マレーシアの陸運業界は、軒並み好業績を記録しています。事業拡大、配送可能量増加を目的に、配送車両の新規購入や新倉庫設立、自動化など、さまざまな施策を実施しており、さらなる成長が見込まれます。マレーシアの陸運業界の成長のカギとは!
今回は、そんなマレーシアの陸運業界に焦点を当てて、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 マレーシアの陸運(運輸・物流)業界
POSマレーシアが物流人材育成で大学と提携〜陸運業界動向〜
マレーシアで郵便事業を行うPOSマレーシアは、ペタリンジャヤを拠点としてロジスティクスとE-ビジネスなどの教育を提供するサイトウ大学と提携することを発表した。
本提携では「サイトウ大学-POSマレーシア学習ハブ」を設立、将来の物流専門家にPOSマレーシアのビジネスやロジスティクス・ソリューションに触れながら、業務統合学習を提供することを目的としている。
POSマレーシアはサイトウ大学の学生に対して指導やトレーニングを提供し、学生は専門的な経験を積むためのインターンシップの機会を得ることができる。また、若い才能を育成することにより、雇用主と新卒者間の期待ギャップを埋めることで、学生がスムーズに労働市場へ移行することができる。また、本提携を通じて、POSマレーシアの社員がキャリア形成や成長の一環として、学術的な資格を取得する機会を提供することも予定している。
出典:https://www.pos.com.my/pressroom/pos-malaysia-partners-saito-university-college-for-talent-development-of-future-logistics-professionals.html
コンテナナショナルが輸送車両拡充〜陸運業界動向〜
エネルギーや港湾・輸送などを手掛けるMMCコーポレーション傘下において陸上輸送を手掛けるコンテナナショナルは、自動車メーカー大手のボルボ・トラック・マレーシアから、30台の「ボルボFM440 6×2 TRASプライムムーバー」を購入したことを発表した。
ポートクランで行われた引渡式では最初の20台が納入され、残りの10台は2022年4月末までに納入される計画となっている。今回の購入は同社の事業拡大計画の一環で、優れたロジスティクスを実現し、顧客に高品質なサービスを提供することを目的としている。
同社は1971年の設立以来、マレーシアのプレミアサプライチェーンソリューションプロバイダーになるというビジョンの下、中核となるコンテナ輸送事業を国際貨物輸送、倉庫、配送、サプライチェーンソリューション、ハラールロジスティクスなどに拡大している。
出典:https://mmc.com.my/Press_Release-KONTENA_NASIONAL_BERHAD_EXPANDS_ITS_FLEET_WITH_THE_ADDITION_OF_30_NEW_PRIME_MOVERS.pdf
ティオンナム、2022年度は過去最高収益〜陸運業界動向〜
マレーシアを拠点として物流・倉庫事業などを提供するティオンナム・ロジスティックスは、2022年度の収益が前年度比で14.6%増となる6億8,983万リンギットを記録、過去最高額となったことを発表した。また、同年度における税引き後利益は629万リンギットで、前年度から47.1%減であった。
好業績の背景には、COVID-19パンデミックの規制解除によって、物流と倉庫部門における新規顧客の獲得と既存顧客からの需要増加が影響しており、同部門の収益は前年度の5億9,190万リンギットから14.1%増なる6億7,520万リンギットを記録している。
今後について、同社はロジスティクス及び倉庫部門の拡大に投資を続け、グループは東南アジアと中国全体のロジスティクスと倉庫ネットワークを強化するとしている。
出典:http://www.tiongnam.com/assets/TiongNam-AnnualReport2022.pdf
エクスプレス配送を主力とするGDEX〜陸運業界動向〜
物流大手のGDEXは、2021年度の収益が6億3,690万リンギットを記録したことを発表した。セグメント別では、エクスプレス配送が引き続き主要な収益減となっており、同年度における収益の90.7%を占めた。同セグメントの営業利益率は8.7%となり、前年度の7.1%から1.6%ポイント改善した。
同社グループは、事業活動の拡大と配送量の増加に対応するため、2021年度末に保有車両を2020年度末の1,331台から1,414台へ拡大した。また、リソース最適化により、グループの従業員数を4,308人(2020年度末)から4,244人(2021年度末)へ削減している。
