急激な人口増大で、急速な発展を見せた中国の保育業界。しかし、現在、同国では少子化が進み、逆に園児不足が起きています。保育事業者は、サービスの上質化を行い、競争が激化してきています。今後の中国の保育業界の動向はいかに?
今回は、そんな中国の保育業界に焦点を当て、最新の業界情報をお届けしていきます!
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2022年 中国の保育(教育)業界
Eton kids、社名変更と新たな戦略を発表〜保育業界動向〜
2022年9月8日、Etonkids International Education Groupは、20周年を機に正式にEtonkids Education Groupに社名を変更すると発表した。
複数の事業戦略の下、Eton Kidsは国の政策ガイドラインに厳密に従いながら家族の科学的育児と幼児ケア産業、職業教育産業の3つの主要分野に焦点を当て、より多くの家族が子育てサービスを享受できることを目標とする。
Eaton Kidsは、20年間多くの家庭に質の高い教育を提供する一方で、公益事業にも積極的に関与し「Good Education Fund」を設立した。中国のすべての家庭が科学的な子育てによって力を得ることができるよう、今後も「愛をもって教育し、知恵で未来を明るくすること」を続けることを誓った。
出典:https://www.etonkids.com/content/details33_8597.html
baby care重慶の保育サービスモデル機関に選ばれる〜保育業界動向〜
2022年4月22日の発表によると「国務院弁公庁の3歳未満の幼児ケアサービスの開発の促進に関する指導意見」を実施するために市衛生健康委員会は、重慶の保育サービスのモデル機関を選定し、baby careがその一つに選ばれた。
baby careは、インタラクティブな早期教育コースと経験豊かなプロ教師を通じて、安全で清潔な教育環境のもと、子どもがコミュニケーションを学び、自信を育むことを支援している。
劉園長は「センター設立以来長年にわたる保護者のサポートと理解に非常に感謝している。私たちは引き続き教育とサービスの質を第一に考え、より多くの子供たちが専門的な早期教育を受けられるように尽力したい」と述べた。
出典:http://www.babycare.cn/article/14/1239.html
質の高い保育カリキュラムについて議論〜保育業界動向〜
2022年12が19日の発表によると、北京で開かれた「2022年中国高等師範学校保育園開発サミットフォーラム」では「質の高い保育カリキュラムが乳幼児の早期発達を促進する」をテーマに、専門家、学者、第一線の教育研究者が集まった。保育カリキュラムの構築、開発、実践における経験と知識を共有し、保育業界の未来について議論がなされた。
WHOは育成ケアの5つの要素として「健康、栄養、安全、レスポンシブケア、早期学習の機会」を定義している。
現在のレスポンシブ・ケアは、必要とする側(乳幼児)と与える側(養育者)の間に安定した信頼できるつながりを確立できるかどうかにかかっており、専門的な研究を通じて多くの知識を蓄える必要がある。
出典:http://www.rybbaby.com/detail/ryb/92750.html
Golden Cradle、保育園と幼稚園への研修実施〜保育業界動向〜
2023年2月2日のGolden Cradleの記事によると、保育政策の充実や少子化、園児不足を受け、幼稚園は総合保育育成制度の導入により、状況を打破しようとしている。北京で開催された保育特別研修では、金のゆりかご協同園の育成を目指し、理論的基礎と実践力を高めることが重要であることが強調された。
Weichuang Children‘s Growth Platformの担当者は、チーム構築と教師トレーニングにおいて、職務設定と責任を明確化し、保育士の育成方法を解説した。
幼稚園の立ち上げ段階では、「7段階の推進計画」が強調され、クラスのオリエンテーションミーティングを開始することで、プロジェクトの実施に自信を持つことができる。また他の担当者は保育士が0歳から3歳の乳幼児の発達特性を理解し、教育方法を熟知することが重要であると述べた。これにより、育児と育児を効果的に統合し、教育ケアの質を改善することができる。
出典:http://www.mamababy.com/index.php?c=show&id=3957
Victoria Kindergarten の分校が開校〜保育業界動向〜
ビクトリア教育機関の新たな分校、シーラブスクールが2022年8月に開校した。優れた伝統を継承し、園児の小学校入学前教育と準備に重点を置く。質の高いバイリテラシーとトライリンガルのコースを提供することから保護者から好評を博している。
