政府が学校教育に充てる国家予算は周辺諸国中ベトナムに次いで2番目に多く、近年、学習塾・予備校に子供を通わせる保護者が増加しています。学習塾業界では、対面型とオンライン型を組み合わせたハイブリット型学習が浸透してきています。競争が激化するマレーシアの教育業界は、どう変化していくのでしょうか?
今回は、そんなマレーシアの幼児教育・学習塾業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 マレーシアの幼児教育・学習塾(教育)業界
デジタル学習のeKelasの成長〜幼児教育・学習塾業界動向〜
通信事業者のマキシス社は、現在、65,000人以上の学生がeKelasポータルを利用していることを発表した。eKelasは、2019年に教育省より高没入型プログラムに認定されたことで認知度が高まり、同社は1,200校へ学生がプログラムに参加して恩恵を受けるよう働きかけてきた。
eKelasは放課後のデジタル学習プログラムとして、マレーシアの学校カリキュラムに沿った質の高い教育コンテンツにアクセスできるようにしている。科学、数学、英語に焦点を当てた学生は、ポータルやアプリを介したライブチュートリアル、グループ学習、コンテスト、デジタルコンテンツの組み合わせにより、体験的な学習を行うことができる。
また、eKelasの人気プログラム「栄誉賞」が復活した。これは、学校の成績が向上した学生に報奨を与えることで、学業上の目標達成に向けたモチベーションを高めるものとなっている。
出典:https://www.maxis.com.my/en/about-maxis/newsroom/2022/september/maxis-ekelas-continues-to-provide-opportunities-to-improve-academic-performance/
デジのオンライン授業調査結果〜幼児教育・学習塾業界動向〜
通信事業者のデジ・コミュニケーションズ社は、2021年11月に実施した「コロナ禍でのオンラインの子供たちの生活」と題した調査を実施した。調査によると、71%の子供たちがパンデミック以降、オンラインで過ごす時間が長くなったと回答し、オンライン授業に対するネガティブな感情がポジティブな感情を上回ったことが明らかになった。
同社では、2020年初めにデジタル学習イニシアチブ「フューチャー・スキル・フォー・オール(FS4A)」を導入、マレーシアでハイブリッド学習の採用を加速することを支援した。現在までに、FS4Aには初等学校高学年と中等学校の生徒とその教師からなる3万5,000人近くの利用者が参加している。
FS4Aは、学習プラットフォームへ新しいロボティクスモジュールを含める機能拡張を計画しており、その一つにろう者の生徒がコーディングの学習にアクセスできるようにしている。
出典:https://corporate.digi.com.my/media/empowering-educators-of-tomorrow-today
Yelaoshrの早期学習センター〜幼児教育・学習塾業界動向〜
マレーシア国内60ヵ所で学習塾を展開するYelaoshrのインタラクティブ教育プログラムは、清潔で安全な環境の中で、子供たちの脳を刺激し、楽しく学問的な内容を学びながら、ドラマチックなシナリオを実行するよう促している。
同学習塾では、毎週新しいパズル、積み木、興味を引く本、コンピューターの基礎的な指導でテクノロジーに触れるなど、子供たちにさまざまな学習機会を提供している。注意欠如・多動症(ADHD)や特別なニーズを持つ子供たちへは、心地よい枕やマット、くねくね動く椅子、さらにはセラピーボールを備えた昼寝・ラウンジエリアも備えている。
また、バーチャルリアリティーベースのコンテンツプロジェクターや、人形、衣装、アクセサリーを用いて子供たちの想像力を膨らませる教育を行っている。
出典:https://yelaoshr.edu.my/early-learning-center-malaysia
ヤヤサンがSPM受験生支援〜幼児教育・学習塾業界動向〜
2021年にマレーシア高等教育省を通じてマレーシア政府が所有する組織として設立された学生ボランティア財団(YSS)は、2022年11月3日から4日にルンプン・バジャウ・サマ・サバ文化センターで「SPM(マレーシア教育修了証明試験)Aスコア・ワークショップ」と「コホート2学生育成及び開発プログラム」を開催、SMKバディン校の合計300人のSPM受験生が参加した。