さらに、同社は自動化の取り組みの一環として、セランゴール州ペタリンジャヤに2,500万リンギットを投じて新しい集荷ハブを整備しており、これによって小包仕分け能力が2021年末時点の175,000個/日から350,000個/日へと倍増する計画となっている。
出典:https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=217073&name=EA_DS_ATTACHMENTS
配送車両の電化を進めるDHLエクスプレス〜陸運業界動向〜
国際エクスプレスサービスプロバイダーのDHLエクスプレスは、マレーシアに6台の電動バン「CAM EC35」を投入すると発表した。これにより、同社は国内で初めて商用電気自動車フリートへ移行したことになった。投入されるCAM EC35の貨物スペースは4.8立方メートルで、積載量は1トンを超える。フル充電に8時間を要し、最大走行距離は266キロメートルとなっている。
車両は10月上旬に投入され、クアラルンプール及びセランゴール州でラストマイルの配送サービスを提供する予定としている。さらに、同社は2023年までに合計で61台の電動バンを導入し、他の州にも配備する計画としている。同時にインフラ整備も進めており、サービスセンターにスマート充電ポイントが設置されている。
また、2024年までにアジア太平洋地域で1,000台以上の電気自動車を導入する予定としている。
出典:https://www.dhl.com/my-en/home/press/press-archive/2022/dhl-express-pioneers-electrification-of-the-delivery-fleet-in-malaysia.html
2021年 マレーシアの陸運(運輸・物流)業界
マレーシアのGDEXとタスコが提携。複雑な物流需要に応える〜陸運業界動向〜
物流大手のGDエクスプレス・キャリア(GDEX)とタスコは、マレーシア国内の最終消費者と国内外の目的地との間の物流配送サービスを強化するためのMoUを締結したことを発表した。契約による協力期間は3年間で、その後延長について協議を行うことができる。
本MoUにより、両社は共同マーケティング活動を開発・組織する。特に、電子商取引プラットフォームやソーシャル・コマース・プラットフォームと物流フルフィルメント・サービスとのシームレスな接続の開発を進める。具体的には、タスコの「e-Tower」とGDEXの「myGDEX」を統合・強化する。
また、在庫管理や配送リードタイムの短縮、温度管理など、より複雑な物流需要にも対応することが期待されている。
出典:https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=109695&name=EA_GA_ATTACHMENTS
マレーシアのCJセンチュリーの今後に向けた投資戦略〜陸運業界動向〜
総合ロジスティックスを手掛けるCJセンチュリーは、2020年度の収益が前年度比で29%増となる6億3,571万リンギット、税引後利益は105万リンギットを記録した。収益急増は、主にトータルロジスティックス事業が貢献している。
他方、同社の宅配サービス事業の収益は4,590万リンギットで、3,100万リンギットの税引前損失を計上した。税引前損失は同社の事業拡大によるものであり、2020年度末時点で44支店を設立し、377台の宅配トラックに投資している。
また、今後についてはモバイル化をはじめとする新たな変化に対応するため、貨物やコントラクト・ロジスティクス、電子商取引の管理に必要なシステムや技術を向上させるための投資を継続するとしている。
出典:https://ir2.chartnexus.com/century/doc/ar/2020.pdf
マレーシアのFGV子会社、ハラルロジスティクス認証取得〜陸運業界動向〜
FGVホールディングスの子会社であるFGVトランスポート・サービシーズは、ジョホール州で稼働している76台のタンクローリーがマレーシア・イスラーム開発局からハラル物流認証を取得したことを発表した。認証には、粗パーム油、パーム核油、加工パーム油などのパームベースの液体製品の輸送サービスが含まれている。
クアンタン(パハン州)、ポートクラン(セランゴール州)、シャーアラム(セランゴール州)、サハバト(サバ州)の4つの拠点でも、2021年までにハラル物流認証取得に着手する計画。
さらに、同社は日用消費財やその他ハラル製品の輸送の需要に応えるため、2021年早々にハラル物流の認証範囲を拡大する予定としている。
