofficial.com/tentang-kami
2021年 インドネシアのトイレタリー・日用品(製造業)業界
インドネシアでのKino、パーソナルケア商品の生産能力46%増強
インドネシアの大手日用品生産販売会社PT Kino Indonesia Tbkの2019年売上高は4兆6,789億ルピアで、前年比130%と二桁増収であった。
パーソナルケア商品、飲料、食品、医薬品、ペットフードの5つの事業セグメントの中で最も売上高が大きいのは、パーソナルケア商品で2兆1,877億ルピア(前年比:121%)と全体の46.8%を占める。
パーソナルケア商品の生産は西ジャワ州スカブミのチケンバー工場と西ジャワ州ボゴールのチトラップ工場で行われている。生産能力は62千キロリットル。2018年の43千キロリットルから46%増強されている。2019年の生産量は21千キロリットルで設備稼働率は33%と大きな余力を抱えており、さらなる増販が期待されている。
出典: https://idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202004/eb38444bd4_33cc361b8e.pdf
Multiインドネシア、2019年は前年比115%の増収 〜トイレタリー・日用品業界動向〜
インドネシアでPigionブランドのベビー用品やパーソナルケア製品を販売するPT Multi Indocitra Tbk(MICE)の2019年の売上高は7,338億ルピアで前年比115%と二桁成長であった。
2019年の主な取り組みとして、Pigionブランドのベビー用品のトップブランドとしての地位を維持して売上を伸ばすため、印刷物やデジタルメディアでの宣伝、病院との連携、新製品の開発などを行った。青少年を対象としたピジョンティーンズは、青年期の肌に適した高品質なスキンケア製品を幅広く取り揃え、パッケージの刷新も行い、2019年は15%増販を達成した。
また、若年成人から成熟した女性がターゲットのKailaブランドの認知度アップのためテレビ、デジタルメディアでの宣伝を行った。
出典: https://idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202007/c0ab10aa9b_c1f11c7756.pdf
インドネシアでのUnilever、パーソナルケア事業強化 〜トイレタリー・日用品業界動向〜
インドネシアでホームケア・パーソナルケア、食品・飲料品を生産・販売するPT Unilever Indonesia Tbkの2019年売上高は、42兆9,226億ルピアで、前年比102.7%であった。
セグメント別には、ホームケア・パーソナルケアが29兆8,624億ルピア(前年比:104%/構成比:70%)、食品・飲料品が13兆602億ルピア(前年比:100%/構成比:30%)。
2019年のパーソナルケア事業の主な取り組みは、Sunsilk、Clear、Pondの大規模なリニューアルの開始とPepsodent Charcoal、Lifebuoy Naturals、Rexona DrySerumの発売で「ナチュラルトレンド」を活用すること。さらに、ミドルクラス向けの新ブランドLove Beauty&PlanetとNameeraの立ち上げであった。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202007/66ec41fe5f_184c90b961.pdf
インドネシアのTigaraksa、売上前年比103前年比 〜トイレタリー・日用品業界動向〜
インドネシアの食品日用品卸のPT Tigaraksa Satria Tbk(TGKA)の2019年売上高は13兆3,720億ルピア(約991億円)で、前年比103.3%であった。
売上高の最も多いビジネスユニットはコンシューマープロダクツの9兆9,959億ルピア(前年比:101.8%)で全体の約75%を占める。コンシューマープロダクツの中ではベビーフードの売上が最も多く、7兆9,882億ルピアであるが、残念ながら前年比:98%と前年を割った。
それにもかかわらずコンシューマープロダクツとして増収を果たせたのは、食品とホームケア・パーソナルケア商品の売上高が前年比119%と二桁成長したことによる。ホームケア・パーソナルケアで取り扱うブランドは、Colgate、GaleniumとENESISである。
出典: https://idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202004/cb9ce2e1d2_87bf9006df.pdf
トップシェアのユニ・チャームインドネシア〜トイレタリー・日用品業界動向〜
インドネシアでおむつの生産・販売を行う日系のPT Uni-Charm Indonesia Tbk(UCID)の2019年売上高は8兆5,198億ルピアで前年比102%であった。
2019年のインドネシアでの国内シェアはベビー用紙おむつ:45%、生理用ナプキン:42%、成人用おむつ:46%といずれもトップシェア。各製品は「MamyPoko」「Charm」「Lifree」と日本と同じブランドで販売されている。
2019年末現在、98都市494地区をカバーし、108の独立したディストリビューターが38万店を超えるアウトレットに供給している。伝統的小売での販売は全体の57.8%、スーパー、コンビニなど近代的小売での販売は38.9%となっている。残りは、Lazada、Shopee、などのeコマースや病院、診療所、薬局などで販売されている。
出典: https://www.idx.co.id/StaticData/NewsAndAnnouncement/ANNOUNCEMENTSTOCK/From_EREP/202006/191245bdff_011ac67651.pdf
まとめ:インドネシアのトイレタリー・日用品業界
インドネシアでは宗教などは関係なく全ての人々に向けた商品が続々と開発されています。そうした動きは国外からも評価され、ジェンダー問題などを抱える女性に支持されています。
ジャカルタ在住のインドネシア人。観光ガイドと通訳者を務め、インドネシアの観光地を日本語で案内している。日本語学科の大学を卒業し、邦人対応観光ガイド・国際イベントでの日本代表団担当連絡係員・通訳者・日本領事事務所長の地元アシスタントを経験。