それぞれの企業情報や事業内容について、一つ一つ詳しくご紹介します。
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タイの広告代理店8選〜ローカル企業編〜
VGI PCL. (ブイジーアイ)
1998年にタイの高架鉄道システムBTSを運営するBTSグループによって設立された広告代理店。2012年よりタイ証券取引所SETに上場している。BTSの車体、内部、駅構内のディスプレイ広告やポスター広告を中心に、ショッピングモールやオフィスビル内外の大型広告、市街地、郊外での大型ビジョンや看板広告など、様々な広告を展開している。また、オンラインでのデータ分析も行っており、ビッグデータ解析により美容や食品・飲料、自動車といった様々な業界のクライアント企業のビジネスの発展をサポートしている。BTSの乗車カードであるRabbit Cardを用いた決済システムRabbit Linepayの管理も行っている。
2021年度の売上高は前年比24%減の3,244百万バーツ、純利益は前年比31%減の980百万バーツであった。
出典:http://www.vgi.co.th/
Plan B Media PCL. (プランビー・メディア)
2005年に設立された広告代理店。2015年よりタイ証券取引所SETに上場している。VGIが株式シェア18%を持ち、同社の傘下となっている。バンコク交通局BMTAが運航するバスの内外装、高速道路沿いの大型看板、ショッピングモールやオフィスビル内外の広告、空港のディスプレイ、看板などで広告を展開している。海外進出もしており、ラオス、マレーシア、シンガポールでも屋外の大型広告を中心に事業を展開する。また、タイ国内のサッカーリーグ、夏季・冬季オリンピック、eスポーツ、アイドルグループBNK48などのスポンサーとなっており、各団体のマーケティングを展開するとともに、サポーター・ファンとの繋がりを生み出している。
2021年度の売上高は前年比22%増の4,607百万バーツ、純利益は前年比54%減の64百万バーツであった。
出典:https://www.planbmedia.co.th/
Master Ad PCL. (マスター・アド)
1998年に設立された広告代理店。2003年よりタイ証券取引所SETに上場している。VGI、Plan B、BTSグループの傘下。タイ国内ではBTS駅構内や市街地にディスプレイ広告を中心に展開する。また、海外進出もしており、マレーシアの地下鉄内外装、オフィスビル内外、クアラルンプール国際空港、インドネシアの地下鉄内外装、駅構内、ベトナムの屋外などに広告を展開している。他にはシステムインテグレーターとしてタイBTS、香港の地下鉄、香港国際空港などへLED照明ソリューションやソフトウェアプラットフォームを提供している。
2021年度の売上高は前年比3.3倍の2,158百万バーツ、純損益は992百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.masterad.com/
Prakit Holdings PCL. (プラキット・ホールディングス)
1978年に創業した広告・メディア企業。1991年よりタイ証券取引所SETに上場している。印刷広告を主な収益源としており、雑誌からリーフレット、パンフレットサイズからバス内外装、駅構内、空港、ビルの外装まで様々なサイズに対応している。また、テレビCMも制作しており、15秒、30秒、60秒などの限られた時間で顧客のPRを行う。ラジオ広告、オンライン広告などの取り扱いもある。ミャンマー、カンボジア、ベトナムなどの周辺諸国でも事業を展開するほか、グループ会社のSukhumvit 62 Medical Co., Ltd.にて病院も所有している。
2021年度の売上高は前年比7.2%増の333百万バーツ、純利益は前年比2.7%増の23百万バーツであった。
出典:http://www.prakit.com/
Fareast Fameline DDB PCL. (ファーイースト・フェームライン・ディーディービー)
1964年に設立された広告代理店。1987年よりタイ証券取引所SETに上場している。タイの総合商社大手Saha Pathanaグループが筆頭株主である。テレビCM、オンラインを中心に、街頭、ラジオ、印刷物、映画など様々なメディアで広告を展開する。クライアント企業は食品・飲料業界が約41%、次いで不動産業界が約34%、日用消費財業界が約10%となっている。また、デジタル領域でのサービスに力を入れてきており、デジタルマーケティング、ブランディング、データアナリシス、カスタマーエクスペリエンス、ソーシャルメディアマネジメントなどの事業も行っている。