出典:https://www.fgvholdings.com/press_release/fgv-transport-receives-jakim-halal-logistics-certification/?pagen=1
マレーシアの日本通運が医薬品輸送でGDP認証取得〜陸運業界動向〜
日本通運のマレーシア法人である日本通運マレーシアは、クアラルンプール国際空港(KLIA)支店において、マレーシア国内の医薬品輸送を適正に流通させるための品質基準であるGDP(実践流通規範)認証を取得したことを発表した。
同社は国内の病院から医薬品物流サービスを受託しており、また、クラン物流センターとKLIA支店では医療機器物流の品質基準に適合したGDPMD認証を取得することで、医療機器の取り扱いを強化している。
さらに、同社は高度化・多様化する医薬品輸送ニーズに対応するためサービスの充実化を図るとともに、グループの事業計画において医薬品業界への取り組みを重点産業と位置づけている。
出典:https://www.nipponexpress.com/press/release/2021/02-Mar-21-1.html
マレーシアのニンジャヴァンのカスタマーサービスが評価される〜陸運業界動向〜
ロジスティクス及び宅配サービスを提供するニンジャヴァンは、ビジネス・メディア・インターナショナルの2020年ベストカスタマーエクスペリエンスアワードを受賞したことを発表した。
同社のカスタマーサービス責任者は、透明性とアクセシビリティは最優先事項であり、人的・技術的リソースへの投資によってより良い仕事ができるようになり、2019年は問い合わせが3倍になったものの、顧客満足度は30%向上したとしている。
また、同社のアジム・ハリム最高経営責任者は、2020年には移動規制命令以降にチームを3倍近く増やして雇用を創出し、同時にAIを搭載したソーシャルメッセージングシステムであるニンジャチャットを立ち上げたことを示した。
出典:https://media.ninjavan.co/my/2020/12/23/ninja-van-malaysia-conferred-best-customer-experience-award/
2020年 マレーシアの陸運(運輸・物流)業界
事業再生で効率向上!マレーシアのコンテナナショナル〜陸運業界動向〜
エネルギーや港湾・輸送などを手掛けるMMCコーポレーション傘下で陸上輸送を手掛けるコンテナナショナルは、港湾と顧客間の物流ネットワークを提供しており、特にハラール物流に強みを持つ。
2019年度、同社は全国規模の物流業務を縮小し、特殊輸送、貨物輸送、倉庫保管といった高収益事業を拡大してきた。これにより、同社と子会社のコンテナナショナルグローバルロジスティックスは業務の効率化を達成した。
現在、同社のトラック隊は2018年度のほぼ半分に縮小されたものの、取扱量は2018年度の85%以上となる約7万TEUを記録した。また、2019年度の収益は前年比で約21%減少したものの、税引き前利益は4,500万リンギットで黒字化した。
出典:https://www.mmc.com.my/MMC%20ANNUAL%20REPORT%202019%20(150620).pdf
POSマレーシア、2020年Q1は減収増益〜陸運業界動向〜
マレーシアで郵便事業を行うPOSマレーシアは、2020年度第1四半期の収益が前年同期比で6.1%減となる5億5,850万リンギットとなった。ただ、純損失は前年同期の1億4,110万リンギットから4,920万リンギットへ縮小した。
グループの宅配便事業では、eコマースやオンライン市場の需要が増え、荷物取扱量は前年同期比で6.7%増加した。郵便事業は2020年2月1日に実施された新郵便料金改定が寄与し、前年同月比で1.0%の増収となった。ただ、2020年3月はCOVID-19の影響で郵便物量が減少した。
今後については、COVID-19関連規制が解除された国が増えることで、取扱量は緩やかなペースで再開すると予想する。2020年4月は中国での事業が再開したことで、取扱量が前月比で84%増加している。
出典:https://www.pos.com.my/media-centre/news/2020/pos-malaysia-recorded-a-lower-net-loss-for-first-quarter-financial-year-2020/
マレーシアで陸運業界大手のCJセンチュリー、2019年度収益は微減
統合ロジスティクスや石油ロジスティクスなどを手掛けるCJセンチュリーは、2019年度の収益が前年比で22.7%増となる4億9,199万リンギットを記録した。ただ、税引き後利益は740万リンギットの損失を計上した。