本ワークショップは、マレー語と英語、数学、歴史、科学を含む5つの主要科目に焦点を当て、イスラム教教育も含めて中等学校5年生の生徒がSPMに向けてモチベーションを高め、最初の準備をするためのプラットフォームとしている。
本イニシアチブは、今年SPMを受験する生徒を支援する取り組みの一環として、サバ州教育局とトゥアラン地区教育局にも歓迎されている。
出典:https://sukarelawansiswa.my/300-pelajar-calon-spm-smk-badin-dapat-manfaat-bengkel-skor-a-spm-ndp-yss/
エアアジアアカデミーがYCKとコラボへ〜幼児教育・学習塾業界動向〜
エアアジアグループ傘下にあり、手頃な価格で質の高い教育をすべての人に提供することを目指すエアアジアアカデミーは、eラーニング・プラットフォームを提供するジョム・トゥーィションの包括的サービスを活用することで、十分なサービスを受けていないグループの特定のニーズを満たすため、非政府組織であるヤヤサン・チョウキット(YCK)とのコラボレーションを模索していることを発表した。
クアラルンプールのチルドレンズ・アクティビティ・センターで行われたコミュニティ支援プログラムでは、YCKの教育者の指導の下で、10歳から20歳までの50人以上の学習者が楽しめるエアアジアアカデミーのオンデマンド学習のプラットフォームをデモンストレーションで紹介した。
出典:https://newsroom.airasia.com/news/2022/9/9/airasia-academy-amp-jom-tuisyen-opening-doors-to-a-brighter-future-for-the-children-of-yayasan-chow-kit
2021年 マレーシアの幼児教育・学習塾(教育)業界
マレーシアのVschool学習プログラムが就学前に対応〜幼児教育・学習塾業界動向〜
初等及び中等校の生徒を対象としたオンライン教育プラットフォームを提供するVKトレンドエドゥケーションは、同社のVschoolトレンド学習プログラムの6歳を対象とした就学前シラバスをオンラインで提供することを発表した。
対象科目には、マレー語と英語、中国語、理科、数学が含まれており、小学1年の基礎を築く。理科と数学は3ヶ国語で提供される。本プログラムでは、5日間の無料トライアルも利用可能となっている。
Vschoolトレンド学習プログラムは、オンライン又はオフラインを通じてUPSR、PT3、SPMに対応した最新のシラバスで構成されており、インタラクティブな学習ができるよう設計されている。
出典:https://www.learnonline.my/blogs/vschool-trend-learning-program-blog/breaking-news-pre-school-vschool-trend-learning-program-available-now
マレーシアのeKelasがSPM受験者を支援〜幼児教育・学習塾業界動向〜
大手通信事業者のマキシスが提供する『eKelas』は、2021年2月6日~7日にかけてYouTubeライブで特別試験クリニックを開催したことを発表した。
これは、2020年のSPM受験生向けに数学と理科、英語試験準備を支援するためのものであり、全国から300人の学生が参加した。1回4時間のセッションでは、インタラクティブな授業や模擬試験が提供された。ライブセッションに参加できなかった生徒はYouTubeチャンネルで再視聴し、eKelasポータルで教師から提供されたメモにアクセスできる。
遠隔地に住む何人かの学生は、マキシスが農村部に住む学生向けにインターネットアクセスとコンピューターを設置した『プサットインターネット』を利用して参加することができた。
出典:https://www.maxis.com.my/en/about-maxis/newsroom/2021/february/300-students-tuned-in-to-hebatdalamexam-spm-clinic-via-youtube-live-for-final-revisions-and-study-tips/