学齢人口が減少し、多くの私立幼稚園が閉鎖する中で、VictoriaKindergartenは逆に生徒数を増やしている。新たに開校したシーラブスクールも初年度からすべてのクラスが満席となっている。
胡校長は「親たちは自分の子供にどのような教育を受けさせるべきなのか、明確な計画を持っている。我々はこれまでの伝統を継承しながら、子供たちにとって楽しく成長できる環境を整えることを第一任務とし、これからも教育理念の核心に努める」と述べた。
出典:https://www.victoria.edu.hk/sc/victoria-news-events-details-11741.php
2021年 中国の保育(教育)業界
中国の东方爱婴、ビジネスモデルを転換〜保育業界動向〜
1998年に設立し、0〜3歳の幼児を対象とした幼児教育に特化しており、早期教育のブランドとして歴史をもつ东方爱婴は4.0段階へのビジネスモデル転換を開始した。
4.0段階のビジネスモデルとは、「運営システム」「カリキュラム体系」「システム」「ユーザーのライフサイクル」を強化したものである。
製品、システムなどの面で爱婴学院、爱婴宝宝、爱婴课堂、爱婴智店を通じて加盟店にアップグレードサービスを提供することとした。同社は将来、IP(コンテンツ、技術、サービスなど)のアウトプットを中心とした早期幼児教育保育サービス機関になることを目指している。
出典:http://www.babycare.cn/article/14/1207.html
中国の人口増加政策に伴う保育サービスの充実化〜保育業界動向〜
国務院の発表によると、出産政策を最適化し、夫婦1組につき子供3人を出産できる政策を実施するとのこと。
また、社会的養育費などの制約措置を廃止し、関連処罰規定を廃止する。積極的な出産支援措置(以下、三児出産政策の実施と支援措置)をセットで実施し始めた。
現在の中国では学歴を重視する傾向が未だ強く、競争がより激化しており、一人の子供にかける経済的負担が大きいため二児三児の出産には比較的消極的な印象を受ける。人口増加のためには、今後の政府からの各方面の支援がより重要なポイントとなると考えられる。
出典:http://www.gov.cn/xinwen/2021-07/20/content_5626190.htm
中国における保育サービスの今後の展望〜保育業界動向〜
2008年に設立し、欧米の幼児教育の方法や価値観を取り入れたサービスが特徴である运动宝贝は、保育サービスの今後の展望を発表した。
国家発展改革委員会、民政部、国家衛健委員会の3部門は合同で「第14次五カ年における人口高齢化プロジェクトと保育園建設の実施案に積極的に対応する」といった文書を発行した。
文書によると、2025年までに中央と地方の共同努力のもと、弱点の補強、質の向上を堅持し、養老・保育サービスのインフラ条件をさらに改善していく。また、施設の規格化・標準化建設を推進し、普遍的なサービスの供給を増やし、養老・保育サービスの水準を向上させることを決定した。
出典:https://www.gymbaby.cn/13/Newsdata6266.html
中国内の養老・保育サービスの発展促進にむけた計画〜保育業界動向〜
人口の高齢化に積極的に対応し、広西養老・保育サービス能力の質的拡大と地域均衡の配置を推進するため、自治区政府弁公庁はこのほど、「広西養老・保育サービスの健康な発展を促進するための3年間の行動案(2021—2023年)」を公布した。
これは2023年までに養老保育サービスをさらに改善するという明確な目標をうちだしたものである。
方案によると、2023年末までに、全地区の都市と農村の養老・保育サービスが統合的に推進される。コミュニティの養老・保育機構の専門化レベルが着実に向上し、養老・保育用品製造業が急速に発展すると見込まれている。
出典:https://www.chyxx.com/difang/202107/965296.html
中国でアジア幼教育年次大会が開催〜保育業界動向〜
1998年に設立し、0〜6歳の統合型早期教育モデルの先駆者となり、主要な教育ブランドになっている红黄蓝は、アジア幼教育年次大会を開催した。
この大会では、「新時代、未来を育てる」をテーマに、多くの業界の専門家、ベテランの従事者が参加した。红黄蓝教育機構副総裁は5G時代の情報多元的である現代において、獲得感、幸福感、安全感を持たせ、業界全体の伝播力、誘導力、影響力、公信力を高めることが重要だとした。
今後は95年生まれの保護者の保育観念の養成のために、どのように政策の支持、技術のサポートを活かしていくかが鍵となる。
出典:http://www.rybbaby.com/detail/ryb/9338.html
2020年 中国の保育(教育)業界
中国で幼児教育のリーディングカンパニーの取り組み〜保育業界動向〜
欧米の幼児教育を取り入れたサービスが特徴のスポーツベイビーエデュケーショングループは、2020年11月時点で、40以上の都市に参入している。幼児業界にインパクトを与え、グローバルなビジョンを育むよう努めている。