総資産は、宅配便サービスとクランに完成した倉庫への投資がけん引し、6億1,290万リンギットへ増加した。また、eコマースの普及によって、サービス拠点は2018年比で2倍となる25拠点となった。
今後の見通しについては、COVID-19の影響、中国と米国との間の貿易緊張を懸念事項として挙げている。また、テクノロジーは物流業のあらゆる面に混乱を生じさせており、同社は貨物輸送、受託物流、電子商取引管理などの分野でのIT活用を推進している。
出典:https://ir2.chartnexus.com/century/doc/ar/2019.pdf
マレーシアで陸運業界大手のNEHB、2019年度Q3は前年同期で21%減
1985年に設立され、宅配事業を展開するネーションワイドエクスプレス(NEHB)は、2019年度第3四半期の収益が前年同期比で約21%減となる1,498万リンギットを記録した。税引き前損失は570万リンギットを計上し、前年同期の78万リンギットから大きく拡大した。
2019年第1四半期から第3四半期の累積収益は5,282万リンギットで、これは前年同期比で6.3%の減少となっている。主力の宅配事業についても、前年同期の4,874万リンギットから3.30%減少して4,713万リンギットとなり、全収益の89%を占めた。
今後については、同社にとって厳しい事業環境が続いているとし、経営陣は収益改善に向けて追加売上確保とコスト削減に取り組むとしている。
出典:https://disclosure.bursamalaysia.com/FileAccess/apbursaweb/download?id=208747&name=EA_FR_ATTACHMENTS
2019年、マレーシア国内宅配小包が大幅増〜陸運業界動向〜
マレーシア通信マルチメディア委員会は、2019年の郵便・宅配便業界に関する報告書を発表した。
l l報告書によると、宅配免許取得事業者数は2017年に128事業者を記録したものの、以降は減少傾向にあり、2019年は116事業者であった。ただ、雇用者数は2017年の1万4,300人から2019年には4.5倍となる6万3,700人へ増加。車両数でも特にバイクが大きく増加しており、2017年の3,345台から2019年には1万8,819台と5.6倍になった。
宅配取扱量については、2019年の国際向け小包は810万件で、2016年比で2倍に増加した。さらに、国内向け小包は2019年に1億1,500万件を記録、2016年比で4.9倍と大きく増加した。ただ、郵便事業者による2019年の国内向け小包は94万5,600件で、これは2016年と同水準であった。
出典:https://www.malaysiaairports.com.my/media-centre/news/malaysia-airports-gain-back-momentum-passenger-numbers
2019年 マレーシアの陸運(運輸・物流)業界
陸運業界大手のPOSマレーシア、産業革命計画を発表
2019年4月4日、郵便サービスを手掛けるPOSマレーシアは、電子商取引を使用する消費者向け計画を発表した。まず、バイオメトリクスを備えたスマートデジタルIDにより、デジタル郵便サービスや電子商取引、安全なドキュメント保管などの各種オンラインサービスを提供する。
宅配部門の「POS Laju」は、顧客の付加価値サービスとして運送状の入力と印刷機能を備えたキオスク端末の導入を進める。2019年3月にパイロットプロジェクトを開始。
革新的なスマートロッカーシステム「Pos Laju EziBox」は、クランバレーのガソリンスタンド、ショッピングモール、LRT駅を含む110ヶ所で利用可能であり、2019年には新たに60ヶ所の設置を目指している。
マレーシアで陸運業界大手のGDエクスプレス、レッドカーゴと域内提携
2019年3月29日の発表によると、宅配大手のGDエクスプレス(GDEX)は、エアアジアの貨物及び物流プラットフォームであるレッドカーゴロジスティックスとパートナーシップを締結した。
これにより、GDEXの顧客はエアアジアの広範なネットワークにアクセスすることが可能となる。また、レッドカーゴロジスティックスは、パートナーシップによってラストマイル機能を提供する。
GDEXのテオ最高経営責任者は、「同社の目標はアセアン域内で主要な宅配企業の一つとなることであり、そのためには最高のパートナーを選択することが重要である」と述べ、レッドカーゴロジスティックスと協力できる機会を得たことを誇りに思うとしている。
マレーシアで陸運業界大手のティオンナム・ロジスティクス、その業績とは?