マレーシアのデジがオンライン教育をサポート〜幼児教育・学習塾業界動向〜
大手通信事業者のデジ・テレコミュニケーションズは、ハリラヤ休暇から2週間後に全国の学校が家庭教育・学習に戻る中、生徒のオンライン授業促進を支援・強化する『学生特別データパッケージ(Pakej Data Khas Pelajar)』を発表した。
このパッケージは12~14歳のマレーシアのすべての生徒を対象としており、20リンギットでデータ容量15GBの高速通信を30日間使用することができる。
また、同社では生徒向けに追加のeラーニングリソースを提供している。『JomTuisyen』では、月々10リンギットで必須科目と選択科目を含む1万以上のビデオレッスンを利用することができる。6歳以下については、週2リンギットでインタラクティブな算数学習を提供している。
出典:https://www.digi.com.my/about-us/media/press-releases/en/digi-introduces-pakej-data-khas-pelajar-support-online-schooling
マレーシアのセルコムが推奨するオンライン家庭教育〜幼児教育・学習塾業界動向〜
大手通信事業者のセルコム・アクシアタは、新型コロナによって移動制限(MCO 2.0)が敷かれている中、クアラルンプールとセランゴールで利用できるオンライン家庭教師を紹介した。
紹介されたのはTeachme.com.myとErichhometuition.com、チャンピオン・チューター ・ホーム・チュイション 、My Private Tutor.my、チュイション・オン・ザ・ゴーとなっている。
Teachme.com.myでは独自のインタラクティブ・クラスルーム・インターフェースを利用することで、対面式セッションのような交流を可能としている。Erichhometuition.comは、Zoomを介することで地理的な障壁や距離を克服しており、就学前、UPSR、PT3、SPM、STPM、IGCSEのオンライン授業サービスを提供している。
出典:https://www.celcom.com.my/blog/lifestyle-technology/2021/online-tuition-malaysia-home-tuition-in-kl-and-selangor-for-a-head-start-during-mco-2.0
マレーシアの自宅学習向け高品質デジタルコンテンツ提供〜幼児教育・学習塾業界動向〜
児童向けの書籍・補助教材の販売を行うサスバディ・ホールディングスは、ファーウェイ・テクノロジーズ及びクラウドソリューションを提供するTMワンと共に『i-LEARN Ace SPM CSRプログラム』と題したCSR活動を正式に開始したことを発表した。
これは、COVID-19で生徒が自宅学習を余儀なくされている中、生徒が遠隔学習できるようSPM受験生向けに高品質デジタルコンテンツを提供するものとなっている。本プログラムは2020年12月1日に登録が開始され、2週間で2万人以上の生徒が登録している。
サスバディのラウ・キング・フイ社長は、教育は生まれながらの権利であり、生徒がSPMで良い結果を出せるように支援することが社会的責任であると述べた。
出典:https://www.huawei.com/my/news/my/2021/i-learn-ace-csr-programme-to-assist-spm-2020-candidates-goes-live
2020年 マレーシアの幼児教育・学習塾(教育)業界
マレーシアで幼児教育・学習塾業界PTTIグループがオンライン授業へシフト
高校生の生徒に理系の授業とセミナーを提供するPTTIグループは、2028年までに200万人の生徒を抱え、教育界のネットフリックスになるという目標を持っている。
2015年の設立から3年、同社はマレーシア教育修了証明試験の準備をしている生徒が、バーチャルで授業やセミナーへ参加することを目指していた。そして、コロナによる活動制限期間は、同社のオンライン教育を強化することになった。同社の対面式クラスの生徒数は600人から500人へ減少したが、バーチャルクラスに登録する生徒数は大幅に増加した。
また、同社が活動制限令及び条件付き活動制限令の期間中に行ったオンラインセミナーには、21,000人以上が参加した。