2021年度の売上高は前年比33%減の409百万バーツ、純利益は前年比14%減の59百万バーツであった。
出典:https://www.fareastfamelineddb.com/
AQUA Corporation PCL. (アクア・コーポレーション)
1994年にPanachen Co., LTd.の社名の不動産会社として創業した。2004年よりタイ証券取引所SETに上場し、2007年より屋外広告事業へ進出している。現在では大型看板広告を首都バンコクをはじめ、地方も含めたタイ全国の高速道路や幹線道路沿いに展開している。屋外広告ではタイでトップ3の市場シェアを維持していることに加え、メディア広告の需要の高まりにより、同分野への投資を増加させている。それ以外にも、印刷広告や雑誌出版事業にも事業範囲を拡大している。さらに、グループ会社にて貸し倉庫・物流事業、不動産賃貸・運営といった事業も展開する。
2021年度の売上高は前年比11%減の816百万バーツ、純利益は前年比14%減の158百万バーツであった。
出典:http://www.aquacorp.co.th/
T B W A (Thailand) Co., Ltd. (ティービーダブリューエー・タイランド)
1995年に創業した広告代理店。映像を使用した広告を制作する。230人以上の若さとハングリー精神を持ち合わせたメンバーが、ディスラプションをキーワードに革新的な広告を提供している。クライアントにはタイ通信大手のAISや銀行大手カシコン銀行、石油大手PTTに加え、自動車メーカーの日産、ファーストフードのマクドナルド、消費財大手ネスレ、ロレアルなど国内外の有名企業が多数存在している。2019年から2021年の3年間で40もの賞を受賞した実績を持つ。また、デジタルソリューションやブランディングに関するコンサルティングも行っている。
2020年度の売上高は前年比8.1%減の937百万バーツ、純利益は前年比26%減の79百万バーツであった。
出典:https://www.tbwathailand.com/
C J Worx Co., Ltd. (シージェー・ワークス)
2011年に創業した広告代理店。広告の戦略立案、デザイン、様々なメディアを用いたソリューションの提供までを一貫して行う。クライアント企業としてはソーシャルネットワークサービスのLINE TV、動画配信サービスのNetflix、調味料メーカーのHeinzなど国内外の企業がある。また、新型コロナウイルスの影響で増加した在宅の時間を楽しむため、タイの乳製品メーカー、Dutchmillと提携しシューティングゲームのプロモーションを行うなど、ユニークな企画も展開している。2020年のグローバル・インディペンデント・エージェンシー・オブ・ザ・イヤーの受賞をはじめ、数々の賞を受賞している。
2020年度の売上高は前年比11%減の284百万バーツ、純利益は前年比32%減の54百万バーツであった。
出典:https://www.cjworx.com/
タイの広告代理店3選〜日系企業編〜
Dentsu (Thailand) Ltd. (デンツウ・タイランド)
日系大手広告代理店、電通のタイ拠点。タイでは1974年に設立された。世界で8ブランド、110か国以上に展開するネットワークを活かし、タイでもテレビCMやオンラインメディアなどの広告を展開するほか、クライアントのマーケティング全体に対する様々なソリューション提供を行っている。クライアントには自動車メーカーのトヨタ自動車、消費財大手の花王、食品メーカー大手の味の素といった日系企業から、タイの化学品メーカーICP、韓国の電子部品大手サムスン電子、イギリスの石油大手シェルなど、様々な国の企業が存在している。
2020年度の売上高は前年比0.8%減の1,799百万バーツ、純利益は前年比3.9倍の309百万バーツであった。
出典:https://www.dentsu.co.th/main.html
Hakuhodo International (Thailand) Co., Ltd.(ハクホウドウ・インターナショナル・タイランド)