第二子政策の段階的な開始などの国の政策に伴い、近年就学前教育は継続的にホットな話題となっている。同社は幼児業界のリーディングブランドとして、国の政策や規制を厳守し、インターネットとビジネスを掛け合わせた子供向け教育グループに移行している。
今回の参入を通して、グループ全体のモチベーション向上を目指し、より発展していくことを期待している。
出典:https://www.gymbaby.cn/Mnewdetail.html?id=6051
Etonkids「中国(産業)ロゴブランド」を獲得〜保育業界動向〜
国際的幼稚園として高品質な就学前教育サービスを提供をしているEtonkidsは、2020年(第4回)中国ブランド博鰲サミットにて、「中国(産業)ロゴブランド」の称号を獲得した。
この称号の獲得は、過去20年間の幼児教育業界におけるEtonkidsの根気強い仕事と、モンテッソーリ教育分野で蓄積された経験などが評価につながった。
Etonkidsはコロナ禍でも、オンラインとオフラインを組み合わせることで、すべての学習者たちに学習の機会を与え続けた。今後も初心を忘れず「未来への教育」という使命を貫き、国内外への発展を続けていくつもりである。
出典:http://www.etonkids.com/content/details6_4664.html
中国 GymAngelの早期教育方法が評価〜保育業界動向〜
知能、運動感覚、心理能力をバランスよく養いたい0歳~6歳の幼児を対象とし、ほぼ全ての省や市に拠点をもつGymAngelは、この度「第9回中国文化金融イノベーション会議」に招待され、「投資価値が最も高い文化的および創造的北京企業トップ50」に選定された。
この会議は2012年以来、8年連続で行われ、約3,500の企業が参加している。質の高い文化的で創造的な企業を発見することを目的としている。
今回の受賞は、 中国の家族に適した早期教育方法を模索するというGymAngelの長期的な取り組みが高く評価されたものである。同社は中国の早期教育の発展に新たな推進力を注入し続けるつもりである。
出典:http://www.gymangel.cn/show-2190.html
中国の望京支部、幼稚園経営の品質管理を受ける〜保育業界動向〜
1915年に設立され、北京師範大学に属する北京師範大学実験幼稚園の北京望京支部は2020年北京幼稚園経営の品質管理を受けた。
これは、北京の幼稚園の管理を強化し、教育全体の質を向上を目指して、子供たちの健康で幸せな成長を促進するために北京市教育委員会によって実施されたものである。
美しい園内環境、効率的で安定した教師チーム、子供向けのケアと教育、家庭との調和のとれた関係(親の満足度は98%)が確認された。この結果を通し、今後も教育レベルの維持と教育の質を包括的に改善し続け、社会により良い就学前教育を提供していきたいとした。
出典:https://child.bnu.edu.cn/xwzx/xwsd/wjfy_20161209145514340331/104401.htm
中国 雲海谷国際スポーツアカデミーの設立式〜保育業界動向〜
米国の大学と締結を結び、中国語と英語の両方で授業を行っている雲海谷国際スポーツアカデミーは、「航空飛行キャンプ」および「ユースゴルフ合宿」を正式に発足させた。
同社が開催した式典に参加した企業総裁らより「若者の健全な成長が国の未来と運命に関係し、深圳特別経済区の持続可能な発展の原動力となることを願っている」と伝えられた。
開所式では、深圳ゴルフ協会から雲海谷国際スポーツアカデミーへ「ユースゴルフチームトレーニングベース」の盾が、広東航空スポーツ協会からは、「省級キャンパス航空飛行キャンプ」の盾が授与され、正式な教育と訓練の開始を示した。
出典:https://www.piclc.com/%e4%ba%91%e6%b5%b7%e8%b0%b7%e5%9b%bd%e9%99%85%e4%bd%93%e8%82%b2%e5%ad%a6%e9%99%a2%e6%88%90%e7%ab%8b%e4%bb%aa%e5%bc%8f-%e6%9a%a8%e7%9c%81%e7%ba%a7%e6%a0%a1%e5%9b%ad%e8%88%aa%e7%a9%ba%e9%a3%9e/
2019年 中国の保育(教育)業界
中国 幼研匯、法律事務所と提携!法律リスク対策へ〜保育業界動向〜
幼稚園は小学校入学前の主な教育場として、予防が必要な法律リスクが多数ある。具体的には、幼児人身侵害事故や教師任用、教務サービス契約等をめぐるトラブルが発生しうる。これを意識し、2019年11月6日の発表によると、幼研匯は、京師法律事務所と戦略的協力契約を結んだ。
専任弁護士の龍氏は、「園長の責任は幼稚園を運営・管理し、教育水準を上げることであるが、そのほかにも、最大限に法律リスクの発生を防ぎ、法律問題に直面したときに、問題解決に立ち向うことができる点も重要である。」と述べた。