出典:https://www.smecorp.gov.my/index.php/en/resources/2015-12-21-10-55-22/news/4152-online-tuition-firm-racks-up-hits
マレーシアの通信各社がコロナ禍での学習支援〜幼児教育・学習塾業界動向〜
通信事業者のセルコム、デジ、マキシス、Uモバイル、YTL、テレコムマレーシアは、ユニファイを通じた無料インターネットサービスにより、コロナ禍における国民の仕事と学習を支援すると発表した。これは、政府が発表した短期経済回復計画の一部を担っている。
セルコム、デジ、マキシス、Uモバイル、テレコムマレーシアは、2020年6月1日から12月31日まで、毎日1GBのインターネットを無料で提供する。また、YTLは40GBのデータ通信と無料SIMカードで構成されるラーンフロームホームイニシアチブを展開する。
また、YTLはTeach For Malaysiaとマレーシア国民大学で共同作成した無料のオンライン教育コンテンツの提供を続ける。
出典:https://www.digi.com.my/about-us/media/press-releases/en/telecommunications-operators-announce-new-free-internet-access
マレーシアのマキシス、eKelasでUKMと協力〜幼児教育・学習塾業界動向〜
通信大手のマキシスは、農村コミュニティの子供たちの学業成績向上を目的としたデジタル学習イニシアチブである『eKelas』において、マレーシア国民大学(UKM)教育学部と連携し、eKelasポータルのコンテンツの充実を図った。また、同社は魅力的で楽しいコンテンツ作成のため、最近では120名近くのUKM大学院生との仮想説明会も開催している。
本コラボレーションがもたらしたのは、学習コンテンツを利用する子供たちの嗜好や行動を洞察することであり、UKMの学生も、将来教師となるためのトレーニングに付加価値が与えられた。
また、デジタル学習がますます主流になりつつある今、マキシスがeKelasでコミュニティに還元することは非常に有意義であるとしている。
出典:https://www.maxis.com.my/about-maxis/newsroom/2020/august/ekelas-with-cikgucikguukm-part-2-creating-fun-and-interactive-content-from-home/
マレーシアのVスクールトレンド、フリーランスの参加促進〜幼児教育・学習塾業界動向〜
初等及び中等校の生徒を対象としたオンライン教育プラットフォームを提供するVKトレンドエドゥケーションは、フリーランスにVスクールトレンドのパートナープログラムへの参加を促している。
lVスクールトレンドは、国民学校に通う子供向けのユニークな学習プラットフォームで、UPSRやPT3、SPMの最新の講義要領に従った学習を提供している。
Vスクールパートナープログラムでは、子供の学習を支援したい親、学校の教師や家庭教師、不動産や保険などの販売経験者、フリーランサー、経験はないが新しいスキルを学びたい人を対象としている。同社は研修やサポートを提供することで、経験は不要としている。
出典:https://www.learnonline.my/blogs/vschool-trend-learning-program-blog/how-to-start-your-vkids-trend-business-and-earn-with-vschool-trend-learning-program
マレーシアでも知られるアイ・レベル文学賞、2020年はオンラインで〜幼児教育・学習塾業界動向〜
アイ・レベルは韓国発の補習教育プログラムで、現在は世界20ヵ国で200万人以上の子供たちが学習している。3歳~15歳までを対象とし、数学と英語学習を提供している。
同学習塾は、20年以上前から毎年、『アイ・レベル文学賞』を開催し、新しいタイプの作家や文学的才能を発掘してきた。コンテストは毎年夏に開催され、受賞者は授賞式に出席するため韓国に招待され、ソウル市を観光できる。アイ・レベル以外からの参加も可能となっている。