物流大手のティオンナム・ロジスティクスは、2019年度の収益が前年比で8.9%減少となる5億8,987万リンギットであると発表した。また、税引き前利益は前年比で79%減少となる1,074万リンギットを記録した。
同社の中核事業であるロジスティクスと倉庫サービス部門は、国内及び域内の販売量増加と新規顧客の獲得によって力強い業績を達成した。これにより、同部門の税引き前利益は黒字に転じた。一方で、不動産開発部門は前年にジョホールでのプロジェクトが完了したことを受け、寄与率が低かった。
今後の見通しについては、東南アジアの主要市場で貿易と経済が好調であることから、長期的には堅調な成長を見込んでいる。
マレーシアのタスコ、今年度の陸路輸送部門の収益低調〜陸運業界動向〜
2019年7月24日、郵船ロジスティクスの子会社であるタスコは、2019年度の収益が前年比3.7%増となる7億3,680万リンギットを記録したと発表。ただ、税引き前利益は前年比でマイナス56%となる1,834万リンギットであった。
国内と越境の陸路輸送部門は、全収益の11%となる8,130万リンギット(前年比でマイナス6.0%)と低調であった。収益減少は、E&Eの顧客向けタイ越境配送の休止に加え、F&B及び自動車の国内輸送減少が影響した。
2020年度に向けては、従来の事業において貨物輸送における激しい競争が予想されているが、高レベルの顧客サービスと革新的な物流ソリューションを提供し、マレーシアの大手物流会社の1つとしての地位を固めるとしている。
2018年 マレーシアの陸運(運輸・物流)業界
ニチレイロジグループ、マレーシアの低温物流事業に参入〜陸運業界動向〜
食品物流大手のニチレイロジグループは、マレーシア国内で低温物流事業を手掛けるコールド・チェーン・ネットワーク社 (CNN社) へ出資し、マレーシア国内の低温物流事業に参入することを発表した。CNN社は国内第3位の低温物流事業会社であり、ハラール物流に強みを持っている。
同社は、政府系ファンド会社カザナ・ナショナルの100%子会社であるアグリフード・リソーシーズ・ホールディング社からCNN社の発行済株式40%を取得し、6月より新会社を設立して低温物流事業を展開する。
ニチレイロジグループは、マレーシア国内で低温貨物の保管需要が拡大していること、そして日本で培った物流ノウハウを活用できると判断し、マレーシア進出を決定した。
陸運業界大手のDHLマレーシア、イスカンダルにグローバル・センターを建設
国際物流大手の独DHLエクスプレスは、ジョホール州のイスカンダルにグローバル・センター・オブ・エクセレンス (GCOE) を設立すると発表した。イスカンダルGCOEの稼働は、2018年第2四半期に予定されている。
同社の GCOE はサプライ・チェーン・コンサルティング・サービスを提供し、自動車やエネルギー、エンジニアリング・製造、ライフ・サイエンス、ヘルスケア、テクノロジーといったイスカンダルの主力産業に特化した物流ソリューションの設計を支援する。
また、GCOE はイスカンダル計画の主要ステークホルダーと企業をつなぐ役割を果たし、アジアそして世界のサプライ・チェーン・ハブとしてのビジョンを支援する。
陸運業界大手のUPSマレーシア、国際配送サービスを強化
国際物流大手のUPSは、マレー半島43都市以上に及ぶサービス増強とアクセス・ポイントの70%強化をアナウンスした。これにより、荷主はマレーシア国内180ヶ所のアクセス・ポイントからUPSの国際配送ソリューションへアクセスすることが可能となった。
また、マラッカから欧州とアジア太平洋地域、そしてクアンタンから米国・欧州とアジア太平洋地域への輸出期間を最長1日に短縮。輸入に関しても、米国・欧州とアジア太平洋地域からクラン・バレー、クアラルンプール南部およびマラッカへは最長1日に短縮される。
このマレーシアにおけるサービス強化は、グローバル市場への企業の容易なアクセスと海外展開を後押しすることになる。
日野MSマレーシア、主力トラック300台をGDエクスプレスへ納入〜陸運業界動向〜
日野モータース・セールス・マレーシアは、マレーシア国内宅配大手のGDエクスプレス社へ同社のトラック『HINO 300シリーズ』300台を納車する式典を開催した。
同社は、2017年にもGDエクスプレス社から同じ車種を200台受注している。GDエクスプレス社が所有する日野車両は578台となっており、これは全車両の60%を占めている。
2017年には国内の電子商取引が大きく拡大したことから、GDエクスプレス社は営業規増強のため16拠点を拡張。デジタル経済の着実な成長によってマレーシア国内の物流需要増加が見込まれており、両社は新たな競争を生き残るために良好な関係を維持したいとしている
まとめ:マレーシアの陸運業界
海外市場で競争していくためにはアクセスの利便性とネットワークの拡大が重要な基盤になってきます。電子商取引の拡大によって国内物流市場は今後どのように変革していくのでしょうか?
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。