今回の契約のもとで、法律領域の専門家が集約された。さらに、幼研匯という小学校前教育のインターネットエンパワメントプラットフォームが、保育施設の安全合法運営のための高品質内容を提供し、園長たちの安全管理とリスク管理の手助になるとのこと。
出典:https://www.rybbaby.com/detail/ryb/8733.html
中国 国務院の保育サービスに対する取り組み〜保育業界動向〜
2019年5月9日の国務院の発表によると、2020年を目標に幼児保育サービスの政策法規定体系とスタンダードなサービス体系を完成させ、一部モデルとなる保育施設を建設する。2025年までに、健全な各種基準を完成させ、保育サービスの多次元、多様化が実現できるよう、保育サービスレベルの向上を目指す。
そのために、コミュニティによる保育サービスをさらにサポートする。例えば、新たな団地やコミュニティの建設時に、必ず人口規模に相応する保育サービス施設と安全施設を配置しなければならない。保育サービスの市場化を進め、公立民営や民立公助等方式で施設を完備していく。
また、保育施設の設立手順を明確させ、審査・登記等の制度を補完し、サービスの専門性を強化する。施設は実際の需要に応じ、全日、半日、時間制、臨時といったサービスを提供することが可能である。
出典:http://www.gov.cn/zhengce/content/2019-05/09/content_5389983.htm
中国 上海の保育サービス体系の整備状況について〜保育業界動向〜
2019年9月20日の発表によると、「政府主導、家庭がメイン、多方面参加」の3歳以下幼児保育サービス体系を築くために、家庭をメインとした科学教育指導を強化する必要があるとのこと。
現在上海市内には約900個の指導拠点があり、3歳以下の幼児家庭は年に6回、無料で高品質な科学教育指導を受けられるようになっている。
また、保育人員の育成を強化している。資格証明書を要するポジションにおける入職前と入職後の研修を充実させ、各区において保育サービスの指導センターを設立した。現在286名の人員を確保しており、市の保育サービス体系を構築している。
出典:http://www.shio.gov.cn/sh/xwb/n790/n792/n1070/n1088/u1ai22045.html
財政投入で幼稚園のレベルアップへ、中国 上海〜保育業界動向〜
上海の小学校前教育事業は発展が早く、公共サービス体系は基本的に完成されており、一部の指標は国際先進レベルに達している。一方、バランスが足りず、発展が不十分という問題もあり、引き続き資源供給が必要である。
上海市小学校前教育改革の目標は、2020年までに広領域に基本教育と教育クオリティを確保できる公共サービス体系を築き、2035年までに安全で高クオリティな、多様包括的な公共サービス体系を完成させることである。
そこで、財政投入を増やし、幼稚園全体のクオリティを向上させる。また、上海独自に幼稚園と保育園の一体化を促進し、教育アイディアを持続させ、社会における多様な教育提供をサポートする。
出典:http://www.shio.gov.cn/sh/xwb/n782/n1052/u1ai22454.html
保育サービス業界白書による中国の保育業界の課題〜保育業界動向〜
80年代は、保育施設が非常に多く存在した。特に都市部の大企業はほぼ全て保育施設を完備しており、福利厚生の一環として機能し、働く親たちの強い味方だった。1995年頃、全国の保育施設は26万箇所、都市部の保育施設入園率は70%、農村部が32%だった。
その後、中国経済体制の転換に伴い、現代企業制度が立ち上がり、保育施設等社会的福祉機能を企業より剥離した。1997年~2005年頃の出生率の低下もあり、保育施設はほとんどなくなった。現在中国における幼児の保育施設入園率はわずか4.1%で、都市部でも10%未満である。
3歳までは子供の発達における重要な時期であり、子供の早期発達を促進するのは、個人から見ても、国から見ても、社会的効果と経済的効果が大きい。そこで、施設数が非常に不足している点や、不十分な法規制など様々な難点を克服していく必要がある。
出典:https://www.morecarekids.com/02/46.html
まとめ:中国の保育業界
経済成長とともに人口増大に拍車がかかる中国では、保育サービスの拡充が急がれます。
様々な組織をあげて施策を行なっている一方で、現状ではまだ課題が残る一面も…
そんな業界の今後にこれからも目が離せません!
上海在住で杭州出身の中国人。一橋大学の経済学修士課程修了。日本企業でマーケットインサイト部門で就労後、中国のIT会社でユーザー研究・マーケットリサーチに携わる。コンサル業界・証券業界の友人が多いため、リサーチ関連で助けとなっている。