2020年のコンテストは参加者の安全を考慮し、自宅での開催が決定された。4~9歳はイラスト入りライティングカテゴリー、10歳~15歳はライティングカテゴリーとなる。
出典:https://www.myeyelevel.com/Global/resources/news/view.do?boardSeq=1299&type=&subject=
2019年 マレーシアの幼児教育・学習塾(教育)業界
220校超を目指す、公文マレーシアの2020年拡大戦略〜幼児教育・学習塾業界動向〜
2019年2月25日、マレーシア国内で数学と英語学習プログラムを提供する公文マレーシアは、拡大戦略として新規に20の学習塾を開校し、2020年までに国内220校超の体制とすることを発表した。
2018年末には、セランゴール州でセティア・エコヒルとスバン・ベスタリ、ベナン州のバンダー・タシック・ムティアラ、ジョホール州のタマン・ペランギで新規に開校し、2019年第1四半期にはサラワク州ビンツルとクアラルンプールのブキット・ジャリルに開校する。
公文はフランチャイズビジネスモデルで運営されており、マレーシア全土の学生に手を差し伸べ、ホリスティックな学習を促進する理念を持っている。これまでに、3万3,000人以上の学生が公文を利用してきた。
場所を選ばない新サービス、マレーシアのマキシスが提供〜幼児教育・学習塾業界動向〜
大手通信事業者のマキシスが提供する『eKelas』は、放課後のデジタル学習イニシアチブとして都市部と地方部の生徒の学業向上を目標に開始された。学校の授業内容に合致したライブチュートリアル、グループ学習、インタラクティブなデジタルコンテンツを利用できる。
eKelasのほとんどの教師は若く、様々な業界のバックグラウンドを持っている。各々の教師が科学や数学、英語を最も創造的で興味深い方法で教えられるよう工夫を凝らしている。
また、同サービスはロケーションの障壁を超え、教師と高品質のコンテンツをあらゆる生徒に直接提供でき、政府が地方のデジタル格差縮小のために整備したプーサット・インターネットでも接続できる。
マレーシアで幼児教育・学習塾業界牽引のアイレベル、無料トライアルとは?
韓国をベースとするアイレベルは、世界18ヵ国200万人以上の学生に補助教育プログラムを提供している。3~15歳の子供を対象として数学と英語教育を行っている。
同学習塾は、マレーシア国内で2019年3月23日から4月30日の期間中、数学と英語のトライアルプログラムを無料で提供すると発表した。また、このプロモーション期間中に登録すると、50リンギット相当の登録料が無料となり、通塾バッグがもらえる。
塾では、無料診断テストによって子供の学習能力を評価し、適切なレベルから授業を開始する。個人のレベルに応じた必要な基礎スキルを取得することで、学校生活でより良い成績を収めることが可能となる。
貧困世帯に授業ミッションを提供、マレーシアで幼児教育・学習塾業界大手のYSS
ヤヤサン・スカレラワン・シスワ(YSS)は、2012年に設立された教育省管轄の団体であり、学生ボランティアにて運営されている。『国境を越えて人々の心とマインド、魂を勝ち取る』をキャッチコピーとして掲げている。
2019年6月17日の発表によると、YSSは、SMKレンバ・スバンの学生130人が、所得下位40%(B40)向けPT3及びSPM授業ミッションの恩恵を受けると発表した。これは、教育大臣の意向で実現したものであり、 住宅・地方政府省も支援を行っている。
2019年は、学生の要望に応じて英語とマレー語、歴史、科学、数学の科目に焦点が当てられる。授業ミッションは2019年6月17日から9月までの毎週月曜日、水曜日、金曜日の午後3時から午後5時まで開催される。
2018年 マレーシアの幼児教育・学習塾(教育)業界
幼児教育・学習塾業界大手のKUMONマレーシア、2017年に5つの塾を開設
公文式を提唱する日系大手学習塾KUMONマレーシアは、1997年にクアラルンプールに設立され、現在12の州で事業を展開している。参入当初は日本人子弟をメインターゲットとして学校外教育サービスを提供していたが、以来マレーシア各地にネットワークを広げ、2018年現在は算数、英語、鉛筆スキルの3つの学習プログラムをマレーシア人学生へ指導している。