日系大手広告代理店、博報堂のタイ拠点。タイでは1989年に設立され、2020より現在の社名と体制になった。タイでは6つの広告事業会社と、生活者研究に特化したシンクタンク「博報堂生活総研アセアン」の12のグループ会社に計800人の従業員が在籍する。世界20の国と地域、150を超える拠点を持ち、全体では1万人を超える従業員を擁する博報堂のASEANにおける重要拠点に位置づけられている。事業内容としては、伝統的なメディアを用いた広告に加え、ソーシャルメディアなどを用いたデジタル領域のデータマーケティング、ソリューションにも注力してきている。
2020年度の売上高は前年比67%減の156百万バーツ、純損益は41百万バーツの赤字であった。
出典:https://www.hakuhodo-global.com/
ADK Thai Co., Ltd. (エーディーケー・タイ)
日系大手広告代理店、ADKグループのタイ拠点。タイでは1986年に設立された。ADKグループは世界13の国と地域に35拠点を展開し、2,000人以上の従業員を擁する。タイにも4つのグループ会社が存在しており、マーケティング領域における統合的なソリューションの提供や、マーケティングデータを活用したデジタル、マスメディアの計画およびバイイングを行う。また、クリエイティブやプロモーション領域における企画から制作をワンストップで行うクリエイティブ・ソリューション事業、ADKグループの独自性を発揮したコンテンツ事業などを行っている。
2020年度の売上高は前年比32%減の1,023百万バーツ、純利益は前年比22%増の143百万バーツであった。
出典:https://www.adk.jp/
タイの広告代理店3選〜外資系企業編〜
WPP (Thailand) Ltd. (ダブリューピーピー・タイランド)
イギリス系の世界最大級の広告代理店、WPPのタイ拠点。タイでは1973年に設立された。同社の112か国に及ぶ拠点のうちの1つ。OgilvyやGrey Group、MediaComやGroupMなどを傘下に持ち、タイ国内でも様々なグループ会社が存在する。これらの会社を通じて、クライアント企業のCMやオンラインメディア広告を制作している。東京オリンピック2020のプロモーションを行った他、クライアントには動画配信サービスのNetflix、ドラッグストアのBootsなどタイでも事業を展開する企業がある。
2020年度の売上高は前年比13%減の59百万バーツ、純利益は前年比11%減の18百万バーツであった。
出典: https://www.wpp.com/
Ogilvy & Mather (Thailand) Ltd. (オグルヴィ・アンド・メイザー・タイランド)
アメリカ系の世界3大広告代理店の1つ、Ogilvy & Matherのタイ拠点。タイでは1982年に設立された。同社の93か国に及ぶ131拠点のうちの1つで、東南アジアの統括オフィスはシンガポールに存在する。ブランディングを通じて、クライアント企業の価値を高めるためのサポートを行っている。企業の広告やPRに加え、政府や公共機関の健康に関するプロモーションなども取り扱う。具体的なクライアントとしては日系の自動車・二輪車メーカーのホンダ、インテリア製品メーカーのIKEA、ファーストフードチェーンのバーガーキングなど、タイでも事業を展開する企業のプロモーションを世界中で行っている。
2020年度の売上高は前年比14%減の1,187百万バーツ、純利益は前年比7.3%減の252百万バーツであった。
出典: https://www.ogilvy.com/
Grey (Thailand) Ltd. (グレイ・タイランド)
アメリカ系の広告代理店、Grey Groupのタイ拠点。タイでは1989年に設立された。WPP傘下で、世界30か国以上に及ぶ拠点のうちの1つ。印刷広告および映像を使用した広告・コンテンツの制作、データアナリシス、ブランディングに関するコンサルティングなどの事業を展開している。クライアントとしてはタイ銀行大手カシコン銀行、不動産大手アナンダ、生命保険大手ムアンタイ・インシュアランスなどのローカル企業に加え、消費財大手グラクソスミスクライン(gsk)、P&Gなどの外資系企業を含め様々な企業が存在する。
2020年度の売上高は前年比14%減の263百万バーツ、純利益は前年比156%減の4.6百万バーツであった。
出典: https://www.grey.com/en/thailand
バンコク在住のタイ人。タイにおける日系企業向け翻訳・通訳を6年間以上行う。経済、ビジネス、IT分野に興味があり、マーケティングや流通を含めた企業調査や、企業調査といった情報収集が得意。