KUMONマレーシアは、2017年にマレーシア国内に5つの塾を新たに開設したことを発表した。開設したのは、セランゴール州のアラム・インピアン地区とデナイ・アラーム地区、そしてジョホール州のタマン・ブキット・インダ地区とヨン・ペン地区、パンター・ダトー・オン地区となっている。
マレーシアの教育現場では近年、国際社会における競争力強化のためカリキュラムの標準化が積極的に採用されており、KUMONが提供するグローバル・スタンダードな学習教材も各地域で人気を集める要因のひとつだ。
マレーシアのMyCC、競争法侵害の塾・託児所へ是正提案〜幼児教育・学習塾業界動向〜
2018年2月8日の発表によると、マレーシア競争委員会(Malaysia Competition Commission; MyCC)は、SS19スバンジャヤ地区において7ヵ所の塾・託児所が2010年競争法セクション4を侵害していることを指摘した。また、同委員会が料金是正勧告を促したことで、料金の適正化に向けての同意書は2017年5月をもって締結され当事者によって通知が発行された。
委員会はガイドラインの関連規定を考慮した上で、7ヵ所の塾・託児所に対して違反期間中の罰金としておよそ3.3万MYR(約88.7万円)の罰金を課す提案をした。ただし、罰金は全売上高の10%を超えないものとする。暫定決定は当事者が価格吊り上げを直ちに停止することを要求し、提案決定から1ヵ月以内に委員会が提示するeラーニングコースに登録することを要求している。
マレーシア政府が学校教育に充てる国家予算はASEANの中でもベトナムに次いで2番目に多く、学習塾・予備校に子供を通わせる保護者が増加しているだけに、同業界に対しては慎重な姿勢が求められている。
全国共通試験にフォーカス、マレーシアのAiチューイションセンター〜幼児教育・学習塾業界動向〜
Aiチューイションセンターは、2014年にクアラルンプールで業務を開始した私立学習塾で、2018年7月現在講師22名で約400人の生徒を指導している。マレー語や英語、歴史、数学、生物学、化学、物理学など全国共通試験のSTP及びSTPMで必要とされる教科を教えている。
SPMからSTPMレベルへの移行は非常に難関であることが知られている。Aiチューイションセンターは独自のプログラムと充実したカリキュラムを通して、同塾で学ぶ学生が円滑にSTPMへ移行することができるようサポートを行っている。また、同塾が提供するカリキュラムはSTPM試験でより高いCGPA (成績ポイントの累加平均)を得られるよう設計されており、すべての生徒の進歩が当センターによって管理されることで漸進的な学習曲線を維持できる仕組みが整備されている。
STPMの通過者は海外留学等の教育機会がより多く得られることから、多様化する高等教育の現場では同試験の出題傾向に沿った指導法に対するニーズ拡大が加速化しつつある。
マレーシアで幼児教育・学習塾業界牽引のYelaoShr、1ヵ月の期間で学習センター立ち上げ
YelaoShrは、国内59ヶ所で事業を展開する学習センターで、生徒と先生1対1の授業形式を導入している。中国語とマレー語、英語の語学教育サービスを提供しており、基礎的な言語学習能力を身につけはじめる幼児期の子どもたちをメインターゲットとしてマレーシア各地で事業を展開する。
7月15日、同学習塾はクランバレーのブキット・ラジャに学習センターを開設した。特筆すべき点は、学習センター等の教育施設の設立にあたって通常6ヵ月から1年の準備期間を要するが、事業主であるペギー氏は前月である6月1日に教育指導法のトレーニングを受講し、1ヵ月という短期間で開設を達成していること。
ペギー氏は、YelaoShrは他の塾とは異なり、子供が単語や発音を素早く学べるユニークな方法を提供していると述べている。また、同学習塾が提供する研修期間中には個別の技能や特技に合わせて指導するテクニックを学べるなど、ひとりひとりの子どもたちの才能を引き出す授業法を強みとして挙げている。
まとめ:マレーシアの幼児教育・学習塾業界
国際的にも高い就学率を誇るマレーシアでは、学習塾の需要は今後も中長期的に向上していくと考えられています。このような環境の中で、学習塾・予備校業界は今後も多くのビジネスチャンスを見つけられるのではないでしょうか。
クアラルンプール在住4年目の日本人。大学卒業後、東京で飲料メーカーの営業を担当。その後、マレーシアのクアラルンプールへ移住し食品商社の営業及び購買のサポートを担当。